みみたぶがり   作:佐那木じゅうき

52 / 63
冴えない結末

 

「『予測』のような能力?」

 

 営野(えいの)の言葉にそう聞き返して来た太田(おおた)の横に伏していた「隠匿の神」がピクリとその言葉に反応する。

 どうやら意識を取り戻したらしい。一先ず大丈夫そうだとホッと息を零す彼女は会話を休止し、神が何か外の方を見ているのに気づいて、その方向に目を遣る。

 そこには丁度、暗い灰の髪の毛を伸ばした一人の少女が顔を覗かせている所であった。

 

曜引(ひびき)?」

 

 隣に居た太田は警戒の色を強めて呼びかけた。

 そう、今この場に居ない筈の曜引五花(ひびきごばな)がそこに居たのだから当然である。

 

 幻想世界の性質のせいなのか、かの円盤を多重に重ね合わせたような姿の怪物は変わらず外に存在しているのがここからでも分かる。では目の前の彼女は何者なのだろうか。

 

 そんな思考をしている内に、曜引の姿をした少女は片手を上げて何やら口を動かしてから少し考えるような素振りを見せて苦笑いしながら部屋に上がって来た。

 いや、普通に入って来るのかと営野は動揺した。

 

「誰です?」

「オレに聞くなよ」

 

 思わず太田に聞くも、当然知らず。必然二人の視線は何やらただならぬ表情をしながら壁にもたれ掛かっている「隠匿の神」の方に注がれた。

 曜引の姿をした少女はそんな三人を不思議そうな表情で見て、机の開いている所に腰掛けた。

 

「行儀悪いですよ、座布団に座ってください」

 

 営野がそれに若干混乱しながら言うと、彼女は素直に机から腰を浮かしキョロキョロと辺りを見回し始めたので、部屋の端に積まれていた座布団を一枚畳床に置いてやると、嬉しそうにそこに座り込んだ。

 そこにやけに不愛想な五花の面影は一切無い。

 

「コイツ絶対曜引じゃないよな?」

「ああ、この子は五花じゃないよ。此方の子供達の一人、五花と繋がりのある聶獣(じょうじゅう)だ。何でこんな姿を取っているのかは……まあ、凡そ察しが付いているが」

 

 太田の言葉に、今まで口を閉ざしていた神がそう言った。

 こんな姿を取っている。という言葉から本来は別の姿をしていると推測した営野は、しかし半信半疑で口を開き。

 

「……ええっと、つまりこの方は尾袋鼬(おぶくろいたち)なんですか? 人間ではなく」

「そうだよ」

 

 あっさりと肯定され、寧ろ情報の整理が追い付かなくなってきた営野は、隣で考える事を止め茶を飲んでいる太田をジトっと睨んでから息を吐き、ここに至るまでやけに静かな少女の方へと目を遣る。

 眠たいのか、しきりに目を擦り欠伸をしてうつらうつらと頭を揺らしているその姿は、「寿命が近い」という話を聞いていなければ寧ろ微笑ましく感じていただろう。しかし今の営野には、それが死の瀬戸際にあるように思えてならなかった。

 

「時間が、無いな」

 

 そう、ポツリと呟いた神の方を向く。

 しかし目の前の子供の姿をした存在は、眠っているように目を閉じていた。営野はそれに一瞬死んでしまったのかとギョッとしたが、僅かに肩が上下している事を確認して安堵して。

 

「今は置いておきましょう。ええっと……そう。『予測』のような力なんです。しかし、それは視られなければ使われる事はない。そう考えても良い筈です」

 

 兎にも角にも、話を詰めなければ始まらない。

 

「ん……じゃあ営野。オレがさっき言ったみたいに『隠匿』で隠れながら近づけば、問題なくそれで不可避の攻撃を与えられるって事だ。それで? 肝心の攻撃は」

「太田さん『隠匿の神通力』には最大どのくらいの効果範囲があると思いますか?」

「効果範囲?」

 

 営野は丁度両手でボールを持つかのような形を取って大田に見せる。

 

「『触った所から10尺ほど』が正解です。それ以上の物は上手く隠す事が出来ず、傍から丁度球体の形に抉れているように見えるそうです」

「お前、自分が『隠匿』持ってるって知らなかったのにやけに詳しいな……。まあ、それなら知ってるぜ。新技とか色々試してるし。さっきの戦いみたいに実際に抉ってる訳じゃなくて、あくまで見た目だけな」

「黄島由来の神様の事なら大抵知ってますよ、こういうの好きですから。まあそんな事は良いんです、先程太田さんが言ったように近づいて、『隠匿の神通力』でずらせば何とかなる……筈です」

 

 そう淡々と言った営野に、太田は一瞬納得しかけたが、額に皺を寄せる。

 

「それだけ?……無理だろ。いや、可能ではあるんだけど、効果が不明じゃん。『ずらし』た所で何が起きるんだよ」

「もしかしたら起きないかもしれません、でもあの姿。太田さん覚えてますか?」

「覚えてるけど」

「目の沢山付いた円盤が連なって、その沢山の隙間から触手があふれ出しているような見た目。その触手が生えている大本には恐らく曜引さんが居ます」

 

「いや、それって大分博打だぞ」

 

 太田が察した営野の作戦は、纏めてみればシンプルな物であった。

 「隠匿」でかの怪物に近づき、そして「隠匿」の「ずらし」で怪物から曜引五花を少しでも引き離す。

 

 幾ら怪物が「視る」事を起点とした能力を有しているとしても、隠した所で効果があるのかは不明。

 そもそも引き離された五花が何か出来るのかも分からない。

 賭けとも言い難い、余りにも勝算の無い作戦。

 

「やるか」

「ちょっと待ってください」

 

 なにを思ったのかやる気になった太田に、営野は手を上げて押し留める。

 実際の所、発案した営野もこんな粗末な作戦では通る筈がないと思っていたのだ。

 

 そもそもまだ未完成。あの怪物をどうにかする材料がこれ以上出て来ないのはそうなのだが、神通力の使えない自身は安全場所で見ているだけ。だから彼女としては少しでも成功率を上げたかった。

 それに自分で喋っている内に考えていても、今の状態では奇跡が起きない限り通らないような馬鹿げた作戦のままだった。

 

「考えましょう。これじゃ余りにも無謀ですから」

 

 営野はそう言うが、時間は迫っている。

 この様子だともう策は出ないだろう。と、太田は机に突っ伏してしまっている灰の髪の少女を見遣り、焦りを覚え、立ち上がる。

 

「おい、もう────」

 

 そんな時だった。

 

 唐突な炸裂音。

 それに伴って部屋の中の空気が暴れ回り、照明が落ちたのか暗くなる。

 太田は直ぐに上を向き、無くなった天井から覗く「数多の目」を認めた。刹那。

 

「走れっ!」

 

 視界一面の白。

 

 壁際。怪物の死角に居た「隠匿の神」は、僅かに回復させていた力を使い覗き込むそれをただ一本の触手で抉り飛ばし、灰髪の少女を引き寄せて適合者の2人に怒鳴りつけた。

 

「おい営野! やるからな!」

 

 太田はその言葉通り駆け出し、しかし営野の居る方向にそう叫ぶと縁門を開き、返事も聞かずに手早く怪物の死角に入ると、走りながら「隠匿の神通力」を使い、自らの位相をずらした。

 

 2歩、3歩。

 そして大きく踏み込んで、半壊した建物の上に一息で駆け上がり。

 

 

 そうして神を追い、白い触手を前方に向けていた怪物の背後に両手を付けた。

 

 

 

 

 

 

 

wwwwwwwwwwwww〇m

wwwwwwwwww

mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

 

 

 

 

 

 ……なんだろう、この感覚。

 頭は気持ち悪いくらいに冴えている気がするのに、なんか意識が朦朧とする。

 

 というか私、さっきまで神様と戦ってたのだけど。

 白いのが上に見えて、それで……ん? あれって向こうの触手だよね? 私、死んでる? 

 

 そっか……。

 そうか……。

 

 まあ……仕方ない気もする。

 今まで散々「隠匿」の神様に迷惑を掛けてたっぽいし、私が死ぬことで問題が解決するなら……とは思うのだが。

 こう、心構えとかさ……別れの言葉くらい言いたかった。他の人は知らないけど、お父さんも、お母さんも、(まわり)も悲しむかも知れない。先に死ぬつもりは無かったのだけど。

 

 思えばあの世界は結局、神様とかが普通に存在してたんだよね。

 神通力の種類の数だけの神様が。

 

 それだったら私が死んだ後も、皆そのまま平和に暮らして行くんだろう。

 半分以上はビクビクして過ごしていた今生も、今思えばなんとも馬鹿らしい。ビクビクしながら、そう。二回目の生を受けている癖に思春期みたいな事を考えていた。

 

 

 ────そこまで考えた所で、私の思考はブツ切れになる。

 

(あれ……私生きてる?)

 

 と思いながらも覚える違和感。

 どうも何故か私の身体を勝手に動かしている「誰か」が居るようなのだ。

 

 少し不快なので身体に力を込めると、普通に抵抗が出来るらしく動きが止まる。「両手」を使い自分がどうなってるか確かめようと輪郭をコシコシと擦ると、何かがボロボロと取れる感覚がした。

 

 んん? いや違う。これ私の手じゃないぞ。

 えっと……そう、私の手はこれだ。と、認識し直した両手を握って感触を確かめる。そうして初めて私は何か大きなものに覆われている事が分かった。

 そしてどうやら縁門(アーチ)は変わらず開きっぱなしになっていたようなので、相変らず赤々とした触手を使ってやたら分厚い前方の壁を控えめの大きさでずらして消す。

 

 そして薄暗いがようやく外側の光源を手に入れた私は、どうも生物じゃない機械のようなそれの邪魔になりそうな所を消して外に出た。

 

「曜引!」

 

 切羽詰まったような声。

 見ると、太田が土まみれで地面に仰向けになっていた。

 

 どういう事だと思い辺りを見回してみると「神域の入口」はボロボロになっているし、営野さんは泣きそうになっているし、人形態に戻った神様と廻は離れた所でこちらを見ていた。

 構図を見るに、完全になんかこの目の付いた良く分からない奴が暴れ回った跡である。そしてそれに入っていた私は……うーん。

 

「帰るか」

「オイっ!」

 

 地平線の見える方に歩き出した私に太田は勢いよくツッコミを入れた。

 現実だと意識不明の太田である。営野さんも無事そうでよかったなぁ。あー、これだって、絶対私が何かしたやつじゃん……。

 

「どういう状況なの? 私操られてたから被害者なんだけど」

「最初に言う事がそれかよ……あー……なんか曜引の中に何か変なのが居て、そいつが悪さをしたらしい?」

「えらくフワッとした説明ね……ん? 私の中に?」

「いや、中? 背後? 確かそんな感じ……っていうかもう知らねーよ。神に聞けよ」

 

 仰向けに寝たまま説明を投げ出した太田。

 釈然としないが、とりあえず泣いている営野さんの方に行くかと足を進めた所で周囲になにやら沢山の気配が現れた。

 

 尾袋鼬だ。

 何匹居るのだろう。観察してみると、どうもわらわらと動かなくなった眼付きの機械から出て来ているらしい。

 

 それが私の周りを取り囲んでいた。

 

 私が奪った覚えのない尾袋鼬達。必然「誰が」彼等に指示を出していたのかは何となく分かった。だから、私が今言うべき「最適解」はこれだろう。

 

此方(こちら)に付きなさい」

 

 そう言うと、群れは分かりやすく動いた。

 頭を頻りに動かして、周囲をキョロキョロと見ているのが半分くらい。残りは私の足元にてくてくと歩いて来て、どこかに消えた。

 消えたのは多分「私の支配下」になった。なんだか分からないけれど、分かる。

 

 どういう事だろう、何だか頭が冴えわたってて凄い。

 だから急に襲い掛かって来た沢山目の付いた機械も、余裕を以って対処することが出来た。

 

 ただの鉄くずのようにそこに佇んでいたのがいきなり私を潰そうと襲い掛かってきたのだ。「ずらして」も生きているような気がしたので、縁門(アーチ)から出した全ての触手を合わせて、細かくずらして木端微塵にする。

 

 そうして粉のようになった機械は地面に降り積もって灰のようになり。

 後にはもう何も残っておらず、同時に私の気持ちの悪い冴えも無くなった感じがした。

 

 この後、どうすれば良いのか。

 その「最適解」だけを頭に残して。

 

 

 

mm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうして?』

 

『どうして?』

 

『どうして?』

『どうして?』

『どうして?』

 

『どうして?』『こわい』『こわい』『どうして?』『こわい』『ゆるさない』『ゆるさない』『こわい』『こわい』『どうして?』『こわい』『どうして?』『ゆるさない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうして私はこんな所に居るんだろう。

 

 小さい頃、大抵は1人で居る時、漠然とそう思っていたのを覚えている。

 第二の人生……だなんて割り切る事も出来なくて、ただ前世に残して行った仲間達(後悔)を思い出しては、胸が苦しくなったから。

 

 せめて自分に出来る事をと色々と頑張ったつもりではあったけど、どれもこの心残りを埋める術にはならず苦しくて、自分がここに居る意味を見付けられないまま中学生にまでなってしまって居た時。

 

『おかえり五花』

 

 帰宅した私を、聞きなれない不思議な声が迎えた。

 玄関に居たのは家を出入りしている(まわり)だけで、後から出て来た母親の話を聞いて、それで漸く目の前のこの獣が喋っているのだと理解した。

 理解したけれど、意味は分からなかった。あの身体のどこから声が出ているのかも不明だし、本人に聞いても自分でも分からないようだった。また訳の分からないファンタジー要素が増えたと頭を抱えたくなったけど、もう産まれて十年以上も経っている頃であったので、私は開き直る事にした。

 

 今まで一緒に過ごしていた思い出の話をした。結構雑に対応していたのですこし気まずくなった。

 私が学校でのなんでもない出来事を話した。何故か廻が知っている話があって、聞くと度々忍び込んでいるようだった。

 廻が入り浸っている麓のお祖母ちゃんの家での話を聞いた。やっぱりお祖母ちゃんはかなり廻を可愛がっているようだった。

 ラジオやテレビの話をした。廻は昼ドラをよく観ているようだった。あと、私と父親がニュースや政治討論ばかり観るのを廻は不満に思っていた。

 そうやって寝る直前まで夢中で会話し、私達は布団の中でいつの間にか眠ってしまっていた。

 

 ああ、私って今までずっと寂しがっていたんだな。

 

 そう、眠る間際に初めて分かって。

 目が覚めた後、どこまでも利己的な祈りをしていた自分に苦笑いしながら、寝ている廻の頭をゆっくりと撫でた。

 

 (まわり)尾袋鼬(おぶくろいたち)だ。

 私が成人してくれるまで生きていてくれるかも怪しい、そういう種だった。

 

 例え私が「神憑き」だから懐いてくれているのだと、そうだとしても、少なくとも私の方はもう廻は大事な家族の一員で、大事な存在だった。

 だから「その日」が来るのがたまらなく怖くなっていたのだけど、いざその終わりを告げられた時「そうなのか」と、それだけしか言葉が出なかった自分を意外に思って、ショックだった。それが前世で何度も覚えた感情と同じだという事に気が付いたからだ。

 

 身近な死に慣れてはいけない。その気持ちは間違っている。

 「命の価値は、重くなくちゃいけない」。

 

 平和な世界で、値段が付けられないくらいに、尊く、かけがえのない物じゃなければいけない。

 だから私は彼女を最後まで惜しみながら看取らなくてはならない。

 

 

 そう、思っていたのに。

 

(まわり)

 

 声を掛けると、目の前の私の姿をした廻はゆっくりと目を開き、目だけでこちらの方を向いた。

 

「私は、貴方が幸せに生きて、それで最期には、穏やかに眠って欲しいと思ってた。……だけど、だけどさ。ふざけた事に、どうにかなる手段が見つかったみたいで、分からなくなったの。ねえ、その姿」

 

 言いながら、傍に居た「隠匿の神」の方を見て、そうして開いた両の手を見つめる。

 私が本来持っていたらしい「神力の源泉」。その残滓である白い円盤のような形をした光がぽつぽつと現われ、同時に出した小さな、しかし一際強い輝きを放つ「白い線」で一つに纏める。

 

 やり方はさっきの気持ちの悪い「冴え」が教えてくれた。

 

「何時からかは分からないけれど、貴方には元々私の一部が入っていたみたい。そのせいで言葉も話せるし、「隠匿」が使えるくらいに神様からの繋がりも強固な物だったんだと思う。だから廻。私と似た魂をしている貴方にだけ、これを渡すことが出来る。……「隠匿」の権能、そして私の少しの寿命」

「!」

 

 そこまで言ったら廻は目を見開いて、僅かに身体を後ろに反らせた。

 

 何か変な事を言っただろうか。

 そう考えていると、後ろから背中をパチンと叩かれた。「隠匿」の神様である。

 

「言葉が足りないよ五花。……気にするな、それを其方が受け取ったとてこの化け物の本来の寿命など、毛程も減らないからな」

「あのぉ、いい加減化け物って言い方やめてくれません?」

 

 一応、苦言を呈するが、聞くつもりは無いとばかりに顎で続きを促してくる神。

 クソ……まぁとはいえ、神様もこれからする事を認めてくれるらしい。

 

「こんなの、命を冒涜している。価値を貶めている。『運命を捻じ曲げている』。だからこれは私の我儘。だけどもし、もし貴方がもう少しだけ生きても良いと思ってくれるのなら……いや、違う」

 

 ここまで言って思い出した。私は神憑きで、廻は聶獣である事実。

 無条件で懐いてくれているのだろう存在に対し、「お願い」という体にするのは、余りにも卑怯だと、そう思った。

 

 

「つまり、こう言いたいの。『私の為に、受け取っ────あ!?」

 

 だけど。

 

 言い切る前に私の手元から白い光を取り上げた廻は。

 流れるようにそれを口の中に放り込んでしまって。

 

 少しばかり、その場に沈黙が流れた。

 

 私は廻の後ろに居た営野さんと顔を見合わせて、それからもう一度廻の方に視線を移す。

 

「……ははは、いい食べっぷりだよ」

「なんというか私、凄い場面に立ち会ってませんか?」

「今更だなーッ!」

「最後まで言わせてよ……」

 

 「隠匿」の神様は笑っているようだった。

 相変わらず現実逃避気味に営野さんが呟いて、太田が仰向けに倒れたままヤケクソ気味に叫んでいる。

 

 歯応えでもあるのか何故か咀嚼している廻の顔から目線を外し、周りをふと見遣ると、半分くらい苦笑いだけど、皆一応笑っていた。

 

 どうにも締まらない終わり方である。

 だけど「最適解」を選ばなくて良かったな、と。そんな事を思いながら。

 

 幻想世界がカチャカチャとパズルのように創り替わっていくのを私達はただ、眺めているのだった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。