元メスガキさんをお持ち帰りした件   作:黒樹

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ホワイトデー前夜

 

 

 

その日は、珍しく愛理よりも早く仕事が終わった。

だから、なんとなく愛理を驚かせたくなって彼女の勤める会社の前で出待ちをすることにした。

業務終了から十分。会社から出てくる人が多くなり、その中に見慣れた赤茶色の髪を見つけて俺は声を掛けようとした。

 

「あい–––」

 

–––その隣に親しげに話し掛ける男がいなければ。

 

モヤっとした黒い感情が渦巻く。それが醜い感情だと理解はしているが、止められないのが感情というものである。

ありもしない妄想が生まれる。愛理があの男とそれなりに親しい仲なんじゃないかという、不安からくる妄想が。

 

色眼鏡とは不思議なもので、愛理に限ってそれはないとわかってはいるものの不安は拭えない。

 

たとえ愛理が迷惑そうにしていても、不安からくる嫉妬は俺の中にある感情をぐちゃぐちゃに掻き混ぜた。

 

「あ–––」

 

ふと愛理が俺に気づいて、嬉しそうな笑みを見せる。

 

「すみません。彼が待っているので失礼します」

 

わざと周りに聞こえるように大声で言って、愛理はパタパタと逃げるように駆けてきた。

僅か数cmという距離まで近づくと、見せつけるように俺の腕に抱きつく。これ見よがしに腕を胸で挟んでこれに触れるのは彼だけなんだぞとアピールして、男の方を牽制しているようだった。

 

「迎えにきてくれたの?」

「あぁ、早く終わったからな」

 

男の方など最初から眼中にもなかったようで、愛理はもう既に男の存在など頭の片隅にも残っていないようだ。

 

……勝手に嫉妬していたことがバカらしくなってくる。それでも棘が刺さった痕には、小さな傷ができていた。

 

「ねぇ、早く帰りましょう」

 

嬉しそうに腕を引く愛理と一緒に帰路を歩く。

温かく、柔らかい感触に包まれて、俺は幸せだった。

ここが外じゃなかったら、もっと堪能するのに……。

さっきまでの黒い感情が、余計に俺の欲望を増幅させる。

 

「ただいま–––っ!?」

 

家へ帰り着いた瞬間、鍵を閉めて愛理の唇を奪った。

つい我慢ができなくて、急なことだったのに彼女は一瞬驚いた顔をするも嬉しそうに舌を絡めてくる。

数分にも及ぶ、激しいキス。

それを何度も繰り返しながら、彼女のおっぱいへと手を伸ばした。

 

「ねぇ、なんだか今日激しくない?」

「いつも通りだろ」

 

彼女の弱いところを刺激して、ロングスカートの中に手を伸ばす。

度重なるキスと愛撫を繰り返して、その気にさせた愛理のパンツを剥ぎ取った。

 

「ねぇ、ちょっと、ここ玄関だし……」

 

口ではそう言った愛理も、期待しているように見える。

都は玄関へ出てこない。何が行われているか知っているからだ。だから、邪魔されることなく愛理を堪能することができる。

 

「一回だけ。頼む。今はすごい抱きたい気分なんだ」

「……も、もう、仕方な–––っ」

 

ダメ押しにもう一度唇を塞いで、愛理に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終えて、リビングで二人ゆっくりとする。

食後の珈琲を口にしながら、寄り添いながら俺達は夜の時間を過ごしていた。

 

「もう、あんたのせいで色々とお腹いっぱいなんだけど」

 

口では文句を言いつつも、愛理は身を寄せてくる。

でも実際は、もじもじと太ももを擦り合わせて、おかわりを要求しているようだ。

早くお風呂やベッドで可愛がって欲しい。

そんな彼女の甘えたがりなところが、色気として表に出ている。

 

「動けないならベッドに連れて行ってやろうか?」

「べ、ベッドって……もう」

 

満更でもない様子で、愛理が頰を赤くする。

抱き寄せるように腕を回して、胸を鷲掴みにして揉みしだくと次第にとろんと蕩けた表情を見せた。

 

「ねぇ、ちょっと手つきがいやらしいんだけど」

「そりゃいやらしいことしてるからな」

 

リビングのソファーでイチャイチャしていると、キッチンからしていた皿洗いの音が止む。

 

「そういうのはベッドかお風呂でやってください」

 

皿洗いをしていた都が、リビングへやってくるとジト目で注意してきた。

 

「いいじゃないか。おっぱいくらい」

 

そういえばそのおっぱいで思い出したことがある。

 

「そういえばおまえのおっぱいも大きくなったよな」

「そりゃあ私も日々成長してますからね。揉まれたり、いやらしい視線にさらされたり、要因には事欠きませんから」

「私が育てました」

「自信満々に言わないでください」

 

俺の頰を愛理が引っ張る。

 

「そういえばお兄さんとお姉ちゃんはお休みなんですよね?」

 

愛理とは反対側に座った都が、羨ましそうに言う。

明日は三月十四日。ホワイトデーだ。

同窓会の件もあって、有給を使って明日は一日デートをすることにしたのだ。

 

「ええ。同窓会の前にデートするの」

 

とても嬉しそうな笑顔で、愛理は俺の頰にキスをする。

 

「……愛情が溢れちゃってますねぇ」

 

惚気る姉に呆れた様子で、都はしみじみと呟く。これから先起こることを理解しているようだ。

 

「まぁ、玄関で襲っちゃうあたりお兄さんも辛抱できないようですが」

 

バッチリ玄関先でのことは気づかれていたようだ。俺は無言で視線を逸らす。

 

「いや〜、愛理のおっぱいは柔らかいなぁ」

「直接触った方がもっと気持ちいいわよ」

 

そう言って、服を捲り上げて下着を見せつけてくる。

 

「今更ですけど、妹の前で何やってるんですかねぇ」

「「だって、今更だし……」」

 

愛理と声が重なると、都のジト目が突き刺さった。

 

「私が我慢するのどれだけ大変かわかってるんですかね」

「我慢せずに誘惑してくるくせによく言うな」

「それでおっぱいとか触っちゃうあたり、お兄さんも悪い大人ですよね」

 

返す言葉もない。俺は現実逃避するかのように愛理のおっぱいに顔を埋める。

 

「……ほら、男も女もおっぱいは大好きだろ。人類皆大好きなんだよ。みんな乳で育つんだよ。原点回帰だ原点回帰」

「んっ。もう、ちょっと顔埋めたまま喋らないでよ。擽ったいんだけど。それに赤ちゃんはこんなやらしい触り方してこないし」

 

抗議の代わりに愛理は愛おしそうに俺の頭を抱きかかえ、ぎゅっとしてくる。

 

「……色々と邪魔だな」

 

彼女のおっぱいを包むブラジャーも、下半身を隠すロングスカートも。全部脱がしてしまいたい衝動に駆られる。

 

「もうお風呂入る?今なら裸で抱き合う特典が付くけど」

 

待ちきれないのは俺だけではなかったらしい。

俺は愛理を抱っこして、風呂場へと向かった。

 

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