真・ミツオ転生(続)   作:銀鱗

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前の投稿から1年以上たってるってマ?

あまりにも難産すぎる


【▸戦う】たった一人の最初の戦い【▸逃げる】

シャドウとはなんだろうか

 

日本語で影という意味である。

 

馬鹿俺の脳の馬鹿野郎、常識を問いてるんじゃねーんだよもっとこのペルソナの世界的な意味で答えプリーズ

 

…人間から生まれることだけは覚えてる。じゃあこの四方八方から感じる敵意はなんなんだろうナー。俺嫌われすぎじゃないですかヤダー

 

 

 

と、自問自答でテレビの中に拉致された現実から逃避しかけている久保美津雄だ。

 

 

いやね、いきなりシャドウのものなのかわからん巨大な網がテレビの画面からばっさりと覆いかぶさってきて、まるでスパイダーマンに捕えられるマンホールの気分を味わった後、テレビの中へボッシュート、奴さん方によってHOLD UP状態になっているわけだ。

 

そんな状況になれば誰だってそうなると思うのよ。

 

 

────────さて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助けてェェェェーーー!総攻撃されるゥゥゥゥーーーー!!背景で首あたりから血をブシャーッてされちゃうーーーー!!

 

 

 

 

ほら今にも襲い掛かっt襲い掛かってきたァーーー!?

 

 

 

 

大慌ての表情を顔に浮かべながらも、なけなしの戦闘経験が体を動かす。

学習カバンに突っ込んだ手で棒切れを引っ張り出し、先陣を切って目の前に飛び掛かってきたシャドウを打ち据える。

 

 

そう、これこそ制作してもらった黒い棍(の1/4)。長い棒もこうやって四分割すれば嵩張らないってね

 

 

そんな誰に聞かせるわけでもないセールストークを脳内で流して1人ドヤる俺。ただ相手はこいつは食われるだけの餌ではなく、脅威を与える敵と認識したらしい

先ほどより殺意をにじませた視線をよこす。

 

 

警戒心を抱くことができるのは腐っても人間から生まれたものとしての本能なのか、まぁその一瞬が実にありがたい。

 

おかげで二本目の棒をするりと取り出せた。

 

しかしこれ以上武器を増やさせるのはまずいと判断したのか警戒から一転、再度シャドウが接近してくる、が

 

 

 

「無手だった時が殺す最大のチャンスだったんだぜ?」

 

再び群がってくるシャドウへ、両手に持った棒を太鼓のバチのように叩きつける。ドンと気持ちのいい音はならないが、そのダメージでさらさらと消えていく。

さて単純な手数が増えてさばくのがマシになったが、まだ足りない。

 

四方からまとわりついてきたシャドウが上半身を拘束する。これではいくら手数があろうと対応しきれない。

 

うん!質はそこそこだけど量が多くてキツイ!

 

まぁ、その場合の対策が無いとは言っていないが

 

ギュルンッ!と、勢いをつけて一回転。遠心力に耐え切れずわずかに拘束がほどける。その隙間に棒を差し込み、更に勢いをつけて逆方向に一回転

 

完全に拘束が外れ、吹き飛んだやつらが固まって波のようになっているシャドウ達を押し戻すことで自分の陣地をさらに広げる。

 

これ以上は身軽にしてないとマズイ、といい加減邪魔になってきたカバンを蹴り上げる。

その衝撃でぽっかりと開いたチャックから三本目の棒が飛び出る。二本とも出て欲しかったが、一本出ただけでもラッキーか。

 

ヒュンヒュンと回りながら落ちてきたそれを両手の棒で挟み込むように連結、振り回すだけで脅威になる長さだ。牽制代わりに振るうとそれだけで下がっていく。これで更に近づけなくした。

 

 

 

「ム、この感じはいよいよ本腰を入れて排除しようという感じか?」

 

俺の周りを包囲しているシャドウ達が波に取り込まれながらも一斉に迫ってくる。

 

 

さすがにこれは武器一本ではどうしようもないか。そう思いながら転がったままのカバンを回収、その中から最後の一本を取り出し接続する。棒を握る左手に集中しつつ、右手で()()()()()を掴む。

 

「前にも後ろにも、右も左も囲まれている。こりゃ詰みだな。」

 

俺じゃなければ

 

 

体の中から棒へと魔力が巡る。腕から指、指から持ち手、持ち手から末端へ

 

最後にイメージ

 

結果はすぐに現れた

 

 

「メタル、マキシマムドライブ」

 

そう呟いた瞬間

ごう、と棒の両端が火に包まれる。思い描くのは仮面ライダーWヒートメタルの必殺技。

 

初めての武器への属性エンチャント、その成功体験を噛みしめる。

 

メタルブランディング、とは言わない。それは二人の息を合わせるためのルーティンだ。

じゃあなんでマキシナムドライブの方は言ったかって?

 

うるせぇノリだノリ

 

水平に棒を高く掲げると炎が一定の方向性を持ち、バーニアのように噴き出す。シャドウの魔の手が目の前に迫る直前、俺の足がふわりと地面から浮き、魔の手が俺の足を掠める、がそれだけだった。

 

出力を上げた炎が更に俺を引っ張り上げ、唯一の脱出口である上にドンドン近づいていく。

 

その間も下ではシャドウ同志がぶつかり合い、纏まっていた群れが崩れていく。

 

 

ふぅ…取り敢えず脱出成功。このまま飛んでいきたいところだけど…あ、やばい。思ったよりも掴んでいる指が痛い。降りるっきゃないかー

 

少しでも距離を稼げるように浮遊しつつ高度を下げていく。

 

着地するころには混乱していたシャドウ達の眼光が再び俺に向けられる

…よっぽど嫌われているようだ、殺意がすごいぜ。

 

 

さて、これからどしようか。シャドウ達はすぐにやってきそうだ。選択肢としては二つ

 

迎撃か、逃走

 

とはいえ迎撃するとしてもあの量だ。確実に捌ききれなくてすりつぶされる、却下

 

じゃあ逃走は?あの執念を見る限り俺を逃すつもりはないらしい。逃げ続けることは不可能だし、俺の体は当然疲労する。

ダンジョン内をボタン一つで走り回ることなんてできない。ここはゲームではなく現実だ、ジリ貧だろう却下。

 

じゃあどうするか?その答えの大ヒント兼秘密兵器の出番だ。ずっと右手に掴んでいたものをガシャンと下ろす。

 

そう、自転車だ。サドルをずっと持ってたから手に食い込んでイタァイ…

 

元々廃棄物置場は町のはずれにある。そこへ移動しようとするなら学生の限りある手段の一つ、自転車を使うのは必然だろう。

 

これ持ってなかったら飛び続けていられたろって?

 

SP尽きたときに着地狩りされたら即お陀仏ですな

 

さて、シャドウ達に背を向けてーカバンを前の棒を左のサドルごと(非常に危ないのでマネしないように)握りこんでー程々の体力消費を考えつつー

 

距離をとる!

 

先ほど逃走は却下と言ったな?あれは(半分)噓だ。

 

当然、シャドウ達は追いかけてくる。足がなかったらすぐさま追いつかれていただろう。自転車できて本当に良かった。とはいえいつまでも逃げれる訳もなし。やはり体力切れと共に捕まるだろう。

 

しかもスキルが後ろからヒュンヒュン飛んできやがる。カードをバキリと砕き、オニキリを出現させて確実に当たる攻撃だけを刀でガードする。今はまだ弾けるぐらいの弾幕だがいつまで持つか…

 

だが、俺が何の意味もなくガリガリと棒を地面を擦り続けるわけではない。オニキリの鞘がガコココンと回り、魔力を込めていく。

 

そして俺が通過した場所にシャドウが触れた地面が────火を噴き出す

 

「いよーし大成功。地面に属性を付与した俺お手製の地雷だ。ああ安心しろ、俺の通った道にしか仕掛けられてないぜ。それでも追ってくるなら────属性のフルコースを味わってもらう。どの属性を仕掛けたかは俺にも分からないが、飽きない事だけは確実だぜ?」

 

誰も俺を、追わなければいいのになぁ~~

 

火に炙られ、水に潰され、風に裂かれ、雷に痺れる。最短距離を進めば罠に突っ込むことになり、迂回しようにも時間を取られる。それは見事な引き撃ちであった。

ここまでは順調、シャドウも少しづつだが削れている。負けずと弾幕を展開しているものの、明らかに攻撃が薄くなっている。

 

と、ここでシャドウに動きがあった。一定の距離を保っていたシャドウの姿が少しづつ遠ざかっていく。飛んでくる弾幕も厚く、狙いも良くなっている。足を止めてスキルによる狙撃に戦法を切り替えたようだ。

 

たしかに進めば罠に当たるんだから留まるのは実に合理的な判断だ。となると俺がこのまま走り続けても捉えることができる長射程の攻撃をしてくる可能性がある。

 

ならば

 

キッと摩擦音を出してタイヤが止まる。少し疲れてきた足を休め、呼吸を整える。

 

────迎撃の時間だ。

 

だが圧倒的に手数が足りていない。むしろ質も負けているかもしれない。だからこそ圧倒的有利から引き撃ちができる逃走を選んだ

 

要するに今、スキルの撃ち合いになるのは非常にまずい。確実に負ける。

 

一発、そう一発でこっちのペースに戻さなければ。撃ち合いは圧倒的に不利、これじゃ追いかけっこをしていた方がまだマシだ、と思わせるような一発を。

 

俺は一応すべての属性を使えるが今の所、正直毛が生えた程度だ。ワイルドである主人公には遠く及ばないだろう。しかし闇属性だけは誰にも負けない自信がある。そして俺のペルソナの特性は属性エンチャントだ。そして今、スキル「淀んだ空気」がオニキリから漏れ出させた。常に瘴気に覆われてるから使用者の俺でも見分けがつかない。

 

つまり今、状態異常の付着率が異様に高い 

 

そして即死は、状態異常の一つ────!

 

 

棒を地面に突き立て、照準を合わせる。幸い、相手は足が止まっている。狙いをつけるのは容易

 

 

「消し飛びな─────マハムド!」

 

シャドウの真下に魔法陣が展開される。これだけ広範囲なスキルだ。気が付かないわけがない。しかし固まって要塞化していた奴らは簡単には逃げ出せない。

 

 

ドゥンッ!

と独特な効果音を立ててマハムドがシャドウを襲う。

運がいいもの、闇属性に耐性があるものは逃れるものの、それらに恵まれなかったシャドウは容赦なく消し飛んでいく。魔法陣が収まるころにはシャドウの塊が一回りほど小さくなっていた。

 

「三割…いや二割強、ぐらい削れたか?」

充分だ。敵に回すと厄介だが味方では微妙と言われた即死スキル、しかし俺との相性は最高であった。

 

そして狙い通り再び俺に迫ってくる。たださっきのマハムドがよほど効いたのか、ばらけて個々で俺を追い詰めようとしているっぽい。

 

ならば逃走再会。数日とはいえ八十稲葉に住んでいる、地の利には期待していいだろう

 

とはいえやはりテレビの中はこっち側とは勝手が違う。そっくりな場所はあるものの、有り得ない場所につながっていることもしばしば。おまけに大きな穴が定期的に見かけるのでいつ行き止まりにぶち当たるか不安だ。

 

追いついてきたやつをオニキリが吹っ飛ばしたり、いきなり前に出てきたやつをライダーブレイク(ただのひき逃げ)しながらも逃げ回り、確実に数を減らしていった。

 

クマを巻き込まないためにもジュネス方面には向かわない。しかしそれを感じ取ったのだろう、徒党を組んだシャドウ達によって少しづつ追い詰められつつあった。

 

無論、固まったところをムドやマハムドで消し飛ばしているが小気功では回復しきれず、ペダルを漕ぐ足にも疲れが見え始めた。

 

これなら待ちに徹した方がいいかも知れない、と既にじんじんしている足に活を込めて坂道を上る。今向かっているのは山の頂、そこで籠城というわけだ。街の景色は見えず、霧によって覆い隠されている。

 

現状を確認しよう。

 

スキルと肉体の酷使によってすでに満身創痍。ムド系のスキルを使った結果、後に残った敵はほとんどが闇に耐性・無効を持っていることになる。こっちの長所が潰されて、後は火力とリーチが心もとない属性攻撃しかない、と。…今更ながら割とピンチでは?

 

さてこれからどうすんべ、と考えながら呼吸を整える。

さすがに疲れた。自動回復による経戦能力はあるものの、回復スキルがない。アイテムで何とか持たせているっていう現状だ。

やっぱりピンチから抜け出しにくいってことが今後の課題だな。アイテムも無限に持てるわけじゃないし。

 

最後のソウルドロップを口に放り込む。

あ゛あ゛ぁ~~~疲れた精神に効くんじゃ~

 

これ危ないオクスリとかじゃないよな?

 

 

そして息つく暇もなく、敵は現れる

 

ザッ、ザっと坂道を上る音が聞こえてくる。やれやれ、少しは休ませてもらえないものか。

 

 

あれ?集まっていたシャドウの中に足ついてる奴いたっけ?

 

いまいち回復しきらない思考を回す前に

 

 

「あなたね、この町に現れた異物というのは。」

 

声を、かけられた

 

そりゃあ見るからに不審者だもんね俺。場所がおかしい。

 

青い服に女性なら誰もが羨むようなブロンドヘア、そして息をのむような美貌を携えたえらくリムジンが似合うような美女────────マーガレットさんが立っていた。

 

 

 

裏ボスやってきちゃったよ!




情報

状態異常付着率がかなり高く設定されている。単体バステはもちろん、状態異常の成功率が低くなってしまう全体バステの成功率もかなり高い。
中ボスやボスにすら状態異常が通る可能性だってある。ペルソナ4では本来設定されていないがやけど・氷結・感電も狙えるとか。
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