元メスガキさんをお持ち帰りした件   作:黒樹

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一番やばいルート始まっちゃいました。
序盤は志穂さん視点、後半で直人君視点を予定していますが、場合によっては志穂視点だけになってしまうかもしれません。
みなさんお忘れかもしれませんが、鹿島父の性癖が拗れたらという同人誌と昼ドラも真っ青な世界線です。


NTR√鹿島志穂
崩壊の序曲


 

 

 

夫が一週間の短期出張に出ているある日。私は夫の書斎を掃除していた。

長女である愛理は、結婚して正式に直人君の家へ。

次女である都は、気分で姉夫婦の家にお泊まりすることが多く、最近はほとんど姉夫婦の家に入り浸っていて、今日も二人の新婚生活にお邪魔している。

長男である京介は、部活で練習試合に行っていた。

だから、今日この家にいるのは私一人。

休日を一人満喫するため、午前中に家事を終わらせて午後はゆっくりしようと算段を立てているところだった。

 

夫の書斎は普段使われることがないため、散らかる理由がない。あるのも本棚とソファーとパソコンくらいで、窓際の掃除と掃除機をかけるだけで簡単に済ませる予定だ。

 

最後に掃除機をかけるために階下から掃除機を二階に運び、コンセントに挿してスイッチを押す。

騒々しい掃除機の音が鳴り始め、隅から隅まで綺麗にする。

ソファーの下に入る程ではないので、屈んで拭き掃除用のモップを下に入れた時だった。

 

–––カコッ。

 

そんな音を立てて、モップが何かに当たった。

 

「何か落ちてるのかしら?」

 

モップの先で器用に落ちているものを引っ掛けて横に押し出す。すると出てきたのはDVDケースだった。

 

「なにこ…れ……ッ!?」

 

出てきたのは私に似た雰囲気の女性が半裸で男に媚びる卑猥なパッケージのDVD。しかも前のと違うタイトルだ。

 

物を大切に使う夫にしては珍しい失態。

呆れるやら、私という存在がいるのに他に目を向けられるのが悔しいやらで、綯交ぜになった感情は私にモヤモヤを募らせる。

 

「……増えてるってことは、他にもある可能性はあるわよね?」

 

誰に聞くでもなく一人確信して呟く。

そうして、私は掃除を中断して家捜しを開始する。

 

そうしたら夫の書斎からたくさんのDVDが出てきた。

結果的に、同様の品が二十本ほど。全部NTR系のAV。

 

私はこの事実を受け止めて、夫の歪んだ性癖にショックを受けたし、隠して買っていたことにも腹を立てていた。

 

「……っ」

 

裏面には、淫らに乱れる女優の姿。

それを見て、私は少しだけ羨ましいと思ってしまう。

同時に思い出すのは、バレンタインの日。直人君の家に家出した日に見た、娘夫婦の激しく淫らに乱れる交尾の姿。

 

私は今までしていた掃除を放り投げて、ストレス解消に濡れた体を一人慰めた。幸いにも今日は、一人だったから。

 

 

 

 

 

 

「あなた、話があるんだけど」

 

短期出張が終わって夫が帰ってきた日。

夕飯を食べて、お風呂に入って、歯も磨いて、あとは寝るだけとなった寝室で私は夫ににっこりと詰め寄っていた。

 

「なんだい?今日は疲れているから早く休みたい……君がもっと話したいっていうなら、吝かではないけど」

 

夫は笑顔を見せるけど、その顔は本当に疲れているようだ。それもそのはず出張先から長時間の移動を終えて帰ってきたのが今日のことだから。

 

–––だけど、私は逃がさない。

 

「これのことなんだけど」

 

ベッドの下につけられた引き出しを開ける。すると収納スペースから、予め移動させておいた夫のAVのコレクションの数々が全部姿を現した。

 

「!?」

 

「それがなぜここに!?」と言わんばかりの表情で、夫の眠そうな顔が覚醒する。

 

「これはどういうことかしら?」

「あ、いや、それは……」

 

驚き後ずさった夫が、高いところに掛けてあったビジネスバッグに当たる。

普段夫が使っているビジネスバッグは床に大きな音を立てて落ち、衝撃で中身をぶち撒けた。その中には黒いビニール袋に包まれた四角いケースが。

 

「あら、これは何かしら……?」

「そ、それは会社の資料で……!」

 

社外機密だ見るなという夫の無言の主張を跳ね除け、私はビニール袋のテープを剥がして中身を取り出す。

 

また新しいNTR系のAVが出てきた。

 

「これが社外機密かしら?確かにこんなものが流出したら大変ね」

 

会社でNTR好きのど変態というレッテルを貼られることだろう。いっそのこと女性社員に引かれでもしたら面白いのだけど、私にも被害が及びそうなので喜べる状況じゃない。

 

夫は気まずげに顔を伏せていた。

 

「いや、その……」

「別にダメだって言ってるんじゃないのよ。あなたのEDの治療は手伝ってあげたいし、応援してるもの。それでしか興奮できないなら仕方ないじゃない」

 

私だって娘夫婦がしているのを興味本位で覗いたことがあるし、責められるような立場じゃない。

ストレス発散に自慰行為に耽る時も、だいたいはあの日のことを思い出している。

 

夫は私の一言で理解を得られた思ったのか、その顔を上げて、真っ直ぐにこちらを見た。

 

「……」

 

その顔には、僅かな迷い。葛藤。興奮。

首は真っ赤だし、唇が震えている。

忙しなく目が泳いで、彼は床に膝をついて正座をした。

夫は膝に手を置いて、緊張した様子。

 

「……頼みが、あ、るんだ」

 

声が震えるほど、本当に緊張している様子だった。

瞳孔が開いているようで、少し怖いけど。

彼は荒い呼吸を繰り返して、意を決したように口を引き結ぶ。

それから僅かに視線を下に逸らして、私の夫はまた黙る。

 

「なんでも言って。私達夫婦でしょう?」

 

隠し事はなしって、遠い昔にそんな約束をした気がする。

その当時の気持ちを思い出して優しく声を掛けると、夫は閉ざしていた口を開いて、

 

 

 

「–––君が他の男に抱かれている姿が見たいっ」

 

 

 

その願望を口にした。

 

「…………え?」

 

最初、私は夫が何を言っているのかわからなかった。

聞こえなかったわけじゃなくて、言われたことが信じられなくて、理解できなくて。

 

妙に興奮した様子の夫は、血走った目を私に向けていて……それがどうにも怖くて仕方ない。

 

「……」

 

あの人がこんなにも恐ろしく感じたのは初めてのことだった。

 

大事な妻を他人に抱かせたいだなんて、はっきり言ってどうかしてる。–––いや、あの人にとって私はもうどうでもいい存在なのかもしれない。

 

「……っ」

 

心臓が杭を打たれたように痛い。

その痛みが、私の心に亀裂を生み、身を引き裂く。

その隙間から、温かい何かが漏れて……。

その度にだんだん心が冷たくなって、心が凍える。

 

「……い、嫌ならはっきり言って欲しいんだ」

 

夫は気遣うように言ったけど、その言葉の節々にはまだ興奮が混じっている。

 

「そんなの–––」

 

嫌に決まってるじゃない。知りもしない人に抱かれるのも、好きでもない人に抱かれるのも、愛していない人に肌を見せるのも、体を委ねるの全部全部嫌だ。

 

だけど、私は口を開いて最後まで言い切ることができなかった。

 

夫との性生活は上手くいってなかったし、私自身欲求不満だったから、少し焦がれたのも事実なのだ。

 

–––私も娘のように、あんな溺れるようなエッチがしたい。

 

あれを思い出すとお腹が疼いて仕方なくて、私はやっぱり夫の提案を蹴ることができなかった。

 

「……わかったわ」

「……本当かい!?」

 

私の了承を得て、夫は嬉しそうな顔をする。興奮と欲望の混じったドロドロの顔を。

 

「–––だけど、条件があるの」

 

興奮して耳に入らなさそうなので、私は少しだけ声を大きくして言う。

 

「相手は私が選ぶわ」

「……あぁ、それはわかった」

「それともうひとつ。口にした以上最後までその言葉に責任を持つこと」

 

私は少しだけ冷たい声で警告する。たとえどんな結果になろうと、もう後戻りはできないと。

 

 

 

 

 

週末、私達夫婦はある男性を家に呼び出していた。

夫の望みと、私の望み、両方を叶えるためだ。

一人だけ呼び出された彼は、奇妙な空気を感じ取ったのか緊張した様子でリビングのソファーに座っている。

私が淹れた紅茶を一口飲んで喉を潤した彼は、私達夫婦を交互に見て一息つく。

 

「……それで、愛理と都に内緒の話とは?」

 

一人だけ呼び出された直人君は、緊張した様子で話を切り出す。

「娘は元気か?」「夫婦生活は上手くいってるか?」という近況報告のあとで、割と単刀直入に聞き出すのが彼らしく、私達としてはそれがものすごくありがたかった。

 

私は夫と視線を交わし意を決する。この言葉を口にすれば、もう後戻りはできない。それがわかっているから緊張して、こちらから話を切り出すのが難しかった。

 

夫は一息吐くと、厳かに口を開いて単刀直入に言う。

 

「直人君。君に妻を抱いて欲しいんだ」

「……すみません。ちょっと耳がおかしいみたいです。もう一度言っていただけませんか?」

「君に、私の妻、志穂を、抱いて欲しいんだ」

「……ハグ的な意味で?」

「性的な、子作り的な意味で」

 

直人君は顔を険しくして、スマホを取り出して日付を確認する。それから周囲を見渡して、何かを探し始めると、何も見つけられなかったようで再度ため息を吐いた。

 

「……あの、冗談、というか揶揄ってます?」

「至極真面目な話だよ」

「えぇ……???」

 

私達夫婦の言葉を疑う直人君。その懸念はもっともだろう。今彼は、普通じゃ絶対耳にしないような台詞を耳にしているのだ。信じろと言う方が無理で、冗談やドッキリだと疑うのも仕方ない。

 

「……新手の浮気調査ですか?」

 

最終的に愛理との夫婦生活の調査と思ったらしく、直人君はそう言って警戒する。そんな彼の警戒心と誤解を解くために、私は夫の隣から離れて、直人君の隣に座った。

 

夫が私の行動に表情を微妙に変えたものの、それが説得のためとあって口を挟むことはなかった。

 

「直人君、こっちを向いてくれないかしら?」

「はい」

「私を見て、そのまま–––」

 

直人君と見つめ合ったその瞬間、不意打ち気味に彼の唇に、私の唇を押し付けた。

触れ合ったその瞬間、直人君と夫から驚いたような気配を感じ取ったけど、やっぱりあの人は止めるような素振りを見せなかった。

目の前でこれだけのことをしたのに、夫は止めるどころか興奮しているのが視線から伝わってくる。

 

「–––これで、冗談じゃないってわかったでしょう?」

「それは、まぁ、はい……」

 

理解したくないけど、理解したという体で頷いた。それから考えるように眉間を揉んで、私達の方へ向き直る。

 

「つまり、お義父さんのNTR性癖が悪化?して、志穂さんに『他の男に抱かれて欲しい』と頼んだと?」

「話が早くて助かるわ。さすが直人君ね。賢い人は好きよ」

 

詳細説明を省けるのは嬉しい。聞けば聞くほど、バカな話をしているのだから。

 

「俺を選んだ理由は?」

「それは私の個人的な意見ね。直人君がいいと思ったから、直人君に頼んだの。君は私が作った手料理を本当に美味しそうに食べてくれるし、きっと私の嫌がることはしないから都合が良いのよ」

「私は反対したんだがね。……愛理とは新婚だし、その邪魔をするのも、バレるととんでもないことになるし」

 

私だって愛理に対して罪悪感がないわけじゃない。だけど、『相手は直人君』という条件だけは譲れなかった。他の人は怖いもの。

全ての責任を押し付けようとする夫の言い分(娘に嫌われないための予防線)は気になるものの、判断するのは娘なので私はこれ以上何も言わない。

 

すぐに断らない直人君は、何かを考えているようだった。そのダメ押しとして私は彼の耳元で夫にバレないように囁く。

 

「……それにね、知ってるのよ。直人君が都とそういう関係なの。一応未成年と成人だし、保護者公認の方が何かと都合がいいと思うのだけど」

「……何の話ですかね」

「都の誕生日に愛理だけ実家に帰ってきたんだけど、きっとそれって夜二人きりにしてあげたってことよね。女子高生はよくて、私みたいなおばさんはダメなのかしら?」

「いえ、そんなことは……むしろ嬉しいというか」

 

お世辞でも嬉しいことを言ってくれる。

私は気を良くして、夫への不機嫌を忘れた。

 

「ちなみに断ったりしたら、どうなります?」

「他の候補者を当たることになるわね」

「はぁ……。それはそれで面倒な。撮影でいいんですよね?」

「えぇ。それじゃあ、予定を詰めましょうか」

 

こうして、娘には絶対に言えない秘密の計画が始まった。

 

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