姫の護衛は地底人《ケガレビト》 真・女神転生オタクくんサマナー外伝 作:気力♪
「差し入れを持ってきたぞ!」
コンビニでちょっと買い物をした己は病院内でお菓子を配り歩いていく。という体で、
巫女殿の予知や、データ予測によるとあと十数分のうちに襲撃があるとされている。正直に言えばもう少し見つからずにいたかったが、まぁ見つかってしまったモノは仕方ない。切り替えていこう。
「おお、ホットスナック色々だね。Lチキもーらい」
「千束、戦闘前です。そしてジエンくんは早く病院から離れて下さい」
「己は皆に差し入れを配らねばならぬのだ。その後に離れるとも」
「ふーん、
「む……その通りだ」
まぁ、所詮己の浅知恵である。普通に見抜かれて、普通に咎められていた。というか、千束どのが意気揚々と近づいてきたのは己を逃がさぬようにするためだな? しくじったぞこれは。
「……ジエンくんは、そうまでして戦いたいのですか?」
「己が見ているだけで良い楽勝の戦いならば何もしないぞ。そうならない予感があるので勝手にしているがな」
「……しかし」
言葉を詰まらせるたきな殿。『リコリコ』という喫茶店を拠点にしたトラブルバスターコンビの一人であり、
「まぁまぁ、正直言うと助かるじゃん? ジエンくん割と戦えるタイプだしさ」
「しかし、まだ子供です。正式な訓練を受けた訳でもない、一般の」
「そんな一般のお子様サマナーより弱い私たちは、戦力的な意味でこの子に否定は出せないわけじゃん」
千束殿は、複雑な想いを抑え込みながら数値的な戦力を語る。
いろいろ台無しな言い方であるが、己はとても強いので割とわがままが効くのだ。看過したところで大勢が悪くならない方向性のわがままなら特に。元の世界でも、この世界でも同様の傾向は存在する。
「だけど、見逃しはしないから。チームワークで戦う『大隊』さんが知らなかったら大変だよ? ジエンくんあの人らに敵と間違われて蜂の巣にされたい?」
「……浅慮であったか」
「わかればよろしい。……というか、どうやって入り口の警備抜けたのさ?」
「差し入れを持ってきたと言って正面から通してもらったぞ」
そう言うと、二人はコソコソと話し始めた。
「……これ、明らかに軍法会議ものですよね。通しちゃった『大隊』の人ヤバくないです?」
「……ヤバいけど、まぁ、ね? 間違いは間違いだから」
「しかもジエンくん、言ってないだけで相当この手の横紙破り慣れてます。確信犯の時の千束にそっくりです」
「え、私もうちょいうまくやってるって。ニコニコー笑顔でーみんなもーおっけー! って」
「いえ、普通に苛立たれていますよ」
「うっそだー」
「マジです」
「……マジか」
内緒話のつもりだろうが、己は割と耳がいいので聞き取れてしまった。
確かに、これが己ではなく敵陣営の何者かであれば大事であったか。うむ、後で直接謝りに行こう。それに横紙破りの仕方にしても千束殿のような愛嬌のある感じにすれば大きく怒られることはないらしい。うむ、覚えておくぞ。
そうしていると、デモニカスーツを着込んでいる人物が己達の所へとやってた。おそらく巨大潜水艦にてこの世界に座礁して、厳しい訓練によって戦力になった漂流者の集団『潜水艦トゥアハー・デ・ダナン戦闘隊』改め
『見つけたぞ馬鹿ガキ!』
「しまった、見つかっていたのか」
「あ、この階の警備隊長さんだ。ノイマンさんだっけ?」
『ああ、お嬢さん達。そこの小僧は摘み出すので退いてくださいな』
「……駄目か?」
『駄目に決まってんだろうが! ……強いからって戦わなきゃならねぇ理由はねえんだっての』
抵抗するのもアレなので、デモニカスーツ『サベージ型』のアームに首根っこを摘まれて運ばれる。
「差し入れは配っておいてくれー」
「もう時間アレだから、休憩室に置いとくねー」
「それでいいぞー」
『呑気か!』
ぷらーんぷらーんと吊り下げられながらリコリコの二人に言伝を頼む。
コンビニのお菓子を適当に買っただけのものであるが、まぁ食いたい人が食うだろう。余ったのなら己が持って帰るけれども。
そうして連れてこられたのは『ナースステーション』という区画。
そこにはフジワラが堂々と座って構えていた。ジトっとした目で己を見ていることから、己の行動に思うところがあるらしい。
「作戦前の大事な時に、労力を割かせないで下さい」
「……リオは別区画だったか?」
「はい。通信越しですが、相当に怒っていました。折檻は覚悟して下さい」
「……しかし、フジワラが配備されているのであれば己も前線に出て良いではないか」
「私は警戒網の一つであり、アナライズなどをするサポーターです。そして、敵の悪魔召喚を抑制する『エストマ*1』要員でもあります。悪魔召喚が制限されていて、戦力にならないジエンとは違います」
「なかなか言うな」
「まぁ、私も怒っているので」
今回の病院防衛においては、悪魔召喚は制限されている。それは、悪魔による情報汚染が患者の皆さんに対して発生しないようにするためだ。
己の悪魔召喚プログラムはハイエンド品。強い思念波を使う事で悪魔への強制力を強めているが、そうなれば返ってくる悪魔からの力も大きくなる。その力が患者さんや新生児たちに影響しては大変だから、己はフジワラの警備の任務すら与えられず帰れと命じられていたのだ。
防衛側というのは、色々と制約があって大変なのだなぁ……
「……で、計算通りなのですか?」
「見つからなければそのまま最前線に立つつもりではあったぞ。だが、見つかっても時間的に外に放られる事はあるまいとは思っていた。そうすればバックアップをしているフジワラの近くに置かれることになる。それは自然な流れだな」
「何も知らない無垢な子供、のような振る舞いをするくせに、結構悪辣ですよね貴方」
「無垢で生きれるならば無垢でいたいぞ」
「……はぁ」
ため息を吐かれてしまった。
いや、会う大人達が皆己を子供として扱うのは常識による先入観というか、子供は無垢で純粋であるべきだ! という思い込みみたいなのがあるのだ。それ自体はとても素晴らしい考えだと思うのだが、あんまりこだわりすぎないで欲しい己である。
まぁ、平和の中で生きていた子供達はそんな感じの空気はある……のか?
いや、あんまり会話をした事はないのだ。まだ同学年たる新中学一年生の皆には出会えていないわけであるし。
閑話休題
「それじゃあ、来たからには役に立ってもらいます。周辺を見回ってどさくさまぎれに参加するのでなく、この病院まで来た理由は?」
「差し入れを買った時に見た光景に違和感があった。マップのこの辺りの車両の配置が、病院から逃れるための逃走経路に見えてな。まぁ根拠は勘であるが」
「……感覚を飛ばします」
フジワラがマッパーの強度を上げて己の示したポイントを範囲に入れる。正直に言ってマッパーと天眼スキル*2の違いがいまいちわからぬ己であるが、遠くを見て、それを分析できる力である事は理解している。習得したいが、まだまだコツは掴めていない。
「……ありますね。転送魔法陣の片割れです。黒いバンの下に隠されて置かれているようですね」
「そういうのは、
勉強してもさっぱりだった転送魔法についての『色々』がわからなかった結果として、恐ろしくふわふわとした語り口になってしまった。呆れた目で己を見るフジワラの瞳が、若干痛い。
「長距離転移となればターミナルという専用の転移補助設備が必要になりますが、短距離、中距離転移ならばそう難しくはありません。事実トラエストストーンとかありますし」
「……それもそうだな」
「始点と終点の正確な位置を設定できていればMAGを使うだけで転移はできるのです。正確な位置を把握することができないから、『なんとなく安全な位置』、『異界に侵入した位置』となってしまいがちですけれどね」
「ふむ……わからん」
「きちんと測った場所でなければ、転移はできない。と考えれば間違いはありません。なので、あそこの転送魔法陣は出口側でしょう。侵入してきた転移使いがあそこから人々を連れて脱出するという方針なのかと」
「大変ではないか! 今すぐ報告をしなくては!」
「もう報告は終えています。周辺の見回り役が向かっている所ですよ」
「いつの間に? どうやって?」
「マッパーで見た瞬間に、文書データで」
正面で座っているフジワラであるが、特に機械だとかを弄った様子はなかった。ベルト型である情報送信マシンは思念波でコントロールできると聞いていたが、ここまで何も動作がないとは思わなんだ。
「まぁ、なるようになるか」
「勝手にやってきた不確定要素の貴方が言いますか。大隊の皆さんにちゃんと謝って下さいよ?」
「分かっているとも。先程己を運んでくれたノイマン殿も乱暴さの中に優しさがあった。あのような戦士達の一団ともなれば、さぞ良き人々であろう! 謝るついでに縁を深めようと思っているぞ!」
「……嫌われません? そのやり方」
「嫌われても縁は縁だ。鉄火場では、名も知らぬ他人と名前を知ってる悪童では悪童の方と組むだろうからな。その悪童が強ければ特に」
「シェルター内部の人間関係しか知らない私には、いまいちわかりませんね」
「そんなものか」
そうしていると、空気が変わった。
フジワラは探知と解析に集中している。己はフジワラがCOMPに流したテキストを流し見する。
どうにも、高市兄妹とロナウド殿が敵集団と接敵したようだ。
高市兄妹*3は『魔人クルセイダー』に
高位の悪魔変身能力を持つ兄の新殿が強いのはそうなのだが、それ以上に妹の莉愛殿の細やかなサポートが120%の実力を常に発揮させ続ける、強い兄妹だ。
ロナウド殿とは『栗木ロナウド』殿。名古屋最強のアプリサマナーという触れ込みで巫女殿たちにスカウトされ、今では多くの成果を残している悪魔召喚アプリの特殊戦術のエキスパートだ。警察官でもあるらしい。
己が動くのを良しとしないの人物なのだが、それは、その胸に『子供を戦わせてはならない』という確かな信念と化した正義があるからだ。最近こういう強い人しかいないから麻痺しがちだが、社会正義を信念にまで昇華させられる者はそういない。
正義を信じて進み続けられる、善き人だ。
たしかそれ以外にも正面付近には、剣の間合いでは勝ち筋が見えない達人であり、剣鬼と呼ぶべき達人の『八瀬宗吾*4』殿だとか、有力な戦士たちがそこそこに集まっていただろう。
正面玄関以外にも多くの場所での戦闘が開始したのを感じる。裏口には『葛葉ゲイリン』殿、地下駐車場には『乃木園子』殿達、屋上には『大隊』の隊長の『ターニャ・デグレチャフ』殿が駆るデモニカ『ヴァルヴレイヴ』と援護チーム、この辺りがエース格となるだろうか。
フジワラからのデータを合わせて見れば、戦力比は1対1より若干分が悪い。戦力の質はこちらが上だろうけれど、トータルの数では負けている。
その上、各方面での戦闘で完全な優位を作れている場所はない。全方面でガチンコバトルだ。
「……どっか一つ崩れれば、吹き飛びますよ」
「フジワラ、指示をくれ。側面から奇襲をかければどこかしらの優位は取れるぞ」
そう言っていると、フジワラが息を呑む音が聞こえる。変事だろう。立ち上がり、装備の最終確認をする。
「南西方向より急速接近する反応があります! 裏門への敵増援です!」
「ゲイリン殿を穴と見る? ……敵レベルは?」
「65! 『霊鳥ガルーダ』に乗っての高速接近です!」
「迎撃に出る!」
「あちらの窓から!」
ナースステーションの奥にある南向きの窓から外に飛び出す。
十分に距離を取ってから邪龍である『ファフニール』を召喚し一時的な足場としながら、種族スキル『邪念流動*5』を発動、射程を延長させて、百麻痺針*6を投げまくる。
ヒット数はガルーダに3と大当たり、ついでに足であるガルーダに麻痺が入った。運の上振れもあるだろうが、アビスのガルーダの持つ『ヴァーハナ*7』はないのが大きかったようだ。銃撃とバステの通りが良い。
互いに動けぬ空中で、敵と睨み合う。
敵は孔雀のような装いの魔人、いや、『魔丞』と言うのだったか? 初めて見るが、掲示板で言われた通り存在感が違う。
『本当にやりやがるな、このクソガキ!』
そして、飛び出したのは己だけではない。先程己の首根っこを掴んでくれたノイマン殿が2人の部下を連れて空中に出ていた。そしてチームの狙撃役がガルーダを空中で狙撃、マハーマユリが銃弾を腕で払ったが、ダメージが通るのが見えた。
二発の異なる攻撃を当てたことで正確に耐性が見えた。銃撃は耐性なし、100%だ。
敵も味方も空中で動きが遅い最中、マハーマユリと己が共に召喚の差し合いをする。
まずは、wikiを思い出す。マハーマユリには電撃弱点の傾向があったので、まずは電撃使いの『クイーンメイブ』を召喚。耐性を埋められていたとしても、回復、バフ役として役に立つ。
続いて、マハーマユリが『鬼女ランダ』を召喚。レベルは54で、おそらく物理反射に弱点なしのヤツ*8だ。ファフニールを見せたことで全体物理への牽制として物理反射を出したようだ。まぁ、うちのファフニールは素材の味たっぷりなせいで全体物理を持っていないのだけども。
そして、敵側に電撃無効を種族として持っている悪魔が見えないことから電撃を軸に攻めることを決める。
しかし、敵の悪魔召喚を確認してサブプランに変更できるようにまだ待機。
敵側も着地ギリギリまで待ち見に回っているようだ。敵も己も、召喚基本数は3体。ならばノイマン殿とその部下の分だけ数的優位だ、敵の雑兵が集まる前に片付けたい。
着地まであと少し
マハーマユリが痺れを切らして悪魔召喚をする。召喚された悪魔は『
どうせ合体で弱点は埋められているだろうから、衝撃や物理で攻めるのも危険だろう。合体魔法用のマスターテリオンから、アビスで仲魔にして、御霊合体で少しスキルを調整した『地霊ゴグマゴグ』に変更。
召喚は一瞬遅れたが、幸い差し込まれる隙は『大隊』の皆さんが埋めてくれた。
「小僧! 癪だが仕方ねぇ! お前がメインで、俺たちが援護だ!」
「元よりそのつもりだ! 奴を瞬殺するぞ!」
「やりますね。しかし、舐めて貰っては困ります!」
| 飛翔天駆 | 種族固有スキル | 障害物を無視した移動ができ、移動力を+2する*9 |
ガルーダが緊縛の最中ながらも味方に支援効果を与え、マハーマユリ達が高速接近してくる。
そして、移動しながらマハーマユリはその魔力を高めていた。魔神の固有スキルか!
| 魔力開眼 | 種族固有スキル | 使用後一回だけMP使用スキルの効果が1.5倍、さらに全員のスキル消費MP量が3/4に。 |
そのように、恐ろしい力の匂いがひしひしとしてくる。しかし!
「小手先に気を使いすぎたな! 先手は己だ!」
己の方が、敵チームより若干速かった。
まずは基本の『マカラカーン*10』。邪龍ファフニールが使う1ターン継続、相性無視ダメージ*11の頼れる障壁だ。
先手の己は銃撃スキル『グランドタック*12』を放つ。アビスにてスキルカードで拾ったものを低レベルカマソッソに差し込んで、そこからのウィスパーで習得したものだ。
低レベルウィスパーループによってもうすでに適正は+9まで上昇している。実践レベルだ。カマソッソは素材と成り果て今では精霊としてストックに眠っているけれども。
それはともかく、グランドタックの対象はガルーダ。まずは手堅く数を減らすつもりだ。
「残念、カバーです」
しかし、ムラサキカガミがするりとガルーダへのカバーに入る。銃撃反射によって割と痛いダメージを受けた上、統率が乱れて手番が敵に回ってしまう。
あのムラサキカガミはカバーの動きがかなり速かった。事前に指示していた動きだからだろう。定石すぎて読まれていたらしい。
しかし、己は一人ではない。後衛のノイマン殿が
そして、敵の手番。
「さぁ、起きなさい、ガルーダ」
| 孔雀明王 | 自動効果スキル | 全ての状態異常にかからなくなる。また、衝撃属性の与ダメージを10%上昇させる。自ターン開始時に次の連動効果が発動 |
| 味方全体の状態異常を全て回復する |
まず、マハーマユリはガルーダを『ディアラハン』にて回復、治療と緊縛の解除が同時にやられた。続いてガルーダが『百烈突き*14』を発動、グランドタックを反射されてダメージを受けている己にトドメを刺すつもりらしい。
しかし、狙われると分かっていればカバーはできるもの。ゴグマゴグに己を庇わせて、物理反射でガルーダへ反撃した。
ゴグマゴグの速は低く、百烈突きは7回フルヒットし、その全てが反射された。それによりガルーダは死亡、良い流れだ。
「初手で理解していましたが、なかなかに、やる!」
「貴様もな! 細やかな戦いぶり、外道の仲間とは思えぬぞ!」
「私は、私の愛、私の愛する彼女のために戦うのみ! 外道だ何だは知ったことではありませんとも!」
無駄話に釣られそうになりながらもすんでのところで踏みとどまる。ガルーダが死んだ事で敵の動きは鈍るはず、ここは攻め時なのだから。
『ジエン、支援に入ります』
「フジワラか! ……マハーマユリのアナライズを頼む。敵のスキルを知りたい」
『了解、他の悪魔の耐性はサードアイ*15を注視して下さい』
ちょうど良い所でフジワラが遠距離から参戦する。多彩なスキル(小ダメージばかりではあるが、多彩ではある)を持つ己と『サードアイ』の相性はとても良い。頭の中で全属性のスキル使用を想定して敵を見れば、どれが通じるかは一瞬で理解できるのだから。
「サードアイで見えた! ムラサキカガミは物理、衝撃無効に火炎、氷結、電撃、破魔、呪殺反射*16! マハーマユリは衝撃反射、電撃破魔無効に火炎耐性! ランダは物理反射のみだ!」
「無効耐性のオンパレードだなぁ!」
「だが、無敵じゃない!」
ノイマン殿とその部下が裏で装備の変更をしている。おそらくムラサキカガミに通用するアイテムの準備だろう。破魔矢やメギドストーンが目の端に見えた気がした。
「補助に回るぞ! 『フォッグブレス*17』!」
そして、ゴグマゴグが御霊合体で身につけた補助スキルを用いる。考えなしに合体をした結果、地味に足りていなかったバフの技だ。
| ウォークライ | 補助スキル | 味方全体の攻撃、防御を1段階上昇*18 |
「サマナー、治療です」
クイーンメイブが『ディアラハン*19』にて己を回復、そして若干悩むファフニールの手番だ。攻めるか、守るか。
だが、迷ったときに攻めた結果は碌なことがないのでここは再び『マカラカーン』を展開する。まだ、防御重点だ。
「行くぞ!」
そしてノイマン殿達の
「……やはり、使うしかありませんか。力を取り戻すまではリスキーだと思っていたのですがね」
『ジエン! 敵悪魔の詳細データです!」
「助かる!」
| 魔神 | 魔丞・マハーマユリ | LV65(74-9) |
| 火炎耐性、電撃弱点→無効、衝撃反射、破魔無効 | ||
| ディアラハン サマリカーム バッドカンパニー サバトマ 招来の舞踏 孔雀明王 衝撃ハイブースタ マハザンダイン 慈愛の旋風*23 会心の眼力 八相発破 貫く闘気 疾風撃 焦熱の狂宴 セーフティ | ||
敵の基本は衝撃属性の魔法タイプ。だが、バッドカンパニーやサバトマなどの召喚技能、デスバウンドなどの物理スキルも存在している。
通常ならば魔法型の使う物理など対して脅威ではないのだが、八相発破、というかある合体法則によって『武術型』と呼ばれる継承タイプの物理スキルではその限りではない。その威力は『力』でなく『体力』に依存するからだ。
そして、幾つか異彩を放つスキルが見える。明らかに後天的に獲得したスキルであるそれらは、敵の魔丞マハーマユリの必殺の欠片であるだろう。
「まずは手数です、バッドカンパニー*24」
敵悪魔が全てストックに帰り、そこから2体の悪魔が再召喚される。
| 龍王 | ヤマタノオロチ | LV67(72-5) |
| 邪龍 | ヴァスキ | LV69(74-5) |
「自分より高レベル、だからこそ二体が限界なのか!」
「ええ、かつては私の忠実な仲魔でしたが、今ではいつ反逆するか恐ろしくて恐ろしくて……しかし! 私の愛のためならば! この程度のリスクは許容する!」
「愛を知っているのなら! 何故に外道に与するのだ!」
「身請けの為に!」
「我が愛は未だ彼らの手中で踊らされている! 私でない男と交わり、私でない悪魔の餌を生み出している! だからこそ、私が取り戻さなくてはならないッ!」
語る言葉は真実だろう。
きっと、この世界のヤクザ者も、『男同士でもMAG太りは起こるのだから野郎同士で交われば良いのでは?』とか言ったら怒るタイプの人間なのだろう。
まぁ男相手にも女相手にも交わりをした事もない己が言うのでは説得力はないのだけれども。
「ならば、何故ヤクザ者に叛逆をしない! その力があれば、戦える筈だ! 力尽くで、取り戻せる筈だ!」
「私が死ねば我が愛は地獄の中に置き去りとなる! 勝ち目の薄い戦いの為に失敗はできない!」
「強者のくせに弱者の理屈を語るな!」
「私は我が愛を取り戻すためならばどのような害悪にもなりましょう!」
狂気的とも言えるマハーマユリの瞳、愛しい人のためにならどこまでも堕ちることが出来る人の弱さと強さがそこにはあった。
「愛に生きると決めたのですよ私は! 他者を闇雲に喰らう外道から!
「共に戦い、共に笑い、共に愛して共に生きる彼女こそが! 私の未来に必要なのです! そのためなら、それ以外の全てを破壊したって構わない!」
一瞬、気押されかける。しかし、愛を免罪符にして他者を傷つけるそれを肯定してはならない。
愛とは、他者を想う心だ。親や恋などを知らなくとも、周りの皆に愛されて育った己は、確かに愛を知っている筈なのだから。
「無駄話に付き合うのはここまでです。貴方を倒す算段は付きました」
「これほど熱を入れて話しても、呼吸も隊列も乱さぬか」
「ええ。私を殺しかけた宿敵が、多用していた手ですから」
そこできちっと仕留めてくれれば己がここまで困ることは無かったろうに、恨むぞ宿敵殿め!
「では、ヴァスキ」
| 龍の眼光 | 特殊スキル | 点灯状態のプレスターンアイコンを4つ獲得する |
ヴァスキの力のある眼光によって己達の動きが鈍り、敵の動きが早くなる。あと4手動かれるか。
| 会心の眼力 | 補助スキル | 自身に必中状態を付与、次の物理攻撃が確定でクリティカルになるチャージを付与 |
| 貫く闘気 | 補助スキル | 自身に次の物理攻撃の威力を80%向上と、貫通効果を付与するチャージ状態を付与 |
そして、その手番をマハーマユリはパワーチャージに全て使い。そして、ヤマタノオロチがアイテムを一つ使用した。
いや、アイテムなのかどうかも怪しい。高密度のMAGによく似たモノを空間に張り巡らせて、使うに足る『場』を作り出したかのような。
「マガツヒ結晶体。これが砕けた今この場であれば、私は本来の力を発揮できる!」
「一手使ってチャージをしたのを自慢げに語るではないか!」
敵が『魔丞』であることから、あれは『マガツヒチャージ』の代替物であると推測。次の攻撃全てを『会心』にする『禍時:会心』のような必殺スキルを放つつもりなのだろう。
敵の攻撃を逆算。マハーマユリは物理技に対してのチャージを行った。会心の眼力だけならば分からなかったが、貫く闘気を使った以上狙いは『八相発破』だろう。
そこまで分かれば、次のターンの回避は簡単だ。
「とっておきだ、『物反鏡*25』!」
これで、八相発破のラインは止めた。そして続けてゴグマゴグが『ラクカジャ』を使用。このラクカジャは己のよく知る方式であり、1回が限界のウォークライを上書きして、ラクカジャは2段階目40%の永続防御効果へと変化する。
続けて、クイーンメイブをガードさせ、ファフニールには『雄叫び*26』を使わせる。
入れ替わった二体の龍は1段階だが、マハーマユリはフォッグブレスとアームショットの二つと合わせて3段階目の弱体が入る。
そして、ノイマン殿が『スモークノイズ』を使用。敵全体の命中回避が二段階減少していった。
デクンダ誘導は完了。本当ならばデビルスリープなどのバッドステータスを狙いたい場面だったが、マハーマユリの『孔雀明王』の連動効果によって回復されてしまうので意味はない。
先手を取って瞬殺し、他の仲間の援護に向かいたいところだ。けれど、思った以上にコイツが強いのだ。
「ありがとうございます。ハリボテに怯えてくれて」
「ジエン! ヤマタノオロチ、ヴァスキ共にアナライズが見えました! スキルを一度使えれば良いという程度の、酷い弱体状態です!」
「何ッ⁉︎」
「しかし、彼らの存在感によってあなた方は怯えた! 備えた! それによって私はより自由に動くことが出来る!」
馬鹿な⁉︎と叫ぼうとする心を抑えて場を見切る。ヤマタノオロチ、ヴァスキの二龍は共に2手分動けるほどの超悪魔だ。少なくとも己にはそう見えていた。
これで敵はトータルで5手動く。そう呼吸を合わせてしまっていた。それが過剰だと⁉︎
「焼けて消え去れ! 『焦熱の狂宴*27』!」
低味方関係なく焼き払う炎の一撃。己達はマハーマユリの弱体や(おそらく)適性外スキルであることも合わせてダメージはそう大きくなかったが、敵のヤマタノオロチ、ヴァスキは違う。
ギリギリ死にかけだった二龍は、この程度の炎で息絶えてしまう。しかもヴァスキは火炎弱点であり、己達には火炎耐性のクイーンメイブとファフニールはいても、無効相性はいなかった。
味方のハリボテを焼き払う事で全体の流れを掌握し、5連続行動を可能にしたのかッ!
「そして、彼らの血肉がマガツヒとなり、発動に足りなかった最後の一押し*28をしてくれるッ!」
| 禍時:溜力 | マガツヒスキル | このターンの間、チャージ状態が解除されず維持される 種族:魔神のマガツヒスキル |
半手使っての大技だ。強い奴はマガツヒスキルに手番を使わないらしいが、奴はそれほどの習熟はしていなかったらしい。だが、それを含んでも出番は4手完全にある。しかし、テトラカーンを破る方法がなければ……ッ⁉︎
| 八相発破 | 物理スキル | 敵全体に物理属性大ダメージ |
「ノータイムで打ってきたか!」
「計算ずくですよ。魔丞と化した私なら、己の切り札ですら耐えられるのだから!」
「勢いが削がれない……セーフティ*29か!」
『ジエン!』
フジワラがマハーマユリに対して再びのアナライズをする。どうにも、アナライズを妨害する術だとか装置だとかでスキルが一つ隠されていたらしい。注視すれば見切れていただろうに、これは迂闊か!
「ここからが私の舞台です。『八相発破』!」
HP参照の攻撃であるが、必中、クリティカル、1.8倍ダメージと合わさればダメージは大きくなる。そして、己達全員にクリティカルを当てた事で『ニヤリ』と魂が昂っているのを感じる。このやろう!
「そして、『ディアラハン』。弱体がありますが、これは良いでしょう。どのみち全てを引き潰せるのだから!」
| 八相発破 | 物理スキル | 敵全体に物理属性大ダメージ |
「さぁ、死になさい!」
怒涛が過ぎる全力の八相発破の4連撃。どう頑張った所で一撃で体力が吹き飛ぶ計算だ。そして会心の眼力の効果によって必中であり、必ず致命打として入ってくる。
だが、まだ生き残る道はある。そのためにするべき事は!
「クイーンメイブ、ファフニール、ゴグマゴグ絶対に『大隊』に通すな!」
「私にこんなムサイのの盾になれだなんて、相変わらず最悪ね」
「ダガ、ソレデコソサマナーダ!」
そこそこ付き合いの濃いクイーンメイブとファフニールはそうぼやき、ゴグマゴグは静かに頷いた。
これが、生き残るための作戦だ!
八相発破、3発目。それを己はクイーンメイブの影に隠れる。
クイーンメイブはガードによって半減したが、次で確定圏内、ファフニールも剣に87.5%の耐性があるが、それを超えて次の一撃で吹き飛ぶ体力だ。
八相発破4発目。己はファフニールの『カバー』に隠れる。奴の連続行動は脅威であるが、一人の行動の連続であるために必ず差し込む隙がある。
だが、カバーしてくれたファフニールと、ガード越しに削り殺されたクイーンメイブは蹴散らされる。ゴグマゴグは、ぎりぎりで耐えてくれていた。『体』が高いのに加えて、三分の活泉が存在したが故だ。
だが、それもここで終わる。
5発目。ゴグマゴグを盾にして八相発破を受け止める。ステータス外部で物理ダメージを30%軽減する力があったが、それでも三発を受け止めることはできない。
その結果、己は一人で裸の王様だ。
「仕損じましたか」
「どうした? 打たないのか?」
「そこまで自信満々の貴方が、『食いしばり』の一つも持っていないとは思いませんよ。クイーンメイブやファフニール程度なら一撃で殺せると踏んだのですが、随分と良い仲魔を持った事で」
「そう褒めてくれるなよ、タネ*30はある」
「なので、敬意を払いこうします。『バッドカンパニー』」
| 魔獣 | アーマーン | LV56 |
| 鬼女 | ランダ | LV54 |
| 闘鬼 | ヤクシャ | LV51 |
……この瞬間、コイツを倒す
コイツは、明らかに己以外の敵として注視していなかった。だから、前に出ている己を仕留めることを優先して、反撃の要であったノイマン殿達を見逃した。後でどうにでも料理できるとでも思っていたのだろう。
「召喚、ペルセポネー」
「はい、召喚主」
ペルセポネーが召喚され、『パンデミアブーム*31』によって敵全体に風邪のバステを付与していく。バステ無効耐性のマハーマユリ以外の全員にヒットだ。
「馬鹿な、
「忘れてなどいない。貴様がこのまま動き出せば己は屍を晒すだろうよ。だが、それはお前が召喚した仲魔達の屍の上であり、お前の愛とやらの屍の上である」
「何が言いたい?」
「先に殺した仲魔たち同様、お前の愛する者も喰らい力とするつもりだろう? おおかた、『愛するモノを喰らうことこそが力になる』のような浅い理屈でな」
「我が
「するとも! 愛の為だと言いながら、貴様は自分しか見ていない! 違うものとして高め合う強さを切り捨てたからこそ、仲魔の全力を引き出す事ができていない!」
「巫山戯るな、私は私の愛の力によってここまで強くなれた! 我が愛の悲鳴によって力が高まり、我が愛の涙によって心が潤った! 我が愛が胸のうちにある限り、私は決して負ける事はない!」
「語るに落ちたな! 甚振らねば愛一つ証明できないと自ら示してくれたのだから!」
「貴様、一体何が言いたい!」
「決まっている! こんなものは、所謂、一つの!」
「『ムダ話』、という奴だ」
会話にで稼いだ一時によって、ノイマン殿達が必殺の配置に付いた。彼らのフラストレーションは凄まじいものになっているだろう。自身の力不足で
「ごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃと! テメェの理屈なんざ知るかクソ悪魔!」
「電波をわーわー垂れ流しやがって! 何度も頭を吹き飛ばしてやろうかと思ったか!」
「それ以上に、そこのクソガキに手を出したテメェはムカつくんだよ! この子は大隊長じゃない! 真に守るべきただの子供だ! 悪魔なんざにやらせてたまるか!」
「各員、『
ASSIST ATTACK! |
| アシストゲージが最大(八段階目)時に発動*32。同行しているパートナーの補助行動の後、人数分の万能属性ダメージを与える。その後、敵ターンをスキップする |
ノイマン殿と部下の二人が『タルカジャ』を合計3回かけてからマハーマユリに突撃する。
「馬鹿な、いつの間にッ!」
「貴様が電波に浸っている間にだ! 理想を語って悦に浸るから掬われるのだよ、足を!」
示し合わせた通りに、意識の隙間を付いた『アシストアタック』は風邪を受けなかったマハーマユリのみに命中。三発ヒットした。
「貴様は、仲魔からの支援を受け取ることしか出来ない!
マスターテリオンを召喚しペルセポネーが『悪化*33』を使用そして崩れたところをマスターテリオンが等倍属性のマハアクエスで攻撃。敵の仲魔は全滅した。
そして、
マハーマユリの防御力が下がる。
「バッドカンパニーはレベルの高い順からの連鎖召喚、出てくる仲魔がこれ以上強くなることはない!」
「ならば、蘇生すれば良い! 『招来の舞踏*35』! 甦れ『ムラサキカガミ』!」
マハーマユリが強く信頼している仲魔であるムラサキカガミを召喚してきた。しかし、それは
「私も、多少は強くなっているのです。本体に近いペルセポネーとは、縁があるのでね」
| ザクロの制約 | 自動効果スキル | このスキルを持った悪魔が生きている限り、敵が蘇生する時にHPは1になる。魔界に近い異界での戦闘と、合体素材となった者の強い縁より獲得 |
「ッ⁉︎」
「貴様は、貴様自身では一手分しか動けない。何を召喚しようと、何を蘇生しようとも、完全な盤面が揃う事は決してない」
ムダ話のためにヒートアップしていたテンションが落ち着き、淡々とした口調になってきた。
消化試合に押し込めたというのも当然ある。だが、ヒートアップして言いまくってみたが、ディアラハンとかサマリカームとか回復スキルあるし他人のことを想っていない訳ではないかも知れないぞ? という疑問が浮かんだのも少しはある。メンタルを揺さぶるための口撃だから別に的外れだとしても全然問題はないのだけれど。
「馬鹿な、この私が! ……そうだ、助けろ、私を助けろ阿修羅会ィ! 私が力を貸してやっているのだぞ! 私を助けるのが当然であろうがぁ!」
その時、奴の通信が傍受できたのか、あるいはオープンチャンネルで流されたのかは分からないが、敵の通信が聞き取れた。
『お前みたいなクソサイコから強さを取ったらただのゴミだろうが。なんで助けてくれると思うんだ? 幸せ者』
「馬鹿な、私は、私だぞ!」
「誰であろうと死ぬ時は死ぬのだ。せいぜい弱いコトワリしか啓けなかった自分自身を呪ってくれ」
その後、
一応警戒はしたが、絶望とか開き直りとかで第二形態になる事はなかった。なんか妙な事を言っていたサイコとして、普通に死んで屍になったのだ。あとは蘇生できないように死体をぐちゃぐちゃにして終了。なんかピカピカしたもの*36
「……坊主、気にくわねぇが、助かった」
「己も助かった。己一人では間違いなく死んでいたぞ。流石は『大隊』の者達だな!」
「俺らも馴染んでねぇんだけど、『ミスリル』ってのが新しい名前なんだよ。そっちで頼むぜ」
「だな。」
「まだ戦いは終わってない! 持ち場に戻って警戒しますよ! ……じゃないと大隊長にどやされる」
「うむ! ……と言っても抜かれた防衛エリアはないらしい。ここから近いゲイリン殿の援護に向うか?」
「HQの指示を待つ。今は兵隊が勝手に動くタイミングじゃないからな。それにあの人なら大丈夫だろう。大隊長と見紛うばかりに強いからな。身体も、心も」
その後、HQ? という作戦司令部のような所からの指示がある。フジワラ、及びアストラルシンドローム患者の護衛だ。消耗が酷いので、何かしらの方法で防衛線を抜けられた場合を想定したエリアにて休憩しつつの警戒をさせるつもりらしい。
もっとも、指示を待っている間にほとんど戦闘は終了したのだけれども。
マイクロバスで突っ込んできた人質は全員助けられたし、患者の皆さんは全員無事だった。他の病院での戦闘も終了しつつあるそうな。
あとは、噂のキリギリス主力チームがアストラルシンドロームの元凶をやっつけてくれる事を祈るばかりだ。これまでの実績から、やってくれるとフラットに信じられるけれど一応祈っておく。損にはなるまい。
すると、スマートフォンの方に連絡が入った。発信者はリオである。なにかあったのだろうか? と無防備に通話に出てしまう。
「何やってんのさジエンくん⁉︎アホなの馬鹿なの死にたいの⁉︎ねぇ私言ったよね今回ジエンくん場が悪いから戦うなって! 自分から不利な戦場に突っ込んでムダに命を危険に晒すのどうなの馬鹿なの死にたいの⁉︎ジエンくんは不死身だーとか強いーとか言われてるけどただちょっと強いだけの子供だから普通に負けるし普通に死ぬの。分かってる? ねぇ私不思議なこと言ってないよね? どうなのジエンくん? そんなに周りの人たちを心配させて楽しいの? ジエンくんが死ぬかも知れないーとか思ったら私気が気じゃなかったからね! 人質諸共バスを薙ぎ払っちゃおうかな? って思うくらいに私人間性の方ダメになってたよ? ツギハギの奴も若干イライラしてたしね! ジエンくんそんな風に皆に大切にされて、皆に愛されてる自覚はあるの? あるよね! そういうのを分かってて無理無茶無謀してるもんねぇ!」
そして、スマートフォン越しにリオの雷を落とされるのであった。いや、その……本当にごめんなさい。
いろいろと悩んだ結果本スレと同じ病院にて参戦です。
アナキリさんの守ってた病院で、武装ヘリからの『空挺降下チェーンソー部隊*37』を屋上で撃ち落としまくるのも考えたんですが、さすがのヤクザも武装ヘリは持ってないか?という考えから空中抜き打ち召喚合戦から始まるのこの話となりました。
ジエンくん
クソガキ度数を爆上げした問題児。入り口を見ていた『大隊』の人は泣いていい。
休憩室に持って行った差し入れはジエンくんの食べたいものを優先した結果『冷めてもおいしいヤツ』という気遣いを無視したので、微妙に不評だった。温めようと病院の休憩室のレンジを勝手に使って怒られた漂流者からは微妙に恨まれていたりもする。
なので差し入れを一番に味わえたのは錦木千束である。次がノイマン。
協力に感謝されはしたのだけど、それはそれとしてめちゃくちゃに怒られた。
見張り役だったグランツくんと一緒に正座をさせられて、大隊の戦士たちに『正座で顔を歪めた若いの』としてめっちゃ写真に撮られたりもした。残念だが、当然である。
反省を終えた後に差し入れられたドイツ仕込みのソーセージにより、肉汁の大海に溺れそうになった。
フジワラちゃん
レベル低下が75にまで差し掛かったのを感じさせないスーパーガール。
この防衛線のサブの分析として参戦した、メインは大隊のデモニカ自体のアナライズデータリンクである。
参加したモブ大隊員たちからはえらく好評であり、是非引き抜こうとの意見が上がっている。
デグさん的には信用できそうにない経歴であり、自身のデモニカより高いレベルを警戒して引き抜きには反対気味。
能力は実証されたので協力は大歓迎だとか。
ノイマンさん
幼女戦記でアニメ→漫画に輸入された「だな。」が口癖のぽっちゃりさん。二〇三航空魔導大隊の頃からデグさんの部下をやってる。
世界を見捨てることを選ぶしかなかった軍人の一人として、未来を生きる子供(大隊長閣下は別である)を守る一人の大人として、戦う事から逃げないタフな人。
ジエンくんのことを半ば大隊長と同じタイプの生命体として認識しつつあったが、正座を晒され涙目を衆目に晒したジエンくんを見て大爆笑。強さとは別にして、子供であると再認識できた。
リオさん
今回は珍しくまともな保護者ムーブをしていた。していたかな?きっとしていたさ。
子供を甘やかすだけじゃなく叱れるのは良い親の証拠のハズ。若干ヒスってた気がするけどきっと。
こんなまともなママ活動している所からあんな野生児が?妙だな……とされているのはまだあんまり知らない。
魔丞・マハーマユリ
愛する者を喰らった先にこそ希望がある、という倒錯食欲コトワリに目覚めた魔丞。愛していた女性がいるというのは本当で、ボルテクス界内部での最終局面の際に彼女を喰わねばならなかったのは本当だけれど、コイツが愛していたという彼女の役割は泣いて叫んでのマガツヒタンクである。順当に始末するべきクソ野郎。
受胎内部での闘争では、銀の髪に白い羽、L119A1を白くデコった少女に殺されかけた。しかし『彼女』を見せつけることで生まれた一瞬の隙を突くことで逆転し勝利したという過去を持つ。
『この戦い方は、まさか!』とか言わせるつもりだったが、ジエンくんの変幻自在行き当たりばったり戦法の何処に類似点を取ればいいのだ?と悩んだ結果ただのボツ設定に。
似たような敗北の仕方は別周回のジエンくんもしていること、そもそも見せつける『彼女』がいないことで精神攻撃フェイズで敗北し、そのまま死んだ。
ヤクザとの関係は流れ着いたところを力で押さえつけられた感じ。『そこそこ強い』程度なうえ、反抗心バリバリであり、口々にいう『彼女』には上客がついていたことからこの際にと切り捨てられた。
弱肉強食の摂理の弱肉になった、ただの悪魔である。
-6/20日19:50 追記-
なんで『マハーマユリ』なのかを書くのを忘れていた上に後書きでの書き方の統一性を忘れていたので最追記です。ついでにもうちょい文章を書き直します。
マハーマユリは、毒蛇やらを食べる孔雀の姿を神格化した者で、孔雀明王と呼ばれている。孔雀同様に『毒を喰らう』ことで人々の災厄や苦悩を取り除く神として知られている。由来の通り、孔雀明王とも。
今回の魔丞マハーマユリは、ボルテクス界という超極限状況の中でお荷物、『生きる事を妨害する毒』になってしまった『彼女』を喰らい取り除くという事をしました。マハーマユリの神話というか、神格の若干のなぞりがありました。
そこから生まれたのが愛食希のコトワリ、愛によって絶望を喰らい希望に変える、という指輪の魔法使いなニュアンスの、Light-Neutualなコトワリです。
まぁ、本人がゴミカスドクズなのでこのコトワリの説明は『メイドインアビスには可愛いキャラがいるよ!』という一部分のだけを切り取ったものとして見てくださいな。
あとがきをここに書かない理由、わかりますよね?