………というわけで、入試編です。
来日、入試
アンジェラ達は飛行機による長旅の末、無事に日本に降り立った。
まず始めに向かった先は、新居としてGUNに用意されたマンションである。最寄り駅から雄英高校近くの駅まで電車で30分圏内にあり、その最寄り駅からも近い。近所に一通りの施設は揃っており、少し遠出をすれば、県内有数のショッピングモールもある。まさにいたれりつくせりな立地である。
さっさと荷物を広げて、ソニック達に無事に到着したとメールをしておいた。数時間後には、大量のメールが届いていた。初日の残りの時間は、そのメールを読んでいたら終わっていたそうな。
「……皆、一気にメール送ってきすぎ。メフィレスに至ってはただ煽ってるだけだし……」
『我が主のことが皆心配なのですね。メフィレスはいつか凍らせますが』
「怖いこと言うなよ……。止めやしないけどさ」
そんな会話はともかく、雄英高校入試までは残り1ヶ月余り。アンジェラは既に大卒なので中学範囲程度の数学、理科、英語は楽勝。また、オカルト関係の書籍を読むために日本語を学んでいたため、現代文も特に問題はない。
これは余談になるが、アンジェラは複数言語の教員免許を持っている。これらの免許はバイトのために取得したものであり、英語、フランス語、ドイツ語などの欧州のメジャーな言語の他に、中国語と日本語の免許を持っている。アンジェラは、類稀なる語学センスを持っていた。
だが、日本史と公民、古典に関しては勉強するしかなかった。幸い、日本史はオカルト系の情報を漁る上で、法律はそのついでで齧ったことがあったため、日本史と公民についてはそこまで苦労しなかったものの、古典に関しては触れたことすらないため難航した。
が、そこは語学科卒。試験ギリギリになってしまったが、なんとか中学範囲の8割は理解させておいた。
「……ちかれた」
ちなみに、試験前日のアンジェラは、古典のせいで死屍累々だったそうな。割と本気で労災が下りるのではないかとか思うくらいには重症であった。ヒーロー科の入試は実技もあるため、鈍らないように適度に運動や魔法の練習をしていたのもあるが、よく1ヶ月で仕上げたものだ。
ケテルがアンジェラに毛布をかける。アンジェラは今日はもうこの布団にくるまってふて寝するつもりでいた。
《だいじょーぶ?》
「おー……ありがとな、ケテル。オレはもう寝る……」
そう言った次の瞬間には、アンジェラは眠りに落ちていた。
翌日、雄英高校一般入試当日。
アンジェラは「普通の雄英高校ヒーロー科志望の留学生」という体で願書を出していた。
世界に名だたるナンバーワンヒーロー、オールマイトの出身校というだけあって、毎年留学希望生が居るらしい。雄英高校では留学希望生であっても普通に一般入試か推薦入試を受けさせる。ここ数年はヒーロー科では確認されていないが、5年前には実際に試験に合格し、雄英高校ヒーロー科に入学した留学生が存在したらしい。普通科、経営科にもたまに留学生が入ってくる他、サポート科には毎年一人二人は必ず居るそうだ。
ちなみに、書類の用意はGUNがやってくれた。それ以外の手続きは、GUN日本支部の職員が手伝ってくれた。ありがたやありがたや。
「はー……予想外の大きさだな」
アンジェラも雄英高校の存在自体は元から知っていたが、やはり生で見ると迫力が違う。その校舎はまるでビルのような造りになっており、言われなければ学校だとは気が付かないだろう。設備も最新式のものが揃っているという話も聞く。その分、試験の難易度も倍率も毎年高い。ケテルも興味深そうにアンジェラの持っている黒いバッグの中から雄英高校の校舎を見ている。
ちなみに、今のアンジェラの格好は制服っぽい黒のセーラー服にパンプスだ。GUNの方から、日本では受験会場では制服を着るものだと教わったので、息抜きついでにショッピングモールで買ってきたのものだ。留学希望生用の受験要項には、服装は自由と書かれていたが、郷に入っては郷に従え、という言葉に、今回は従うことにした。
アンジェラはほどほどに緊張感を持って雄英高校に足を踏み入れようとして、うっかりコケてしまった。衝撃に備えて目を閉じていたアンジェラだったが、いつまで経っても思ったような衝撃がこない。疑問に思いながら目を開くと、アンジェラの横にどこかふんわりとした雰囲気の少女が立っていた。よく見ると、アンジェラの身体が宙に浮かんでいる。
「大丈夫?」
「あー……びっくりした……」
少女はアンジェラを立たせると、手を合わせる。どうやらこの少女は、物を浮かせる“個性”の持ち主のようだ。
「今の、私の“個性”。ごめんね? 勝手に。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね」
「いや、助かったよ。Thank you」
「緊張するよねぇ〜……。お互い頑張ろう! じゃあ!」
少女はそう言うと、試験会場へと歩いていった。
『いい人でしたね』
「そうだなぁ。さて、オレたちも行くか」
少女のあとに続くように、アンジェラも試験会場へと歩みを進めていった。
雄英高校の入試は午前中に三教科、昼休憩を挟んで午後に残り二教科の筆記試験、それが終了すると講堂での説明と各会場への移動を経て、十分間の実技試験がある。
筆記試験、アンジェラは古典こそ不安が残るが、それ以外の教科に関しては簡単だとすら思った。まぁ、雄英高校はヒーロー科最難関とはいえ、あくまでも高校入試。中学校までの範囲からしか問題は出ない。社会科目も特段不安な点はなかった。強いていうなら、ケアレスミスをしていないかくらいか。
ケテルは筆記試験中、待機部屋に預けていた。ケテルは大人しくしているのが苦手であるため、事前に学校に連絡して、筆記試験中は預かってもらうことにしていた。下手に動かれてカンニングと見なされるのはケテルの本意ではなかったため、割とすんなり留守番していた。
筆記試験が終了したあと、アンジェラはケテルを迎えに行ってから実技試験の説明会場である講堂へと向かう。ヒーロー科の受験生全員が一堂に会するため、講堂はとても広い。
しばらく指定された席に着いて待っていると、雄英講師であるボイスヒーロー、プレゼントマイクによる説明が始まった。雄英高校の先生は皆プロヒーローなのだ。開始早々、ラジオDJのノリのままコールアンドレスポンスを求めていたが、受験生にとってはまさに今が人生のターニングポイント。返す人は居なかった。アンジェラも周囲のピリピリとした空気に、とてもじゃないがシャウトを返すつもりにはなれない。
プレゼントマイクは「こいつはシヴィー!」と慣れた様子。どうやら毎年のことらしい。彼は特に気にせず説明を開始した。
「入試要項通り、リスナーにはこの後十分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!」
因みに、プレゼント・マイクは学生のことをリスナーと呼んでいるらしい。閑話休題。
「持ち込みは自由。プレゼン後は、各自指定の演習会場へ向かってくれよな!」
アンジェラの受験票に示された演習会場はB。
ここでもう一度プレゼントマイクがコールアンドレスポンスを求めた。結果はお察し。会場の空気が死んでいる。若干プレゼントマイクが可哀想に思えてきた。
「演習場には、仮想敵を三種、多数配置しており、攻略難易度に応じてポイントを設けてある。各々なりの“個性”で、仮想敵を行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ。勿論、他人への攻撃など、アンチヒーローな行為は、ご法度だぜ?」
つまり、そういうことはやったらバレるぞ、ということだろう。アンジェラは事前に配られたプリントを読みながらそう思った。
「質問よろしいでしょうか!」
と、ここである受験生がそう言って手を上げた。プレゼント・マイクが彼を指すと、スポットライトが彼を照らす。
「プリントには、4種の敵が記載されております。誤載であれば、日本最高峰たる雄英において、恥ずべき恥態。我々受験者は、規範となるヒーローのご指導を求め、この場に座しているのです!」
うーん、真面目バカ?
アンジェラは、彼にそんな印象を受けた。
アンジェラも疑問に思っていた部分ではあるが、プリントに記載されているということは他の仮想敵とは違う
「OK,OK! 受験番号7111君、ナイスなお便りサンキューな! 4種目の敵は0ポイント。そいつはいわば、お邪魔虫、各会場に一体、所狭しと大暴れしているギミックよ! 倒せないことはないが、倒しても意味はない。リスナーには、上手く避ける事をオススメするぜ」
件の真面目バカ君は「ありがとうございます! 失礼しました!」と頭を下げて再び着席した。
……避けるべきもの、か。
アンジェラは、無意識に舌なめずりをしていた。
「俺からは以上だ。最後にリスナーに、我が校校訓をプレゼントしよう。かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った。真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えてゆく者と。更に向こうへ、Plus Ultra!!! それでは皆、良い受難を」
プレゼントマイクはそう言って説明を締めくくる。受験会場場でもこうなのだから、彼は生粋のエンターテイナーなのだろう。反応が悪かったとしても、いつでもユーモアを大切にする姿勢は、アンジェラも嫌いではなかった。
受験票で指定された女子更衣室でいつもの服に着替える。違う点を挙げるとするならば、長袖のジャージを羽織っていることと、腰に空間拡張魔法をかけた白いウエストバッグを身に着けていることくらいだ。ジャージは、真冬にノースリーブは流石に寒いから着た。
ウエストバッグには救急セット、スポドリ、ミルキーウェイ、スマホ、バッテリー、指輪型の魔導演算装置、幻夢の書、カオスエメラルドを入れたジュエリーケースが入っている。これらは実技試験用に用意したとかそんなんではなく、いつもウエストバッグに入れているものだ。
ケテルが着いてきていることを確認し、ウエストバッグから指輪型の魔導演算装置を取り出して左手の中指に嵌め、最後にソルフェジオを首にかける。準備が整うと、アンジェラは他の受験生の流れに沿うように演習会場Bへと向かい、開始の合図があるまで待機する。演習会場は、街がまるまる一つ再現されている、とパンフレットには書いてあった。
「ふぅ……流石に人が多いな」
『緊張していますか?』
「まさか。ライダーズカップの方がよっぽど緊張したさ」
ライダーズカップとは、エクストリームギアの大会のことである。日本ではマイナーなエクストリームギアだが、欧州や北米では結構メジャーで、かなりの頻度で大会が開かれている。アンジェラも何回かソニック達と一緒に参加したことがあり、特に一年前の世界大会の決勝戦は、伝説の一戦として有名だ。閑話休題。
「……おっ」
アンジェラが会場前を見渡していると、朝アンジェラがうっかりコケた時に“個性”を使って助けてくれた少女が居た。彼女は固い表情をしており、どうやら緊張しているようだ。
アンジェラが彼女に話しかけようと歩みを進めると、肩を誰かに掴まれた。振り返ってみると、そこにはプレゼントマイクに質問をしていた真面目バカ君が。
「あの女子は精神統一を図ろうとしているんじゃないか? 君は、あれか? 妨害目的で受験しているのか?」
「んなわけねぇだろ。離せ」
アンジェラはその細腕からは考えられないほどの力で真面目バカ君の手を引き剥がす。魔法による身体強化でもない、素の力で。当然、真面目バカ君は驚き、アンジェラの方を見て目をパチクリさせているが、アンジェラは気にすることもなく少女の元へと近寄る。
「よっ。緊張してるみたいだな」
「あ、校門前で会った……」
「緊張しなすぎるってのも良くないが、しすぎるってのも良くないぜ。動きが固くなっていい成績が残せなくなる。ほら、Smile,smile!」
アンジェラに促されるまま、少女は笑みを浮かべる。アンジェラは、満足そうに頷いた。
「お、いい顔で笑うじゃん」
「……うん、なんか大丈夫な気がしてきた! ありがとう!」
「ま、朝のお礼さ。それと、耳に注意しといた方がいいぜ」
少女が耳に? と首を傾げていると、
「ハイ、スタート!」
プレゼントマイクから、開始の合図がなされた。アンジェラはその凄まじい反応速度で、他の受験者よりも早く、速く駆け出していった。
「どうした!? 実戦にカウントダウンなんざ無ぇんだよ! 今走ってるのは一人だけ……って、速っ!?」
流石にソニックブームが起こるほど速くは走っていないが(人が多くて事故るから)、それでも一般人では目で捉えられないほどのスピードで駆けるアンジェラ。途中、目に入った仮想敵をスピードで撹乱し、スピードの乗った拳や蹴りでもって一撃で破壊していく。
「脆いなぁ……」
正直、もう少し強いもんだと思っていたアンジェラにとっては、拍子抜けであった。
これを、「中学生が受ける試験」として見れば、仮想敵の破壊だけでも十分難易度は高い。しかし、アンジェラにとって仮想敵の強さは、「暇つぶしにもならないもの」であった。比較対象があのエッグマンのロボットなので、そりゃそんな感想になるのは当たり前なのだが。
しかし、仮想敵の場所は知らされていない。より効率よく仮想敵を破壊するため、アンジェラは背中にしがみついていたケテルに声をかける。
「ケテル、空から仮想敵を探してくれ」
《わかったよ、お姉ちゃん!》
ケテルはそう言って、勢いよく空へと駆り出した。やけに元気なのは、やる気だからだろう。
ソルフェジオを中継地点としてケテルと連絡を取り合い、座標を割り出し、射撃魔法で正確に仮想敵を破壊するアンジェラ。
残り時間は2分ほど。全員が全員、実技試験向きの“個性”を持っているわけではないだろうが、受験者数が多いためにどんどん仮想敵は減っていく。
「ソルフェジオ、今ポイントどのくらいだ?」
『現在、我が主のポイントは94。他の受験者の中で一番多いのは45。残りの仮想敵はおよそ10体です』
「うーん……ちょっとやりすぎたかな」
『我が主の実力ならば、この会場の仮想敵を一瞬、広域砲の一撃で屠ることも可能でしょう』
「いや、一瞬は無理だからな。索敵と収束には時間取られるからな。それにそんなことしたら流石に駄目だろ。街が壊れる。それ単なる迷惑行為じゃねぇか」
『……一撃で屠ることはできない、とは言わないのですね』
「出来るのは事実だし」
ソルフェジオとそんな軽口を叩きあいながら、残り時間は他の受験者が危なくなったら助けよう、とアンジェラが思考を切り替えたその時。
《お姉ちゃん! おっきいの出た!》
『我が主、後方から巨大な物体が接近。恐らくはアレが、0ポイントの仮想敵です』
ケテルとソルフェジオの言葉に振り向くと、そこにはビルよりも大きなロボットが。そのロボットが拳を振れば、風圧が襲い来る。
他の受験者はあれよあれよと言う間に逃げ出していく。それは、お邪魔虫なんかではない。圧倒的な脅威。
「……はぁ」
ただし、アンジェラから見てしまえば、「単なる鈍臭い鉄の塊」でしかなかった。
「拍子抜けだよ……もっと凄いもんが出てくるかと思ってたんだがなぁ……」
《でもこれ、ちゅーがくせーが受けるテストなんでしょ?》
『確かに、普通の中学生には対処できませんね』
《お姉ちゃん、どうするの?》
アンジェラは思案する。と、コケたアンジェラを助けてくれた少女が、瓦礫に足を挟まれているのを発見した。
「……ソルフェジオ」
『はい、我が主』
ソルフェジオを手に取り、杖の形に変形させながら、少女の元へとかけていくアンジェラ。少女の足を挟んでいる瓦礫を持ち上げて、そこらへんに投げ捨てる。少女は驚きの表情を浮かべているが、アンジェラは意に介さず、ソルフェジオの先端を0ポイントの仮想敵に向ける。
アンジェラの足元に魔法陣が広がる。ソルフェジオの先端にも環状魔法陣が4つほど現れ、そこに魔力が収束される。
チャージは手早く。その分、威力は落ちるが、鈍臭い鉄の塊を破壊するのには、それで十分だった。
狙うは、ロボットの上半分。そこをめがけて穿つは、機械の巨躯を飲み込む空色の砲撃。
「
環状魔法陣から放たれた超威力の砲撃魔法は、0ポイントの仮想敵の上半身を飲み込み、跡形もなく消し去ってしまった。上半身……頭脳となる部分を失った0ポイントの仮想敵は、その場で機能を停止する。
本来の威力ならば、0ポイント仮想敵を全て消し去ることなど造作もないが、魔力の溜め時間が結構かかること、溜めたら溜めたで周囲の建造物もまとめて消し飛ばしてしまう、という理由で、魔力をそこまで溜めずに放ったのだ。
それでも、0ポイントの上半身を消し飛ばすくらいの威力はある。
アンジェラがふぅ、と一息をついて、構えを解いたその時、試験終了のアナウンスが入った。ケテルが上空から戻ってきたことを確認すると、アンジェラはウエストバッグからスポドリを取り出して少女に話しかけた。
「……っと、Hey,girl.Aer you OK?」
「う……うん。ありがとう……」
「気持ち悪そうだけど、本当に大丈夫か?」
「ああ……“個性”使うといつもこうだから……」
「I see……じゃ、これやるよ。気休めにしかならないけど」
アンジェラはそう言って、少女に持っていたスポドリを渡す。少女はお礼を言うと、勢いよくスポドリを飲んだ。
「……ぷはっ」
「飲んだな。あと挟んだほうの足見せてみろ」
「足……?」
少女の足は、思ったよりは軽傷だった。足を挟んだことによる打撲と、擦り傷切り傷くらいだ。アンジェラはその傷に手を当てて、魔力を流し込む。すると、少女の足の傷は、みるみるうちに治っていった。アンジェラが、回復魔法を行使したのだ。
少女は目をパチクリさせながら自分の足を見る。
「え……!? 凄い……!」
「言っておくけど、応急措置だからなそれ。ちゃんと病院とかで診てもらえよ」
「ほんと……何から何までありがとう!」
少女はまっすぐな眼差しをアンジェラに向ける。アンジェラはそれを見て、ガジェットのことを思い出した。彼も、アンジェラにまっすぐな尊敬の視線を向ける一人である。
アンジェラは照れくさそうに笑って、頭を掻きながら言った。
「礼はいらないさ。オレがやりたくてやっただけだからな」
「……女神様や……」
少女は、同性だというのにアンジェラの美しい笑みに見惚れてしまった。
一週間後。アンジェラが住む部屋に一通の手紙が送られてきた。差出人は、雄英高校だ。アンジェラはすぐさま手紙を開ける。
合格通知が入っているのかと思いきや、中に入っていたのは投影マシン。不思議に思いつつも、アンジェラはそれを起動させた。
『私が投影された!』
「えっ、オールマイト!?」
そこに映し出されたのは、日本が世界に誇るナンバーワンヒーロー、オールマイトであった。予想外の大物の登場に、アンジェラは思わず素っ頓狂な声を出す。
どうやら、今年からオールマイトが雄英に勤めることになったらしい。これは思ってもみないサプライズだ。オールマイトはテレビのテンションのまま、試験の結果を話す。
『筆記試験は国語以外ほぼ満点。国語も合格ラインは超えていたね。
そして実技試験では敵ポイントは94。これだけでもトップの成績だが、君は女子を救わんと0ポイントを破壊し、さらにはその女子のアフターケアまで行っていた! それが救助ポイントとして換算されて75ポイント! 合計169ポイントで雄英入試過去最高点通過だ!
来いよ、フーディルハイン少女! ここが君のヒーローアカデミアだ!』
アンジェラは雄英入試過去最高点と聞いて、喜びよりもまず先に、マジでやりすぎたと思った。
まぁ、多少の
……え? 大卒だから進学じゃないって?
細かいことは気にしてはいけない。