アドステラの日常   作:春季攻勢

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地球寮の朝編

 アリヤ・マフヴァーシュの朝も早い。

 地球から連れてきた家畜たちは家族からの信頼の証である。家畜の面倒を見ることは、彼女にとっては使命だ。

 誰よりも早く起きるとまずティコのもとへ向かう。

 

 「おはようティコ。今日もよろしくな」

 

 餌を与えるとモシャモシャと口を動かしはじめる。何度見ても微笑ましい光景に癒されつつ、他の動物たちの世話に取り掛かろうとするとティルが起きてくる。

 ティル・ネイスの朝も早い。

 多彩な才能を持つ彼は規則正しい生活習慣も身につけている。そして学園にやってきてからはアリヤの動物たちに興味を持ち、さらに早起きをするようになった。

 

 「おはようアリヤ。手伝うよ」

 「おはよう、いつもすまないな」

 

 世話を終えると2人はキッチンに向かう。地球出身者として多少の生活力を身につけている地球寮生たちは自炊することが多い。朝は早起きをした2人が他の寮生の分まで用意している。時にはティコのミルクや鶏たちの卵を使うこともある。

 マルタン・アップモントの朝も早い。

 キッチンからいい香りが漂いだすとそれに釣られたように起きてくる。十分に早起きなのだがアリヤとティルには敵わない。

 

 「また2人に作らせちゃった……いつもごめん」

 「おはようマルタン。いいんだ、好きでやっていることだからね」

 

 あくびをしながらマルタンは男子たちを起こしに戻る。それを見てアリヤも女子を起こしに向かう。この時間になると、廊下でランニングに向かうスレッタとよくすれ違う。

 

 「アリヤさんおはようございます!」

 「おはようスレッタ、いってらっしゃい」

 

 ニカ・ナナウラの朝はそこそこ早い。

 アリヤが起こしにやってくると大抵目を覚まして着替えている。

 

 「おはようございます」

 「おはようニカ、2人を起こしてくれるかな」

 

 チュアチュリー・パンランチの寝起きは悪い。

 ニカのことを慕っている彼女だが朝の態度はすこぶる悪い。

 

 「う〜ニカ姐まだ早いよ!もうちょっと寝かしといて!」

 

 ニカとアリヤは苦笑いしつつどうにかチュチュを起こそうとするが、なかなか毛布を手放さない。そうして騒いでいるとリリッケが目を覚ます。

 リリッケ・カドカ・リパティの朝もそこそこ早い。

 元々そこまで朝が得意ではないが、賑やかな地球寮生活と頼りになる先輩のおかげで起きられている。

 

 「おはようリリッケ」

 「ふぁ〜、おはようございます皆さん……チュチュ、起きないと2人に迷惑だよ〜」

 

 3人がかりでどうにかチュチュを起こし洗面所に連れて行く。

 部屋に残ったニカは端末を確認する。シャディクからなんの指示もないことが分かると少し安心する。きっと楽しい一日になるという願いにも似た思いを抱きながら、洗面所にいる仲間のもとへ向かった。

 

 オジェロ・ギャベルとヌーノ・カルガンの朝は早くない。

 大抵の場合この2人が地球寮で最も寝るのが遅い。何かくだらない動画を見ているかギャンブルをしているかで、その間にティルとマルタンは寝ている。

 ベッドから落ちそうになっているオジェロをマルタンが起こす。

 

 「ちょっとオジェロ!どうしてそんな寝相になるんだよ!?危ないでしょ!?」

 「うー……おはようございます……」

 

 一方ヌーノは元々低いテンションがさらに低い。声をかけても首を下げる程度で何も言わずに洗面所に言ってしまう。

 寮長は大事な寮生達の今後を案じつつ、ため息をついて先に朝食を食べに行く。

 そろそろティルが用意し終わってくれている頃だろう。

 

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