音速の妹のヒーローアカデミア   作:えきねこ

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遅刻しましたすみません。

サブタイトルの2つ目の生れたは誤字じゃありません、わざとです。

あと、エンデヴァーファンの方はブラウザバック推奨です。アンジェラさんがエンデヴァーに対して結構キツイこと言ってるので。


全てを持って産まれた少年と全てを持たず生れた少女

 騎馬戦が終わり、雄英体育祭は昼休憩に入る。生徒たちは一度控室に戻ってから、校舎の大食堂へと向かうことになっていた。マスゴミの執拗な取材などに生徒たちを巻き込まないための措置である。

 

 アンジェラも食堂へ向かおうとしていたのだが、その途中で轟に呼び止められた。何やら、二人だけで話したいことがあるらしい。

 

 轟に連れられたのはスタジアムの学校関係者専用入口だった。元々生徒たちが来ないここならマスゴミが張っていることはないし、なるほど、内緒の話をするにはうってつけであろう。

 

 アンジェラは轟と対峙する。轟の表情は、いつにもまして厳しいものだった。アンジェラは珍しいこともあるもんだと思いながら、腕に抱いたケテルを優しく撫でた。

 

「で、どうした? 早く行かなきゃ食堂の席取られるぞ。オレは今日弁当作ってきたからいいんだけど」

「…………悪いな。だけど、どうしても聞きたいことがあるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 お前、オールマイトの隠し子か何かか?」

「…………は?」

 

 予想の斜め上を突っ切っていった轟の質問に、アンジェラは思わず声を漏らした。

 

 隠し子? オレとオールマイトが? どっからそんな話が持ち上がってきた? 

 

 聞きたいことは山程積み上がるが、ゴホン、と一度咳払いをして落ち着くことにした。今言うべきは質問ではないことは分かっていた。

 

「いや、違うけど」

「……そうか。だけど、お前、オールマイトと何らかの関わりがあるだろ」

「…………あー……」

 

 ひょっとして、二週間前の昼休みのことを言ってるのだろうか。アンジェラは思わず空を仰いだ。いや、あのときはオールマイトが萎んでることしか知らなかったから仕方がないとはいえ、もう少し用心して行動できなかったものか……いや、話しかけてきたのオールマイトの方だなオレ悪くねぇ。

 

 アンジェラは、心の中で思いっきり開き直った。

 

「……取り敢えず、隠し子ではない。他のクラスメイトとは違う繋がりがあるのは事実だが、このことはオールマイト本人に口止めされてるから話せないんだ。悪いな」

「いや、そこを詮索するつもりはないからそれはいい」

「あ、その繋がりがあるってこともここだけの秘密ってことにしてもらえるか?」

「わかった。約束する」

 

 轟はそう言って頷いた。戦闘訓練や体育祭の様子を見た感じ、轟は冷静な方だ。少なくとも話すな、と言ったことをベッラベラ喋るような奴では絶対にないと、アンジェラは断言できた。

 

「……本題に入るぞ。

 

 俺の親父はエンデヴァー。フーディルハインも名前くらいは聞いたことあるだろ。万年ナンバーツーのヒーローだ。

 

 お前がナンバーワンの何かを持ってるってんなら、俺は、尚更お前に勝たなきゃならねぇ……!」

 

 轟はそう前置きをすると、語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 轟の父親、エンデヴァーは極めて上昇志向の強い人間だった。

 

 ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたエンデヴァーだったが、故に生ける伝説オールマイトが目障りで仕方がなかった。

 

 やがて、自分ではオールマイトを超えることはできないと悟ったエンデヴァーは次の策に出た。

 

 個性婚……超常が起きてから、第二、第三世代間で問題となったもの。自身の“個性”をより強化して子に継がせるためだけに配偶者を選び、結婚を強いる。倫理観の欠落した前時代的発想。所謂、政略結婚だ。

 

 エンデヴァーは実績と金だけはある男だった。エンデヴァーはそれらを用いて轟の母親の親族を丸め込み、その女性の“個性”を手に入れた。

 

 自身の子供を、轟をナンバーワンヒーローに育て上げることで、自身の欲求を満たそうとしたのだ。

 

「鬱陶しい……そんな屑の道具にはならねぇ……!! 

 

 記憶の中の母はいつも泣いている……お前の左側が醜いと、母は俺に煮え湯を浴びせた……!」

 

 そう言う轟の瞳には、計り知れぬエンデヴァーへの憎悪が渦巻いていた。顔の左側にある火傷跡に触れる轟の手は、かすかに震えていた。それは決して母親への恐怖などではなく、父親への激しい怒りからくる震えなのだと、アンジェラは察した。

 

「ざっと話したが、俺がお前につっかかるのは見返すためだ……クソ親父の“個性”なんざなくたって……いや、

 

 

 

 使わず一番になることで……奴を完全否定する!!」

 

 アンジェラは一瞬絶句した。あまりにも、凄惨な過去だということは分かった。しかし…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「……親って、そんなもんなのか? オレ、親って居たことないからよくわかんないや」

 

 アンジェラが放った言葉に、今度は轟が驚愕する番であった。そういえば、アンジェラが記憶喪失だとカミングアウトしたとき、轟はその場に居なかったなとアンジェラは今更ながらに思い出した。

 

「それって、どういう……」

「どうもなにも、言葉通りの意味さ。オレさ、実は義理の兄さん……ソニックに会うまでの記憶が一切ないんだ。それ以降、義理の兄さん達は居たけど親どころか血縁者ってもんは居た経験がなくって。んー、でもクリームとヴァニラさんは仲良かったけどなぁ」

《あれが普通だって思ってたー。そういうやつもいるんだぁ》

 

 アンジェラとケテルはきょとん、と首を傾げた。

 

 

 アンジェラは、親とは何かが分からなかった。

 

 とはいっても、生物学的意味の親とは何かが分からなかった、ということではない。

 

 アンジェラは、人間の言う親、人の親というものが分からなかったのだ。記憶の中に親と過ごした想い出が1ミクロンたりとも無いのだから当然といえば当然だが。

 

 ケテルに至っては、親と呼べるのはマザーウィスプという全てのウィスプの母であり、ケテル自身はあまり関わることはなかったという。ケテルからも母親との思い出話のようなことは聞いたことがなかった。

 

 

 

 

 そんなアンジェラ達にとって、親というもののステレオタイプであったのは、妹分であるクリームの母親、ヴァニラだった。

 

 会う機会が多かったわけではないものの、クリームと一緒の時はクリームがよくヴァニラさんに甘えていたことは覚えている。

 

 アンジェラは最初にその光景を見たとき、微笑ましく思いながらも、なんとなく胸が締め付けられるような感覚を覚えたことは、ハッキリと覚えている。

 

 どうしてだろうと思いつつも、その時は気の所為だと思っていた。しかし、家に帰った途端、アンジェラは泣き崩れてしまった。

 

『あれ……どうして……涙が、止まらない……?』

 

 自分でも理解できない涙に戸惑っていると、ソニックがココアを淹れてくれた。それを飲むと、アンジェラは少しばかり落ち着きを取り戻したが、涙が止まることはなかった。

 

『今日、何かあったのか?』

 

 そう聞いてくるソニックの声は、いつも以上に優しいものであった。

 

 アンジェラはその日、クリームとヴァニラさんに会ったこと、クリームがヴァニラさんに甘える光景を目にしたことを伝えた。未だに、涙は止まらなかった。

 

 そんなアンジェラに、ソニックはいつもの調子で、しかし優しい声で言った。

 

『そりゃあれだ。アンジェラ、

 

 

 

 

 クリームが羨ましかったんじゃないのか?』

 

 

 

 

 

 ああ、そっか。

 

 ソニックの言葉は、すとん、とアンジェラの胸に落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 アンジェラは、昔の光景を思い出しながらゆっくり語る。

 

「……オレの一番身近な親っていうと、妹分の母親なんだけどさ。クリーム……あ、妹分のことな。そいつがお母さんに甘える様子を見て、ずっと羨ましいって思ってた。そりゃ、義理の兄さんたちは甘えさせてはくれるけど、オレにとっちゃ親じゃなくて兄さんだから。

 

 

 

 でも、その親子の父親は今までで一度も見たことがないんだ。だから、父親っていうものが何か、今までよく分からなかった。でも、なぁ、轟。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなに酷い父親なら、見返すよりまず先にこっちから捨てちゃえばいいじゃねぇか」

 

 轟は目を見開いた。アンジェラの言葉は、まさしく先天の霹靂だった。そんなこと、考えもしなかった。

 

「話聞く限り、家族に対して相当酷いことしてきたんだろ? それを悪びれてもないんだろ? だったらそんなやつ、見返すだけ無駄じゃねぇか」

「っ、無駄、って……!」

「だってそうだろ。そんなやつのために労力を割くくらいなら、もっと他にしたいことをしたほうがよっぽど有意義だ。お前をオールマイトを超えるヒーローにしたいというが、子供の将来を親が勝手に決めるなんて、ただのクズでしかない。親と呼ぶのも烏滸がましいよ。お前の生き方はお前のもんだ。

 

 そんなのを、親だなんて思う必要はないんじゃないか? 

 

 話からすると、お母さんは普通に良い人なんだろ? お前、お母さんに対しては怒ってないみたいだし、寧ろ父親がお母さんにしたことを許せないみたいだし」

 

 アンジェラはなるべく優しい表情で語る。かつて、義兄がそうしてくれたように。

 

「……そう、だ。俺が許せないのは、クソ親父だけだ。クソ親父が、お母さんを追い詰めたんだ!」

「だったら、その怒りをバネにもっと別のアプローチも考えてみな。捨てるもそうだし、いっそのことそのナンバーツーヒーローの立ち位置を利用しちまうってのも手の内だ。

 

 自分の実力を見せつけるだけが見返す(・・・)じゃねぇぞ」

 

 轟の表情が少し柔らかくなる。憎悪だけを秘めた瞳のまま。

 

「ずっと怒りを抱えたままって、ヒーローらしくないって言われないか?」

「いいんだよ、その怒りの扱い方を間違わなければ。オレだって一生をかけても許せない相手(・・・・・・・・・・・・・)居るし」

「……そっか、そっか」

「ま、怒りだけに囚われてちゃ確かになんにもなんないけどな」

 

 これなら大丈夫そうだ。あと、もう一つだけ。アンジェラは口を開こうとした、その時。

 

『我が主、リミッターの方へ通信が入っています』

 

 ソルフェジオから、念話が届いた。アンジェラは苦笑いしながらリミッターに内蔵された通信機を繋げる。

 

「え、タイミング悪っ……あ、轟、ちょっと待っててくれ。

 

 ……Hello? どちらさま」

『[アンジェラ! よかった、繋がったな]』

「[……ナックルズ? え? 何で? ]」

 

 通信の相手はナックルズだった。アンジェラは困惑の表情を浮かべる。リミッターに内蔵された通信機はあくまでも市販のもので、マスターエメラルドが鎮座するエンジェルアイランドには繋がらないはず、とか、ナックルズってそもそも通信機器持ってたっけ、とか、聞きたいことは山程積み上がっていた。

 

 轟は、突然知らぬ言語で話し始めたアンジェラに少しびっくりしていた。辛うじて、アンジェラの通信相手がナックルズという名前らしいことと、その声から男であることは分かった。

 

 ちなみに、アンジェラ達が話しているのはラフリオンの公用語である。英語と源流は同じくしているが、別の言語だ。

 

『[二人共外せない仕事があるってソニックに頼まれて、お前の体育祭見に来たはいいものの、変なとこ入って道に迷っちまってな。どうしようかと思ってたら、ソニックから預かった通信機の存在を思い出したんだ]』

「[……お前、普段エンジェルアイランド住まいだからこういうモダンな建物慣れてないもんな。……で? オレにどうしろと? ]」

『[…………ムカエニキテクダサイオネガイシマス]』

「[はぁ〜……OK。すぐ行くから待ってろ。]

 

 ……悪いな轟。急用が入った」

 

 アンジェラは申し訳なさそうに言った。轟は引き留めたのはこちらだと首を振る。

 

「……時間取らせて悪かったな、フーディルハイン」

「No problem.お互い本選頑張ろうぜ。じゃ、お先!」

《バイバーイ》

 

 アンジェラとケテルは轟に軽く手を振ると足早にその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 二人の会話を聞いていた爆豪の影には、どちらも終ぞ気付くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「[……で? 朝来てから昼休憩までずっと同じところをグルグルしてたと。何でだよ]」

「[俺にもわかんねぇ。どこまで行っても景色同じで……]」

「[雰囲気違うだけで遺跡とそんな変わんねぇだろ]」

 

 アンジェラは思わずため息を吐いた。普段はそんな素振り見せないのに、たまーーーーにドツボにはまると何故か圧倒的な方向音痴になるこの兄貴分は、一体どんな脳構造をしているのだろうか。割と本気で気になって仕方がない。

 

「[……ああ、脳筋か。脳筋だったな]」

「[脳筋脳筋連呼すんな]」

《のうきーん》

 

 アンジェラは悪い悪いと言いつつも、全く悪びれた様子はない。何かを言おうとして、結局はいつものことだとアンジェラの兄貴分……ナックルズは口を閉じた。

 

「[なんか、一人で居させとくとまた迷いそうだな]」

 

 心外だと言わんばかりの視線は無視して、どうしたもんかとアンジェラが考えていると、視界の端によく見知った姿を発見した。相澤先生だ。

 

 ここはスタジアムにある自販機エリア。確かにこの辺りの道はそれなりに入り組んでいるから迷うこと自体は不思議なことではない。流石に朝から昼までずっと迷いっぱなしというのはおかしいが。

 

 この時間帯、生徒たちは校舎の方の食堂で昼食をとっている。そんな中、自販機エリアに居るアンジェラと、そのアンジェラと親しげな見知らぬ青年に疑問を抱いたのだろう相澤先生が近付いてきた。

 

「フーディルハイン、こんな所で何してる」

「相澤先生、丁度よかった。ちょっとお願いしたいことが……」

「[え、俺迷子扱いされてる? ]」

「[事実迷子だろ。]あ、実は……」

「[……その会話で察した。そっちの人はフーディルハインの知り合いか? ]」

 

 アンジェラは一瞬ぎょっとした。相澤先生がラフリオン語を話していたのだ。そんな話、今まで聞いたこともなかった。

 

「[えっ……先生? ]」

「[昔、訳あってラフリオン語を学ぶ機会があった。その名残だ]」

 

 さいですか、とアンジェラは納得するしかなかった。ともかく、予想外も予想外だが、先生がラフリオン語を理解できるのなら話は早い。アンジェラは苦笑いしながらケテルをナックルズに預けて言った。

 

「[オレの兄貴分のナックルズです。ソニック……オレの義理の兄さんに頼まれて代わりに体育祭観に来たはいいものの、変なとこに入り込んで道に迷ったそうで。んで、折角なんで最終種目A組の席で一緒に観たいんですけど……いいですかね? ]」

「[ちょ、アンジェラ、おま、それは流石に……っつーかケテル押し付けんな! ]」

 

 アンジェラも無茶なことを頼んでいる自覚はあった。アンジェラの内心は、またナックルズに迷子になられても困る3割、もう7割は単純に面白そうといった感情で構成されていた。

 

 相澤先生は少しばかり考える素振りを見せる。駄目で元々だ。断られたら断られたでナックルズの迷子対策にはケテルをつけさせるつもりでいた。アンジェラがナックルズにケテルを預けたのはそういう意図の元だ。

 

 ナックルズの名誉のために言っておくと、ナックルズは特別方向音痴というわけではない。ただ、慣れていない場所でドツボにはまると何故か極稀に方向感覚があやふやになるだけだ。普段はどちらかというとナビゲーターの立場なのに。脳筋だが。

 

「[……まあ、フーディルハインには世話になった。また迷子になられても困るし、今回は特別に許可しよう]」

「[いいんかい! ……っつーか、世話になったってアンジェラ、お前なにやらかしたんだ? ]」

「[……げっ、でもアレに関してはオレも巻き込まれただけだし…………]」

 

 相澤先生がアンジェラに世話になったこと……十中八九USJ事件のことだろう。定期連絡で事件に巻き込まれたことは話してはいたが、それ以上のことは言ってないアンジェラは急に居心地が悪くなってほんの少しだけ目を細めた。

 

 ああ、こいつ何かを隠してやがる。

 

 アンジェラの様子からそう確信したナックルズは、アンジェラの肩に手を乗せた。

 

「[……後で追求するからな]」

「[うっ、オテヤワラカニ……]」

 

 相澤先生はその様子を見て、意外なものを見たと言わんばかりに驚いた。

 

 

 

 

 相澤先生にとってアンジェラ・フーディルハインという生徒は、他の生徒の何歩も先を行く特異な生徒だった。

 

 戦況を素早く見分ける判断力、USJで見せた統率力、異国の地であっても人と打ち解け合えるコミュニケーション能力、

 

 そして、その圧倒的とも言える戦闘力。

 

 どの要素を取っても一級品であり、既にトッププロの水準以上のものを持っている。頭脳面も、まるで母国語のように日本語を操る姿から見ても極めて優秀であることは間違いない。

 

 そんなアンジェラに相澤先生が抱いていたイメージは、人を引っ張っていくリーダーのようなものであった。だからこそ、学級委員を辞退したことには、驚きこそしなかったものの意外だと思っていた。

 

「[……で? センセイが言ってる世話になった件(・・・・・・・)以外にも何か隠してたりするか? ]」

「[…………ないっての]」

「[嘘、だな]」

「[う、嘘って何を根拠に……! ]」

「[分かるに決まってるだろ。どんだけ付き合い長いと思ってんだ]」

 

 ……しかし、ナックルズと戯れ合うアンジェラは、そんな相澤先生のイメージを軽く吹き飛ばすような、

 

 

 

 

 

 まるで、妹のような姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いや、ひょっとしたらこっちの方が素か」

「先生、何か?」

「いや、何でもない。[ところで、もう昼休憩終わるがいいのか? ]」

「[……あ、弁当食べそこねた! ]」

 

 相澤先生に言われてアンジェラがスマホの時計を確認すると、もうレクリエーションの十分前だった。生徒は五分前には控室に集合しなければならない。そこから間髪入れずに移動になるので、結構ガッツリ作ってきた弁当を食べる時間はなかった。ついでに言うと、アンジェラは食べる量こそかなり多い方だが、食べるスピードはそこまで早くはない。いや、十分早い方なのだが、量が多いがゆえに食べきるまでにかかる時間が遅くなりがちだ。

 

 どうしようかとあわあわするアンジェラ。ナックルズは本当に申し訳なさそうな顔で言った。

 

「[悪い……マジですまん]」

「[あー……レクの時間、最終種目進出者は参加するもしないも自由だから、その時間に食べればいい。ナックルズ、とか言ったか。その人のことは任せておけ。俺がA組の観覧席まで連れて行っておく]」

「[……ならいっか。ありがとうございます、先生]」

「[……迷子になってスミマセン]」

 

 

 

 

 

 




色々賛否両論あると思いますが、私個人としましては原作におけるエンデヴァーの扱いに疑問を持たずにはいられません。特訓とか言ってますけどアレ普通に虐待ですからね。5歳の子供を吐くまで特訓させるって。ヒーロー以前に親としてやっちゃいけないことでしょうに。轟君がヒーローに憧れを持っていたからまだよかったものの、もし轟君のような立場の子がヒーローではなく別のものに憧れを抱いていたとすると……轟家は、原作よりももっと酷い状況に陥っていたでしょう。

アンジェラさんはその生い立ちや性格上、エンデヴァーをある意味敵認定しました。そもそもソニックシリーズってキャラの家庭やら家族やらが明かされること殆ど無いんですよね。強いて言えばクリームとエッグマンくらい?そんなクリームも片親しか明かされてないし、エッグマン様に至っては両親じゃなくて祖父といとこだし……




あと、途中で出てきた[]は、ラフリオン語で会話していたもんだと思ってください。







そして、途中で出てきたアンジェラさんが一生をかけても許せない相手は、新ソニが好きな方なら多分分かるかと。ここでは敢えて明言はしませんが。
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