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4月、新入生が入学してきて一気に部活動が活気づく季節。ここでスタートダッシュに失敗して新入部員を集めることが出来ず、3年生の引退と同時に人数不足で廃部、という可能性があるような部活動および同好会は死に物狂いで部員集めに奔走する。特に我が校は星の数ほど同好会が存在するため、部活動勧誘は体育祭、文化祭と並んで三大イベントと言われているほど熱が籠っている。
かく言う野球部も死に物狂いで部員を集める必要がある立場であるが、今日の活動は既に終了していた。勧誘しようにも学園に入学してきたそもそもの男子生徒数が少ないため、もう既に一通りは声をかけたからである。練習しようにもグラウンドは普段学校の外で活動している登山部やワンダーフォーゲル部、それからたまにしか練習をしないようなスポーツの同好会がここぞとばかりに占領しており、とても硬式ボールを使える環境ではないため、数日間は部員集めが終わったら解散、という流れになっていた。
というわけで現在予定なし。かと言ってこんないい天気なのにでさっさと家に帰るのも勿体ない気もする。
「(とりあえず天気もいいし、どこかで日向ぼっこするか)」
そういえば今朝買ったジャンプもあるし、どこかでそれを読みながらポカポカするのも悪くない。そう思った俺は学校で一番太陽が近い場所を目指した。
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そんなこんなで屋上へやってきた。正直どこかの部活が使っているかと思ったが、全然そんなことは無く、人っ子一人といなかった。風もなく、ポカポカとした陽気がただただ気持ちが良い。設置してあるベンチ座り、ここへ来る途中に買ったチョコレートを齧りながらジャンプを読む。そんな至福のひと時を過ごしているときにふと思う。
「(ああ、幸せだ。風邪をひくかもしれないが、ここで寝たらさらに幸せだろうなぁ。…そもそもこんないい天気で寝ないほうが失礼か?よし、寝よう)」
そこからの誘惑に一瞬で屈した俺の行動は早かった。食べていたチョコレートを鞄にしまい、買っておいたジャンプを枕にし、ベンチに寝っ転がった。瞬間、襲い掛かる睡魔。おとなしくそれに身を委ね夢の中に誘われた。
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「~~~♪」
誰かが歌っている声で目が覚める。太陽も傾き始めていた。まだ脳みそが動いていない中で体を起こす。
「あ、やっと起きましたね、有名人」
声が聞こえたほうを見ると、よく知っている幼馴染と見知らぬ女子が2人いた。見知らぬ女の子の片方はもう片方の知らない女の子の膝で寝てるし。…どういう状況だ?そして片方の女子に手を振られたのでとりあえず振り返しておく。…知り合いだったけな。そう思いながら記憶を辿るが、すぐに面倒くさくなったため思考を投げた。
…とりあえず挨拶しておくか、野球部だし。そうして自己紹介をすると向こうもニコニコしながら自己紹介してくれた。ニコニコしているのがエマさん、寝ているのが彼方さんというらしい。どっちも3年生で先輩だった。それからリボンの色で学年を判別できるのを初めて知った。おーん。なんとなく予想はつくけど、この二人が何でいるのかを菜々…じゃなくてせつ菜に聞くことにした。