音速の妹のヒーローアカデミア   作:えきねこ

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ようやっとヒロアカキャラの片鱗が登場です。台詞はないけど。


幕間 アンジェラのレターフレンド

 ある日の昼下り。ご機嫌なアンジェラが鼻歌を歌いながら買い物から帰ってくると、ポストの中に何か封筒が入っていた。

 

「〜♪ 〜♪ ……っと、来てるな」

 

 アンジェラはそれを取り、家の中に入り、買ったものを整理すると、ダイニングのソファに座り封筒を開ける。

 

 その封筒の中身は、手紙であった。日本語で書かれた手紙。送り主の名を確認すると、達筆な文字で「送崎信乃」と書かれていた。予想通りの名前に、アンジェラは笑みを零す。

 

 送崎信乃とは、日本のプロヒーローである。ヒーローネームは「マンダレイ」。ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツという、四人一組のヒーローチームの司令塔として活動をしている。”個性“はテレパス。他者の脳に直接語りかけることができる”個性“である。

 

 そしてマンダレイは、アンジェラの歳の離れた友人でもあった。もっと言うなら、こうして手紙のやり取りをする仲。いわゆる、レターフレンドである。

 

 手紙を手に、やけに嬉しそうにしているアンジェラを見ながら、シャドウはコーヒーを淹れていた。コーヒーの香りが部屋に充満し、嗅覚を刺激する。シャドウはかなりのコーヒー党であった。それも、コーヒー豆を直接食べるタイプの。今日はコーヒーを淹れる気分だったらしい。

 

「アンジェラ、手紙か?」

「ああ、シャドウ。日本のレターフレンドからな」

 

 シャドウはアンジェラに先程淹れたコーヒーを渡しながら、興味深そうに手紙を見る。シャドウはアンジェラにレターフレンドが居ることは知っていたが、実際にレターフレンドから送られてきた手紙を見るのは初めてだった。

 

 何故日本のヒーローであるマンダレイとアンジェラがレターフレンドになったのか。その話は、一年前、ステーションスクエアでのパーフェクトカオス騒動の少し前にまで遡る。

 

 とはいっても、大したことではない。

 

 ラフリオンに留学中の親戚に呼ばれてやって来たものの、ステーションスクエアで道に迷ってしまったマンダレイを、アンジェラが道案内しただけだ。その時に二人は意気投合し、こうして手紙を送り合う仲になった。

 

 アンジェラはコーヒーを片手に、手紙を読み始める。内容は他愛も無いものだ。プライベートで楽しかったこと、プッシーキャッツのチームメイトのこと、他人の個人情報などの守秘義務に触れない範囲でのヒーロー活動についてのこと。

 

 アンジェラは上機嫌で手紙を読み進め、シャドウも興味深そうにアンジェラの横から読んでいたが、最後の一枚を読み進めている内に二人の顔が曇る。

 

 最後の一枚の内容は、マンダレイの従兄弟夫婦がヒーローとしての仕事中に敵から市民を守って殉職してしまったこと、その従兄弟の子供をマンダレイが預かることになったこと、そして、その子供に関する相談であった。

 

 曰く、ヒーローであった両親の死をいいこと、素晴らしいことと世間が褒め称え続けてしまったことで、その子供はすっかりヒーローも“個性”も嫌いになってしまったらしい。

 

 そのことをとやかく言うつもりはないが、同じヒーローであるマンダレイ達のこともよく思ってはおらず、会話ができないような状態とのことだ。

 

「……はぁ。胸糞悪いこともあるもんだな」

 

 アンジェラは頭を抱えた。その子供の両親が死んだことにではない。その子供には悪いが、その両親がヒーローという職を選んだということは、彼らはいつ死ぬ覚悟も出来ていたのだろう。その覚悟を否定する気は更々ない。それは、彼らへの侮辱になってしまう。

 

 アンジェラが頭を抱えたのは、その死をいいこと、素晴らしいことと褒め称えた周囲のことだ。

 

 これでは、子供の両親が早く死ねばよかった、と言われているようなものではないか。周囲にそのつもりがなくても、子供はそう受け取ったのだろう。そうでなくても、まだ物心ついて間もない子であるとのことだ。親が世界の全て。その子供は、一瞬にして世界の全てを失ってしまったのだ。

 

 シャドウも同じことを思ったのか、目に見えて顔を顰めている。

 

「……アンジェラ、どうするんだ」

「……無責任なことは言えない。オレに出来るのは、その子の人生のちょっと先輩として、ちょっとしたことを教えることだけだ」

 

 アンジェラはそう決意を固めると、棚の中から便箋とペンを取り出した。




最初に出てきたヒロアカキャラは、ワイプシのマンダレイさん。アンジェラのレターフレンドとしての登場です。ソニックシリーズの時系列的にはここまでワルアド後カラーズ前。
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