姫の護衛は地底人《ケガレビト》 真・女神転生オタクくんサマナー外伝   作:気力♪

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嵐の前の日々のこと(後編) 見境なき医師団の拠点にて起きた、ある面談のこと

 

 ここは対霊処理、対悪魔処理、および内部への封印処理の施されたある一室。東京郊外にある、投資用マンションに扮した闇病院だった。

 

 そんな中で、深刻な表情でひそやかにと佇んでいる女性がいる。

 彼女の名前は『杏奈』

 戸籍のうえでは『琴葉杏奈』となっている女性であり、もうじき出産を控えている妊婦であった。

 

「んー……最高スペックで遊べるPCだと30万円クラス行く感じなんだ。育児で大変になるから当分必要はないんだけれど、値段だけでビビるね」

 

 そんな彼女がやっているのは、タブレットにて最新ゲームの推奨スペックと、最低スペック以下のPCでの挙動を比較した動画を視聴すること。座敷牢の中の儚げな女性というのは当然のように幻想である。

 

 ──彼女のお腹の子は、彼女自身が望んで授かったものではなかった。

 

 彼女は、普段通りの生活をしていた中で、きっかけもなく、予兆もなく、何時の間にか子を宿してしまったという怪奇に見舞われた。しかし、そんな中でもその子を産むことを決断した女性であった。

 女性というか、女傑である。

 

 腹の中に何が入っているのかも、何が自分を孕ませたのかも、彼女は知らない。だとしても、杏奈という個人は『そんなことは知るか』とばかりに自分のペースで生きている。

 大きな流れに逆らう力こそないが、日々をしたたかに生きている、力とは違う強さを持った女性であった。

 

 そんな彼女の元に来客がやってくる。

 彼女の親友である『琴葉リオ』だ。

 

「杏奈、来たわよー。生きてるー?」

「んー……ワイルズ*1のベータテスト逃したショックで1/3くらい死んでるかも」

「あんまり気にしないでいいんじゃない? そのうち買えるし、そのうちプレイできるわよ」

「で、やったの?」

「もちろん。普通*2やるでしょ」

「なんかランスがやばいとかの話が出てきたんだけど、実際どうだった?」

「動きはもっさりしてる気もしたけど、肝心なのは敵モンスターとの速度比だからあんま気にしてないかも。体験版のモンスターはノロマだったからね」

 

「ランスは強敵と戦ってない時には強さが分かり辛いことに定評があるからね」と自分の言葉のようにリオは言う。

 

 強武器使いかつ厨武器使いであったのリオにランスを布教した杏奈としては、内心で「しめしめ」といった心境である。が、それを見せるとリオはふてくされるので内に潜め、「へーそうなんだ」と軽く流す。

 

 ランス布教のために草の根活動をしている一般ハンターの杏奈としては、上々の成果であった。

 

「で、実際どうなのよ? 体調に変化はない?」

「診断結果はオールグリーン。陣痛が来てくれればすぐにでもって感じ」

「……つまり、もうちょいかかるって事ね」

「今まで通りってコトみたい。まぁ、なんとかなるよ」

「あんた自身のコトだってのに楽観的ねぇホント」

 

 基本的な出産予定日である妊娠40週を経過しても出産の兆候がなかったことで、杏奈は一度本格的な検査を受けていた。

 

 従来の医療の分野である医療科学分野での検査に加え、乃木の一族、ひいてはヤタガラスに連なる降霊術の専門家による霊的検査をも行うという念の入り用だった。

 

 その結果が、『今の状態で帝王切開で胎児を取り出したのならば、7割以上の確率で身体機能、あるいは霊的機能に障害が生まれ、最悪死産になる』というものだった。

 

 だからこそ、杏奈はセプテントリオンが迫る現状であるにもかかわらず、帝王切開などの処置を行うことができていないのだ。

 

 十全な支援のある環境下でなら事件が起きる前にさっさと出産できるのではないか? というのが入院を決めた当時の考えであったのだが、そうそう都合良くはいかないものである。

 

「まぁ、頑丈なペルソナ使いで良かったかな。普通の人だとお腹の中で子供が育ち過ぎるのって、母体の命に関わる感じだけど。私は死んでも蘇生すれば平気だし」

「ホント霊的医療サマサマだわね」

「普通の医療への応用はまだ難しいって話だったけど、これからは潮目が変わるかもって話だよ。ほら、混沌の奇禍で」

「あー……オカルトが大々的にバレちゃってるからか。問題なく使える技術ならこれから広めに広めまくるってこと? ……医療機器メーカーの株って買えるのかしら」

「オカルト医療機器作るとなると別会社作りそうじゃない? 乃木グループ系列で医療機器に強い所から子会社できる感じになりそう。素人の考えだけど」

 

「なんにしても、良いものできて欲しいよね」

「良い人だもんねここの人たち。見た目キモいのとか中身バケモンなのとか気にせずに子供産むまでの環境ちゃんと整えてくれてんだから」

「その辺のシステムも凄いんだけど、それ以上にお医者さんも看護師さんも、気持ちがあったかいんだよね。生きている命にも、産まれてくる命にも。安心できるよ、本当に」

 

 リオと杏奈は、この闇病院の人々が善き人たちであると実感している。

 杏奈の病室を半ば牢獄のようにしたのは万が一の危険への処置である。杏奈から切り出し、費用も出して行った特例処置だった。しかし、病院側は母体へのストレスの影響などのさまざまな理由から最後まで別の手段がないかを探してくれていたのだ。

 入院後も細やかな配慮が随所に見られており、座敷牢じみた病室の中であったが杏奈は大きな不満を感じたことはない。だからこそ、杏奈は安心して出産に臨めるのだった。

 

「しっかし、こんな病院をあんのヤブ医者が紹介するってあたり、時代の流れよねぇ」

「世界を守るための戦争とは別の軸で、新しい命を未来に繋げるための戦いをずっとやってるんだよね。あんまり気にした事なかったけど、素敵なことだよ」

「それを素敵って思えてるのはあんたが未に幸せバンザイな脳みそだからだっての。マタニティハイをいつまで続けてるんだかねぇこの娘は」

「実際幸せだからしょうがないって」

 

「体が重くて動きにくいのも、おっきなお腹が邪魔なのも、だるいのも、苦しいのも、辛いのも、全部全部、幸せなんだ」

 

 杏奈の万感の思いの籠った言葉を受けて、リオは目を逸らす。杏奈が良い状態で出産に臨めるのは良いことだと頭では理解できている。しかし、頭の隅に『万が一何かが起きた時』の不安がこびりついて離れないからだった。

 

「……よくもまぁ、誰の種とも分からん子供に入れ込めるものね。やだやだ、気が知れないわ」

「なんで唐突にそんな意地悪な叔母ムーブしてるの? 技研のセキュリティ更新のついでに異界構造弄って子供部屋作ってるとか、ベビーウェア買いすぎて1部屋埋まりかけてるとか、色々聞いてるんだけど」

 

 そんな不安は押し隠そうとし、しかし隠しきれずにリオの言葉に棘が出る。杏奈は「また面倒なこと考えてるなぁ」とリオのことを理解できている。だが、それはそれとして言葉の方にはムカついたので杏奈は事実をもって反撃をした。

 

 事実を指摘されたことでリオは「ぐぬぬ……」と声を漏らし、押し黙った。レスバの弱い女であった。

 

 ──杏奈の出産を受け入れてから、技研の者たちは思い思いに生まれて来る命を祝っている。

 

 生殖機能の弱いクローンヤクザであり、自身の子供を望めない『サトー』と『タナカ』は、産まれてくる子が飢えることがないようにと粉ミルクを半年分ほど買い込んでいた。

 

 もう子供を産むことはないだろうと達観している事務員は、子供の成長に合わせて身体に合った服を作れるように安全な布を買い込んでいた。

 

 最も出産に反対していたゴドーなどは育児経験のある人々からアドバイスを聞き、居住フロアの改装をしていたりする。

 

 本人たちはさして喧伝しないが、他人の善意や美点については饒舌極まるおしゃべり小僧と、サプライズめいた行為を無意識に暴きまくる覗き屋少女が組んだことにより、若干ツンデレ気質のある皆々の真意については十分に杏奈の知る所なのである。

 

 言われずともそういう人々であるのは知っているが、言葉にされると嬉しいものだ。そう杏奈は思っていた。

 

 が、それはそれ。別の話。

 

 唐突に意地悪な叔母ムーブをかましてきた親友については普通にムカついたので、言葉に棘を含めて言い返し、ジロリと睨みつける。

 

 数秒呻いた後に、バツの悪い顔をしたリオはひとつ謝ったあとで、一つ告げた。

 

「癒しがなくて、しんどい」と

 

「どうしたのさ、フジワラちゃんの事は妹みたいに思ってダル絡みしてるうえに、ジエンくんには情欲混じりの愛情抱いてるアラサーのリオが」

「言葉のナイフなら滅多刺しにして良いとでも思ってる? 泣くわよ?」

「泣くくらいなら改めたら?」

「……人間には、無理な事はあると思うのよ」

「ジエンくんに対しての情欲については改められないと無理だと思うよ? 人間として」

 

「まぁ、感情のことだから無理なのは知ってるんだけどね」とお腹をさすりながら杏奈は言う。

 

 自身が感情に振り回されて子供を産むと決断したが故に、感情での決断については咎める事はしない。

 

 しないが、一般社会に生きる大人として倫理に反したことについては一言言っておきたい杏奈であった。親友が児ポ法を破って刑務所の中、ということを我が子に話したくないというちっぽけな親心からである。

 

「こう、フジワラちゃんと駄弁ったりとか、ジエンくんと遊んだりとか、そういう日々の癒しになっていたあれこれが現在ばっさり無くなっちゃってるのよ。それで、他人の赤ちゃんにかまけるのがちょびっとだけバカらしく思えて、言葉に棘が出た。ごめん」

「許した」

「あんがと」

 

 リオは、つい先日まで『造魔使い』に命を狙われていた。それは軽微なストレスではあったのだが、解消のための癒しが離れていったならばそれなりの負荷になるのだった。

 

 元々は一人でゲームしてれば勝手に立ち直るメンタルだったのだが、ジエンとフジワラという奇妙な二人と共に暮らしていくうちに変化した精神の傾向である。

 

 贅沢を覚えたが為に昔までの暮らしで満足できなくなった。そういう類の変化であった。

 

「けど、そりゃまたどうして? ジエンくんとか楽しい事してたら勝手に寄ってくるじゃん。フジワラちゃんはなんかしれっと始める前にお茶入れてたりするし」

「そういうのをするための部屋がないのよ。居住フロアの異界化解いてるから、私の部屋含め遊べる部屋が全部ない」

 

 杏奈の頭の中には一瞬? マークが頭に浮かび、「そういえば、技研ってそこそこのスペースを異界化による拡張で誤魔化していたんだった」と思い出す。

 

 杏奈が技研に住み着いてからずっと「そういうもの」だったので、「そういうもの」と受け入れていたのだ。

 

 技研では、異界化が解けた際に資料の紛失が起こらないようにと資料の原本を保管している部屋については異界化をしていない。しかし、それ以外のオフィススペース、個人の部屋、倉庫などは異界技術を用いて弄りに弄りまくっているのだった。

 

 区画を区切り別の部屋にすることが霊的な意味を持つことの、区切った部屋の大きさ自体はさほど問題ではないことが合わさり、現実世界における技研の部屋割りは混沌極まっているのである。

 

「……いまどうなってるの?」

「半畳間の扉を開いたらまた半畳間、みたいに延々と繋がっていってるわね。全部の部屋に火災報知器がついてるあたりがサイコホラーな演出めいてて、もはや狂気よ」

「……動画とか撮ってる?」

「……確か、ジエンくんが撮ったのをアホの事務員がホラー調編集してるって話はあったわね」

「実はどっかに投稿する気あったり?」

「異界化での住居区域拡張技術に関して、建築技術の体系化できるんじゃないかって話が動き出してたから、その辺じゃないかしら。これまた悪魔関係バレた関係で出てきた話ね。ジエンくんが動画撮影しようぜ! って言い出したのそのあたりがきっかけだし」

「……なんでそれでホラー調に編集するのさ」

「悪ふざけでしょ」

 

 ひどく真っ当な杏奈の話をリオはバッサリと切り捨てる。効率的に仕事をするうえでユーモアが大切だと言う話はあるが、注力しすぎてしまえば悪ふざけと誹りを受けても仕方がない。

 

 当人たちはやることをやった後の余力でやっているのだが、側から見たらふざけすぎているように見えてしまう訳であった。

 

「そんな感じではあるんだけど、こっちは大体平和そのものよ。嵐の前の静けさ……にしては騒がしすぎるけどね」

「それは良かった。じゃあ問題はリオがジエンくんたちと触れ合えないだけなんだ」

「そうなのよねぇ……フジワラちゃんもジエンくんも弱音とか吐かないから、ちゃんと見ておかないと地獄に直滑降してそうで怖いわ」

 

「まぁ、ちゃんと連絡とはは取れてるんだけどさ」とリオはスマホをひらひら見せる。

 そこにはジエンやフジワラ、ゴドーなどの技研勢力の位置情報がリアルタイムで表示されていた。

 

 当然、リオと杏奈の表示もあり、それはバリアフリーが効いているとの話のある新築マンションの一室を示していた。

 

「しっかしビビるわよね。闇病院がマンション一つ丸々使ってるだなんて」

「国の傘下というか、乃木グループの傘下だから闇病院って言い方も変なんだけどね」

「公認闇病院?」

「もっと他にいい呼び方できるんじゃないかしら。知らないけど」

 

「ただまぁ、これ割と暴挙よね。非常時だからギリ許されてるタイプのやつ」

「けど、今産む側の支援をしておかないとヤバいって話だよ。少子化のグラフであるじゃん。親が減ったら子供も減るからってやつ」

「『今子供が少ないのは、子供を産むタイミングの親世代への支援が足りなかったからだー』とかいう話、ネットの掃き溜め(イー⚪︎ンのおもちゃ)でよく見るわよねぇ……」

「だから、今子供を産む世代には何が何でも産んでもらえるようにってあれこれやってるんだってさ」

「あれこれって?」

 

「こちらの病院、なんと治療費がMAG払いできます」

「……なるほど、十分な量のMAGを作れる強いやつなら、実質無料ってワケか」

「このへんは闇病院だからできる裏技だよね。おかげで貯金はちょびっと余りました」

「じゃあなんか奢りなさいよ。近くにセ⚪︎ンあったじゃない。スムージー飲みたくなってきたし」

「意識高い系の食べ物はリオに合わないよ?」

「んだとコラ」

 

 リオの怒りとどこ吹く風とスルーする杏奈。

 座敷牢じみた病室の中で、普段とまるで変わらない図太さが、彼女にはあった。

 

 儚さを感じさせる容姿とはまるで違うため驚かれることが多いが、杏奈はそういう人間なのである。

 

「そんじゃ、着替えとかここのメイド妖精どもに渡しといたから。あとで受け取っといてね」

「わかった。シルキーさんたちによろしくね」

「よろしくされんのはあんたでしょうが」

 

 と、リオが帰り支度を始めようとしたその時だった。

 

 足音があった。3名ほどのもので、足取りに迷いはない。足音を隠している様子もないことから、院内のスタッフだろう。

 

 そうリオは考えて、しかし院内のスタッフだから全員信用できると考えるのも不用心とも思い、立ち上がって用心する。

 

 そんなリオをみて、杏奈は「神経質になってる?」と思いながらも意識をペルソナに集中して、いざという時に動けるようにした。

 

 ノックの後に、ドアが開く。

 

 入ってきたのは、3人のスーツの人影だった。

 一人は疲れが表情にこびりついているような顔色の男性だ。目元にはクマがあり、今にも電車に飛び込んでしまいそうなサラリーマンのような雰囲気を漂わせている。

 一人は、若い男性だった。スーツを着慣れていないようでどこかぎこちない様子であったが、服などに皺はなくキッチリとしていた。

 一人は、若い女性だった。若い男性と異なりスーツをしっかり着こなしており、見た目も整っている美女、あるいは美少女と呼ばれるような銀の髪色の少女だった。

 

 そんな印象的な彼らだったが、リオも杏奈も初めて見る人々だった。しかし、年長の男性の雰囲気についてはどこかで似たようなモノを感じたような印象を受けていた。

 

「失礼します。琴葉杏奈様、すこしお時間を頂いても問題ないでしょうか?」

「何の要件かお聞きしても?」

「院内の調査です。つい先日ご出産なされた方のお子さんから、想定外の悪魔因子が検出された件についての調査をしています」

 

 淡々と誤解のないように、しかし不安がらせないように柔らかい声色で男性は告げた。

 

 通常の病院であれば大問題であるのだが、ここ乃木の系列の公認闇病院だ。かかる人々がそう言う連中なのだから、悪魔因子が出ること自体は珍しくもないだろう。そう、リオは思っていた。

 

「杏奈、それって珍しいこと?」

「シルキーさん越しにちょいちょい聞く話かな。院内での検査、とか前世を見る占いとかもあって大体の悪魔因子については事前に発見できるんだけど、まだちゃんと体系化されてないから予想外のことは多いみたい。まぁ、私のところに来たのは初めてなんだけど」

 

 杏奈がそう補足することで、リオは一旦気を緩める。すると、男達の気配は目に見えて柔らかいものとなっていた。

 

 現在リオのレベルは80。ごく普通に戦うだけでこの病院の人員全てを皆殺しにしかねない強者である。そういう人物ではないと理解はしていても、安心することはできない。それが人間というものだった。

 

「リオ、ビビらせすぎ?」

「……普通じゃない? ……普通だと思うんだけどなぁ」

「やっぱり、少し神経質なってるんじゃない?」

「かもね」

 

 などと話しながら、リオはパイプ椅子を取り出し3人に座るように促す。すこしの躊躇いののち、感謝の言葉を述べてから3人は席に着く。

 

 その躊躇いから、『あまり良い流れではない』と確信した二人はそれぞれに対策を行う。

 リオは携帯で音声の録音をはじめ、杏奈は契約内容をすぐに取り出せるようにタブレットを取り出した。

 

 それを見て「……仕事早そうだなこの人たち」と若い男が言葉を漏らす。それを咎めた年長の男に小突かれ、女性に「私語はダメですよ、お仕事中なんですから」と小声で諌められていた。

 

 そのあまりにも近い距離感からラブコメの波動を感じ取った喪女二人の殺意のゲージが若干高まってしまってたが、それを表に出すことは喪女としての自分を肯定することになるため内に秘めた。謂れのない嫉妬ほど醜いものはないのだ。

 

 それから年長の男から名刺が名刺を渡し、杏奈がその名刺の情報をデータベースから確認し真実だと確認したことで改めて会話が再開する。

 

 男たちは、間違いなく長年の実績のある探偵事務所の一員であった。

 

「調査のため、いくつかの質問をさせていただきます。まず、こちらの女性についてご存じですか?」

 

 年長の男性から写真が示される。そこには幸せそうな女性が入院着のまま赤子を抱き抱え、幸せそうな表情をしている様が映し出されていた。

 写真に映る女性も、周囲の人々も、みな幸せそうな空気が写真越しにも伝わってくる。素直に素敵な写真だな、と杏奈は思った。

 

「……一度見たことがあります。この部屋に入る前とき、お隣の病室のドアが開いていたので、そこで。お隣さんだったでしょうか?」

「ええ。仰る通り貴女のお隣に入院していた方です。産後の検査の結果、彼女のお子さんが出産前の最終検査結果では想定できていなかった悪魔因子を所持していました」

「それで、私のところに?」

「はい。彼女の夫、彼女の生家、彼女の友人筋、おおよその所に聞き取り調査を行ったのですが、悪魔因子が入り込むような状況に心当たりはありませんでした」

 

「混ざり込んだ因子は、ギリシャ系悪魔のもの。戦神アレスに近い因子でした。しかしデータベースに該当悪魔はなく、登録が完全でない認知異界系列の悪魔の可能性を疑っています」

「認知異界系列で、未確認ギリシャ系悪魔のもの。だから『アテナ』のローマの姿である『ミネルウァ』の『ペルソナ使い』で杏奈に何かあるんじゃないか? って話なのね」

 

 年長の男は、深く頷く。バツの悪そうな表情であり、なかりの無茶な理屈での調査であると自覚しているからだろう。

 

「正直手掛かりがまるでなく、藁にでも縋る思いなのです。ご協力頂けると助かります」

「構いません。別に隠すことのあるような生き方をしているわけではないですし」

 

 年長の男がそう付け加えると、そんな理由なら協力を惜しまないと決めた杏奈が食い気味に言葉を返す。

 男性は「感謝します」と述べ、後ろの二人も頭を下げていた。

 

「まず、こちらで調べた内容について話させていただきます。訂正があれば、都度」

 

 そう言って、一枚の書類が示される。

 

 調査結果が年度別に分けられた表に簡単にまとめられており、どこか履歴書のようだと杏奈は思う。実家の仕事に直行したしたリオと異なり、杏奈は年齢を偽ってバイトを行っていた経験があるため、どこか懐かしい気分になっていた。

 

 199X年 11月 0歳
 千葉県〇〇市にて誕生。

 誕生時点では悪魔因子の確認できない一般的な霊的資質の女児であった。

 200X年 8月 13歳
 東京都〇〇区にて『外道シャドウ』と遭遇。

 琴葉ゴドーにより救出されたのち、彼の保護下となる。

 200X年 2月 14歳
 琴葉ゴドーとの養子縁組が成立。以後琴葉杏奈となる。この時点でペルソナ使いに覚醒しているのが確認されており、東京郊外の異界にて同居人である琴葉リオと共に悪魔討伐業務を行なっていることが確認されている。
 201X年 4月 16歳
 千葉県立〇〇高校に入学

 現在の職場である秀英戦国技術研究所には、高校時点でアルバイトとして入社。高校ではさほど真面目な生徒ではなかったそうだが、素行は良好と判断されていた

 201X年 3月 18歳
 高校卒業の後、秀英戦国技術研究所に正社員として入社。以後今日に至るまで転職などは確認できず。
 20XX年 X月 25歳
 妊娠が発覚。

 性行為の伴わない妊娠となっており父親は不明。悪魔の権能によるものとされ調査を受けたものの、原因は未だ不明。

 胎児に悪魔因子は確認できず、純粋な人間であることが検査により確認されている。

 

 

 

「間違いはありません」

「間違いないんですか……」

「最後のトコ割と狂気だからねぇ……なんで知らない種のガキを大切にしてるんだか」

「妊娠してみれば分かるよ」

「……いや、わかんないと思うわ」

 

 マタニティハイが未だに解けていない杏奈の幸せ脳みそは、だいぶ幸せな状態である。これでお腹の子からの精神干渉が確認されていないと言うのだから、人間というものは分からない。リオも、調査員の男2人も思っている。

 

 女性調査員は「そう言うものなんですね! 素敵です!」と素直に肯定してしまっていた。誤解が解けることを祈るばかりである。

 

「では、順番に確認を」

 

「中学生の頃から悪魔業界入ってる子供達は、残念ながらそれなりに居ます。しかし、そういった子供達は名家で籠り時代遅れの教育をされたものか、聖華学園で隔離されて居るような子供達です。が、貴女達は、そうではありません」

 

「生きるだけならどうとでもできたでしょうに。何の理由があってだってこんな子供の頃から命懸けで戦っていたのですか?」

 

 その言葉を受けて、杏奈は『自分の人生を始めた』日々のことを思い返す。この世を恨んでいただけの女児が、よくもまぁこんなところまできたものだと。

 

「……私は『シャドウ使い』と区分されている異能者です。ペルソナ使いの中で、自分の中の不安とかを覆い隠す別人格を力に変えて戦う能力者……みたいな言語化が最近はされていますね」

「たしか、精神状態が不安定だと自傷行為を起こすタイプの能力でしたか? 今回の件での母親も、学生時代ペルソナ能力者であったと記憶しています」

「そうです。そんな自分を傷つけてしまうようなペルソナだったので、私は邪悪な悪魔に憑かれたと判断されて、ゴドーさんと出会うことになりました」

「杏奈拾ってすぐの時の親父はマジで爆笑モンだったわね。自信満々であれこれ言ってんのにてんで的外れなんだもの。鉄面皮こそ崩れてなかったけど、冷や汗ダラッダラだったはずよ」

 

 リオが茶化しながら合いの手を入れる。

 愛おしい時間を懐かしむような、穏やかな声色だった。アルカニストの手でペルソナを覚醒させたゴドーは自分のノウハウでペルソナのコントロールができると踏んでいたのだが、『シャドウ使い』への対処はまた別の話なのである。

 

「その時に『とにかく鍛えればコントロールができるようになる』みたいな話になりまして。自分の魂を鍛えるために悪魔狩りを始めることになりました。ちょうどその時に『遊ぶ金欲しさ』でついて来た友達もいましたね」

「……まったく、とんだ馬鹿もいたもんね。命を何だと思ってたのかしら」

「中学生の頃から今日この日までツンデレめいた振る舞い続けてるのはまぁ笑い話なんですが」

「この女ァ……」

 

 リオの反応にクスリと若い二人が笑いを漏らす。二人とも年長の男に叩かれていたが、しかしその男の表情も柔らかいものだった。

 

 ともすれば、詰問とすらなりかねない状況ではあった。それがあっての緊張だと杏奈は理解したために、意図的に空気を和らげようとしているのだった。

 

 リオはその意図を汲み取り、笑い話になるように合いの手を入れているのだった。ふざけた性格だけが理由の全てというわけではない。

 

「まぁ、そんな理由から戦い始めて、なんか死ななかったので妊娠するまで生きてました」

「実際そうだからこういうとき喋るのに困るのよねぇ。普通にしてて普通に死ななかっただけなんだから」

「それは、お二人方の『普通』が普通が普通ではなかったというだけの話でしょう。普通にしてるだけで機械式アナライズLV80超えの怪物は生まれません」

 

「それで、中学、高校を聖華学園にしなかった理由は、お聞きしても?」

「遠い学校に通うのは面倒だったので……」

「なるほど、わかります」

 

 納得の声が上がり、3人の調査員は全員とても深く頷いていた。通勤通学は短いに越したことはない、という考えなのだろう。

 

「そう考えるとジエンくんすごいよね。片道1時間半くらいでしょ?」

「あ、あの子走って通学してるらしくて、通学1時間切ってるらしいわよ」

「……あ、通学でレルム通ってるってそういうことなんだ」

「異界の外では普通に走るくらいの速度に抑えてるって話だけど、どこまで信じられるんだかねぇ……」

「100メートル9.58秒*3で1時間くらい走ってそう」

「ありそう」

 

「あー……話を戻しても?」

 

「すみません」と二人が謝る。脇道に逸れすぎてしまった自覚はあったようだった。

 

「では、高校卒業から今に至るまで。正直答えてくれるとは思えないのですが、デビルバスターとしての経歴をお聞きしても? 遭遇した事件についてなど」

「流石に全部は話せません。仲間に関係することも混ざってくるので。けど、話せるだけは話したいとは思っています。時期的にはいつ頃のことが必要になりそうですか?」

「最初に言ったように、こちらの彼女に影響を与えた件を知るのが目的です。ですので、貴女のお腹の子が何か他者に影響を与える存在である可能性を潰したいと考えています」

 

「10ヶ月前、貴女が妊娠したと思われる付近について、お聞きしたく思います」

 

 言い方は柔らかいように気をつけられていた。しかし、お前のお腹の子供が他者を汚染したなどと言われれば少し不快にもなった。──リオだけが。

 

 杏奈は、「そういうこともある」と理解していたため、深く頷き話せるだけを話そうとする。

 

 しかし、話せることは何もなかった。それは、技研でも深く深く調べてなお何も出なかったからであった。

 

「正直、その時期のことはあまり覚えていません。中間層が薄くなってた時期で、多忙でしたから。ただ、ウチの記録ではこちらのリストにある異界を破っていたり、技研で所持していた異界を管理していたりが多いですね」

「妊娠が発覚したのはお腹が大っきくなってからだものねぇ……知らないうちに孕まされててウチの職員全員本気ででビビり散らかした記憶があるわ」

 

 ビビり散らかしたというのは最初だけで、即座に全員「ウチの娘に手を出して責任取らないクズ野郎をブチ殺す」という殺意に統一化されたのは言うまでもないことであった。

 古い意味でのショットガンマリッジ*4を躊躇わない、アットホーム(でバイオレンス)な職場であった。

 

「ちなみにお腹の子を堕ろさなかった理由は、覚醒者だと堕ろすのが簡単だからってのがあったりしました。死んでから私だけ蘇生すれば安全に堕胎できちゃいますから」

「死んだら終わりの世界とは異なる、狂気の世界の考え方ですね」

「お腹の子を調べてクソ野郎を見つける手掛かりにしよう、とか色々考えてたのよねぇ……懐かしいわホント」

 

 なお、『杏奈が何が何でもこの子は産む』と覚悟を決めたのはそんな風にお腹の子を堕ろさずにいた結果である。

 

 ──今の杏奈の決断を否定する気はないが、あの日々にて無理やり堕ろすことも、堕ろさず命を繋ぐことも決断できなかった自分自身をリオは許せては居なかった。

 

 それが理由で苛立ち、冷静でない行動をした結果異界破りに赴いてうっかり死にかけ、今では家族同然に思っている少年を拾うことになっている。まさに『塞翁が馬』であった。

 

「ちょっと話は逸れちゃいましたけど、私の経歴はそんなところです。公開できる異界破りのデータはデータで渡しますか?」

「では、フリーメールにpdfファイルをいただきたく」

 

 そう言いながら、彼は名刺の一部を示す。

 杏奈は、先ほど『マトモな探偵か』について調べた時の名刺を調べて、ペタペタとアドレスを手入力し、メールを送信した。

 

「下の方の個人用アドレスにメールで送りました」

「ありがとうございます」

 

 今日のところは、これでお開き。そういう流れになってはいた。が、調査員連中の目的について気になったリオは、合いの手ばかりだった口を開く。

 

「それで、ネタバラシは何時なわけ? ヤタガラスの下っ端さん」

 

 自信満々に、鬼の首を捕まえたように口を開いた。

 

 すると、杏奈を含め周囲の全員が微妙な顔をし、「そういえばヤタガラスって名乗ってはないのでは?」と目を合わせる。

 杏奈は、名刺について調べた時点で知っていたので「何を言っているんだコイツ」となった。

 

 リオの表情は羞恥の色で赤く染まった。

 

「その、隠しているワケではなかったのですが……」

「乃木グループの影響下の病院で好き勝手に捜査できる人間な時点でヤタガラス傘下なの確実じゃん。何鬼の首取ったようにしてるのさ」

 

 杏奈が地味に深く刺さる言葉を言ったことで恥ずかしさでプルプルとしていたリオはガチで凹み、膝をつきかけた。

 

 リオは知恵者ではないからこそ、知恵者ぶれそうな時には調子に乗るのである。杏奈というストッパーがいることと、見栄を張るべき子供達がいないことで普段押さえられていたノリを開放してしまっていたのだった。

 

 ──結果はこのザマである

 

「では改めて、今日のところはこれにて。急な要件であるにもかかわらず、対応してくださりありがとうございました」

「あ、調査結果次第ではあるかもですけど、お願いしたいことできました。これも縁ってことで聞くだけ聞いてくれませんか?」

「何でしょうか?」

 

 そうして、なんかもうグダグダになっている空気であった所に、杏奈は一つ『お願い』を述べる。

 

 空気が緩んだ今ここだからこそ、深く刺さる言葉の刃を

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。あんまり迷惑をかけたいわけじゃないので」

「……大根役者でしたかね、私は」

「順当に考えるなら、私がここに居るのって他の皆さんに危険ですから。私に聞きにきた時点で、原因は私だって確信がありましたよね? そうじゃなかったら私の学生時代とかの概要が中学生から調べられているのおかしいですし」

 

「小学校について調べてなかったのは、私が行ってなかったってことを調べたからと納得できます。けど、データ上では小学校に通った記録はあるはずなのでそこもちょっとおかしいかな? とは思いました」と補足をする。

 

「……お怒りにならないので?」

「産むと決めたのは私です。そのことが、他の人たちに認められないというのは十分に理解しています。殺し合いにだってなりましたから」

 

「こちらから言えるのは、可能性の段階で排除に動かないでくれたことへの感謝だけです」

「……そちらの方は、納得しかねているようですがね」

「誰に何を言われようが、決めるのは私です。私と、私の子のことですから」

 

 バツの悪そうな顔で、男たちは去っていった。

 そんな中で、女性は振り返りもう一度深く頭を下げてから去っていく。言葉にすることは立場上できていなかったが、「頑張ってほしい」という応援の気持ちで下げられた頭であったことは杏奈にもリオにも伝わっていた。

 

「……杏奈、あんた人が良すぎるわよ。文句の3つ4つくらいは言ってもお釣りが来るでしょ、今回の騙し討ちは」

「けど、私の影響で子供に想定外の悪魔因子が出たってのは本当だと思うよ。たぶん、それ以上の問題にもなってたと思う」

「そりゃまたどんな理由だってのよ。私たちに隠してただけで、何か変化でもあったの?」

 

「ミネルウァのスキルが、変異の兆候を見せてるんだ」

「スキル変異? ……いつ起きたの?」

()()()()()()()

 

「前からあったんだけど、出産予定日過ぎてから頻度がかなり増えてるんだ。シャドウ使いのスキルなんて遊んだり*5お店で休んだり*6したら変化したり覚え直せたりするからあんま気にするほどではない気もしてるんだけど」

 

「今日の朝水を飲んだ時、窓を見て太陽が眩しいなって思った時、リオが来てからの会話の途中とか、そういう普通の日々の中でペルソナが異常な反応をしてるんだ。スキル変異の発生タイミングがバグっちゃったみたい」

 

「私だけじゃなくて近くの人にも影響があるとしたら、流石に隔離されるかなーとは思うんだよ。普通に」

「……聞いてないんだけど」

「まぁ、皆に言っても仕方ない感じがすることだし。スキル変異だって気持ちで抑えられる普通のやつだったし」

 

「先生には話してるから、診断書読めるゴドーさんとかは知ってたと思うよ?」

「それでも、話してほしいわよ」

 

「けど、今回の件でうまく行ったら、ヤタガラスの管轄の方で隔離してもらえるかもね。それはちょっとありがたいかも」

「……なにがありがたいってのよ」

「安全性が一等地な所でセプテンやり過ごせそう。じゃん。噂に名高いヤタガラスの里とか」

 

「……しおらしい態度を取ってると思ったらそういうこと?」

「ヤバいかなーと若干の自覚はあったから。けど下手に自分で言い出すとこの病院から出ていかないといけない空気になりそうだからねぇ。向こうの責任で隔離してくれると言うのは、とても助かるのです。だから、良心に深く刺さるように話たんだし」

「あんたねぇ……」

 

「ま、そういうゴタゴタが起きる前に、この子が産まれる気持ちになってくれるのが1番なんだけどさ」

 

 杏奈は、そう語った。

 いっこうに産まれようとして来ない、お腹の我が子を案じながら。

 


 

「なんだか、とても良い人達でしたね」

「だな。子供の方に異常はあったとしても、悪意の類はなさそうだ。そうなると、俺たちが調べるのは()()()()()()()()()が他の人達にどんな影響を与えるかだな」

「はい! しっかり調べて、元気なお子さんを産んでいただきましょう!」

 

 調査員たちが車にて帰路についている。

 

 彼らは、杏奈との面談の最中に特殊なCOMPにて測定していた。それは、今回の調査のために作成した特殊機構。ひとつの対象をさまざまな方式で観測するというだけの簡易機構であった。

 

 その結果として、すべての測定データは()()()()()()()()()()()()()

 

 変化の幅はほんのわずか。しかし、同じ対象を測定したはずのデータのはずが、同じ結果となる測定項目は一つとしてなかったのである。

 

「確か、技研のフジワラって子がばら撒いてた『イデアオーブ』ってアイテム。あれも似たような測定データだったよな」

「ですね。死んでしまった方々の技能を脳の、あるいは魂の規格が一致する方々にインストールする機構であった筈です。その過程で元の人格を保護するためのペルソナが発現しやすいって調査結果にはありましたね」

「人格の保護のためにペルソナが覚醒するのではなく、ペルソナに覚醒したからこそ技能のインストールが発生できた。あるいは、ペルソナ覚醒と技能データのインストールには相互作用があった。仮定が重なりますが、彼女自身が『イデアオーブ』のような役割を果たした結果、隣室のペルソナ使いがデータをダウンロードしてしまった。その結果として、赤子に想定外悪魔因子の定着が発生してしまった、という仮説になりますね。……否定の材料は、これから探しましょうか」

「ですね」

 

 調査員たちは杏奈についての調査を一区切りさせ、休まずに次の仕事へと向かっていく今この瞬間に当たり前に存在している平和が、明日にも続くことを願いながら。

 


 

 あとがき

 

 ギリギリですが月一更新です。

 やるべきゲーム、買ったゲーム、買いたいゲームが渋滞している結果メタファーがまだ序盤という体たらくですが、なんとか生きてます。

 

 執筆してる日の方が体調が良い謎現象もあるため、コツコツ書いて更新ペース上げていきたいですねー

 

 ・今回良いところが皆無だった一般アラサー女性リオさん

 

 プロット組んでいるときはこんなに酷いことになるとは思わなかったのですが、『リオさんなので別に良いか』となりました。メインヒロイン(笑)と主人公が1番雑に扱われてるのは、作者の手癖です。

 

 ・どう考えてもやべー状態になってるのに、呑気に生きてる杏奈さん

 

 マタニティハイだなどとリオさんに言われているが、特に関係なく普通に幸せを感じている女性。

 それはそれとして自分の子供がヤバいことは実感しているので色々考えている。

 

『座敷牢じみた病室で封印処理されていれば他の人には迷惑かからんやろ』という感覚だったので、お隣さんに影響を与えていた可能性にはビビってはいた。

 

 なお、赤子が原因と思われるスキル変異により斬撃、打撃、貫通の三属性を防ぐタイプの『物理耐性』を獲得しており、シリアスな話し方をしていながらちゃっかりしている。そういう女なのです。

 

 ・ヤタガラス調査員たち

 若い男女については元ネタあり。

 肝心の苦労が顔に染み付いている男性については思いつかなかったのでオリキャラになりました。展開次第では死にそうだからというのもあります。軽率に殺そうとするな馬鹿作者が。

 若い男女については、インティ・クリエイツさまの新作カードゲーム(先月発売)のカルドアンシェルより、主人公の『ナナシキ・ネオン』とパートナーの『アンシェ』ちゃんです。

 

 チュートリアルと2ステージ遊べる体験版が配信されていますので、縁があれば触ってみてくださいな。

 

 ヤタガラスとしては、参加の病院でのトラブルということ調査をしたが、さほど重要な事件としては捉えていない。だからこそ『漂流者《ドリフター》』である若い二人を連れ、信頼の積み重ねの一助とするつもりだった。

 

 その判断が正しいかが判明するのは、先のことである。

 

 ・見境なき医師団

 本編内部に入れ損ねた秘密医療組織、あるいは所属する医師たちを指す言葉。数多の利権、数多の宗教、数多の人種に数多の悪魔。そういった人たちを分け隔てなく治療する集団。

 根拠地を持たず、インターネット上で異能者用の治療法を議論する程度の集団であった。しかし、漂流者の医療経験者がやってきたことで話が変わる。

 この世界の医師免許を持たず、しかし医療技術に長けている人員がいる。そして、彼らを遊ばせておけるほどの余力はどこの医療機関にも存在しない。

 そしてなにより、彼らの中には命を未来に繋ぎ残すための気高い意志が存在した。

 

 そのために諸々の伝手が使われて、マンションを一つが異能技術を用いた医療技術の試験場へと変貌したのである。

 

 こちらに勤務する医師たちの採用については、T大学医学部の教授たちが関わっているとの噂がある。が、公的に関係を示す一切の証拠が見つかっていないため、真偽は不明である。不明ったら不明なのである。

*1
モンスターハンターワイルズ 2025年2月28日に発売。先日オープンベータテストが実施された

*2
ゲーマー基準の普通です

*3
2009年8月、ベルリンにてウサイン・ボルト氏により樹立された100m走の世界記録。

*4
1980年代アメリカにて起きた、妊娠した娘に対して、結婚して責任を取らない男のもとにショットガンを持った父親が訪問したことで生まれた結婚の話から、アメリカでのできちゃった婚についての言葉となっている。

*5
P4G、P5Rなど。バイクで遠出をしたり、ジャズクラブで遊んだりすることでスキルの習得が可能。なお、ワイルドの影響下のことであるため無制限に発生するものではない。

*6
P3R ビー・ブルー・ヴィーなどの、仲間の忘れたスキルを思い出すことの施設がある。なぉ、こちらもワイルドの影響下でのことである。

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