大丈夫だ、問題ない。
……………というより、書き溜めすぎて早く消化しないといけないまである。
ちなみにこれが投稿された時点で劇場版第一作の終盤まで草書は書き終わってます。
インフィニットは国際警備機構GUNのエージェントの一人である。
灰色の髪を持ち、黒いジージャンにジーンズ、灰色の運動靴、黒いジャッカルのお面を身に着けている。左腕には通信機でもある白いバングルを嵌め、ジャッカルの耳と尻尾生やし、赤い瞳を持っている。
基本的には若手エージェントの中でも優秀な部類なのだが、コミュニケーション能力に欠ける点と、あるもう一つの欠点を抱えていた。
そんなインフィニットだが、この度ある新人エージェントの教育係となることになった。GUNのエージェントになれる時点で既に優秀な人材なのだが、インフィニットは不満だった。
というのも、インフィニットはコミュニケーション能力に欠ける……というか、根本から人付き合いが苦手であった。同期でインフィニットと同じジャッカルの集まりであるチームジャッカルのメンバーとくらいしか付き合いがないほどである。チームジャッカルのメンバーにも「お頭ってもしかしてコミュ障ですか?」と疑われたことがあった。以前仕事でタッグを組んだことがあるシャドウにすら、そのことを指摘されてしまったことがある。それくらい、インフィニットは人付き合いが苦手であった。
しかし、仕事である以上はやるしかない。新人エージェントの教育は先輩エージェントが必ず通る道である。インフィニットは担当となる新人エージェントの書類を見ながら溜息をついた。
「始めまして、ガジェットと申します! これから宜しくお願いします!」
先輩エージェントと新人エージェントの顔合わせ当日。インフィニットの前に現れた新人エージェントは、インフィニットとはまるで正反対のイメージを抱かせる少年だった。
赤色の髪に赤いパーカー、茶色のズボン、茶色のグローブにウエストバッグを身に着け、茶色いブーツを履いている。犬の耳と尻尾を生やし、赤い瞳をもち、黒縁のメガネをかけていた。
ガジェットと名乗った少年は、インフィニットに向かって元気よく挨拶をし、丁寧にお辞儀をした。
インフィニットはやりにくそうにしていた。よりにもよってインフィニットの一番苦手なタイプの人種であったからだ。
「これから貴様の教育係になるインフィニットだ。まぁ、期待はしていないから精々頑張るんだな」
「はい!」
ガジェットは期待されていないと言われているにも関わらず、元気よく返事をした。インフィニットはさらにやりにくそうな表情になる。ガジェットは何かしてしまったのだろうか、と首を傾げた。
その日、ガジェットはインフィニットに親睦を深めるために食事でもどうかと誘った。インフィニットは最初は行く気がなかったが、その場を通りかかったルージュに「いいじゃない、食事。先輩後輩で親睦を深めるのはいいことよ。特にインフィニット、あなた人付き合い苦手なんだから」と言われてしまい、行くしかなくなってしまったのだ。
「……あ、ガジェットにあの事を言ってなかった……」
ガジェットが選んだのは普通の居酒屋だった。小洒落た店とかだとガジェットは慣れていないため、親睦を深めるという目的には合わないと思ったからだ。
「フン……まぁいい。おい、お前」
「お前じゃなくてガジェットですよ。なんでしょうか」
「お前、酒は飲めるか」
「あ〜、お酒弱いんですよ、僕。年齢的な問題もあって、よっぽど度数が低いのじゃないと飲めないですね。インフィニットさんはお酒飲めるんですか?」
「まぁな」
「いいな〜。僕もお酒の味自体は好きなんですけどね……。アルコールに弱くて……」
「そんなんでよくGUNのエージェントになれたものだな」
「へへん、凄いでしょう!」
「今のは褒めていない」
ガジェットはどうやら天然ボケの気質を持っているようだ。インフィニットは頭が痛くなる思いをしながら一気に酒を煽る。
……と、インフィニットの様子が少しおかしくなった。具体的に言えば、突然机に倒れ伏した。
「え、インフィニットさん!?」
ガジェットが心配になって声をかけると、インフィニットは顔を上げた。
ただし、その顔は先程までの飄々とした顔とは違い、どこか赤く、ふんにゃりとした表情だった。
ガジェットがあまりのインフィニットの豹変ぶりにオロオロしていると、インフィニットが何やら口を開く。
「…………ぇ」
「え? どうしたんですか?」
よく聞き取れなかったので、ガジェットは聞き返す。すると、インフィニットは手に持ったグラスをガン! とテーブルに叩きつけて言った。
「あああああああ〜!! クソッタれ〜!!!」
「……ええええええ!?」
……そう、インフィニットは人付き合いが苦手なだけでなく、物凄く酒癖が悪かった。そりゃあもう物凄く悪かった。具体的に言えば、泣き上戸と怒り上戸のミックスであった。今だって、泣きながら人付き合いに関する愚痴をガジェットに向かって叫びまくっている。ガジェットはどうしていいか分からず、オロオロするばかり。取り敢えず誰かに対応の仕方を聞こうと、ある相手に携帯を繋いだ。
『あら、ガジェットじゃない。どうしたの?』
「ルージュさん! 助けてください!」
繋いだ先はルージュである。以前エージェントになる前の縁でプライベート用の携帯の番号を教わっていたのだ。ガジェットはことの一部始終をルージュに説明すると、ルージュはああ、やっぱり、と声を漏らした。
「やっぱりって……」
『ごめんなさいね、ガジェット。インフィニットは物凄く酒癖が悪いってこと言うの忘れてたわ。大丈夫、すぐにインフィニットを諌められる人を呼ぶから』
「え、ちょ、ルージュさん!?」
ガジェットが問い直す前に、ルージュは通話を切った。インフィニットを諌められる人物……? とガジェットがオロオロしながら首を傾げていると、店内に一陣の風が吹いた。
「……全く、まーた酒に酔っ払ってんのかこいつは」
「へ……?」
ガジェットは己の目を疑った。だって、そこに居たのは、ガジェットの憧れの人。アンジェラ・フーディルハインだったのだから。
ガジェットは以前、エッグマンのロボットに襲われた際にアンジェラに救われている。それ以降、ガジェットはアンジェラのファンになったのだ。アンジェラの名前は上司であるルージュに聞いた。
「よっ、お前がルージュが言ってた新入りか?」
「えっ、あの、はい、そうです……」
思わぬ人物の登場に、ガジェットは一周回って冷静になる。アンジェラは慣れたようにインフィニットの胴体を引っ掴むと、思いっきりジャーマンスープレックスをかました。
「ぐぼっっ!!!」
「そのまま寝てろ」
アンジェラは気絶したインフィニットを放すと、手を払いながら薄目で周囲を見やる。
「……あ、すみませんね、この酔っ払いが。……ったく、何でいつもインフィニットが酔っ払ったときはオレが駆り出されるんだよ……」
アンジェラはそんなことをぼやきながら、その場を去ろうとした。
「あの! アンジェラさん!」
「ん? どうした?」
しかし、その前にガジェットに呼び止められる。
ガジェットにとって、アンジェラは憧れの存在。話をできることだけでも幸運だが、ガジェットにはどうしても聞いてみたいことがあった。
「あの、アンジェラさんみたいになるには、どうしたらいいですか!?」
その問いに、アンジェラは少し考える素振りを見せる。ひとしきり唸った後、出てきた答えを口から漏らした。
「知らね。自分の思ったようにやればいいんじゃね?」
アンジェラはあっけらかんとそう言うと、その場を音速で立ち去っていった。
置いてけぼりをくらったガジェットだが、その目は憧れの1面を見れたことへの喜びからか、アンジェラの言葉に感動してか、爛々と輝いていた。
「……やっぱり、カッコイイ!!」
……ちなみに、今後もインフィニットが酔っ払った度にアンジェラが呼び出され、時にはジャーマンスープレックスを、時には巴投げをかまし、そのせいでインフィニットはアンジェラには頭が上がらないのだとか。
あえて言おう。完全な人任せである。
さらに余談だが、インフィニットとガジェットの凹凸コンビは、このあとGUN内部でも上位のコンビに成長していき、ある事件をアンジェラと共に解決することになるのだが、それはまだ、未来のお話。
ラフリオンでは16歳からよほど度数の低いお酒であれば飲めます。あくまで余所の国(架空の国)の話です。日本じゃお酒は20歳になってから!
〜追記(というか書き忘れ)〜
この作品において、雄英入学前までにフロンティアまでのソニック原作の出来事は起きた設定なのですが、そのうちロスワとフォースの出来事だけは起きていません。ロスワに関してはヒロアカ世界に捩じ込むのがどう考えても無理だったから、フォースに関しては……うちのエッグマン様はアドとX基準のお方なので……フォースみたいなことはしないかなぁ、と。(ただのわがまま)
ただし、六鬼衆や今回出たインフィニット、そしてファントムルビーは存在します。六鬼衆は出番あるか微妙ですが。