Q. シリウスシンボリに弱みを握られるとどうなるのか   作:ルルザムート

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この手の話でかのお方を外すことなどできはしない
だからって長すぎたわ、8000とか…
とりあえず2戦目です、お楽しみください


ラウンド2/7 VS黄金船ゴールドシップ(頭痛が痛いみたいだな!)

「思えばよくもまぁ勝てたものですよ…」

 

 

「ルチアーニさん?」

 

 

「バッジはともかく、いえバッジも大概ですが戸籍を賭けろなんて…」

 

 

「ルチアーニさん!」

「っ…!え、ええ、どうしました?」

「いやどうしましたって…急に独り言を始めるんですからビックリしましたよ

大丈夫ですか?」

「………大丈夫です、それよりも話の続きをしましょう」

 

 

2人目の相手は…そうですね、トレセン学園で最も危ないウマ娘、と言えば良いでしょうか

というと…サトノダイヤモンドさんでしょうか?

 

 

ああ…彼女も大概でしたが違います

?ではアグネスタキオンさん?

違いますよ

 

 

ならメジロの方々…

そこまで出ていて何故彼女の名前が出てこないのですか貴女は…そのウマ娘の名前は──

 

 

 

 

 

「オオオヲ──ッ!!!ゴルシちゃん、爆発だぁぁぁ!!!」

 

 

ドスドスと体育館の床を踏み鳴らして走り回っている1人のウマ娘…を舞台裏から静かに観察する

彼女がゴールドシップか、やはり何をしているのかまるで分からない

新車を人質としてマルトレに情報収集をさせた結果、シリウスとゴールドシップが密談していた可能性アリという情報が手に入った

 

 

常に嵐の中心にいるような彼女ならシリウスに話を持ちかけられた時点で自分からゲームを企画しそうな気がするのだが行動に一貫性がなさすぎて何を考えているか理解できない

さっきからずっと無人の体育館をただ走っているだけに見えるが…誰か来たな

 

 

「おーいゴルシ」

「おう!よく来たなトレーナー!なんか用か?」

ゴールドシップトレーナーのゴルトレか、あの意味不明なウマ娘に3年間も付き合えるというのは誰にでもできることじゃない、というか居ないと思っていた

ある意味彼も超人の類だろう

 

 

「いやお前が呼んだんだろーが」

「あ?そうだけどよ、こうして顔合わせたんだしゴルシちゃんがカワイイとかゴルシちゃんにときめいたとかゴルシちゃんをいやらしい目で見たとかあるだろ?」

「安心しろ、確かにお前は美人だがそんな目で見たことはない」

 

 

「へぇ、そうか?」

「そりゃそうだとも、ゴジラにキュンとしたらおかしいだろ?」

「おーそうか!そうか!──は?」

 

 

ヒュッ

…!?

 

 

『鉄塊!!』

 

 

ゴォ…ン

ッ!!??

 

 

「…へぇ?腕上げたじゃねぇの」

「おかげさまでな!」

 

 

色々と言いたいことはある、まずゴールドシップとゴルトレの距離は少なくとも7.8メートルは離れていた

そこから助走なしでドロップキックを命中させるというのは…

 

 

ゴルトレもゴルトレだ、蹴られた音が人体のソレでなく鉄を打った音だった、鉄板でも入れていたと思ったがあんな薄いシャツに入れていたら絶対に分かるし大体、あんな速度から繰り出されるウマ娘の両足蹴りを食らって少し後ずさるだけなんてどう考えてもおかしい

 

 

「で?用はなんだよ?」

「ああ、コイツを食って欲しくてな」

そう言って彼女がポケットから取り出したのはちょっと贅沢なホテルで売ってそうなチョコレートパフェだった、というかそのまま話し始めたがこれが普通なのか?

 

 

「………」

…ポケットから取り出していた、はずだが

明らかにポケットに入りそうにないパフェグラスをゴルトレに手渡している、形が崩れているようにも見えない

 

 

「ダイエット中だったんだがウッカリ買っちまってな、捨てるのも勿体ねぇし食べといてくれ」ほれスプーンだ

「ダイエット?珍しいこともあるもんだ、それじゃコイツは貰っておくぜ」にしてもパフェグラスも一緒に売ってるとは気合いの入った店だな

 

 

変な物でも入ってるんじゃないだろうか…?む、食べた

「おおウマいな」

どうやら異物混入はしていないみたいだ

「だろ?マックちゃんが丸々1時間並んで買ってきただけはあるよな!

にしてもレースが終わったからって爆食いはダメだろー(棒)」

 

 

…うん?

多分私とゴルトレは同じ顔をしていたに違いない、鏡はこの場に無かったが確信できた

 

 

「あーウマかった!…うん?いまなんて「パフェを人質に取るなんて何を考えてますの!?」

どうせ貴女の仕業でしょう!と勢いよく体育館に飛び込んで来たのはメジロ家の令嬢でありよくゴールドシップと行動を共にすることの多いメジロマックイーンだ、かなり怒っているようだが…

 

 

「「…」」

無人の体育館で見つめ合う2人、いや正確にはマックイーンは彼が手に持つ蹂躙されたパフェグラスを見ている

 

 

「────」

「待てマックイーン、俺たちには誤解があるんだ。悪いのはゴルシでな?」

「────」コツコツコツ…

「その位置からでも話し合いはできるはずだ、だから待ってくれ、頼む」

 

 

まるで深い井戸の底みたいな瞳でゴルトレを見据えながら一歩、また一歩と彼に近づいて行くマックイーン

正直かなり怖い

 

 

というか…ゴールドシップはどこだ?マックイーンが入ってくる直前まで確かにゴルトレの横に居たんだが

 

 

ヴー!ヴー!

 

 

「電話…」

シリウスか?いや、鳴ってるのは私の携帯だ

…?誰の番号だ?

 

 

「もしもし?」

 

 

『………』

 

 

「…全く」

 

 

こんな時にイタズラ電話なんて本当に止めて欲

               『「ふりかえれ』」

 

 

っ…!?

 

 

携帯電話を当てた右耳と、当ててない左耳にそれぞれ届いた同じ言葉、別の声色

跳ね上がりそうな身体を抑え、速すぎず遅すぎず振り返る

「アタシ達に目をつけたその洞察眼は褒めてやろう

だがリサーチ力が足りなかったみたいだな、アタシのゴルシワープへの対策を怠ったとは」

 

 

妙なマネはするなよ?と何故かワサビのチューブを眼前に突きつけてくる

「ん?…あ、間違えた。これ練りワサビじゃねぇか

こっちだこっち」

やっぱ生ワサビだよな!などと言いつつさっきまでと何が違うのか分からないチューブに持ち替えて突きつけてくる

 

 

 

 

 

あのー

なんです

 

 

ワサビ持ち替えてる間に逃げれば良かったのでは?

それは…

確かにウマ娘相手じゃすぐ追いつかれるかもしれませんが人のいるところまで逃げられればなんとか…

 

 

その通りですが相手が相手だったものですので

追込の得意なゴールドシップさんだから?

それもありますが──

 

 

 

 

 

何から何まで本当に理解不能だ、それに──

「………まさか、な」

足元、まだ掃除されていないのか舞台裏の床には埃が積もっているが私1人分の足跡しかない、ゴールドシップの足跡があるのは今彼女が立っているところだけ

 

 

くだらない、そんなことあるわけが無い

…あるわけが無い、よな?

 

 

「まぁいいや、折角来たんだし遊ぼうぜ!」

「…いや遠慮しておく」

さっきのゴルトレとの絡みを見ている以上、首を縦に振るなどできるわけが無い

「はぁ!?オイオイオイいーじゃねーか!3人より4人の方が楽しいじゃねぇかよ!」

 

 

ピッ

 

 

仕方ないな◀︎

断る

 

 

なんだこれは…立体映像か?とりあえず下だ

 

 

仕方ないな

断る◀︎

 

 

「断「ちなみに断ったらシリウスにチクるぞ♡」

!!

こ、こいつ既に…

 

 

「まーまー、悪いようにはしねーからよ?とりあえず一緒に遊ぼうぜ」

「………」

分かった◀︎

分かった

 

 

「…分かった」

「おっし、んじゃアンタとトレーナーとマックちゃんでゲームでもやろうぜ!」

…多分、多分だが私に弱みが無かったとしても断れなかったような気がするのは思い過ごしだろうか

 

 

「遊ぶ前に2つだけ聞かせてくれ」

「おうなんだ?」

ワープできるのか?と聞こうとしてやめた

氷の女がそんなことを聞いたら狂ったと思われるかもしれない

 

 

「さっきの立体映像みたいなものは一体なんだ?」

「あ?ああアレか、サトノダイヤモンドから貰ったんだよ。もう要らなくなったとか言ってな」色々改造して面白さ倍増してるからアレでも後で遊ぼうぜ!

 

 

サトノダイヤモンドから?あんなことができる機械を簡単に他人へ譲渡するなんて金持ちの考えることも分からないな

「で、もう1つはなんだ?」

「それなんだが──」チラ

 

 

「うっ…お…!『剃』!」しゅばば

「⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️」ズオッ

「『紙絵』!…ヒヤッフゥ!?」

 

 

輪郭しか分からないほど顔も身体も制服もドス黒く塗りつぶされたウマ娘が、その真っ黒な顔に2つの赤い(目玉)を走らせてゴルトレを追いかけ回している

ゴルトレも妙な技で器用に回避しているが…

 

 

「あれをどうやって止める気だ?」

「なんだそんなことか、おーいマックイーン!

確かにパフェを食ったのはトレーナーだが食うように言ったのはアタシだぞー」

 

 

「⬛️⬛️⬛️⬛️!」ギラリ

「おいこっちに来るぞ」

「わーってるって、でな?そのお詫びに──」

 

 

「⬛️⬛️⬛️⬛️!!!」ガサガサガサガサッ

明らかにウマ娘が走ってる音じゃないんだが…?

「同じパフェ2つやるよ」スプーンも2個だ

 

 

ピタッ

 

 

「──仕方ありませんね、許してあげます」

瞬きの瞬間、さっきまで迫ってきていた悪霊はどこへやら、私が知るメジロマックイーンがニヤけ顔でゴールドシップからパフェを受け取っていた

…彼女、本当にメジロ出身なのか…?

 

 

な?とドヤ顔のゴールドシップを適当におだててゴルトレの元へ

「大丈夫か?」

「うん?あれ、アンタは確かシリウスシンボリの…ああ俺は大丈夫だ

鉄塊がアッサリ割られたのは驚いたが」

「そうか…」

下手に突っ込むのは、やめておこう

 

 

「よし!んじゃ遊ぼうぜ!今回は新入りもいるから超分かりやすい奴で行くぞ!」

………

 

 

「「「新入り…?」」」

まさか私のことか?

 

 

 

 

 

結局それがゴールドシップさんとのゲームですか?

ええ、といってもナカヤマフェスタさんの物とは良い意味で色々と違いすぎていました

…正直、少し楽しかった

 

 

 

 

 

「んじゃー行くぞ?まずはこれ!

『いねむりたづなさん』で勝負だ!」

 

 

「────なんだって?」

「あ?だから『いねむりたづなさん』だよ、ゴルシちゃんアンテナにビビッと来たんだ!知らねーのかよぅ」

いやいや知るわけないだろう

 

 

「少なくともパフェ鬼神相手にするよりは優しいゲームだろ?ルール説明を頼む」

「さすがゴルシちゃんのトレーナー!やる気絶好調だな!」

「パフェ鬼神???なんの話ですの?」パクパク

「…気にするな」

 

 

「んじゃ早速行くぞ」

「どこに?」

「んなもん『いねむりたづなさん』なんだから居眠りしてるたづなさんのところに決まってんだろ」

 

 

 

 

「「「「………」」」」←立ち尽くすウマ娘の石像×4

「すぅ…すぅ…」

 

 

────で

(私たちは昼休みにたづなさんの事務室で一体何をしてるんだ…?)

(良いことを教えてやるルチアーニトレーナー、ゴールドシップの行動に対して動機を探ろうとするのは不可能に近い)

(…それはどうも)

 

 

(んじゃルールをもう一回説明するぜ、たづなさんを起こさないようにたづなさんの机にタッチして戻ってきて部屋から出る、1番早い奴が勝ちだ

起きそうになったら石像の中に隠れてやり過ごせ、この石像はデフォルメデザインで手と足の部分が無いからやり過ごす時はしっかり手足を引っ込めろよ?)

 

 

(ところでこの石像はどこから持ってきたんだ?)

(それなんだが元々この部屋にあったらしい、どこかのトレーナーが担当ウマ娘の石像を作ってたらしいんだが納得できる物が出来なかったらしくてな

まぁ納得できた物も含めてたづなさんが撤去した物がコレなんだが)

 

 

(んじゃスタート!)

 

 

♪:いねむりワンワン

 

 

※たづなさんは理事長の無茶の後始末により疲れが溜まっています

 

 

「……ん?」

いけません、ついウトウトと…

 

 

ずれそうな帽子を直しつつ机に突っ伏していた身体を起こす

「あら…?」

 

 

ふと視界に入ってきたのは4つの石像、確かアストンマーチャンのトレーナーから没収した物だ

場所を取るので処分しようと思ったのだがトレーナーに土下座で懇願されてしまい捨てるに捨てられなくなってしまった

 

 

「………」

 

 

4つとも部屋の隅に立てかけたはずですが…

それが今出入口を塞ぐように4つ並んで立っている、当然動かした記憶は無い

「………」

大切に、大切にされたものには魂が宿ると言いますがそんなまさか──

 

 

無い、とは言い切れない

事実ウマソウルという前例がある以上可能性はあるが…

 

 

「流石に無いでしょう……ふぁ」

 

 

今から動かしたら昼休みが終わってしまうので終業した後片付けましょう、残り20分だけでも仮眠して午後に備えなければ

時計を確認して再び机という仮眠ベッドに額を預けて眠りにつく

 

 

先日の疲れ、春という季節も相まって先程追い出した睡魔はあっという間戻ってきた

「………すぅ」

──はずだった

 

 

かたっ

 

 

「…!?」がばっ

 

 

物音がした、いやそれより前に

「今机が揺れ──っ!!?」

 

 

顔上げた瞬間、こちらの顔を覗き込んでいた石像と目が合った

石像までの距離、およそ10センチ

 

 

「………!」

「………」

 

 

石像は変わらぬ笑みを浮かべて私の顔を覗き込んでいる

…覗き込んでいる?

この石像には足も台座も無いからそもそも立てない、その石像がこちらを覗き込んでいる?

 

 

『大切にされたものには魂が宿る』…

 

 

アストンマーチャンのトレーナーは本当にこの石像を、いやアストンマーチャンを大切な存在として扱っていた、それこそ何かに取り憑かれたように

魂が宿るほど大切にされた石像、その魂はきっとあのトレーナーに応えるために宿ったのだとしたら?

もし──応えようとした人間から第三者によって無理やり引き剥がされたら?

 

 

「………」ずもももも…

 

 

石像は動かない、ただ私を見ている

そして…石像から明らかな視線と気配を感じる

 

 

「…………」

この歳にもなってここまで怖いと感じるなんて思っても見なかった

コチコチと時計の音だけが部屋に響く

 

 

誰か、誰か部屋に来てくれないかと淡い希望を抱いていた時、そのか細い希望に応える声が耳に届いた

 

 

 

 

「………」

 

 

…ま、まずい、なんとかリードしたは良いがもう体勢が限界だ

USBのため、死ぬ気で前へと進んだ私はゴールドシップを追い越してたづなさんの机になんとかタッチしたのだが詰めが甘く物音を立ててしまった

 

 

く、かなり不審がっている…

 

 

この石像、足元がダルマみたいに丸まっているので隠れるために手足を引っ込めるといってもつま先だけは出しておかないとバランスが取れない

そして今身に纏っているのは着ぐるみではなく石像である

 

 

正直かなりの重量だ、パワーのあるウマ娘でもつま先だけでこれを維持しろというのはキツいものがあるだろう

 

 

さらに机にタッチした瞬間にたづなさんが起きたため、45度の角度でたづなさんを覗き込んだような体勢で停止せざるを得なかった

故に足や腰が既に限界を迎えている

だからといって止めるわけにもいかないのが辛い…!

 

 

「「……ぷっ、くく」」

 

 

後ろから押し殺したようなゴールドシップとゴルトレの声が聞こえる

他人事だと思って…!

 

 

「ねぇウォッカ、2階にいるのたづなさんよね?」

「うん?おー本当だ、アストンマーチャンの像でなにやってんだ?

おーい、たづなさーん!」

 

 

「!はーい」

!!たづなさんが窓の方を向いた、離脱のチャンスだ!

(チッ、やべぇこのままだとルチアーニの1人勝ちだ)

(このままならな…勝つぞゴルシ)

(へっ、分かってんじゃねぇか)

(わたくし、なんでこんなことをしてるんでしょう?でもここまで来たからには本気で…!)

 

 

このまま、部屋の外まで…!

 

 

 

 

「あれは俺の幻覚じゃ、無いよな?」

震えるように隣りのウォッカが肩を叩いて聞いてくる

…私にも見える

 

 

「え、ええ、とりあえずたづなさんにはゆっくり窓から

「やっぱり!おーいたづなさん!後ろだ後ろ!!」

 

 

「…後ろ、ですか?」

 

 

!!!

 

 

「ちょっ!バカッ!刺激してどうすんのよ!?窓から出てもらえば良かったじゃない!」

ウマ娘のパワーなら2階から飛び降りた女性1人受け止めるのは難しくないのはウォッカも分かっているはず!

 

 

「え?あ、ああっ!?たづなさんやっぱり振り向くのはナシ──あ。」

 

 

遅かった──

 

 

 

 

正直振り向きたくは無かったが日本人の悲しき定めか、このままここにいたら午後の仕事に遅刻するのは明白というそれだけの事実が私の肩を部屋の中へと引き戻した

そして──

 

 

 

「「「………」」」ゴゴゴゴゴルシ

 

 

前から、下から、上から、生き物の気配を匂わせたアストンマーチャンの石像がこっちを覗き込──

 

 

ぱたり

 

 

 

 

「ウワーッ!たづなさんが石像にタマシイを抜かれちまった!?」

「んなワケないでしょ!私が助けに行くからアンタは人を呼んできなさい!」

 

 

「ふぅ、この石像あっついな」

「しかも重ぇし…ルチアーニトレーナーってこの中じゃ唯一の人間枠だったよな?ははっ、スゲェ!」

 

 

…汗

なんだか大事になってきている気がする

「そんなこと言っている場合ですかゴールドシップさん!

たづなさん気絶してしまいましたわよ!?」

 

 

普段の『仕事のできる完全無欠な女性』という像はどこへやら、一応フォローすると女の子らしく気絶しているたづなさんの周りでマックイーンがアタフタしている

 

 

「なんだよぅ、マックちゃんだってノリノリで顔覗き込んでたじゃねぇか」

「う、それはなんというか…勢いで…」

おい大丈夫なのかメジロ。

 

 

「ま、取り敢えず石像は元の場所に片付けて退散しよーぜ

こんなとこ見られたら面白くな──ヤバいからな!」

「お前の場合言い直さなくても良いだろ」

 

 

やたら落ち着いているゴールドシップとゴルトレに続いて私とマックイーンもアタフタしながら部屋を出る

もちろん石像を元の場所に戻してから。

 

 

…幸い廊下には誰もいないな

「もっと遊びたかったが時間が過ぎるのはいっっつも早ぇなぁ、とりあえず今日はここまでにしとこーぜ」

もう充分楽しんだしなー、と笑うゴールドシップ

 

 

なんだ、無限に遊び続けるウマ娘だと思っていたが限界ラインはやはりあるんだな

「…なんて思ってるんじゃないのか?」

「ゴルトレ?なんだ急に」

 

 

「見てろ、あと4秒前後で──」

「おっ?おおっ?受信だ!未知の電波を受信したぞトレーナー!」

「な?」

「………」

 

 

何故分かるんだゴルトレ…

 

 

「おーい聞いてんのか?」

「聞いてるぞ、で発信源はどこだ?」

「ホホーン?こりゃどっか山の中だ、ああ…分かるぜ…

誰かがアタシ達を呼んでいるっ!アタシ達が必要だと叫んでいる!

行くぞトレーナー、次の伝説だァい!!」

「本っ当、騒がしい奴だよお前は!またなルチアーニ、楽しかったぜ!」

 

 

「おい──」

「ゴルシエンジン!」

「月歩!」

 

 

凄まじい声量で謎の言葉を叫んだかと思うと2人とも窓から飛び出して行ってしまった

最後まで意味の分からない連中だった…

 

 

「ルチアーニトレーナー?」

!そういえばマックイーンのことをすっかり忘れていた

「は、はいなんでしょう?」

「──あなたも笑うのですね」ふふ

…え

 

 

「あ」

今、私は笑っていたのか…?

 

 

ピリリリリッ

 

 

この鳴り方は今度こそシリウスからの…

 

 

「失礼…もしもし?」

『よう、2つ目のゲームをクリアしたみたいだな、やるじゃないか』

良いコだ、と猫撫で声で褒めてくるシリウス

 

 

やはりさっきのはゲームだったのか?どっちにしろ内容はシリウスが考えたものじゃなさそうだが

「よくこちらが終わったと分かりましたね」

 

 

『分からなきゃマズいだろ?

まぁいい、予想とは少し違うがお前はゴールドシップの遊びに最後まで付き合ったんだ

2回戦目もお前の勝ちってことにしといてやるよ』

「…ありがとうございます」

 

 

『さてと、アイツに付き合って疲れただろうし今日はもう休んで良いぞ

またゲームが近付いたらお前の友達にでも伝えといてやるよ』じゃあな

 

 

返事を聞かず一方的に切られた電話をしまう

マルトレとの密約はバレていたのか、まぁこれくらい互いに予想の範囲内だ。問題ないだろう

 

 

「終わりましたか?」

「ああ、すまないもう大丈夫だ

それにしても疲れたな…何か自販機で飲み物でも買ってこよう

何か飲みたい物はあるか?」

「良いんですの?ではお言葉に甘えて──」

 

 

 

 

「………」

面白くなさそうな感情と()()()()()()()という感情が奇妙に混ざった表情のシリウスシンボリが薄暗い部屋の中モニター越しに2人を見る

 

 

『それにしてもゴールドシップと、普段から彼女のテンションに付き合ってるとは恐れ入った』頼まれていたフルーツジュースだ

『自分でもよくわからないのですが…どうにも憎めないんですの』いただきますわ

 

 

「…はっ、終わってすぐ世間話とは余裕があるじゃねぇか」

なら手加減はしなくていいな…?ニヤリ

 

 

 

 

ゴールドシップ 2000道力

ゴゴゴーゴ・ゴーゴゴことトラブルメーカーとムードメーカーを合わせ持つ変人ならぬ変ウマ。

URAファイナルは終わったが彼女の炎は留まることを知らない

最近は自身のトレーナーからとある体技を学ぼうとしている(月歩練習中)

 

 

ゴルトレ 1800道力

元は常識人のはずだったがある日謎のウマ娘に麻袋へ押し込められてから彼は少しずつおかしくなりはじめ、今ではゴルシの立派な相棒である

またゴールドシップのドロップキックを頻繁に受けていたことが要因か身体を鉄のように硬化させる体技を初め、様々な特技を習得した(嵐脚練習中)

 

 

メジロマックイーン 100道力

甘味が大好きスイーツ系ウマ娘、レースに勝つためとスイーツのためなら努力は惜しまないがレースとスイーツを天秤にかけて頭を抱えているのはよく見る光景らしい

またゴールドシップとよく行動を共にする関係でゴルトレのこともよく見ているのだが彼女曰くゴルトレが空を走っていたことがあると言うらしい(ゴールドシップ以外は誰も信じていないが…)




合コンに行ったら何故か男性枠でシリウスが当然のように目の前に座っている状況に憧れる作者のルルザムートです、ハイ。
長い。2つに分けるべきだったと少しだけ後悔しましたがやってしまったものは仕方ない
ちなみにルチアーニの道力は12で次回の相手は天使、お楽しみください
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