以前某所に別名義で投稿していたssを微修正したものになります。
何気にこれが自分の初ルディ子ssだったり。
旧題:「叱られルディ子」
長文タイトルを付けてみたかった……深い意味はないです。
※以下注意事項↓
新婚期、妹編の直前くらい
ルーデウス→ルーディア
シルフィエット→シルフィアス(♂)
直接的な現場の描写はありませんがHな話題がありますのでご注意ください。
R-15くらい?
シルフィと結婚してから数週間が経つ。
彼はいつもアリエルの護衛で忙しそうにしているが、その合間を縫って私との時間を大事にしてくれようとしている。
一緒にいる時はとことん甘えさせてもらっているから、この間なんかはナナホシから「他所でやりなさいよバカップル」と言われてしまった。
夜の方も順調だ。帰宅して夕飯と入浴を済ませた後には体力が無くなるまで組んずほぐれつ、それこそ猿みたいに求め合っている。
まさに順風満帆な夫婦生活。これまでとは打って変わって幸せ絶頂有頂天な性活、あいや生活に、私の表情筋はだらしなく緩んでいた。
だが、初夜を迎えてから幾度となく身体を重ねている内に、私はある事に気が付き危機感を覚えていた。
それは、いつもの行為をシルフィが物足りなく感じてやいないかということだ。
彼はブエナ村ではパウロに剣術の指南を受け、転移事件の後にも弛まぬ研鑽を積み、魔法剣士として王級にまで匹敵する実力を身につけていた。
当然、魔術に傾倒している私よりかは体力の限界値も高い訳で、行為が終わる時にはいつも私の方からダウンしてしまっている。
私は限界まで動いた疲労感と愛された満足感に包まれながら眠りに付いているが、もしかしたらシルフィには物足りなく思われているのではないか……。
そんな疑念が、ふと頭をよぎったのだ。
男とはスケベなもので、口にはしづらいあんな事やこんな事の一つや二つ、やってみたいと思っていながら何食わぬ顔で過ごしているものだ。妄想力が活発になる年頃ともなれば尚更だし、それは経験則で分かっている。
だが、シルフィはいつも私が果てるのに合わせてくれて、そういったイケナイ願望の類を口にしたことは一度たりともない。
もしかしなくても、私に気を遣っているのだろう。
それは良くない事だと思った。
今は上手くいっていても、そうした小さな我慢が積み重なって、いずれは私の元から居なくなってしまいかねない。
せっかく一緒になれたのに居なくなられるかもしれないなんて、その可能性があるだけで辛い。
なので私は今晩、いつもとは違った趣向でシルフィを誘ってみる事にした。
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今となってはどうあっても叶える事のできない生前の願望。
十数年も煮込み続けたいつかやりたいと思っていた変態プレイ、その内の1つを試してみたのだが、効果はあったと思いたい。
シルフィは、普段とは異なるプレイに最初こそ戸惑っていたが、いつもより激しく求めてくれたし、心なしかいつもよりも体力を使っているように見えた。
「はぁっ、何だか今日のルディ……凄かったね?」
「はぁ、はぁ……、んふふ。満足して貰えたようで嬉しいです。
あ、明日も期待しててくださいね……?」
「う、うん……」
そんな会話をして、翌日、翌々日と少々アブノーマルなプレイを続けて敢行したが、これは良い。シルフィがちゃんと満足してくれているのがわかるし、私自身もご奉仕できて大満足。まだまだ試していないプレイは数多くあるし、こうしているうちは飽きられて捨てられることもないだろう。マンネリからの倦怠期、そのままお別れなんて事態の心配はしばらくなさそうだ。
よし決めた。
これから何日かかるかは分からないが、前世で私がやりたかったエロいことを全部シルフィにしてあげよう。
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「シルフィ、今日なんですけど、この手錠と目隠しをつけて……」
「……ねえ、ルーディアさん?」
そんな決意と共に、不安が紛れて少し調子に乗っていた頃。
「? どうしたんですか?」
「その……最近、無理してない? 今日はお休みしてさ、たまには、一緒に添い寝するだけの日があっても良いんじゃないかな……?」
シルフィが申し訳なさそうな顔をしながら、よそよそしくもそんなことを言った。
今日はお休み。添い寝だけ。
「えっ?」
つまり、今日はシたくないと言われたのだと、一拍遅れて理解が及ぶ。
一瞬で頭が真っ白になった。
「あの……ほら、寝る時にルディが色々してくれるのは嬉しいんだけど、ルディにばっかり負担があるような気がしてさ。たまには身体を休めて────」
「ご、ごめんなさい……。そうですよね、流石にこんな変なこと、嫌ですよね……」
「る、ルディ?」
直前まで盛り上がっていたピンク色の脳内が、瞬く間に灰色に変わっていく。そうか、シルフィ、実は嫌々付き合ってくれてたのか……。
思えば、ここ最近やっていたあんな事やこんな事は、ぜんぶ○貞として生涯の幕を下ろしたクズニートの歪んだ願望だったものだ。いくら男だからと言ったって、優しくて紳士的なシルフィがそれを押し付けられても嬉しいはずが無かったのだ。
それを私は、こうすれば良いんだと決めつけてシルフィの気持ちも考えずに……。
「そうですね、きょ、今日はもうこのまま寝ちゃいましょうか。
あ、シルフィは明日もお仕事でしたよね、疲れてるのに毎日毎日すみませんでした……」
「ま、待ってよルディ、ちがうんだよ」
生まれ変わっても所詮私は相手の気持ちを考えられないクズのままだった。そう思うと途端に自分が情けなくなって、泣きそうになってしまった。泣き顔を見られたくなくて、今日はもう布団を被って大人しくしていようと思ったところで、シルフィに肩を掴んで引き留められた。
「嫌とかじゃなくてさ。
ルディと、その……えっちできるのは、ボクも凄く嬉しいんだよ。
好きな子が毎日一生懸命シてくれるなんて、こんなに幸せで良いのかなって思っちゃうくらいで……何言ってるんだろう、ええと、そうなんだけど、そうじゃなくて」
シルフィはあたふたとしながら、何かを伝えたい様子で耳をぱたぱたとさせていた。なんだろう。
別れ話とかじゃ無さそうだが……。
「その、つまり、ルディに無理して欲しくないんだ。
どうしてかは分からないけど、最近何かと工夫しようとしてくれてるでしょ? でも、ボクとしては、前みたいに普通にするだけでも十分というか、ルディをじっくり気持ち良くしてあげたいというか……」
「ま、満足出来てないんじゃなかったんですか?」
「へ?」
「だって、いつも私の方が、シルフィよりも先にばてちゃうから……」
そう言うとシルフィはキョトンとして、少しだけ不機嫌そうに表情を変えた。や、やらかしたか? やっぱり別れを切り出されるか?
「もしかして、それで無理してたの?」
しかし、シルフィの口から出たのは違う言葉だった。
恐る恐る頷いて肯定すると、彼はハァとため息をついて呆れたように言葉を続けた。
「なら、それはとんだ勘違いだよルディ。毎日こんなにか、可愛いお嫁さんを抱いて、満足出来ない訳が無いじゃないか。
そうじゃなくて、ボクはルディに無理をして欲しくないだけなんだよ。ルディはもっと自分のことを大事にしてよ」
シルフィは両手を伸ばしてくると、私がそっぽを向けないように頬っぺたを抑えた。端正な顔立ちに至近距離から見つめられて、自分の盛大な勘違いに気付いた上でできる返事は一つだけだった。
「ひゃ、ひゃい……」
「うん、分かったならよろしい」
シルフィは一転してニコっと笑うと、そのまま頬に手を添えてキスをしてきた。
「ん……」
数秒間の口づけを終えると、シルフィは思い出したかのように付け加えた。
「あ、それと明日はボク休みだから。
さっきはああ言ったけど、やっぱり今夜は寝かさないよ」
「え……きゃぁ」
その言葉を皮切りに、優しかったシルフィはオオカミに変貌した。
ただし、執拗に私のことを気持ちよくしようとする意志だけは感じられたので、私はされるがままに一晩を明かした。
まあなんだ。
シルフィには勝てなかったよ……。