姫の護衛は地底人《ケガレビト》 真・女神転生オタクくんサマナー外伝 作:気力♪
「焼き尽くせ、紅蓮の炎よ!」
「問答が無用だなぁ!」
トチ狂ったように見えなくはないが、炎の撃ち方に意思はある。明確に己を仕留めようと包囲網を敷く形で炎を囲んでいる。
「そこ!」
しかし、炎の包囲網が閉じるギリギリのタイミングで温度の低い所を見切り*2で突っ込んで、ノーダメージで回避。そしてそのまま距離を詰めて、
しかし、後ろのマザーからの割り込みが入り、巨大な両腕の爪撃により放たれた『狂乱の剛爪*3により阻まれる。
ノックバックにより火炎の中に叩き込まれるのは回避したが、己に直撃二発が入る。
いつもながらのマッスルドリンコさんの増強体力でも
そして、
「終わってくれ『フレイダイン*4』!」
「させん!」
そこに雷光の如き速度で割り込んでくるのはブレイド殿。
斬撃で核熱属性のコアを叩き切り、己へのダメージを『カバー*5』する。ありがたい!
「君の目的のこの娘は、時間がくれば解放できる。下がってくれ、ブレイド」
「その故を話せ。ソイツの下僕と化した貴様に語る道理があればな!」
「なんにせよ、デバフから入らせて貰う! ムダ話に付き合って殺されるつもりはない!」
『フォッグブレス*6』により弱体を当て、ゴグマゴクのラクカジャ*7により防御一段上昇。ラクカオート*8が別方式に更新されて40%向上だ。そこからクイーンメイブが『メディアラハン』により全体を回復。最後のロキが敵全体に『マハブフダイン*9。
「薙ぎ払う!」
ブレイド殿が
| 陽炎《ヴィヴラシオン》 | 自動効果スキル | 攻撃する敵の命中率を大きく低下させる*11太陽じみた熱エネルギーで発生した陽炎が幻像を作り出し、攻撃をする抜けたかのように錯覚させる |
「ブレイド殿の
「カゲロウの破り方は二つある! カウンターで当てるか、当てるまで撃ち続けるかだ!」
「させないよ。僕は、勝たなきゃいけないんだ!」
ブレイド殿の斬撃を前にすり抜けた覚悟により
耐性を持つクイーンメイブを盾にするつもりで位置を調製しようとするも、動き出しが早く潜り込めない。必中火炎が来る!
「焼き払え、
| サンライズ | 魔法スキル | 敵全体に火炎属性威力120のダメージ。貫通効果。攻撃成功時、死亡している味方単体をHP50%で蘇生する |
威力はマハラギダインクラスであるが、意思の重みがその威力を大きく見せている。泣き笑いのような笑みから放たれたとは思えない、灼熱の一撃だ。
火炎は、己達全体を焼き払う。ダメージこそギリギリ足りなかったが、全員致命傷な上に
「ガァアアアア!」
しかし、マザーが攻撃したのは
「暴走しているのか⁉︎」
「……違う、コイツは自分を
「ならば、どうしてお前はマザーを守る側に居る! 無意味に殺されたいのか!」
ブレイド殿の叫び声が響く。その声の中には怒りもあり、
「僕の生き死になんて、関係ないだろう?」
「ある! 己達は共に戦った仲間で、友人だ!
「そんな薄っぺらい関係で、僕の道を阻むなぁ!」
そう叫びながらトドメの『マハフレイダイン』のチャージが始まる。だが、先の一撃で乱れた呼吸は想定以上に大きかったらしく、一瞬早くこちらの手は差し込めた。
「『バインドボイス』!」
「小賢しいッ!」
バインドボイスの音が
クイーンメイブがメディアラハンを放ち、全体を回復、ゴグマゴグがラクカジャを重ねて、ロキが手番をパスし、浮いた手番で『フォッグブレス』を当てる。
マザーの動きを見たいので、ここは見に回る。
ブレイド殿も引き気味で動き始め、懐のガンに電撃の力を込めるチャージをしている。先の戦いで躱したガンの威力的に必殺にはならないだろうが、なにかしらの必殺に繋がる一発に見えてくる。
| ターゲッティング | 集中スキル | 射撃する対象を1体指定する。使用者が次に行う、指定した対象への射撃攻撃1回の判定値に+[ランク×20]%の修正を与え、威力を2倍とする |
ならばと、隙を作るために会話を試みる。隙が作れば儲け物だし、そうでなくても理由が分かれば別の落とし所が見つかるかもしれない。
「レイラの願いと言ったな。その者を人質にでも取られているのか?」
「……違うよ。レイラは、ずっとここにいた」
一見ただの球体に見えるが、金色の翼を繭のように包ませて満月のようになっているらしい。
「僕は、レイラに導かれてここまで来た。この世界に漂着してから、助けを求める声に導かれて」
……分霊をガーディアンとして憑依させて本体の元へと招くようなものだろうか?
「そして、今はレイラの声がよく聞こえる。レイラは、コレを縛っているんだ」
「マザーを縛る?」
「理由は知らないけど、マザーは何かの力に汚染されている。それを体内に封じ込めるために精神を自閉し、外部から
「ならば、先ほどマザーが暴れているのは何故だ?」
「マザーの内では自身を破壊して封じているものを解放しようとする衝動と、自身を守り封印を続けようとする理性が混在している。だから、敵味方が瞬き毎に切り替わっているのさ」
「……ならば聞くが、お前は何をしようとしている?」
「……マザーの仕掛けだろう。もう暫くしたらこの異界は地脈からのエネルギーが爆発して崩壊する。だからそれまで、彼女をを守り続ける。それによって、マザーの破壊とレイラの願いの両取りをするのさ」
そう話している
「
「そうさ。僕はずっと死ぬ事だけを考えて生きていた。──僕こそが、僕の世界を滅ぼした元凶なんだから」
僕は、中東のあたりにある小国の王だった。皇国の生み出した無限発電──実際には悪魔因子を入れた人間による人力発電だったが──により原油が値崩れし、しかし積極的に推進していたIT技術の芽が出て技術国としての歩を始めたような、そんな国の王だ。
当時、日本皇国は全世界に必須とされた複合ワクチン『セブンス』の製法を独占し、それを元にした対大型悪魔協定の強引な締結、龍脈汚染対処のための超法規的機関『治龍局』による各地の霊的組織への弾圧、その他強引すぎる施策を行なっていた。
その全ては後から考えれば必要なものであったと言い切れる。けれど当時の僕らは未来を先読みしきっている数々の施策と、常に日本皇国が勝者になり続ける事実から、全てを日本皇国のマッチポンプだと判断した。
そして、愚かなことにその流れを断つために皇国と敵対し、交渉の決裂の結果として戦争にまで持ち込んだ。
皇国のマッチポンプだと思い込んだ理由は、第二次世界大戦にて数々の悪虐を行い同盟諸国を焼き払った日本皇国だから、という偏見だった。
日本皇国は志のある者たちにより内側から変革がもたらされまともな国に変わっていたのに。蛆は取り除かれ、ゆっくりとより良いシステムに変わっていたというのに。僕らはそれを受け入れることをしなかった。
そして、戦争の最後の引き金を引いたのは、僕だった。
皇国へに発射した、大陸間弾道ミサイルに搭乗しての不法入国。全世界から集められた、対皇国への精鋭部隊。それが
僕らと皇国との戦争により皇国のリソースは削れ、
僕らの国や世界全体で行っていた対処は、皇国の行っていた対処の1/100の量もなかった。皇国に成り代われると踏んでいた僕らは、その程度の認識の土人以下だった。
最悪なのは、戦っている最中にはその事に全く気づけなかった事だろう。
マザーの行う、非人道的手段の数々は、振り分けられるギリギリのリソースで行った悪あがきであったこと、再構成ボディにインストールされたかつての仲間のマインド兵達が、誰もマザーを裏切らず僕らを止めようとした事実は、彼らの語る本物の言葉は僕らを説得するためのものだったというのに。
愚かな僕らは、尊厳を踏み躙った邪悪としてしかみなかった。
本当に、邪悪な話だ。
昔話で浸っている話の最中ならば当たるか? との試しから『百麻痺針』を投げてみる。体毛からの針の形成のノリは普通で2発。しかもすり抜けて当たらない。運が下振れているなー。
「君、本当に容赦がないな」
「
「まぁ、そうなんだけどさ」
「……お前が自分の正義を信じられなくなったのは理解した。だが、何故自死を選ぶ?」
「……僕が害悪だからだよ。邪悪なものは取り払われなくてはならない。君の思いと同じだ」
「別に害悪だからと生きていていけないわけではないだろう。事実己は生きているぞ?」
「君程度が騙るな! 害悪というのは! 愛した人たちを無力で死なせて、愛した女を得た力で焼き殺すような奴を言うんだよ!」
「システィナは! 馬鹿なスパイ活動をさせられて捕まって! 僕が空を舞う竜巻ごと灼熱の炎で焼き払った!」
炎を使って剣を形成して、切り掛かってくる
ナイフを抜いてMAGを通し、炎の剣を受け止める。鍔迫り合いの形だ。
「プラドは無能に最前線で戦い続けさせられて攫われて! 彼女の最大火力以上の熱量で僕が焼き殺した!」
八つ当たりのような激情であるが、叫びの度に剣への力が重くなる。
そして、己の四方には炎の剣が新たに作られており、その切先は己を向いている。鍔迫り合いに持ち込んだのはこの殺し方が頭にあったからだろう。
ロキのマハブフダインを放ち、己ごとダメージを与えて炎剣を破壊。だが
「サーペンタインは敵主力の無謀な暗殺に失敗して捕まって! 彼女の霧の世界ごと僕の太陽で焼き殺した!」
クイーンメイブのジオダインが己達に向けて放たれる。
「グラツィエは、僕らの拠点を守るために無茶をさせられて! 敵に寝返ったから彼女の砂城を融かしマグマに埋めた!」
己の打てる小細工はない。
「全部、僕が命じて! 僕が殺した! そんな奴に、生きていていいと君は思うのか⁉︎」
「勿論、思えるな!」
「何を根拠に!」
「
ブレイド殿が己の言葉に虚を突かれた一瞬のタイミングで銃撃を放ち、
そして、その隙をついて力を流しながら転がって絶死圏内から抜け出す。振り下ろされた剣先が地面を融解させるも、その熱エネルギーが己に伝わる前に距離を取りきれた。
そして、ゴグマゴグの行動が入る。ゴグマゴグでは速度が足りなかったからの
放ったのは『ブフダイン』。
「己は、姉のように己を大切にしてくれたパイセンを生きたまま合体素材に使った害悪だ。理由はただ、己が生きたいがために」
「残念だが、ペルセポネーではないぞ。パイセンを使って生み出した『コノハナサクヤビメ』は悪魔合体に使用して、もういない」
「……大した外道じゃないか。キミ」
「うむ、己は外道であるぞ──だが、生きている」
己の傷を晒すのはあまり得意ではないが、しかしこれを語れずには己の言葉は語れない。
「どんな外道でも、どんな邪悪でも、生きていていいのだ。己も、
「……それは?」
「──ごはんが、美味しい!」
そう言い放った瞬間に、ぽかんとした表情の
離れたところにいるコハク殿は、明らかに混乱しまくっていた。
「……すまない、意味がわからない」
「食事とは明日を生きる糧だ。それを喜べるということは、未来を生きたいのだと己自身が言っていると言うことだろう?」
「その程度の事で、僕の罪が許される訳がない!」
「罪は許していない。罪への罰は必ずやってくると己も信じている。だがそれでも、それまでは生きていいはずなのだ。だから、体と心はごはんを美味しく思うのだ」
「過去の罪があるから死ななくてはならないという結論を己は否定する。だが、それでも
「……説得でもしようとしていたのか?」
「半分はな。もう半分は最後通告だ。己の、マザーを助けんとするコハク殿の望みと、
沈黙が流れる
「……キミの、パイセンという人は、どんな人だったんだい?」
「心に深い傷を負いながらも、それ以上の勇気と優しさで皆の勇者になっていた、己の憧れの人だ。己に人間としての生き方を教えてくれた恩人でもある。願わくば、共に生きていたかった」
「……それじゃあ、やろうか」
「うむ! やろう!」
「やらせるか、馬鹿どもが」
瞬間、ブレイド殿の蛇腹剣が己と
「……しまった!」
「
「モデル
ガントレットを見れば、
「
「……なら、どうしたらいい! 彼女達は今も僕に身を捧げようとしている!」
「何ッ⁉︎
「ほらみろ、貴様の陶酔が招いた誤解だ。女に合わせる顔がなくて死にたいなどと、女々しい男だな」
「……クッ」
「ならば、己がとりなそう! グラツィエ殿とは学友であるし、プラド殿とは芸術を教わる仲だ! サーペンタイン殿とは訓練を共にする仲であるし、システィナ殿には経済の仕組みを教わったりもしたぞ! 話せば分かってくれるだろう!」
「分られたいと思っていない!」
「その事についても話し合えば良い! 地底で女々しく悩んでいるよりは、マシな答えが出来るだろうよ!」
「少し前まで殺し合おうとした奴に言う言葉か⁉︎」
「気にするな!」
「僕が気にしているんだよ!」
ぐっだぐだな空気となり、さぁ殺し合おう! という流れには戻れない感じになったときだった。
「ロロちゃん!」
「……コハ……ク……?」
マザーの魂は、まだ正気を残していたらしい。若干の理性は残っている。
「
「縛りつけられながら言うのかい? それを」
「魔剣Xという精神を外科的にどうにかするものがこの世界にはあってだな。それを用いればマザーとコハク殿の分離も、マザーが取り込んだという『怨念結晶』の切除も可能なのだ。死ぬ必要はどこにもない」
「……信じられないな」
「
「ジエンの言葉が全て信じられるとは私も思っていないが、今すぐに心中する必要もないだろうよ。今は、お前の女が押さえ込めているのだろう?」
「それは……そうなんだが」
「果たして、そうかな?」
ドクンと、地面の下からのエネルギーが脈動する。
声のした方向、マザーの方を見てみる。
マザーはその両手の爪をコハク殿に振るっていた。コハク殿は寸前でガードするも吹っ飛ばされていて、右前輪が切り落とされてしまっていた。
「馬鹿な、レイラの歌が抑えている筈だ!」
「奴の機体になにかあったのではないかな? 例えば、この世界の戦士達が
「何ッ⁉︎」
マザーの口から語られる敵の言葉にハッとする。確かに、上からは『漫画好き』なる最強のデビルバスターがやってきているという話だった。
「貴様らの使う情報共有ソフト、『バックアッパー』だったか? セキュリティの
「貴様、何者だ!」
「機神デカグラマトンが元配下、電霊デマーゼル。これからこの世界の
「この世界の神だと⁉︎」
「レベル100オーバーが平然と殺される世界であるぞ! 正気なのか⁉︎」
「戦えば全力の私でも
恐ろしくスケールが大きい考え方だ。デマーゼルの計画が全てうまくいっても絶対に失敗するであろうという確信はあるが、考え方としては嫌いではない。
そのとき、地面を走る力の流れが一段と重くなる。気合を入れて地面を掴まなければ噴き上がるエネルギーで体が浮き上がってしまうだろう。
緩んだ蛇腹剣の拘束をすり抜けて、戦闘準備を整える。己が微量のダメージを喰らっていて、食いしばりを切っているだけ。
敵の初手が怖くはあるが、まぁなんとかしよう。
「なんで……なんで、ロロちゃんにそんな酷いことをするの! ずっとずっと苦しんでて、それでも守りたいもののために頑張ってきた優しい子なのに!」
「そこにいた。それが
よくあるよくある。と己が内心頷きかけるも、ブレイド殿と
「では、そろそろ
「行かせる訳が!」
「ないだろうが!」
その言葉と同時にデマーゼルを襲う火炎と雷霆。しかしそれは奴の指パッチン一つで消失した。
「「……ッ⁉︎」」
それと同時にブレイド殿と
「ああ、一応言っておくが私はマザーの権限を使えるし、
「……馬鹿な、そんな事ができるなら、何故マザーは……ッ!」
「マザーは力ある駒がなくなるのを嫌ったのではないかな? なにせ、力を遮断することはできても再起動させることはできない欠陥のある
「つまり。無関係の己なら、貴様を止められるという話であるな? 単純で良い」
「その通り。故に貴様を確実に仕留めるための下準備をしたのだよ」
デマーゼルの肉体から霧のようなモノが現れる。フォッグブレスか? と思ったが召喚術の類であるらしい。4つほどの影が現れ始めていた。
とてもよく見知った姿が3つ。なんかちんまいのが1つだ。
「……ッ! ジエン! これは鏡面召喚*13だ! サーペンタインの
「情報から
「……監視カメラの類、ではないな。密度が己の仲魔と同等だ」
「貴様は私の影響下にある悪魔を
「ゴグマゴグの
「その情報を知るのにもバックアッパーは役に立った。是非ともソフトの
分らないものを分からないままに使っていたツケが来たか。まぁ、ゴグマゴグが居なかったら死んでいる場面はそこそこあったので悔いはしないけれども。
「……そして、貴様自身にはその能力を解放してもらうとも。数多の
そして、霧の向こうの己は、ぐちゃぐちゃと肉を食い破りながら悍ましい姿に変貌しようとしている。己のことなので見覚えはあんまりないが、腕とか爪とかを良く良く見ればウィスパーを受けすぎたときの不安定状態の時にたまに変化する奴だった。
「これで完全上位互換だ」
「……デマーゼルよ、一つ聞いて良いだろうか?」
「なんだ?」
「貴様、この程度の切り札で勝ったつもりで居たのか?」
「……ほう? ならばこの状況を覆せるのかね?」
「当たり前だ。己は己の事をよく知っている! 多少己が変わった程度で、強くなどなれはしない!」
「ほざけ!」
「ほざくとも! 己は、己は!」
| 施餓鬼米 | 消費アイテム | 敵2体を昇天させる |
WEAK!
「闇堕ちした程度で強くなれるようなら、とっくの昔にやっているわ!」
「「「……は?」」」
若干半泣きになりがなら魂の叫びを言い放つ。うむ。そうなのだ。己がどれだけ悪魔の力に身を委ねまくっても、どれだけ邪悪の囁きに耳を化したとしても、デビルシフターをやっていない理由がコレである。
力欲しさに悪魔の力を取り込みまくっていた時、先輩ハンターに破魔一発で吹っ飛ばされた事を己は良く良く覚えている。突然すぎる即死をレベル5くらい切り落としての気合を入れた食いしばりをしてから必死に命乞いをしてどうにかお目溢しされた事実を忘れてはいない!
「そして! そんな己を放っておく仲魔達ではない!」
そして、隣のロキが食いしばった霧の己の頭をちぎってモグモグと食べていた。やっぱ殺る気満々じゃねぇかと己の仲魔のロキを見ると、良い顔で頷いていた。流石の忠誠心だなぁ泣けてくるぞ!
「馬鹿な、配下の
「忠誠度を上げる酒だのプレゼントだのは使えていないし、平然と捨て石にも盾にも使っているからな! 己の仲魔達は基本的に隙あらば己を殺そうとしているのだ! 情報の再現性を高くしすぎたな!」
召喚の要である己が消えたことでデマーゼルの鏡像召喚体は消失する。そうして空いた正面に向けて突っ込んで、ゼロ距離からの『バインドボイス』で動きを止める。そして、ロキとペルセポネーの『ブフダイン』が直撃、両手の爪が凍結して動かなくなる。そのままクイーンメイブの『タルカジャ』により膂力を向上させて拘束する。
「コハク殿!」
「ロロちゃんから、離れろぉおお!!!!」
そしてそんな己ごと轢き潰すようにコハク殿は突っ込んでくる。
そしてマザーへの着弾の瞬間にコハク殿の力が溢れる。悪魔降霊戦車とは霊的な躯体を持っているために、霊体に対して轢き逃げアタックができるらしい。
ずがんと、直撃一発だ。
コハク殿一撃により、マザーの体内から霊体が吹っ飛ばされ、ライジュウに似た雷の化身が姿を現すこととなった。
「……信じられん、ただのマシーンの体当たりで
| アギダイン | 魔法スキル | 敵単体に火炎属性大ダメージ |
| 暗夜剣 | 物理スキル | 敵単体に物理属性中ダメージ。魔封状態を付与(真4F) |
「これだけ動ければ」
「戦えるッ!」
「……
「僕の死と、レイラの命は別だッ! レイラを害そうとする貴様を殺し、レイラを破壊しようとするデビルバスターを仕留める! 1秒でも、早く!」
焼き払われた右の爪と切り砕かれた左の爪、そのどちらにもさほど気にすることもないデマーゼル。
「……ふむ、プランを
「ほう?」
「予定時間だ。
グンと、地面からのエネルギーの噴き上がりが増していく。上方へ吹き飛ばす力だ。
誰も彼も、何もかもが力に流されて中心の大穴の最深部に引き寄せられていく。
地の底から、何かが飛び出してくる様子だ。
「元々、デカグラマトンの遺体を用いた悪魔召喚にて無限のデビルソースを生み出すというのがマザーの
「砲身ッ⁉︎」
「やはり、ただの大穴ではなかったか!」
「だが、我々が本当に目指すべきは地上ではなく、地下への
「ただの我欲であろう!」
「その通り! 世界を変えるに十分な、このデマーゼルの我欲だ!」
瞬間、上昇エネルギーの中心から光が放たれる。感覚としては万能系。メギドラオンを圧縮したものだ。
吹き荒れる余波によりシェイクされる己達。だが上昇エネルギーは薄れたようで、地に足が付く。
そして、直感に従い外縁部へと転がり避ける。すると先程まで己がいた場所から牙が生えているのが見えた。
パクリとは絶対に違う轟音とともにその牙は閉じられ、それが巨大な龍顔であると認識ができるようになる。
機械の、巨大な龍のそれだ。
そしてその出現を祝福するかのように天から光が差し込んでくる。初手のメギドラオンにより天井に穴が空いたらしい。
『ジエン! 無事ですか⁉︎』
上方に穴が空いた事で異界に乱れが生じたのか、フジワラからの思念通信が届く。その事実はデマーゼルに気付かれていないようで、顔に出さないように気をつけながら盤面を伝えていく。
「まだ出力を絞られているか。……未だに
「ちなみに問うが、上では一体何をやらせたのだ?」
「龍王ヴリトラの
『罠の匂いがしましたので、敵のリソース削りに切り替えました。精製された瞬間にホシノの衝撃で崩した所を佐々木さんの仲魔の呪殺などで仕留めています。出現ペースも5分に1回までに落ち込みました』
通りで己達が他のヤバい悪魔に襲われなかったわけだ。異界全体のリソースが上に吸いまくられていたらしい。
「だが、関係はない。龍脈が作る道は生み出された」
先程までとは別次元のスケールのエネルギーが地面の下を通って中心へと集まり、ピナーに集まっていく。時間加速が無くなくなったことにより龍脈の力がダイレクトに注がれるようになったのだろう。
デマーゼルはピナーの頭上に立っている。己の麻痺針、
「それでは、
瞬間、大地からのエネルギーが爆発しそうになる。その全てがピナーの中に吸収されて、上向きの運動エネルギーに変化する兆しが見えた気がした。
「ソイツに捕まれぇええええ!」
直感に従って叫びながら、ピナーの鱗にナイフを突き立てる。
──爆発じみた加速と、上昇。
ナイフを突き立てた己はギリギリ追い縋れたらしいが、ブレイド殿と
『ジエン!』
「その猟犬のような嗅覚と、ドブネズミのような生き方を私はリスペクトしよう」
「敬意を持っているような言い方ではないな!」
仲魔を再召喚。まずは浮遊能力を持つロキを踏んで、それを初速に垂直になっているピナーの体を駆け上がる。
「君の目的はこの身体だが、私を殺すか?」
「好き勝手にはさせられん事は確かだな!」
飛び込んでみたもののノープランである事をポーカーフェイスで隠しながら、仲間の身を一瞬想う。
とりあえず、話はコイツの目的を挫いてからだ!
あとがき
女神転生原作でガンヴォルトシリーズ同窓会をする暴挙はここまでです。ちなみにガンヴォルトシリーズをメインにしたのはスピンオフとかの比較的新しいところから引っ張れば本スレとのキャラ被りを回避できつつ、GVが学園にいるという接点から色々話を膨らませられそうという所からだったり。
今回漫画さん達の描写をしなかったのは、大逆転フェイズで纏めてやった方が楽そうだなーというアレです。楽さに逃げました。
・
ミサイルに乗っての不法入国は原作通りな男。自殺願望とかでぐちゃぐちゃだったけど、ハーレム組がいなければ使命で自分を縛ってなんとかやれていた。
自分を慕い、自分のために死んだ女達の
・プレイドお姉ちゃん
馬鹿共がノリと勢いで殺し合うのを止めたMVP。復讐に囚われているのは変わらない筈なのに、周りの奴らがそれどころじゃない拗らせ方をしていたり、とんでもない馬鹿だったりでお姉ちゃん属性が強く出まくっている。
ちなみに原作だと黒幕に洗脳されて兵隊やってただけなのに続編の白き鋼鉄のX2では実質世界のトップになっていたりする。つよい。
・電霊デマーゼル
ガンヴォルトシリーズスピンオフ作品白き鋼鉄のXにおける黒幕。今作ではデカグラマトンを動かしていた血液たる電力が暴れ出した存在となっている。人力発電端末になっていた人間が元。
独特すぎる言い回し『アシモフ語録』が難しく再現できている気はしないがそれはそれ。
・漫画さん一行
時間制限のある地雷としてデマーゼルは引き込んだが、アリスの死霊との交感能力とか漫画さんの経験とかで即方針を変更し、学園受胎で法山さん達がやった増援を引き込んで出オチさせる事で他の探索者を動きやすくする策をとりながら、色々していた。
・ジエンくん
破魔弱点が怖すぎて闇落ちしてられない系男子。手癖で撃ちまくっている『百麻痺針』のウィスパー元はコノハナサクヤビメだったりとかする。
ガンヴォルトシリーズを作ったインティクリエイツの最新作。ラブライブサンシャインのスピンオフ作品が原作の2Dアクションゲーム『幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-』は11月18日発売です。さすが淫帝