翔「……。」
翔(ここの公園、僅かではあるが…アマゾンの臭いがすんな。)
その頃…翔は港区のとある海浜公園にて、敵のアマゾンを探していた。
翔(嗅覚だけでは当てにならねぇか……)
嗅覚のみでは見つけられないと思った彼は、目を閉じると…全ての感覚を集中させ、周辺の探索を開始する。
翔(…見つけた。芝浦ふ頭駅前…ゆりかもめに乗っている乗客を襲うつもりか……)
アマゾンである彼は、敵のアマゾンを探知する力が極端に高い。居場所のみならず、起こそうとしている行動までも探知することができる。それと引き換えに、自身のアマゾン細胞をコントロールする力が極端に低い。敵アマゾンの居場所を知った彼は、急いで芝浦ふ頭駅へと向かう。その道中……
一海「うおっ!?…って、あれは…!」
キバーラ「えぇ、翔よ!後を追うわよ!!」
一海達とすれ違ったが、彼らを無視して駅へと急ぐ。
諒芽「おーい!!翔ちん!!待ってくれよ!!」
紫「翔!!私だ、東雲 紫だ!!」
友香「翔さん!!」
一海「はぁ…はぁ……翔、待ってくれ…!!」
一海達は死にものぐるいで翔を追うが、翔の方が足が速く…ぐんぐん引き離されて行く。やがて、芝浦ふ頭駅に着くと…翔は足を止めた。
翔(…どいつだ…どいつがアマゾンなんだ?)
全く息を切らしておらず、嗅覚を使ってアマゾンの臭いを探る。
翔(…いた。)
アマゾンの臭いをキャッチした翔は、駅内へ入って行く。
一海「ぜぇ…ぜぇ……も、もうダメだ……!!」
紫「ぜはぁ…ぜはぁ…!!」
友香「み、水を…!!」
諒芽「しょ、翔ちん…ぜぇ…た、体力…ぜぇ…どんだけ、はぁ…あるんだよ……!!」
翔を追い掛けることに必死だった彼らは、疲れてしまっていた。戦いの後に全力疾走をしたため、もやは行動不能だった。
キバーラ「アンタ達だらしないわよ!!ほら、見失っちゃ…って、既に見失っちゃったわ……」
キバーラはそう言うと、一海達に代わって翔の後を追った。
駅のホームに上がると、大勢の客に紛れて1人の青年の姿があった。
翔(アイツか…ありゃもう覚醒するな……)
翔の読み通り…青年は突如苦しみ出し、身体中から蒸気を発し…クモのようなアマゾンへと姿を変えた。
サラリーマン「な、何だ!?」
女の子「ママ!!」
母親「清美ちゃん、こっちよ!!」
突如現れた謎の怪物に、人々は逃げ惑う。『クモアマゾン』は、女の子と母親に狙いを定め、襲い掛かって来る。
女の子「あっ!?」ドテッ!!
女の子は転倒し、怪我をしてしまう。クモアマゾンは女の子に接近する。その時…
ドゴォッ!!
翔がクモアマゾンに飛び蹴りを入れ、クモアマゾンは吹き飛ばされた。
女の子「…?」
翔「……もう大丈夫だ、アイツは任せろ。」
翔はアマゾンズドライバーを装着し、アクセラーグリップを捻る。
ドライバーから音声が響くと、翔の顔に…空色の光を放ち、まるで流れ落ちるような涙を彷彿させるモールドが浮かび上がる。
翔の身体が黄色い炎に包まれると、女の子は母親の方に吹き飛ばされた。母親が上手く受け止め、女の子は膝の擦り傷のみで済んだ。
ドライバーから音声が響くと、黄色い炎が消え…そこには、仮面ライダーアマゾンδが立っていた。
カップル男「おい、あれって……」
カップル女「か、仮面ライダー…だっけ…?」
仮面ライダーアマゾンに酷似しているからか、人々はアマゾンδを見て安心感を覚える。
クモ「ッ!!」
食事の邪魔をされ、激怒したクモアマゾンはアマゾンδに襲い掛かる。
アマゾンδ「グルァァアアアア!!」ドッゴォッ!!
襲い掛かって来たクモアマゾンの顔面に、右ストレートを放つアマゾンδ。クモアマゾンは柱に叩き付けられ、地面に倒れる。
アマゾンδ「グルルル…ヴガァァアアアアアア!!」
アマゾンδは雄叫びを上げると、クモアマゾンを捕らえ…駅の屋根を突き破った。空中でクモアマゾンを離すと、右手の鋭利な爪で引っ掻く。クモアマゾンは地上へ勢いよく落下し、背中から地面に打ち付けられた。アマゾンδも地上へ降り立ち、構えを取る。
一海「…あれは!!」
紫「仮面ライダーか…!?」
友香「アマゾンライダーにそっくりです…!」
諒芽「金ピカと銀ピカでかっけぇ!!」
一海達が驚く中……そこに、Dollsが到着する。テアトルを展開し、現れたピグマリオンの殲滅を開始する。
一海「あれ…さっきのライダーが…!!」
諒芽「き、消えた…!?」
ミサキ「ッ!!皆、あれを!!」
アヤ「アイツ…あの時の…!!」
ナナミ「別の怪物もいますけど?」
アマゾンδはクモアマゾンと取っ組み合いを繰り広げていた。アマゾンδがクモアマゾンに馬乗りすると、左右の拳を振り降ろして連続パンチを繰り出す。
ピグマリオンA「!!」
そんなアマゾンδに、1体のピグマリオンが迫り来る。
アマゾンδ「ガウッ!!」グシャアッ!!
アマゾンδは右腕のアームカッターでピグマリオンを一撃で葬る。
クモ「!!」ビュルッ!!
クモアマゾンはアマゾンδ目掛けて糸を吐き出した。
アマゾンδ「ッ!?」
アマゾンδは両腕を縛られたが、クモアマゾンから降り…クモアマゾンをスイングし始める。10回程回した後、地面に勢いよく叩き付け、糸を強引に引き千切った。クモアマゾンは弱っており、中々地面から立ち上がれずにいる。
アマゾンδ「ガルルルルルルル…ッ!!」
アマゾンδは唸り声を上げながら、アクセラーグリップを捻る。
ドライバーから音声が響き、アマゾンδは両腕のアームカッターを伸ばす。
アマゾンδ「ヴガァッ!!」シャキィンッ!!
次の瞬間…無数のピグマリオンがアマゾンδへと襲い掛かった。
ヤマダ「あっ、おいコラ待て!!」
レイナ「ヤマダ、待ちなさい!!」
ヤマダ「んあ?」
レイナは慌ててヤマダを引き止める。直後…アマゾンδは地面を蹴り、高速でスピンした。ピグマリオンの群れは、アマゾンδのアームカッターで次々に真っ二つにされて消滅した。
サクラ「す、スゴい…あんなにいたピグマリオンを、一瞬で…!!」
シオリ「あの敵は、私達に興味を示していないみたいですね…」
ヒヨ「でも、ヒヨ…あれこわいな……」
Dollsもピグマリオンの殲滅に成功し、戦闘を終える。
アマゾンδ「ヴゥゥウウウウッ!!」カチッ…
アマゾンδは再びアクセラーグリップを捻り、助走を着けて…空中へと飛び上がった。
そして、うつ伏せに突っ伏しているクモアマゾン目掛けて…脚のフットカッターを思い切り振り降ろした。
クモアマゾンは真っ黒な血液を吹き出し、その後…全身がドロドロに溶けて絶命した。
Dollsがテアトルを閉じると…
諒芽「あっ、さっきの仮面ライダー……」
敵アマゾンに勝利したアマゾンδと共に、駅前に隠れる一海達の前に姿を見せた。
アマゾンδ「ゼェ…ゼェ……」
アマゾンδは変身を解き、翔の姿へと戻る。
レイナ「貴方…どうしてピグマリオンを狩るの?」
問い詰めるレイナに、翔はこう言い返した。
翔「邪魔だからだ、邪魔者は殺す。」
翔はDollsの方を向くと…
…と告げ、どこかへ去って行く。
一海「あっ、おい翔!!」
去って行く翔の後を、一海達は追いかけて行った。
PPPーー
カナ『またあの怪物が…現れたんですか?』
シオリ「カナさん…現れたあれは、怪物ではありません。」
斑目『では、一体何者だ…?』
シオリ「人々はこう呼んでいます…
…と。」
カナ『仮面…ライダー……』
斑目『その仮面ライダーの調査は後だ、今はドールハウスに帰還することだけを考えろ。』
斑目の言葉を聞き、Dollsはドールハウスへと帰還して行く。
サクラ「……。」
サクラはクモアマゾンが着けていた腕輪『アマゾンズレジスター』を拾い、仲間達の後を追った。