姫の護衛は地底人《ケガレビト》 真・女神転生オタクくんサマナー外伝 作:気力♪
現在、眼前にある巨大機械の無力化は殆どできている。アナライズにより出てきた呼称はマシンの『バタフライ・エフェクト』。内部にあるホムンクルスのような肉体を接続する
邪教の館などで行う一度MAG粒子に分解してからの合体を外装にて高速回転させて行っており、回転の遠心力の概念を使って1つの素体から4つの悪魔を生成していると推測できる。
元に、ヒナのメギドラなどで外装が破壊されたことによって悪魔召喚のペースが減少している。
故にさっさと全て破壊してしまえばいいのだけれど、それに待ったをかけたのはキリギリスの実質首魁の『佐々木排世』さんだ。
仲魔である『ALyCE』の死霊交感能力によると、現在このバタフライエフェクトというマシンはどう考えても不自然な行動をしているらしい。
「間違いない。1体の悪魔から4体に分裂させているのは弱体化だ。4つのアーキタイプに分けたところで10のエネルギーが増える訳じゃない。肉体を構成する力が4倍必要になる分出力は低下してる」
「それで、一体どんな得があのマシンにあるんです?」
「デビルソースだ。分離や加工する過程で意図的に溜め込んで、特定の種類のデビルソースを凝縮させてる」
【マシン】バタフライエフェクト
特定波長悪魔因子のコントロール能力『
現在は指揮系統から逸脱し、【龍】系統のデビルソースの不要部分を取り除き、『龍神コウリュウ』のソースを生み出そうとしている。
現在達成度87%
【守護霊】ルクシア
異能者レイラの能力である
私の命は終わってしまったけれど、あなたの光は私が必ず蘇らせてみせる。私たちに未来を見せてくれた、あの黄金の輝きを
「フジワラちゃん、下の様子は?」
「現在ジエンと
「フジワラちゃんには、おじさんの目より遠くがみえるんだねぇ」とおそらく見えていない訳じゃないホシノが言う。昼行燈を気取るのは別に良いのだけれど、私の見ている視界が正しいとは断じれないのだから、出せるやる気は出して欲しい。
「……私は冷静じゃない自覚があるわ。だから判断はアンタに任せる。破壊して下に急ぐ? 利用して悪魔釣りを続ける?」
「後者で。ただ
しれっと宣う佐々木さん。1フロアの高さがそれなりにあるので、ちょっとした高層ビルからの直下降となる。空を飛べない人ならぐちゃっとした死体になりそうなものだが、本人的にはちょっと無理すればいける程度の難易度らしい。
「今すぐ行かない理由は?」
「僕らをここに誘導して、アレを破壊させようとした奴の姿がまだ見えてない。最下層で機を伺ってるんだろうけどさ」
「敵からしてみれば、ブレイドと
私たちが取られていた先手とは、龍脈関係の情報の操作だ。私たちがCOMPを使って測定し、共有していた情報全てに改竄を加えることで、深層において今にも爆発してしまいそうな危険物を無害な異界だと誤認させられていた事だ。
佐々木さんが監視ツールに付いていた電霊を“視た”事での発覚であり、不甲斐ないことに私が気づけなかった敵からの先制攻撃である。
研修とレベリングのついでにと、たまたま佐々木さんがやってこなかったら脅威に気付かれる事なく『詰み』にまで持って行かれただろう。もしもの話とはいえ、恐ろしい限りだ。
そんな恐ろしい敵は、自ら
わかりやすいのは3層周辺を探索していたブレイドが突然大穴からのショートカットを選択したあたりだろう。結果、エレベーター内部にてジエンとブレイドを殺し合わせることに成功している。
敵は、
考える。
敵にとっての『勝ち』とはなんだ?
デビルソースによる自己強化だけならば、私たちが踏み込む前に完了してボスとして降臨していたはずだ。だから力目当ての線はない。
バタフライエフェクトと同様に、特定悪魔のデビルソースが溜まるのを待っていた? それもない。悪魔召喚が行われているのは現在このエリアだけだ。この異界の召喚リソースの全てはこの部屋に集められている。
ならば、時間か?
再計算の結果として、この異界が崩壊するまでのタイムリミットはおおよそ46分。異界の主となる柱の悪魔が存在しない事による崩壊だ。敵側は野良悪魔も含めて全ての悪魔をアーキタイプに分解して異界の主になれる能力を奪っている。
野良悪魔達が蠱毒のように殺し合って力を求め合っていたのは、異界の主になるだけの能力を取り戻そうとしていたからだろう。同種を喰らうことで、パワーは獲得できるのだから。
……異界の主が存在しないことによる収縮崩壊は起きるだろう。異界内部のエネルギーが尽きれば、予定時間よりも大分早く。
「大穴の存在理由がないですね」
「たまたまできたんじゃないの? エレベーターとかが後付けでつけられているけど、なにかの力が吹き出している訳じゃないし」
「第一フロアで蓋もされてるからねぇ。地上と繋がってるなら何かを受け止める穴かな? って思うんだけど」
「佐々木さん、どうします? 悩んでても仕方ないですし、手番の浮いてる私とリオさんで先行きましょうか?」
「時間差の影響で今から行っても間に合わない。だったら纏まってた方が後々動きやすい。偵察にはフジワラちゃんもいるしね」
動いても盤面が良くならない浮いた駒、眼前のマシンを完全に破壊することで悪化をさせることはできるが、それだけだ。
そのあたりから、逆算していこう。
「下か?」
佐々木さんが鋭い目のまま大穴の蓋になっている第一フロアを見ながら言う。ダイン級以上の破壊力が必要だろうが、破壊はできてしまいそうだった。
あの蓋が破壊された後であるならば龍脈の循環路はなくなり、力は深く深く落ちる訳だから……
なるほど、確かに下だ。
「仮説ですが、敵の目的の目算が立ちました。敵は異界を任意のタイミングで崩壊させるのが目的です」
「その根拠は?」
「大穴が深過ぎることです。この異界は水平軸にも垂直軸にも円環上にエネルギーが循環する事で成り立っています。そして、この天井部分を破壊する事で縦方向への循環を破壊した場合、水平方向の循環のエネルギーは垂直方向への力の分が流れ込む事で増すわけです」
「異界循環による上へのエネルギーは無くなっても、重力は残り続けている。一時的に上下に無茶苦茶なエネルギーになるにしたって、結局星のエネルギーには敵わない、龍脈は下向きに流れるようになる訳だね」
「そうなるとMAGの流れは下向きかつ回転する形となるわけで……こうなります」
……適当に描いた結果ちょっと角度がついてしまったが、まぁ分かるだろう。
「ドリル?」
「角度も相まって、ファイズのアレにも見えるねぇ」
「あ、クリスマなの」
「敵の目的は、この異界の崩壊エネルギー全てを使って地面を掘ることかと。現在のエネルギーを全て使うだけで下部マントルまでは到達可能でしょう。そこから先は、流石に分かりませんが」
「……まぁ、方針にはなりそうだよね。MAG循環をここで全部浪費することでこの異界でのMAGドリル生成を阻害する。そのためには、ちょうどそこで精製されている『コウリュウ』のデビルソースを使った召喚が丁度良さそうかな」
「でしたら、私がメインをやらせていただきます。レベルは足りていますし、以前使役したこともありますので」
「うん、任せる。……索敵とか召喚とか、便利に使ってるけど、無理してない?」
「この程度は許容範囲です。ただ、索敵には漏れができそうなので、ホシノには穴埋めをお願いしたいですけどね」
「うへぇ、責任重大だー」
などと言いつつ目にMAGを通してより深く、より詳しく見るやり方に変えているホシノ。彼女の言葉は割と適当に流して良いかもしれない。行動の一つ一つの方が言葉より雄弁に意思を語っているのだから。
「僕はこのマシンを見てる。龍王ヴリトラはアリスで対処できるから」
「おじさんは所長の近くでサポートしつつ下の監視だね」
「それでは、ヒナ、可奈美、リオ、術式のマーキングをお願いします。コウリュウの召喚に必要な四神、『青龍』、『白虎』、『玄武』、『朱雀』を水平方向の円環MAGにて配置して、特殊合体同様のフィールドにすることでコウリュウの召喚場を作ります」
「召喚に使う悪魔は今手持ちに?」
「悪魔ではなく、コレで十分です。今回は召喚ではなく、召喚に伴うMAG消費が目的なので、効率は悪い方がいい」
手渡すのは、『セイリュウ弾』『ビャッコ弾』『ゲンブ弾』の3つ。
「その弾丸の作成には四神が使われているので、五発ほど指定ポイントに打ち込んでくれれば召喚場を整えるのには問題ありません」
「指定ポイントは、
「はい。マップにポイントは示したので、手早くお願いします。異界全体の悪魔召喚リソースはここ集約されていますし、野良悪魔は
「スザク弾は?」
「既にダニーに装填済みです。この子は遠隔操作もできるすごい子なので、設置ミスはありませんよ」
その言葉になるほどと頷いた3人はそれぞれがそれぞれの指定ポイントに向かっていく。
東側エリアには、セイリュウ弾を持ったリオ。
西側エリアには、ビャッコ弾を持った可奈美。
北側エリアには、ゲンブ弾を持ったヒナ。
南側エリアには、スザク弾を持ったダニー。
野良悪魔などからの妨害は少なく、滞りなく弾丸は打ち込まれ召喚の場は整った。
そして、時を同じくして最下層におけるジエンと
「……なんか、ぐだぐだになってるねぇ」
「殺気が折られていますね、アレ。機を逸した結果そのままなぁなぁになってしまう流れです。今のブレイドと同じように」
「仲間を作るのが上手な子なんだね」
「敵対してる場合じゃなくするのを仲間と言うのなら、そうですね」
そして、次の瞬間最下層から巨大な機械の龍が現れる。時間加速の関係で会話の全てが理解できているわけではないが、おそらく今少女のガワを使っているのが黒幕だろう。
「皆さん、対ショック姿勢を。下層から上層に向けて『メギドラオン』が放たれます。余波で無駄なダメージを受けないように」
『セイリュウ弾とかはもう打ち込んでるんだけど、召喚術式には問題でたりしない?』
「問題ありません」
「現在下層から放たれるメギドラオンの結果として、ヒナの2番、可奈美の1番、リオの2番に乗ってダニーの4番に帰ってくる循環路が完成しますので」
『……全部計算したの?』
「はい。最小効率でやる必要がなかったので、簡単でした」
『メインの仲魔のロストで直接戦闘は無理だと聞いてましたが、それどころじゃない一芸ですね。
私の大道芸に驚くヒナと殺意をチラつかせる可奈美。私がこの世界の外様で危険因子であるのは理解しているからあまり無駄な警戒リソースを割かないで欲しいのだけれど、その辺りは今後私が信用を勝ち取っていくしかないだろう。
『可奈美ちゃん、一応私が保護責任者やってるから安心してね。二人がやらかした時には、ちゃんと殺すって
『現在進行形で野生児さんがやらかしてません? リオさんの手の届かない所で』
「うっ」と若干格好つけたリオの言葉が詰まっていく。可奈美の言葉は刃のように鋭い。精神を切り捌ける剣士だからだろうか?
ただ、まぁ……
「リオはあれでもよくやっているので、あまり言って欲しくはないですね」
『若干引っかかる言い方になったわねフジワラ』
『仲が良いようで何よりです』
そうして、地の底から龍の咆哮に乗った
下層と情報が一つの空の下に繋がったことにより、時間の流れが一つになる。下層において時間加速に使われていたエネルギーはMAGの循環の中に入り込み、一時の上昇エネルギーへと変じていく。
だが、循環路は途切れている。天から地に流れ落ちる道が途絶えているので、水平に循環する路にMAGが合流して、地底に進む螺旋の流れが生まれようとしていた。
「フジワラちゃん、これ」
「はい、『コウリュウソース』確かに頂きました」
手元のプログラムを走らせて、コウリュウの召喚プログラムを起動する。セイリュウ弾、ビャッコ弾、ゲンブ弾、スザク弾は大地に落ちていくMAGの流れを僅かに逸らし、大穴の中にコウリュウを召喚するための場を生み出していく。そこに、
もうここまできたらセミオートなので、リソースを下層の戦闘の支援に少し割く。
敵は現在一時的に存在している上昇流にのって空に飛び上がり、落下時に形成されているMAGドリルに乗って半現実世界となる異界崩壊寸前の場から地球の掘削をするつもりなのだろう。
敵の言葉が正しく、敵首魁がエネルギー体であるのなら龍脈と同化して地球の中にウィルスとして入り込み、地球になるというのは不可能ではないだろう。地球に流れる全ての命の流れに押し流されない意思の堅固さがあると仮定しての話なので、0.1%はない可能性ではあるけれども。
「まぁ、考える必要はありませんね。この大穴から逃さなければ、諸共削れて終わるのですから」
プログラムの完了を確認。現在の上昇速度、上昇流の強さを計算に入れて、偏差を測定。
「好きにぶちかまして下さい。それ以上は望みません」
SUMMON GO!
| 龍神 | コウリュウ | LV78 |
「ギャオォオオオオオ!」
コウリュウの巨体による突撃は下から上がってくるビナーなる機械龍の頭蓋に直撃する。その衝撃により空高く飛ぶ龍は大穴の外壁に叩きつけられ速度を削られ、かつコウリュウの巨体自体が橋頭堡となって敵の首魁への足場にもなってくれていた。
そこまでの指示を理解できるまともなスペックの悪魔になるとは思っていなかったのでこれは良い想定外。
佐々木さんからのブレーキはなかったのでそのまま侵入ルートを表示。
「佐々木さん、ホシノ、出現周期的に次のヴリトラはありません。攻め込むタイミングかと」
「……それじゃあ、僕らは行くよ。キミも、後悔はしないようにね」
デビルソースを取り出す時に手心を加えたのか、マシンは完全な機能停止はしていない。
私の所感になるが、自らコウリュウソースを吐き出した節すらある。そんなマシン。
彼女は多くを語らず、ただそこにいる事を選んでいた。
空高く飛び上がる『ビナー』の龍頭にて、己とデマーゼルは取っ組み合って殺し合う。
デマーゼルはブレイド殿の妹君の方のコハク殿の生身を乗っ取ったマザーを乗っ取った存在だ。電霊というのはよく知らないタイプの悪魔だが、ネットワーク在住の悪魔のことを言うのだと記憶している。
マザーのナノマシンネットワークに寄生しているのだとすれば、やることはシンプルだ。
「キミは、容赦がないな! この娘とマザーのことを救いたいという話は嘘だったのか?」
「結果的に嘘になるかもしれんな! その時は笑ってくれて構わんぞ!」
「キミに私が殺せたのなら、笑ってやろうとも!」
マザーが展開していた両腕の大爪は先の戦闘で破壊されてそのまま。故に近接戦闘でのリーチは互角だ。己のナイフがビナーの表皮に突き刺さったまま抜けず、己の方も素手であるというのも含めて。
腕を掴んだまま腰を入れて敵の重心を崩す。しかし敵は崩れた重心を加速に使い、己の背後に回り込みヘッドロックを仕掛けてくる。
そこに振り向かせた首を向けて、ゼロ距離からの『バインドボイス』。首を取るのに拘らず、ビナーの頭から飛び出して回避し距離を取り、引き寄せられるかのように龍頭のフィールドに戻ってくる。
奴の引力の基点はこのビナーの額にあるらしい。磁力なのか、知らぬパワーなのか分からぬが、額の特定ポイントに足が付くような引力が存在している。
その引力を発動させる際に起きる電撃のフィールドにはダメージが存在し、電撃吸収のプロテクター*1がなければ削り殺されていただろう。
「ツキが来ているな!」
「打てる手がない現状は変わらんがな!」
電撃のフィールドによって耐性越し程度には銃撃属性は弱体化するだろう。その時点で己自身の手札はほぼ消えるあたりがいつも通りで笑えてくる。
つまり、どうにかこうにか隙を作って悪魔召喚をする必要がある訳だ。ロキが情けなくも蹴り落とされてしまったばっかりに! *2
という訳で、まずは盤面を操る見せ札を切る時だ。
右手でホルスターから拳銃『.50マグナム*3』を引き抜く。
致命打にならないように守りを固めるか、当たってもたかが知れていると踏んで攻め込んでくるか、など。今回は後者だった。
「その程度!」
引き金を引いて、弾丸を発射する。
意に介さずに攻めてきたデマーゼルは弾丸を電撃バリアの耐性で受け止める。
耐性があれば
つまり、罠に掛かった訳である。
| 親皇の弾丸 | 弾丸 | 威力130の銃撃属性弾丸。確率で即死*4 |
弾丸が命中したデマーゼルが『電撃サバイバ*5』あたりで食いしばるのが分かる。ビビらせれば良いと思った一撃が思いの外有効だったようだ。
続けて追撃にとガンを向けると目に見えて回避行動を取ってくる。あと一発で死ぬのだから当然か。
「随分な逃げ腰になったではないか! 地球になり、神になるのだろう?」
「貴様ッ!」
ビナーが首を振って己を振り回そうとする。しがみつきながら、敵の動きを起こりに注意する。
「……認めよう、貴様が
「ふむ……なんでだろうな?」
「……やはり、さしたる理由はないか」
「まぁ、
「……理解した。理解できない事がな! 全能たる私のつくる新たなる世界には、貴様のような
「試してみるがいい。己一人消せぬ雑魚だと自らを定義したいのならばな!」
瞬間、ビナーの側面にコウリュウが喰らいつく。その衝撃により己達は中空に吹き飛ばされて、しかし予測していた己とデマーゼルは共に空中での差し合いを始める事となった。
「いでよ、蒼き雷霆の導きにより!」
「来い、目の前に敵が居るぞ!」
「「召喚!」」
| 龍王 | ヴリトラ | LV93 | 素体 |
| 魔神 | マハーマユリ | LV67 | 加護 |
「先手貰った!」
「ヴリトラのスピードを上回るだとッ⁉︎」
己が『.50マグナム』の銃撃をデマーゼルに向けてぶっ放す。これが通ればコハク殿は死んでしまうが、通らないだろう。
素体のヴリトラが『カバー』に入って来るが、中空での動きが単調となった為にガードが間に合わず、
しかし『親皇の弾丸』の即死効果は通らない。MAGの感覚からしてボス耐性だ。.50マグナムよるワンチャンスや、即死魔法による盤面崩しはないだろう。
『ジエン、サードアイは届いていますね』
「うむ! サポート感謝だぞ、フジワラ!」
マハーマユリの『慈愛の旋風*6』がヴリトラに直撃する。小競り合いで受けた己の細かいダメージを治療しながら、ヴリトラの弱点にヒットする。
マハーマユリの攻撃成功時に己は『コウリュウ』の背に着地する。まだ上昇は残っているので若干足場は不安定だが、召喚に使うには文句はない。
「召喚、クイーンメイブ!」
そうして雑に全体回復持ちでかつ、浮遊能力を持つクイーンメイブを召喚する。そしてマハーマユリが『ガード』を行い己達の手番が流れ、敵の手番に移ろうとした瞬間だ。
「やっと、追いついた!」
最良のタイミングで差し込んだ
コウリュウの身体を駆け上がってきた、リオの攻撃だった。
『ヒナと可奈美も次ターンには合流します。3ターン程あれば佐々木さんも合流可能ですので、適当に引き伸ばしながらやって下さい』
「了解! 3ターン以内に片付ける!」
あえて発言する事で
敵の手番。
呼吸のノリ的にデマーゼルは2手、ヴリトラは3手動くだろう。しかしそのうちの一手はリオの『霞駆け』の『めまい』によりヴリトラの手番が崩れて止まっていく。
「チッ、攻めざるを得んか」
デマーゼルが『マハ・タルカジャ』を用いて火力増強。爪は破壊されており体力は食いしばり時のまま。どうにも奴はアイテムを使えないか、使うアイテムを所持していないかであるらしい。デカジャデクンダがなかったらワンサイドゲームに移行できるだろう。十中八九持っているだろうけども。
そうして、ヴリトラがめまいから回復する。敵の狙いはマハーマユリ。『雷刃吼龍掌*8』が放たれるも、マハーマユリはガード*9なので一発は問題なく耐えた。
思考パターンとして弱点を狙う傾向あり、しかしガードを見て攻撃対象を変えるほどの柔軟性はなし。自我は薄そうだ。
「ならば、これだ『ジオバリオン』!」
「おおっと貫通のないただの電撃ではないか! 思わずカバーしてしまったなぁ!」
「煽る口が減らぬ小僧め!」
そして、敵の狙いがこちらのメイン火力のマハーマユリだと理解したので立ち位置を調整し、コウリュウの身じろぎに乗って跳躍して電撃を身体で受け止める。
デマーゼルは出力こそ高いが、スキルが殺意の煮凝りのようなヴリトラよりも幾らか優しい構成となっている。
そうして受け止めながら周囲を見るに、写真でしか知らぬが、たいそう素晴らしい先輩だと聞くヒナ先輩と、一人の少女剣士が敵を攻撃できるラインに辿り着きつつある。
射程距離的に銃撃、魔法型のヒナ先輩の方が先に動けるだろう。立ち位置をそんな感じにずらす流れにしてみる。
「召喚、ロキ!」
「随分丁寧に扱ってくれましたね、サマナー」
「恨み言なら後にしてくれ! 今裏切ったところで己諸共死ぬだけなのだからな!」
「悪魔使いが荒く、上手いことで!」
ロキの『ザンダイン』がヴリトラに直撃し、マハーマユリの『慈愛の旋風』がそこに追撃を仕掛ける。90レベル台のボスらしく全然応えていない訳であるが、着実に立ち位置は動かせている。
「支援です、『タルカジャ』」
「サンキューメイブちゃん!」
クイーンメイブがリオたちサポート側にタルカジャをかける。クイーンメイブのタルカジャは魔法攻撃力は伸びないが、物理攻撃力の伸びがいいタイプだ*10。なので、リオと剣士殿のパフォーマンスは飛躍的に上昇する。
「ほうら、受け止めろ! 『マハザンストーン』!」
「チィッ!」
そうして戦闘していると、敵の動きに『誘い』が見えた気がした。ヴリトラとデマーゼルが分断されるのを良しとしているような違和感だ。
故に、本日二度みた
今のは奥の手の一つだったのだろう、デマーゼルは苦い顔をしている。
『見えました。マーキング対象の近くに一瞬で転移するスキルです。ボス耐性故にスキル情報は抜けませんが、全体にマーキングをつけて今のスキルの連打で壊滅させる高速連打が敵の必殺の一つと分析します』
どちらかと言うとスキルというより歩法や立ち回りの延長の気がするが、あのスピードは厄介だ。
「やることは、変わらぬがな!」
ロキが『ザンダイン』にてヴリトラを攻撃。
マハーマユリは『慈愛の旋風』のMP出力確保ついでに『ガード』で流し、クイーンメイブはもう一度『タルカジャ』をかけてサポートを支援する。
そうして、力を増したリオが攻撃する……と見せかけてヒナ先輩が敵全体を吹き飛ばす『メギドラ』により敵の処理能力を削る。
「何ッ⁉︎」
「不思議ね、貴方を仕留める私の考えとあの子の指揮が合致する。ハイセとは少し違うけど、同じタイプのサマナーなのかしら?」
「佐々木さんより、大分自由奔放で子どもっぽく見えますけどね」
そうして、今、道が開いた。
この場で最強の剣士たる彼女が踏み込み、デマーゼルへと切り込むための道行きが。
『ジエン、彼女ならば大丈夫です。貴方の求めていたであろう『外科治療』ですので』
「己は、フジワラに望みを言っていたか?」
『貴方はそう望むだろうと私は知っているだけです。貴方が意味不明に駆け出して止まらない時は、私を助けた時のような場合なのでしょう?』
フジワラの信頼が少しくすぐったい。フジワラは情けからではなく、過去の己の行動とすり合わせてそうするだろうとの分析から己の望みを言い当てた訳だ。
「おっとヴリトラ殿、少し止まっていてくれよ!」
「可奈美ちゃんのエスコートは、漫画の奴に任されているからね!」
リオが腰の入った一撃により剣士殿を止めようとするヴリトラの瞬間移動の出を潰す。
「
| 魔剣X | 武器 | 斬撃と共に |
剣士殿の魔剣はデマーゼルのみを一刀両断し、コハク殿の身体から電気生命体である電霊を分離してみせた。
コハク殿は落下をしかけたが、そこはしっかりと抱き止めてくれている。剣士殿は根っこから格好いい人のようだ。
「馬鹿、なッ⁉︎私が取り憑いていたのはマザーだぞッ⁉︎なぜ分離できた!」
「あなたこそ馬鹿ですか? 貴方。人間だろうが機械だろうが、心は心です。対処はそう変わりませんよ」
「精神の分離さえできたのなら、手加減の必要はない訳だな!」
「……だが、私は自由に戻った! マザーの肉体の檻から解放されたこの私を、殺せる可能性は、ゼロだ!」
「寝言は寝て言うものだ! その狼狽えた言の葉が勝者のものであるものか! 貴様の手にははもう、戦いの流れは存在しない!」
「これを見ても、同じことが言えるか!」
デマーゼルは、己達の隙を掻い潜って壁に押し付けられているビナーの中に入り込み、合体を行った。
合体というより、同化や、元に戻ったという方が正しいかもしれない。機械龍の外殻が崩れ、その中から6つの首を持つ龍が解放されて出現していた。
「これこそが、世界を滅ぼす龍を機械化した存在! デカグラマトンが最強の兵器!」
『マシン
\カカカッ! /
| マシン | LV93 |
「9の首には3つ足りないな! 根元で3つ焼け焦げているぞ!」
「……封印された時のダメージが残っていたか。だが、6つの首だとしてもその力は変わらない! 世界を壊す、龍の力を見せてやる!」
「……なんだ。ただの死骸の
その声を聞いた瞬間、敵対すれば死ぬという直感がやってきた。目の前のレベル90台のバケモノを見ても『勝てる』と踏む己のガバガバブレーキが、『戦ってはならない』と叫び暴れる存在が、コウリュウの背を駆けてやってきのだろう。
「そこの九頭竜は完全出現前に倒されて、その時のエネルギーの余波が雷の龍のヴリトラを引き寄せたのか。どうりでお前よりも強い悪魔がわらわら湧いた訳だ」
「……馬鹿な、九頭竜が怯えている……ッ⁉︎」
「そいつは
「……なぜ、そんな事を言い切れる……?」
「僕だけの力じゃないから誇るべきではないんだけどさ、ただの事実として──」
なるほど、理解した。
彼の魂強い戦士こそが、この世界の防衛互助会『キリギリス』の実質首魁! 人類の極点が一人!
\カカカカカッッッ!!!!! /
| デビルサマナー | 『漫画好き』/佐々木排世 | LV100 |
「それじゃあ、殺ろうか」
盤面の支配力や流れの主導権が彼のサマナーへと収束していく。己が勢い任せに流す事で誤魔化している『全体で最高パフォーマンスを発揮できる立ち位置への誘導』、『攻撃、防御を差し込むタイミング』、そして『指揮に対する絶対的な信頼感』。
己の持つ全てにおいて絶対的な格上であると、己の全てが叫んでいた。
「……臆した先には死しかない! 胸を借りるつもりで学ばせて貰おう!」
「その年でそれだけできるのは、僕としてもビビるレベルなんだけどね」
1番槍の己の『フォッグブレス』により、若干スケールダウンした大怪獣の討伐戦が開始するのだった。
僕は、何をしているんだろう
地の底で転がされ、空を見ながらそう思う。
元の世界に居た時、僕は世界を守ろうと動いた結果、独善により世界を滅ぼす引き金を引いた。
今の世界に来てから、僕は復讐のために動いた結果、復讐相手の自殺を助け損ない、その上今こうして地底でなにも出来ずに空を見上げている。
レイラを助けたいと、思う。
レイラの望みを助けたいと、思う。
思うだけで、僕はなにも出来ていない。僕の全ての行動は、害悪か無意味にしかなっていなかった。
天上で行われている戦いだって、僕が何もしなくても大勢は変わらないだろう。あのサマナーが主軸になり、反撃で削られてあの機械龍だったものは砕き折られ、世界は守られる。
なら、僕がするべきことは何もないのではないだろうか? マザーはジエンがなんとかするだろうし、システィナも、サーペンタインも、プラドも、グラツィエも皆この世界に地に足つけて生きている。
僕が生きる意味はなにもない。
「……いい加減起きろ」
「……ブレイド?」
そうしていると、僕の横で倒れたままのブレイドがそう言った。奴の
「お前は、まだ戦えるだろう?」
「戦う、意味がないよ」
「……意味がなくては戦えないのか?」
「そうだよ。僕は弱くなった。より良い未来を作ろうとした熱意も、全てを背負って突き進む覚悟もない。だから僕は、復讐っていう意味に縋った。誰を憎んだところで何も変わらない事は僕自身がよく知っていたのに、楽な復讐に流されて生きていた」
「それすら折られた僕に、何をしろと?」
「……それでも生きちゃ、駄目なの?」
マシンの彼女が、そう言った。
おそらくブレイドの妹ではないだろう彼女。マザーの手駒として適当な目的をセットされた操り人形であろう彼女が、そう言った。
「私、全然わからないんだ。あの子を助けたいって気持ちの先のこと。私の心が偽物で、私の身体は機械のままで、あの子は私を利用しているだけで、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんしじゃなくて、マザーは今も死にたがってて。もう、複雑になっちゃってわかんないよ」
「……」
「それでも、生きてみたいんだ。私が私として生きたほんの少しの時間だけで、生きたいって思えたの。先の事とか全然で、私自身だって碌でもない機械とかで、しかも世界はもうすぐ滅ぶかもって事になっててね、多分生きてないほうが楽だって分かるんだ」
「それでも、生きたいって私は思ったの」
「
「……僕が! 生きていていい訳がないだろうが! どれだけ多くを、殺してきたと思ってるんだ! 僕が耳を塞いで閉じこもっていれば、マザーは負けずに僕の世界は続いていたんだから! 僕が、僕が……ッ!」
「なら、それをお前を生かそうとしてる
ブレイドは、そう言って月の翼に包まったレイラの精神体、僕を生かそうとしている
「お前一人が耳を塞いだ所で、何も変わらん。私の復讐が、奴に流されて遠くに消えたように、私たちは無力のままだ」
「だとしても、そいつの歌に恥じない程度に格好を付けてくれ。燻っている貴様は唯の成金男にしか見えず、目障りだ」
「そんな、理由で頑張れと?」
「生きる理由は、きっとそれだけでいいんだよ。ジエンくんともっと遊びたいな、とか、本当の私にあってみたいな、とか、私としてお姉ちゃんと仲良くしたいなとか、ジエンくんみたく、ご飯が美味しいからとか、そんな理由でいいんだよ」
「だから、彼女の歌を聞いてあげて。貴方に生きてほしいって願ってる、彼女の歌を」
心を縛っていた鎖が、ただそれだけで外れていく。彼女の言葉によってではなくて、彼女の願いが正しいものであってほしいという同情に似た何かから。
ルクシアの歌が、レイラの想いが僕に力を与えていく。立ち上がる気力なんてないままなのに、背中の羽根に引かれて身体が起き上がる。
「僕の行動には、意味はない」
「それでも……この歌を嘘にだけは、したくない……ッ!」
口に出して、少し違うと思った。嘘にしたくないのは本当だが、それ以上にこの歌を聴きたいと願っているからこそ、生きたいと思えたのだろう。
「お姉ちゃ……ブレイドさん! アレ何⁉︎」
「アレが、
「太陽の男だ」
僕の戦いに意味はない。それでも、飛ぼう。
「世界を照らせ、
| サンライズ | 魔法スキル | 敵全体に火炎属性威力120のダメージ。貫通効果。攻撃成功時戦闘不能状態の味方単体をHP50%で蘇生する |
| クイッカ | 補助魔法 | 味方単体に反撃効果を付与する |
クイッカにより彼のサマナーが反撃を打ち込みながら味方への直撃を捌く盾になり、他の者達で電撃属性を中心にダメージを重ねていく。
マシンクトゥルーは強大なパワーのある存在であり、体力も相応にあったのだけれども、負ける気がカケラもしなかった。それは敵を倒したことのある実力者が存在するからではなく、もっと根の深い安心感があるから。
「お! 仲間が増えたぞ! サマナー殿!」
「……やっと来たか」
マシンクトゥルーの下半分が焼け落ちる程の大火力、太陽がそのままぶつけられたかのような一撃を放ち、それを影に奈落の底から飛び上がってき炎の翼の男は、
泣いているような笑っているような不細工な顔の彼の横には、月を思わせる翼を持った褐色の女性型ガーディアンが存在していた。
彼女の歌は、聞くもの達全てを奮い立たせる。
「遅いのよ成金! 火力あるんだからダメージ稼ぎなさい!」
「誰に言っている!」
そして、
「コハク! 回避は任せるぞ!」
「OKだよ! お姉ちゃん!」
弱点である電撃を叩き込みまくるブレイド殿は九頭竜には目障りだったようだが、しかし眼前で立ち塞がり反撃をし続けるサマナー殿を退かすことができずに狙えていない。僅かな隙から他のを攻撃しようとしても、その隙はリオや
「何故、貴様が立っている……! 心が折れ砕けている骸の分際でぇッ!」
「さぁ……なんでだろうなぁ!」
事実分かっていない
「終わりだよ」
剣士殿の斬撃が、首の一つを切り落とす。その斬撃は魔剣の特性により精神にまでダメージを伝播させ隙を作り出す。
ヒナ先輩のジオダインと、ホシノ先輩のザンダインが重なって首の一つを吹き飛ばす。それによりバランスが崩れて、さらに動きが繋がっていく。
バランスが崩れた所にリオが追撃を仕掛ける。放つのはリオの
そのタイミングでマシンクトゥルーの首の一つが動き出すので、そこを止めるように『百麻痺針*12』により怯んだところにサマナー殿のバイパースマッシュ*13が直撃し、トドメにミトラ殿のメギドラオンが龍頭を散らす。
そしてサマナー殿の仲魔たちが己の示した『呼吸を潰すタイミング』で『アシストアタック*14』を打ち込んで完全に動きを止まり、すかさずブレイド殿が放つジオダインが命中して首が焼け落ちる。
そして、最後の一撃が決まった。
ラストアタックを取ったのは、
その表情は決して晴れやかではないが、少なくとも今まで己が見た
そして、マシンクトゥルーが死んだことでマシンクトゥルーに噛み付いて離さなかったコウリュウもその役目を終えて、霧散していく。
本来のスケールよりも大きなサイズでの召喚であったから、なにか無茶をしていたのだろう。何も語らず、ただ誇らしげな顔をして消えていった。
──のだが
「足場ぁあああああ!」
「しまった、飛ぶ力が残っていない!」
「ごめんお姉ちゃん! タイヤが滑ったぁあああ!」
「コハクぅううううう⁉︎」
消えた時、一部が奈落の穴に落っこちかけたが、まぁなんとかなったのだしヨシ! である。
「ずえど様ぁ⁉︎無事っすかぁ⁉︎」
「なぁにグラツィエの作ったクッションはしっかりと我が君を受け入れていたとも! であれば残りの傷はあの六頭竜を倒した時の勲章であろう!」
「しかし、勲章であったとしても傷は傷。こちらの閨で傷の治療とMAGの補給を」
「……搾り取り、殺す気か?」
「まさか!」
とまぁ
そうして、奥多摩アビスでの戦いは終わった。時間加速とか、天井の破壊とかの意図的にMAGを暴走させる仕組みは全てフジワラに利用されたらしく、アビスはいまやただの深い穴である。
ウチのシェルターが現実世界の龍脈を異界ができやすい形に歪めてしまったので遠くないうちにまた異界はできるだろうが、あと二時間くらいでMAG切れで崩壊するだろう。
「……して、コハク殿。マザーは?」
「コハクちゃんの中から取り出された時にはもう殆どデータが残ってなくて、その残ったデータもコハクちゃんを守るためだけのものだったみたい。その残りからマザーを修復するかどうかも含めて『巫女様』って人と相談する事になったみたい。コハクちゃんもまだ目覚めてないしね」
「そんな暗い話の割には表情が明るいな?」
「うん! マザーがコハクちゃんが無事だって分かったときに、心底嬉しそうだったから! 私、やって良かったなって思えたんだ! 助けてくれてありがとね、ジエンくん!」
「なぁに! 己は好き勝手やっただけの事だ! こうしてレベルも上がったのだしな」
「へぇ、何レベルになったの?」
「66レベルだ!」
「……あれ?」
「レベル、下がってない?」
「いやいやまさかまさか……」
思い返す、本日の戦いの数々。
野良悪魔(会話対処多め)との戦闘少し。ブレイド殿との戦闘(緊縛で終わり)。
ほぼ全ての戦闘において生き血を浴びるようなMAGの吸収はできておらず、かつほぼ全ての戦闘において食いしばりを消費している事を、己は気づいた。
「消費MAGに対して、得たMAGがみみっち過ぎる……ッ!」
「え⁉︎最後にあんなでっかい怪獣やっつけたじゃん!」
「あの雑魚相手では魂は磨かれなかったのか、磨かれた上でも消費の方が大きかったのか……どっちだ⁉︎」
さて、それでは本日己が消費した物資を纏めてみよう。
MP回復アイテム少量、攻撃アイテム少量、合わせて1000マッカほど。長い事使っていた『モータルナイフ*15』が
そして、今回の探索で得られたアイテムはゼロ。加えて、召喚などによるマグネタイト消費などを合わせると、今回の探索結果は!
「10万マッカの、赤字だとぉッ⁉︎」
そして、学校サボりによる優先指導リストへの追加とレベルの低下によるマハーマユリ、及びロキの制御不良などの費用外ダメージも含むものとする。
「……よし!
「もう自分で捕まりに行った後だよ! レイラちゃんの為にって!」
まぁ、生きてるのでヨシ! 金はまた稼げばいいだろう! うん!
そう思い、賭博同好会でレートの高いギャンブルが開催されていないかをスマートフォンにて検索する己だった。
あとがき
第二章、奥多摩アビス編これにて終了です。漂流者の中にはガチで人類滅ぼした側とかいたら面白そうだよなーという発想と、一つの異界をガッツリ探索するデビバスチーム戦やりたいなという願望と、大穴の底から空に向けて飛び出していく描写が浮かんだ事あたり悪魔合体となりました。
書いてて楽しかったです。
・ジエンくん
大胆が過ぎて大赤字ぶちかましたイレギュラー。魂の研鑽は行われまくっているが、MAGが足りずレベルが低くなっている。MAGが十分な時の予定レベルは70。当分たどり着くことはない。
スピード以外で漫画さんに勝てている部分がないタイプのサマナー。漫画さんの異次元の指揮を見て心が折れかけた。しかし、1秒経たないくらいで立ち直る無敵メンタルなのでなんとかなっている。
ただしメンタルダメージは微妙に後を引いているので、いつもなら笑い飛ばせている『楽しかった赤字』にショックを受けてしまっているのだった。
・フジワラちゃん
敵の仕掛けを盗んでコウリュウを召喚した元ボス系少女。ヤソマガツヒに完全適合する改造手術を受ける前にコウリュウを使っていたことがある。
本気でテロった時にリオさん一人で責任を取りきれないのでは? という問題があるので未だ学校に行けていない。他の漂流者よりレベルが高いのならば、相応にルールを守らねばならないと思い厳格にしているが、厳格にしすぎた結果書類の精査期間が必要になっている。
自分は人類を滅ぼせると懇切丁寧に説明した真面目馬鹿なので、学校に入れてあげたいと結構な人が頑張っている。
フジワラのアナライズはMAG量半分ソウル強度半分くらいの塩梅で見ているので漫画さんはLV95とかに見えていた。全盛期(ヤソマガツヒ装備時)の自分でも勝ちの目が見えない怪物だったので、珍しく『佐々木さん』と読んでいる。万が一にも敵対しないように、意識的に態度を分けているのである。
・漫画さんの仲魔たち。
サヴィトリやミトラにも活躍シーンを作りたかったが今回は全員まとめて『最強のデビルサマナー』という枠で括って扱いやすくしてみた。描写してないところでは普通に喋ってたりする脳内補完をお願いします。
・漫画さん
ジエンくんたちの主観視点からなので、今のところは手の届かない絶対強者というイメージのままです。おじさんやヒナから話を聞いたとしても、それが絶対強者である印象を拭えることにはあんまりならないだろうな? という感じ。
子供にとっての大人みたいな印象かな?
・ブレイドお姉ちゃん
作者の性癖により魔改造された電撃使い。かなりの練度で
最後まで戦ってたタイプの漂流者であり、悪行だと分かっていて手を汚していたタイプの人。原作とは違い上に立ってる人が違うので洗脳は別にされてない。
マザーを許そうと思って奥多摩アビスに来て、マザーを殺す決意をした人。
その場合、順当に
・
作者の性癖により経歴に地獄が積み重なってしまった太陽の人。マザーを殺すと奥多摩アビスにやってきて、マザーを守ると決めた人。
原作において彼はミサイルによる不法入国と国の重要施設の制圧、そして砂でラスダンとなる電波塔を生み出して『世界を支配する暴龍の運命操作能力』の完全コントロールとその力による世界支配を試みた独善の人。
急いで変わる必要はない、皆で話し合って決めれば良い! そのための時間は私が作る! という超ニュートラルヒロインきりんちゃんと彼女に付き従う犬になったガンヴォルトに殴り飛ばされて落ち着く、というのが原作の流れである。しかし
この時の電撃の余波が九頭竜の中に残留しているので、その影響下だった奥多摩アビスでは電撃属性が多かった。ヴリトラは特に電撃属性であり、龍であるというベストマッチな引きずられ方をしていたという流れ。
元の世界においては、攻撃と蘇生を同時に行うリーダーとしての力量に加え防御特化のグラツィエ、本体隠蔽のサーペンタイン、狙撃による盤面制御のシスティナに火炎氷結2属性で場のMAGを整えるプラドが一緒に行動し、かつ
マザーが設計したヴリトラ戦車が食いしばり無効の『雷刃吼龍掌』をメインに据えていた理由はこいつである。比喩でも冗談でもなく
・電霊デマーゼル
ブレイドお姉ちゃんの出身作、白き鋼鉄のXのラスボス。ちょっと時系列を歪ませてGVの後に生み出してみた。
過去に存在したオリジナルと、九頭竜を焼き払った改造兵の使った
それからせっせこ生き残り、ジエンくんの世界の『有限発電路ムサシ』をチャンスと見てマザーへの攻撃を行ない、成功した。
しかし、コアはなくても意思はあったので魔剣Xによってずんばらりんと致命傷を受けた。
マシンクトゥルーの大暴れは作戦というわけでなく、諸共くたばれこん畜生! というヤケクソである。本人的にもこれ使ったら地球が壊れるかもしれないからやめておこう、という自制心はあった。
元々のプランとしてはアビスから龍脈に乗って大ジャンプして成層圏くらいまで行き、MAGドリルが出来上がったタイミングで落下して地核に突っ込んでいくというものだった。
地核の中、龍脈の深いところに自分のエネルギーを入れることで龍脈を汚染して、地球上全ての電気(生体電気も含む)を意のままに操ろうという企てだった。まぁこのオタクくんサマナーの舞台になっている地球さんがその程度でダメージを受けるわけがないので、邪魔はなくても普通に潰されて死ぬだけだった。
その場合は、地核に開いた穴からエネルギーが噴火してまぁ滅ぶだろうなという雑な考えです。止めるべき邪悪なのは変わらない。
・レイラちゃん
本文中でややこしかっただろうなぁという反省点。レイラが本体で、ルクシアはスタンドみたいなもんです。
悪魔因子ワクチンのコア部分に共鳴する能力として
人類のバグに対してパッチを当てようとした試みである。
マザーはメインプランとして
現在、奥多摩アビス第5フロアには、彼女の能力を拡張するためのマシンだけが放置されている。中身に誰か、あるいは何かがいたのかについては情報が錯綜している。