元メスガキさんをお持ち帰りした件   作:黒樹

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夏休み回を続けようかと迷いましたが、ハーレムルートでやることなくなるので十月に飛びます


trick and treat

 

 

 

十月三十一日。夏の暑さもいつの間にかなりを潜め、秋かと思えば冬の寒さを秋風に感じる。

春夏秋冬。四季と呼ばれるが、最近春と秋が迷子気味であるが、今日も今日とてうちは冷房が全開だった。一足早い冬の到来である。

 

「ピナは冬でも平気そうだなぁ」

「ピィ♪」

 

むしろうちのピナは夏が苦手なので、冬が一番生き生きしている季節といえよう。

冬は薄氷の浮いたプールに飛び込むのが大好きで、冬といえどうちのプールは年中無休稼働している。それを整備する俺は、ゴム靴を履かなければ掃除すらできやしない。

 

–––ガチャ。パタン。

 

ソファーに寝転びながらピナを撫でていると、リビングの扉が開いた音がした。

首筋を撫でられてご満悦だったピナが、その音に反応して首を伸ばす。

 

「!–––クワァッ!?」

 

そして、何を見たのか驚いた鳴き声をあげて、俺のお腹の上で暴れ出した。

 

「どうしたピナ?」

 

何を怖がっているのかピナは、俺の服を嘴で器用に捲って潜り込む。ガタガタブルブル震えてピィピィ鳴くのでよっぽど怖いものでも見たのだろう。

俺はそんなピナの様子を怪訝に思いながら体を起こし、そこでソファーの裏に立つ気配に振り返る。

 

「「……」」

 

かぼちゃ頭の包帯を巻いた女がいた。かぼちゃやカブをくり抜いて作るジャックオーランタンと呼ばれる飾り物を被り、身体には包帯をぐるぐる巻きにした女が。

 

「一応聞くけど、誰だおまえ?」

 

容疑者は二人。片桐か都だ。まず間違いなく、こんなふざけたことをやるのはこの二人のどちらかしかいない。

そしておっぱいの大きさや形から察するに、都だと断定する。

 

「……」

「取り敢えず、ピナが怯えてるからそのカボチャとれよ」

 

そう言うと、ようやくカボチャ包帯女はカボチャヘッドを取った。

 

「……先輩驚かそうと思ったのに、全然驚かないので面白くないです」

 

思った通り、かぼちゃの下からは都の顔が出てきた。少し不満そうに頰を膨らませる彼女は、ジャックオーランタンをソファーに置いて、隣に座ってくる。

 

「怖いっというより、どちらかというとエロいし」

「えー、先輩どういう目で見てるんですか?やらしい」

「狙ってやったろ」

 

どこからどう見てもえっちな要素しかない。

包帯の下には、きっと何も着てない。素肌の上に直接巻いているのだろう。

もし解けでもしたら、大惨事である。

 

「それよりなんでそんな格好してるんだよ?」

「先輩、今日はハロウィンですよ。先輩だってえっちな格好したお姉さん見てたじゃないですか」

「いたな、コスプレしてる人」

 

そういえば街中でコスプレしている人を何人か見かけたような気がする。だが、えっちな格好しているお姉さんをガン見した覚えはない。二度見はしたが。

 

「それでおまえもその格好で参加しようと?」

「するわけないじゃないですか。出会って三秒で路地裏、ホテルに連れ込まれますよ。いいんですか先輩は?」

「それは困るな」

 

しばらくして落ち着いたのかピナが出てくる。そして、包帯女を見て暴れ出した。

 

「ピギャー!ピギャー!」

「あぁ、落ち着け。ほら、怒るのはわかるけどな」

「……めっちゃキレてるんですけど」

「そりゃおまえが悪い」

 

包帯カボチャ女の正体見たり、である。嘴を伸ばして突いてやろうと暴れるピナを、俺は抱き上げて宥めすかした。

 

「……もう大丈夫そうだな」

 

おとなしくなったので床に下ろすと、ピナは不服そうに都の足首を突いた。

 

「あ、ちょっ、ピナちゃん!解けちゃいますから!」

「よし、もっとやれ。俺が許可する」

「あ、ちょっ、ほんとダメだってば!」

 

ピナが包帯を嘴で摘み、引っ張ると解ける。

足首の包帯が一部解けただけであら不思議、ふくらはぎまでの包帯が緩んだ。

そこで飽きたのか、ピナはそっぽを向いてペンギンシェルターへと帰っていった。

 

「……はぁ。酷い目にあった」

 

包帯を巻き直して、都が嘆息する。その瞳だけは、警戒するよう俺に向けられていた。

 

「なんで俺を睨むんだよ」

「いえ、今度は先輩に全部解かれそうなので」

「しねえっての。勿体無い」

「それはそれでなにする気ですかね」

 

–––それはあとのお楽しみである。

 

「まぁ、いいですけど」

 

何をされるのか理解しているのか、都の頰は赤く染まっている。そのまま彼女は俺に覆い被さって、こう呟いた。

 

「そういえば言い忘れていました。トリックオアトリート♪」

 

ハロウィンで有名な、「お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ」である。

イタズラが何をする気なのか不安要素だが、都がどんなイタズラをするのか興味がある。が、素直にイタズラされるのも面白くない。

ここはお菓子を差し出そう。

 

「カシューナッツでいいか?」

「それ先輩のおつまみじゃないですか。却下です。それじゃあイタズラですね」

 

どうやらカシューナッツは都のお気に召さなかったらしく却下されてしまった。

そうして都は、宣言通りにイタズラを敢行する。

 

「ちゅっ」

 

頰に軽く口付けを落として、熱っぽい視線を向けてくる彼女は、照れ臭そうにはにかむ。

 

「……イタズラ完了です」

「物欲しそうだが?」

「気のせいですよ。私そんなえっちな子じゃないので」

 

どうやら太ももを擦り付けてくるのは無意識らしく、都はそのまま俺の膝の上に居座った。

 

「『トリックオアトリート』」

「……先輩仮装してないじゃないですか」

「つってもないしな、仮装道具。裸でコートでも着るか……」

「それだとただの露出狂の変態じゃないですか」

「じゃあ、上だけ脱いで何故か服が破ける主人公とか」

「露出の線から離れてくださいよ」

 

そう言われつつも、俺は脱いだ。すると都の頰の赤みが増してしまった。そのまま目を泳がす彼女は、逃げ道を探すように言葉を重ねる。

 

「えっと……イタズラかご馳走なので、晩御飯に何か作ればいいですかね?」

「ご馳走ならここにあるだろ」

 

都の腕に巻かれた包帯を解く。そして、再び–––今度は、両腕の包帯を結んだ。

 

「えっ、あの、腕が動かないんですけど」

「ほら、抵抗しないともっと酷いことになるぞ」

 

抵抗が出来なくなった都のおっぱいに手を伸ばして、包帯に指を引っ掛ける。

 

「あ……その、そこ緩めたら……」

 

俺は遠慮なく包帯をぐいっと引っ張った。すると包帯が緩み、隠されていた見えてはいけないものが顔を出す。羞恥に顔を真っ赤にした都は、必死に顔だけを逸らす。

 

「さて、と。それじゃあ寝室に移動するか。ここじゃ寒すぎるし」

「あ、あの、片桐先輩とか他の人は……?」

「今日は来ないよ。朝まで二人っきり」

 

そう。朝まで–––たっぷりイタズラをした。

 




最近寝ても疲れ取れないんですよね。困ったことに
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