元メスガキさんをお持ち帰りした件   作:黒樹

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こうしている間にも書きたいものが増えていく


夜が深ける

 

 

 

「ほら、家ついたぞ」

 

玄関の扉を閉めたのに、まだくっついて離れない愛理にそう告げて絡められた腕を外そうとすると、僅かに抵抗される。

数秒ほど格闘してようやく拘束から逃れると、今度は廊下に座り込んで足を向けてきた。

 

「ん。脱がして」

 

ちょっと悪戯っぽく笑って、脚を持ち上げる。

するとずるずるとスカートがズレて、中身が見えそうになったが角度的には死角であった。

 

少し残念なような、ほっとしたような気持ちになりながら、その場にかがみ込むとつい視線が広がった絶対領域に向かってしまう。

視線を上にずらせば「見たな〜」と楽しげな愛理の悪戯顔があり、俺は気にせず彼女の履いているブーツを黙々と脱がした。

 

「はいよ、脱がしたぞ」

「ありがと」

 

まだまだ甘え足りないといった様子で壁に凭れながら、俺の次の行動を待つ愛理。

玄関の鍵を施錠してから、チェーンロックを掛けて靴を脱ぐ。

 

「そんなところで寝たら風邪引くぞー」

「ちょっと可愛い同棲人を何廊下に置き去りにしようとしてるのよ」

 

気づかないふりをして素通りしようとすると、ズボンの裾を掴まれた。

 

「ったく、甘えん坊め」

「いいでしょう。今日は誕生日だもの」

 

可愛いわがままを叶えるために、抱き上げた愛理をリビングへ運ぶ。ソファーの上に下ろしたところで俺はコートを脱いだ。

 

「ん」

 

手を広げて催促してくる愛理。コートを着たままなので脱がして欲しいのだろう。

そう解釈して丁寧にボタンを外して脱がすと、その下から姿を現したのは昼に見た光景。高校の制服だった。

 

「あれ、おまえ着替えたんじゃ……?」

「家族に見せるわけにはいかないでしょう。こんな姿。だから、出てくる前にまた着替えたの」

「道理でロングスカートじゃなかったわけだ」

 

実家の方で着替えてきたという愛理に、俺はちょっとだけ嬉しくなって口角が上がる。

俺の反応がお気に召すものだったのか、彼女も少し得意げに笑っていた。

 

「ここに座って」

 

隣をポンポンと叩く愛理に従って隣に座る。

 

「んしょっと」

 

すると愛理は俺の股の間にお尻を割り込ませ、座ったかと思うとスカートの中に手を入れて、

 

「……あっ」

 

何を思い直したのか引っこ抜き、わざとらしくスカートを上げて見せた。

 

「引っ張っていいわよ」

 

その下はピンクの花柄紐パンで、その端っこを引っ張れと言う。引っ張っていいという。

 

腰に結えられた蝶々結びを紐解くために、俺は彼女の肌に爪を引っ掛けないよう気をつけながら掴み、そっと引っ張った。

 

もう片方も同じく引っ張ると、するりとパンツが剥がれる。触ってみると湿っていた。

 

「途中から濡れて気持ち悪かったのよね。ありがと」

 

悪戯っぽく微笑む彼女の視線が挑発的に見つめてくる。

惜しくもスカートを戻した愛理は、そのまま背中を預けてきた。

 

「ノーパン娘め」

「脱がしたの直人でしょ」

「それはおまえが脱がせろって言ったからだろ」

「私は引っ張っていいとしか言ってないけど」

「そうだったか?」

 

むしろ紐パンの紐を引っ張っていいは脱がしていいと解釈してもいいような気がするが、嵌められたことに気づき俺は負けを認めて口を噤む。

ただやられっぱなしも気に食わないので、強くバックハグをしながら首筋にキスをして痕をつけてやった。

 

「……そこじゃないでしょ」

「どこにして欲しいんだよ?」

「ん」

 

唇を突き出して甘えてくる彼女の唇に、軽く唇を押し付ける。そのまま何度か口付けを繰り返して、次第に激しいものへと変わっていった。

 

「……もう、えっち」

 

不思議なことに左手は胸を掴み、右手はスカートの中へと侵入を果たしていた。

少しだけもどかしそうに身を捩りつつも、抵抗する気はまったくないのかぐいぐいと身体を擦り付けてくる。

 

「今日は随分と積極的だな」

「だってお昼からずっと疼いて仕方なかったんだもん」

「全然悪戯してないのにべとべとなんだけど」

「……ねぇ、もうシよ?」

 

上気した顔で必死に求めてくる愛理。

その顔が愛おしくて、つい意地悪がしたくなってしまう。

 

「せっかく制服着てくれたんだから、もう少し悪戯したって構わないだろ」

「うぅ。そうやって焦らして、もう前戯なんていらないのに!」

 

だいぶ酔いは醒めているはずだが、恥ずかしげもなく彼女は大声を出した。

 

シャツの上から胸を触ったり、お腹を撫でてみたり、太ももを触ったりとしているとその手を遮るように強く腕を掴まれる。

 

「そっちがその気なら、こっちにだって考えがあるんだから……!」

 

ソファーの上で引き倒されて、その上に愛理が跨る。

押し倒されるという珍しい光景に、俺はつい悪い笑みを浮かべた。

 

「ほう、どうすると?」

「いつも襲われてばっかりだから、今度は私が動くから。絶対に動かないでよ」

 

–––当然、返り討ちにした。

 

 

 

興奮冷めやらぬ夜は更けて、午前零時を過ぎた。

力尽きて眠ってしまった愛理に毛布を被せて、一人部屋を出る。

冷蔵庫から水を取り出し、水分を補給した。

 

「俺もそろそろ寝るか」

 

寝ている愛理に襲い掛かってもいいが、今日の主役は愛理である。幸せそうにぐっすり眠っているのを起こすのも忍びない。

寝室に戻って就寝の準備をするも、彼女のあどけない寝顔を見ていると、言い表すことのできない愛おしさが込み上げてくる。

 

「……」

 

眠ったばかりの今なら、何が起きても起きることはない。

ベッド側の引き出しからメジャーを取り出し、背中に通してバストを計測してみた。

 

「おぉ……」

 

わかってはいたが、すごい数値だ。

 

「んぅ……」

 

先端が擦れて愛理は身動いだが、起きることはなく横向きになった。

 

「さて、次は……」

 

下へ移動させウエストを計測する。

くびれた腰は見た目通り細く、黄金比と大差ない。

正確な数値は控えるが、素晴らしいと言えよう。

肉付きもほどいいし、腕を回した時の感触もいい。

肋も骨が見えるわけではなく、理想的な肉付きだった。

 

「どっちがでかいかな……」

 

さらに下降して、ヒップを計測する。

バストと大差なかったが、少しだけお尻の方が大きい数値が出た。

 

「さて、と……」

 

起きないのを確認すると胴回りからメジャーを回収して、最後に指に巻きつけてみた。–––左手の薬指に。

 

「……っ、はぁ……やっぱり想像できないな」

 

脳裏にちらつく、見知った横顔。

あの顔を忘れることができるのかと問えば–––中途半端に気持ちが浮き沈みして、踏み出せない。

……まだ、忘れられない。だからといって捨てられるはずもない。

 

メジャーをそっと引き出しに戻して、俺は布団に潜り込んだ。

 

 

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