姫の護衛は地底人《ケガレビト》 真・女神転生オタクくんサマナー外伝 作:気力♪
「突入成功です」
「頭悪そうな発想なのにアホほど有用ってのが腹立つわよねこのドリル」
「人間の認知はこのタイプのドリルのことを穴を穿つものとして認識している。工業用のシールドマシンのような理に適った形のものでなく、先端の尖った円錐状のものをな。心の壁を穿つなら、この方が通りがいいという話だ」
そう言いながら、ダニーの炉心を動力にした大型ドリルを外してくれるゴドー。ダニーに取り付ければ私のMAGを電力に変えられる。それをドリルを動かすための動力にするのはそう難しいことではない。
私の肉体は逆襲の霊的国防兵器という怪獣のエンジン兼司令ユニットとして改造されたモノなのだから、異界を貫くドリルを動かす程度は訳はない。ヤソマガツヒと共に闘い死ぬが前提だった作りなので、ヤソマガツヒのいない今では単なる攻撃スキル縛りにしかなっていないけれども。
閑話休題
「ジエンら陽動組は想像以上にいい働きをしてくれています。ムラカミ、オオノの斥候からのデータリンクも万全で、敵研究所の位置もほぼ割り出せています。信じ難いことですが、作戦は順調ですね」
「信じ難い言わないの。敵陣の情報がまるでないんだから行き当たりばったりで仕事できる連中に声をかけたんでしょうが」
正直、さっさと陽動とバレて本陣であるこちらに主力がやってきた方が楽ではある。この作戦の目的は敵『造魔使い』の本体を始末すること。本人が来ればそのまま仕留められる算段はあるのだ。
一応、陽動組が奇跡的に上手く行った場合の作戦としては、私たちが深く侵攻して敵拠点を正確に把握、その後陽動組をそのまま『造魔使い』暗殺チームにするものになるだろう。
敵の90オーバーでこちらの全攻撃を回避する怪物を引き受けていない方が本体を仕留めに行く。作戦の肝はそれだけ、陽動役の駒が縦横無尽かつ奇妙奇天烈な動きをしていること以外は、シンプルなものである。
「……不安です」
「そう言うな。ジエンはそうそう死なんし、他の連中も曲者揃いだ。悪い事にはなるまい」
「いつも通り変な事になって、いつも通り作戦がぐちゃぐちゃになるのを危惧しているだけですよ。決して人死を嫌っている訳ではありません」
ツギハギの言葉が微妙に的を射ていて少しむっとなる。私のご先祖様のフジワラと私の性質に似ている部分があるからだろうか? 彼は私の嫌な部分をしっかりと見つけてくる。
私は、私の預かり知らない所で大切な人たちが死んでいくのが耐えられない。だから、全て管理していたい。そういう、かつてシェルターを統括していた時の名残だ。
いつだって自由に生きているジエンとは噛み合わない、支配者としての一面であると自覚している。
ドリルで開けた穴を通り、水源異界の中層に出る。やはりというかなんというか、普通に現れる場合の他の異界との接点は異界表層に出現するようになっていたようだ。
異界外延部に引っかかりを作っているのだ。イメージとしてはバルテウスの外側の輪っかが一番に思いつく。2周目にチェーンソーを振った際、輪っかに引っかかり本体にダメージが届かなかったというものだ。時間が経てばパルスアーマーで弾かれるのも似たような挙動だ。
他にもっと適した表現はあるだろうが、全員に伝わったので問題はないはず。わからないけどまぁ良いかと流された可能性はなくはないが、どちらにせよ問題はない。
問題ないと言えば、問題はないのだ。
「フジワラ、マップデータを見ろ」
ゴドーの言葉を聞き、デバイスに送られてきたマップデータに意識を傾ける。どうにも、ジエン達が暴れに暴れまくった結果として、ムラカミとオオノの2人が敵本陣に当たりを付けたようだ。
さらっとやっているが、ムラカミもオオノも異常な実力者だ。忍者コスプレとファッションダークサマナーであるというのに、ここまでできるのは、やはり変な奴ほど実力者であるというこの世界の傾向によるものだろう。
だが、それにしたって流れが良すぎる。罠の可能性を考慮しておくべきだろう。
「ムラカミが8、オオノが14、ジエン達が1、メダマノオヤジの発見数に偏りが大きいです。発見した場所をマーカーしました。ゴドー、何か気づくことはありますか?」
「……監視する戦闘エリアを絞っているな。ムラカミが見つけた一体目から5体目と、オオノの見つけた10体目13体目が同じエリアを監視している。相当な遠距離からで、2手ほど移動に費やさなければ仕留められん距離だ」
「そんな距離からの監視に意味があると?」
「複数視点からのデータを重ね合わせれば、相応のデータになる。誤差は出るだろうが、詳細をAIからのデータ出力で補完することも可能だ」
ネットで流れていたAI動画生成のことを思い出す。もともと秒間24フレームのものの間を埋め、秒間60フレームの動画にするという試みだった。映画のアクションシーンとしての迫力は薄まったように私には思えたが、その動きに大きな不自然さはなかった。敵方がそういう技術を使っているかは不明だが、技術的に可能であることを敵がしてこないと割り切る必要はまだないだろう。
『マッパー*1』を用いて少し視点を飛ばし、周囲の地形を見る。
この水源異界は、山の上から流れる水が作り出す川と、それに沿った足場にて作られている異界だ。足場足場の乗り継ぎには、川の二つ以上の流れが衝突して生まれた間欠泉、上昇するMAG流に乗って移動する。とはいえ足場と川だけではなく、生い茂った木々や岩場、少々の花々によって彩られた異界であり、メダマノオヤジのような小さいのが隠れられる場所に事欠くことはない。
そんな異界であるから、生い茂った木々の上にドローンを飛ばせばかなりの視界を確保することができる。こちらの位置もバレてしまうだろうが、一気にマッピングすることは可能だ。ムラカミ、オオノの異常なマッピング速度のタネはもしかしたらこれかもしれない。ドローンを使ったのか、仲魔を飛ばしたのか、あるいは自分で木に登ったのかはわからないが。
「マップデータからの推測ですが、次の間欠泉を使って飛ぶ場所が敵の監視地点だと思われます。右前方の広間であり、東方向からの視界は木々で遮られていますが、西、北からは視界が通っています」
「どうする? 煙幕でも焚くか?」
「敵がそれで倒せる程度の雑魚であれば、そうしましょう」
「一応言っておくが、電磁波などを利用したレーダーであれば私がいれば無力化できる。発電能力の応用だ」
「
ブレイドの発言をRoRoが補足する。煙幕を焚いたが敵の高性能レーダーにより私たちがけが丸裸、というのは避けられそうだ。
その補足により過去の解雇通告を思い出しブレイドが若干落ち込んでしまったのは置いておく。コハクやRoRoの話では凄い良いお姉ちゃんをやれているらしいが、細かい所でちょくちょくダメさが出てしまっている。
もっとも、それは大して気にする事でもないだろう。ブレイドの誠実さと気高さは接していれば誰でも深く思い知る。美点が多いからこそ、欠点が目立ってしまうという話なのだから。
「……音楽?」
「防御しろ! 来るぞ!」
| クラシックメロディー | 合体魔法 | 敵全体に神経属性ダメージ高確率で魅惑を付与する |
遠方から放たれたのは神経属性攻撃。音楽に感動する心の動きを利用して精神をズタズタに引き裂きながら、魅了の状態異常を付与する魔技だ。
「ちぃっ⁉︎」
「神経相性なら、耐えられる!」
クラシックメロディーの神経攻撃。
リオは制蛇の具足で半減、ゴドーはペルソナの耐性で無効、ツギハギはAマックススーツで半減、ブレイドは素通し。
ダメージ量自体は大したことはないが、ブレイドに魅了が入る。が、RoRoによる『異常摘出*2』で即座に立て直した。
地味ながら、RoRoにもアップデートが入っている。ブレイドの剣とのリンクを強め、武装COMP同様にコマンダースキルの発動を可能にしているのだった。それも、ブレイド自身の操作を必要としない形で。
「フジワラ、敵は⁉︎」
「前方の広間です! 音楽による遠隔無差別攻撃で、精神破壊効果の射程はおおよそ800メートル!」
「龍王……いや、邪龍の射程延長か⁉︎」
「いや、この異界の作用によるものだ。川が音を異常に反響させている。ペルソナを溶かせるほどの水だからな、感動を伝播させる効果があっても不思議ではない」
COMPによる周辺環境の計測数値が、先行組のデータと明らかに異なっていた。先程の音楽により、フィールドが敵有利のものに切り替わったようだった。
「敵を確認しました。人数は人間1、悪魔4……いえ、その背後に8体追加の12体です」
「先に認識した4体の悪魔は、ケンタウロス、ケットシー、コボルト、ハーピーだな?」
「楽器を装備している特異個体ではありますが、アナライズ結果はそう出ています」
「ベルドルベル……かつて俺と組んでいたサマナーだ。オオノ同様、『造魔使い』に囚われていたが、どうにも寝返ったらしい」
囚われ洗脳されてしまったというのを寝返ったというのは些か乱暴であると思うが、しかしながら敵になったのには違いない。
出来るだけ死体が残る殺し方でやりたいが、ゴドーの気配からはそんな生優しい事のできる相手ではないと、ひしひしと伝わってくる。
「ブレイド、こちらを」
COMPから『鋭敏のピアス*3』を取り出し、ブレイドに投げ渡す。
神経属性ダメージなどを無効化できるわけではないが、バッドステータスそのものを防ぐことはできる。
「感謝する」
「レンタル品ですので、出来るだけ砕かれないようにお願いします」
「装備のレンタルサービスなどがあるのか……」とかなり驚いているブレイドだったが、正直私も本気で驚いた。ピンポイントというには無効範囲は広いが、バステ対策系のアクセサリーが急に必要になったときのための互助会が始まりだとか。
「親父、そのベルなんとかはどんな使い手?」
「後衛型のサマナーだ。悪魔を音楽で指揮する事でバフデバフを振り撒きながら、『セッション』と呼ばれる特異技術を起動する使い手だ」
「セッション?」
「弱点への攻撃で大きく体勢が崩れた者に追撃を仕掛ける技だ。動きの起こりとしては深層悪魔の『連動効果』に近い」
「弱点に喰らったらオマケが付くってコトね。ダメージは2倍程度の想定で大丈夫?」
「2倍では足りん、参加する敵の数がそのまま連撃に参加する数だ。残りの8体とも連動すると考えろ」
「12連撃……死体残るかしら」
「敵の狙い次第だ。ベルドルベルはセッションの矛先を変えられる。死体を砕くのも仕留め次第他を狙うのも奴次第だ」
最低限の情報共有をしながら間欠泉を踏みベルドルベルの待ち構えているエリアへと踏み込んでいく。
一番槍として突っ込んだのはリオだ。死体を砕いてしまいそうな連続攻撃がやってきても敵方の狙いの関係で死体を砕けないリオを人柱にする作戦である。
発案したゴドーも即乗りしたリオも大概おかしい気がするが、気にしないようにする。
リオが着地する。それと同時に敵方の攻撃が始まる。打楽器、パーカッションを持っているコボルトが楽器を鳴らすと、リオに使って衝撃が飛んでいく。
コボルトの反応の良さからいって、待ち伏せをしていたようだ。お陰でリオの姿勢は崩れて防御姿勢を取れていない。周辺に障害物もないので、次が入れば間違いなくクリティカルになるだろう。
「させんさ!」
次いで、ツギハギが着地。同時に悪魔召喚により『邪鬼ヘカトンケイル』が壁になる。高体力に三分の活泉のついた、壁役だ。
「ストリングス!」
その声と共にケンタウロスが弦楽器を弾く。おそらく超音波と思われる斬撃が発生し、ヘカトンケイルにダメージを与えながら体勢を崩させた。
「ヘカトンケイルは物理耐性だぞ⁉︎」
「確定弱点攻撃!? どういう理屈よ、その一発は⁉︎」
「リオ! ツギハギ! 防御体勢を!」
ケンタウロスの発生させた斬撃に続いて、ハーピー、ケットシー、コボルトの行動が連動する。
【剣追のファイヤー】→【炎追のエルサンダー】→【雷追の突撃・強】→
ヘカトンケイルに入った最初の音波斬撃、そこから火炎魔法、電撃魔法、槍による攻撃が連鎖する。
だが、そこで終わりではなかった。彼らの背後に控えている8体、どこか聖歌隊やコーラス隊を思わせるヒトガタが、歌うように魔法を重ねてきた。
| 飛び入りサブキャスト | エクストラスキル |
→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】
聖歌隊の二発目の衝撃魔法でヘカトンケイルが落ちる。その後セッションの矛先はツギハギへと変化する。槍3回と衝撃2回を被弾したが、ツギハギは高い耐久力と『Aマックススーツ』の耐性で衝撃魔法を半減できた事で致命傷ギリギリで耐えられ、なんとか『食いしばり』で生き残ることができた。
「ツギハギ、回復だ!」
その後、ブレイドとゴドーが侵入し、その後私も間欠泉に乗って戦場に立つ。ブレイドが使った宝玉により、ツギハギは全回復した。ヘカトンケイルこそ死んだが、着地狩りで全滅は避けられたようだ
同時に、遠隔からかけていたアナライズが通り、敵の表層データが把握できた。今回も、あいも変わらず酷い敵だった。
\カカカッ! /
| 指揮者 | ベルドルベル | LV78(弱体化中) |
| ストリングス | ケンタウロス | LV78 |
| ホーン | ケットシー | LV78 |
| パーカッション | コボルト | LV78 |
| クラヴィール | ハーピー | LV78 |
\カカカッ! /
| コーラス | 聖歌隊 | LV75 |
今回私は種族に対しての識別を弄ってはいない。アナライズにて判別できた情報そのままで、楽器パートが種族として現れていた。
「レベルは最大78! こちらと互角程度しかありません! それでこちらを仕留められる算段があるという事です! セッション現象以外にも、十分に注意して下さい!」
「ヘカトンケイルのダメージ報告だ! 連撃を起動するための斬撃、連撃中の攻撃一発一発のダメージは共にアギラオ程度だ! 耐性次第で耐えられる!」
「だが、初撃が耐性を無視して弱点を突いた挙動をした! 確定クリティカルのように、確定でセッションを起動させる技と仮定しろ!」
そうして情報共有をした所で、敵が奏で続けていた曲が終わる。実に恐ろしい話だが、奴による攻撃、セッションでの魔法は共に敵の奏でる音楽を阻害するものではなかった。
彼の指揮は、私たちの戦闘そのものを音楽の一部にする余裕すらあったのだ。
何の
そういう殺し方をしていたのなら、それをする理由があるのだろう。連写してこちらを殺しに来ない理由もおそらくはそこにある。
柔軟な発想のまま、正確にデータを集めていく。それが
「コンサート中に叫び散らすとは、マナーのなっていない客だな」
「ベルドルベル、貴様1人か?」
「見れば分かるであろう?」
ゴドーの問いに何を当たり前のことを聞いている?という嘲りを匂わせながらベルドルベルは言う。
「セッション現象は……『パフォーマ』といったか? 人間の感動由来のMAGを音楽で生み出し、ルセアがそれを運用することで安定させた現象だ。隠れているだけかと思ったが、それもない。……ルセアはどこにいる?」
「8つに分かれた程度でかつての仲間を判別できんとは、随分と情のない男だなお前は」
瞬間、ゴドーがペルソナを発動する。
チンゼイハチロウはペルソナ召喚そのものに精神力を使用ずるタイプのペルソナだ。万全の状態からでも1〜2発しか使えない切り札を、今ゴドーは切ってしまった。
ベルドルベルは狙ったのだろう。意外と熱くなりやすい、ゴドーの心根を弄ぶことを。
| 物理貫通 | 自動効果スキル | 物理貫通を得る(真4F版) |
| 会心専心 | 自動効果スキル | 通常時のダメージが減少する代わりに、クリティカル時のダメージが大きく向上する |
| 物理ギガプレロマ | 自動効果スキル | 自身が物理属性で与えるダメージを大きく向上させる(40% 真4F版) |
| 刹那五月雨撃 | 物理スキル | 敵全体に物理属性中ダメージ1〜3回*4 |
| 二身の残影 | 自動効果スキル | バトル中、確率で同じ行動を繰り返す |
| 刹那五月雨撃 | 物理スキル | 敵全体に物理属性中ダメージ1〜3回 |
「猪め」
瞬間、ベルドルベルの指揮棒が動く。それと共に奴らと私たちを阻むように水柱が発生する。それが幾重にも重なる遮蔽物となり、ゴドーの放った『刹那五月雨撃』の最高乱数六発が人数分の七十八発もの五月雨の如き矢弾がBLOCKされてしまった。
| カバー状態(遮蔽物) | 基本システム(P5T) | 自身が完全に隠れられる大きさの遮蔽物に隠れている場合、銃撃系攻撃を無効にできる |
「チンゼイハチロウを止められる程の水流とか、巻き込まれたら絶対死ぬわよ!」
「あの水柱の性質はこの異界の川と同様! 水流には耐えられても精神が流され溶けます! 絶対に触れないでください!」
「なら、ノックバックで叩き落とせば!」
「ふむ、ならば曲調を変えるとするか」
| カゲキなメロディー | 合体魔法 | 敵全体を高確率で狂暴にする 万能属性 |
| 狂暴状態 | 状態異常 | 理性を失った状態 武器攻撃のみを行う。P5Tにおいて、近接武器攻撃は隣接しないとできないため、隣接までの移動も含むものとする。 |
「ヤバいヤバいヤバいよ! 正気に戻って皆!」
「助かった!」
RoRoが『異常摘出』をもってツギハギを正気に戻し、ツギハギが即座に『アムリタシャワー*5にて回復を行う。ブレイド、リオの2人があと数瞬遅ければ吹き出す水に突っ込んでぐちゃぐちゃになっていただろう。紙一重だ。
「マッピング完了しました! 間欠泉となるポイントも明記しています! 注意して下さい!」
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 歌 | 歌 | 歌 | 指 | 歌 | 歌 | 歌 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 歌 | 歌 | 穴 | 川 | ||||||||
| 穴 | 弦 | 菅 | 鍵 | 打 | 穴 | 川 | ||||||
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 穴 | 川 | ||||||||||
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||||
| ブ | リ | 川 | ||||||||||
| ゴ | ツ | 川 | ||||||||||
| 川 | ||||||||||||
| フ | 川 |
「わかっちゃいたけど、隙間は無いわねぇ!」
「迸れ、
リオがそうぼやいた瞬間、ブレイドが敵全体に天からの雷撃を叩き込む。
『マハジオダイン*6』による電撃ノックであり、遮蔽物に遮られない角度での魔法攻撃だった。
「ほう?」
「電撃は素通しだ! 水の障壁があろうと手も足も出ない訳じゃない!」
「敵全体、ダメージ軽微です! 魔法防御力が強化されています。一段階でこの上昇量、合体魔法のマハサマカジャ*7です!」
「COMPのアナライズで見えてない! ジャミング使い!」
「敵方の準備万端さが嫌になるな!」
「ぼやくなツギハギ!」
ゴドーが『聖獣スフィンクス』を召喚し、スフィンクスが『デカジャ*8』を使用する。
すると、即座にハーピーと聖歌隊の一体が合体魔法を発動し、『マハサマカジャ』を発動した。さらに聖歌隊の別の個体が『メシアライザー*9』を発動、味方全体を全回復している。
「ガン待ちしやがったわねドグサレオーケストラ」
「フジワラ、奴を無視して先に進むルートはあるか?」
「川を飛び越えて進むルートはあります。ですが、初撃で放たれた技で狙撃されれば、最低数人はロストします。セッション現象は、矛先を変えられるようなので」
「テトラカーンで防げるか?」
「ヘカトンケイルへのダメージ量に減衰はなかった。貫通効果はあるだろう」
「カーン抜かれるかは運ゲーってコトね」
そう言いながら、リオが『物反鏡*10』を投げる。
ツギハギの悪魔召喚の時間を稼ぎながら、敵の必殺のネタを掴もうとしている動きだ。なので、リオへの情報オーバーレイを最小限にし、無駄な情報を排して集中しやすくする。
「メシアライザーの効果より耐久力の概算です。コーラス隊はダイン級三発、他はダイン級5〜6発で体力全損までは詰められます。先程のゴドーの刹那五月雨撃が水に防がれなければ『食いしばり』まで持って行けたかと」
「デカジャから全体ダイン三連射、できればマカラ壊す役も必要ね」
「ブレイド、おまえが一番早い。しばらく回復に専念しろ」
| バリア | 魔法スキル | 味方単体を3ターンの間バリア状態にする。(d2版 |
「『アムリタシャワー』の数はそう多くない。手早く頼む」
それから2ターンほど。膠着状態となる。
敵方が時折『カゲキなメロディー』を放ってくるが、待機していたブレイドが割って入り回復は可能だった。おそらく『アムリタシャワー』の残数を減らす動きだ。この戦場で狂暴状態になることは即死に等しい。水の性質次第ではロストまで入る可能性もある。
だからこそ細かく観察し、計測した。
「皆さん、攻撃準備を。流量から計算するとそろそろです」
そうして、ゴドーが『会心の眼力*11』を、ツギハギが『ティターニア』を召喚ながら、ティターニアに『ラスタキャンディ』を振らせて強化をする。
最低限だが、敵のレベルを鑑みるに十分な支援は乗っている。
「反射が切れます。再展開を!」
「ストリングス、仕事だ」
| ブレーメン・ストリングス*12 | スペシャルパフォーマンス | SPゲージ*13を1つ使用。相性無視の剣属性ダメージを与え、セッションを起動させる。*14 |
間欠泉からの水が弱まる寸前、リオが物反鏡を再展開する直前に音波の斬撃がブレイドを襲う。
回復の起点になっているのがブレイドであるからこそ、先に潰そうという判断であるようだ。
【ブレーメン・ストリングス】→【剣追のファイヤー】→【炎追のエルウィンド】→【風追の両断・強】
| 飛び入りサブキャスト | エクストラスキル |
【斧追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】→【槍追のエルウィンド】→【風追の突撃・強】
「ブレイド!」
「追撃が集中した! 死体を砕く動きか!」
| 自動効果スキル | 味方が食いしばりをしたとき、連動効果発動 | |
| 味方のHPMPを全回復し、スキルの封印状態を解除する | ||
「殺った!」
「誰をだ?」
| 自動効果スキル | 攻撃してくる敵からの命中率を大幅に低下させる*16 自身の身体を一時的に電子に変換することでダメージをシャットアウトする回避術 |
「音楽家なのだろうな、貴様。音楽がRoRoの歌に釣られているぞ? お陰で連撃が明後日の方向だ」
| セッション | 基本システム(幻影異聞録#FE | 味方が弱点を突いたとき、攻撃系SPパフォーマンスを命中させた時に発動。『剣追の突撃』などのセッションを開始させる。その際、 |
「皆! ベルドルベルの音楽に聖歌隊が釣られてなかったよ! 奴らの指揮系統は別だ!」
「……ブレイド、電撃を指定したポイントに。敵方が好き勝手に水を扱えていたのは、そういう事です!」
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 歌 | 歌 | 歌 | 指 | 歌 | 歌 | 歌 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 歌 | 歌 | 穴 | 川 | ||||||||
| 穴 | 弦 | 菅 | 鍵 | 打 | 穴 | 川 | ||||||
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||
| 穴 | 的 | 穴 | 川 | |||||||||
| 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 穴 | 川 | |||||
| ブ | リ | 川 | ||||||||||
| ゴ | ツ | 川 | ||||||||||
| 川 | ||||||||||||
| フ | 川 |
「やっちゃえ、ブレイド!」
「EXウェポン起動! ヴリトラソース、
| 黒色帯電 | 自動効果スキル | 電撃貫通、魔封無効を得る。魔封状態の相手に与えるダメージ30%増加。自身の生存時敵の電撃属性の被ダメージ40%増加。連動効果はスキル適合失敗により機能停止 |
| 雷刃吼龍掌 | 魔法スキル | 敵単体に電撃属性威力200*17(特大威力)ダメージ。攻撃成功時、2ターンの間敵全体の防御力を20%減少させる。このスキルによるダメージは死亡時に食いしばるスキルを無視する |
ブレイドが突き刺した刃よりあふれ出した黒き雷刃が深く深く突き刺さり、指定ポイントの真下にいた存在に甚大なダメージを与える。その余波により地面は砕け、その裏側に潜んでいた存在を現出させた。
\カカカッ! /
| 女神 | アナーヒター | LV70(29+41)*18 |
「一撃だと!?」
「電撃弱点! 続けぇ!」
地面の下で水を噴き上げさせ、水の壁を生み出していたアナーヒターを一撃で葬ったブレイド。弱点を突いたことで生まれた敵の動揺を突き、さらに攻撃を重ねる。『マハジオダイン』だ。電撃貫通と『黒蝕帯電』の乗った一撃は敵全体に甚大なダメージを与えた。
「ティターニア、続け!」
「はい、サマナー」
ツギハギがその隙に飛び込んで『豪雷乱撃*19』を叩き込む。ギリギリ仕留めることは叶わなかったものの、続く『ティターニア』の『マハジオダイン』にて聖歌隊は全滅した。ブレイドの黒い雷の影響により電撃属性のダメージが上昇しているため、『マハサマカジャ』の影響下でもダメージが足りたのだろう。
あと5体。
「何か言い残すことはあるか?」
ゴドーがチンゼイハチロウを召喚し、弓を構え切った状態でベルドルベルに言葉を投げかける。情け、だろうか?
「あの聖歌隊ルセアの魂を削って生み出されたものだ。だが、8つ切り取っても奴は生きている。私のように音楽ひとつ奪われただけで寝返った者とは違う。信心ひとつで奴に抗い続けている男だ、探し助ければいくらかの役に立つだろうよ」
「女神が消えただけで、随分気が楽になったらしいな。場所は話せるか?」
「話せん、そういう制約がかかっている」
「そうか」
「それと……言の葉で謀ったことを謝罪する」
「かまわん、騙され熱くなった俺が間抜けだっただけだ」
その言葉で、おおよその事は理解する。ルセアなるゴドーの仲間は未だ『造魔使い』に捕らわれ、聖歌隊のような特殊造魔の素材にされているらしい。その事実を利用し、ルセアがもう死んでいるとゴドーを騙し隙を作ったのがベルドルベルの策だったらしい。
音楽を奪われたという言葉の意味は判然としないが、オオノが『名前』との精神的つながりを排されたという事を言っていた。洗脳の際に『造魔使い』の行った邪法の一つと推定する。
戦場でなお音楽を奏で続ける変態から音楽を奪い、その心の拠り所をへし折ったのだろう。外法であるものの、効率的な人の心の折り方だ。
だからこそ許すべきではない。私の心は素直にそう思えている。
チンゼイハチロウから『刹那五月雨撃』が放たれ、残った全員は矢弾に貫かれ絶命した。ベルドルベルには蘇生したのち石化させ放置する。ZEDΩ.たちバックアップチームに連絡を入れたので、そのうち回収されるだろう。
「いちおう警戒してたけど、メダマノオヤジからの横槍はなかったわ。3匹視認できたから、もう逃げた後ってのはなさそうよ」
そうリオが言った後、私のCOMPに通信が入る。ジエン達からだった。
「……ジエン達からのデータ共有です。『セイテンタイセイ』が『ゴジョウオン』なるシャドウ融合体に変化したようです。しかし、そちらでのメダマノオヤジからの妨害もありません」
加えて、これまでのデータから導き出せる私の推理を付け加えておく。
「『造魔使い』は、私たちの手札を解析している者と思われます。私たちが奴の『マッパー』からの完全回避状態をどう破るつもりなのか、手持ちスキルから算出し対処するつもりかと」
「無敵のスキルだぜーって調子に乗りなさいよあん畜生。どこまで見抜かれてると思う?」
「以前の異界に、ジエンのガントレット内のデータを盗み見ていくらかの改ざんをした『デマーゼル』の例もあります。ストック内に隠している仲魔もなんらかの方法で見られていると想定したほうがよいかと」
もちろん、これは考えすぎの可能性が高い。しかし、『造魔使い』にはそのくらいの警戒をするべきだという恐怖にもにた感覚があるのだ。
「進みましょう。なんにせよ、相対すればわかります」
年末年始だらだらし過ぎて大体投稿遅れた作者です。年末のFGO特番でヤマトタケルくんに一目惚れをした結果聖晶石は残り1個になる大爆死かましましたが、サムライレムナント買ったので私は元気です。元気なのです(自己暗示)
・ベルドルベルさん
洗脳されて敵になってしまった系の戦場で音楽してる変態。元ネタはインフィニット・デンドログラムの【奏楽王】ベルドルベル。
過去ダークサマナーによる実験にて、自身の魂の断片を悪魔にインストールすることで悪魔にベルドルベルの音楽の才能を植え付けようとするという試みに巻き込まれた。初期のほうの、異界に退去するアリの中に、ベルドルベル(本名オットー・エンゼルバーグ)のファンがいたために起こった悲劇である。
ダークサマナーの企ては排されたものの、生み出された4匹の悪魔に目覚めた音楽への執着を見捨てることができず、彼はサマナーとなった。
ソウルリンクにてレベルこそ上がるものの元の性能の低い4匹しか使わないサマナーだったが、音楽系スキルのセンスやセッション現象との出会いなどから、着々とレベルを上げて気づけばゴドーの元で最前線戦闘員となっていた。
行動の根っこにあるのが音楽への愛であるから、それを喪わされた状態では辞林の洗脳に抗う事ができなかった。RoRoの歌声に引っ張られて曲調が変わったのもその影響。自身の音楽を見失っていた状態であり、辞林の洗脳に従うことがそれを取り戻す手段だと誤った理解のもとで動いていたから、別方向からの本物の音楽に流されてしまったのだ。
・アナーヒターさん
舞台装置オブ舞台装置として登場した女神。地面の下の小部屋に埋められて、ベルドルベルの指揮に応じて必死に水を噴き上げていた。人力ならぬ悪魔力噴水である。なお、アナーヒターは水の女神ではあるがペルソナを溶かすようなヤバイ水に触れたら普通に精神が溶けて死ぬので相当必死でコントロールをしていた。
なので、上から降ってくる黒き雷撃にはさっぱりと気付けなかったのである。
ちなみにP5Tでは魔法は遮蔽物を無視して攻撃できる。上からでも下からでも射程内なら命中するので、地面の下でも命中したのだった。しかも遮蔽物に身をゆだねた状態でもなかったので、クリティカルヒットである。弱点クリティカルに当たった特大威力なので、順当にワンパンされるのだった。