IF もしも、Dollsが敵だったら…   作:やさぐれショウ

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カナ「おかえりなさい!」

 

ドールハウスにて、帰還したDolls一同を出迎えたのは…特殊公務員の南田(みなみだ) カナ』だ。作戦室に案内されると、そこにはドールハウスの所長斑目(まだらめ) セツナ』が待っていた。

 

斑目「皆、ピグマリオン討伐ご苦労だった。」

 

ユキ「また、あのライダーが……」

 

斑目「解析班が、戦闘データを元に…お前達の前に現れた仮面ライダーを解析したが……」

 

カナ「残念ながら、正式名称は解らずじまいでした…」

 

仮面ライダーアマゾンδについて、解析しても結果が出なかった。それ以外にも、目的は不明である。

 

サクラ「あ、あの…!」

 

一同「「「…?」」」

 

サクラは現場で拾ったアマゾンズレジスターを見せる。

 

サクラ「これ、あの仮面ライダーがクモみたいな怪物を倒して…その怪物の腕に着いていた物です…!」

 

サクラが拾った腕輪は、銀色で目のような発光体が赤く光っている。内側を見ると、無数の棘があるのが分かる。

 

ミサキ「ちょっと待って…あの仮面ライダーも、これと全く同じ腕輪を身に着けていたわ。それは青い光を放っていた…これ、光の色が何らかの関係が…?」

 

カナ「こちらも、解析班総出で解析させていただきます。」

 

カナはそう言うと、銀色の腕輪を預かった。

 

レイナ「私達の前に突如として現れたあの少年……奇妙なベルトを身に着け、仮面ライダーに変身した……」

 

ナナミ「その際、ベルトからは『デルタ』と音声が出ていましたね…その後、あの人が…『アマゾン』と言って…仮面ライダーに変わりましたね。どういう仕組みなんでしょうか……」

 

アヤ「ってことは…あれって……仮面ライダー、アマゾンデルタ…って名前なの?」

 

斑目「それでは長い…これより、ソイツを『アマゾンライダー』と命名する。」

 

仮面ライダーアマゾンδ…ドールハウスではアマゾンライダーと呼ばれるようになり、警戒対象へ追加された。

 

 

 

その頃…アマゾン狩りを終えた翔は、ハンバーガーショップでハンバーガーを購入し、齧り付いていた。

 

一海「あっ、翔!!」

 

そこに、一海達がやって来る。翔はハンバーガーを食べるのを辞め、一海達を睨みつける。

 

翔「…誰だ?」

 

一海「お、おいおい…俺のこと、忘れちまったか?木場 一海だよ、お前の友達の…!!」

 

紫「私も一海と同じ、翔の友達だ…東雲 紫……」

 

友香「覚えてませんか?私は浅井 友香です…翔さん、仮面ライダーの話で盛り上がったじゃないですか…?」

 

諒芽「お、俺は翔ちんの大大大親友の鏡 諒芽!!なぁほら…俺が悪戯するとさ、翔ちんが正義の鉄拳で」

 

翔「…俺に友達なんて居ねぇ、人違いじゃねぇのか?」

 

一海達の言葉を淡々と切り捨て、再びハンバーガーに齧り付く翔。

 

一海「だったらさ…ほら、覚えてるか?温泉でさ、ダークライダーについて話したこと。俺は覚えてるぞ…」

 

翔「…記憶にねぇな。」

 

その後も、あれこれ話題を振ってみたが…翔は幾度も切り捨てた。ハンバーガーを完食すると、近くのゴミ箱に包み紙を捨て、どこかへ歩いていく翔。

 

友香「あっ、待ってください!!」

 

一海「待て、友香…あんまりしつこくすると警戒される。」

 

後を追おうとする友香を止める一海。

 

紫「困ったものだ…どうすれば思い出してくれるだろう……」

 

諒芽「翔ちんの大好物を一緒に食うってのはどうだ?」

 

一海「諒芽、お前翔の好物知ってるのか?」

 

諒芽「うーん…わかんね。」

 

諒芽の声にずっこける一海。翔への接触方法が解らず、どうやって味方だと認識してもらうか……考えても手段が思い付かず、途方に暮れてしまう一海達だった。

 

 

 

一海達の元から立ち去った翔は、敵のアマゾンを探していた。持ち前の探知能力を駆使し、気配を探る。

 

翔(…この近辺にアマゾンは居ねぇか…だが、この嫌な臭い……妖魔(オブリ)だな?)

 

妖魔…それは、ストライカー達の敵勢力であり、“エテルノ”『フィフス・フォース』のメンバーが持つ五次元探知能力が無ければ基本的には認識できないとされる存在である。時空の歪みから作り出され、破壊活動や人間の意識を乗っ取るなどの悪事を働く危険な存在であり、平行世界の中には妖魔によって滅ぼされた世界もあるほど…人類にとって、害だ。

 

翔(ストライカー共が戦いを放棄し、助けを求める平行世界の連中を見捨てやがった……そのせいで、世界は滅び…妖魔の世界が誕生しちまった……まぁ、俺もアイツらを受け入れ過ぎていたせいでもある……だからこそ、妖魔もストライカー共も…俺が殺さなければならない。)

 

かつての翔は…ストライカー達を纏める『隊長』と呼ばれる存在であった。だが、ストライカー達と時空管理局が裏で手を組んでおり…彼の中に眠るアマゾン細胞を覚醒させるため、壮絶な虐めを行っていたのだ。

 

 

ある時には、すれ違い様に突然の暴言を……

 

ある時には、理不尽な暴力を……

 

ある時には、濡れ衣を着せられた挙げ句、皆の前で無理矢理土下座を……

 

ある時には、突然の殺害予告を……

 

 

それも皆、翔のアマゾン細胞を覚醒させる為の手段に過ぎなかった。それでも、彼の心には深い傷が残ることになった…信頼していたストライカー達に裏切られ、時空管理局には実験体として利用され…翔は異常な程人間不信になり、暗く冷酷非道な性格になってしまった。

 

翔(ヘルメスとアフロディーテには感謝だな…“この腕輪”のお陰で、ある程度は食人本能を抑えることができる。)

 

翔の左腕には『アマゾンズレジスター』と呼ばれる特殊な腕輪が装着されている。この腕輪には、食人本能を抑制する為の薬が入っているため、翔は人間の姿を保つことができている。この世界に降り立つ際、2人の神ヘルメスアフロディーテに与えられたお守り…更に、彼が使っている変身ベルト『アマゾンズドライバー』も、ヘルメスおアフロディーテが与えた物…ヒトを助け、守るための力だ。

 

翔「…来たか。」

 

翔は足を止め、視線を前へと向ける…前方から、車を次々と吹き飛ばし、ドスンドスンと音を立てながら走る黒い怪物がやって来た。瞳のない虚ろな目、ぼんやりと開きっぱなしの口、木材のような手足が特徴の怪物旧式妖魔(マギレオブリ)だ。

 

人々「おいっ!!な、何だよあれ!?」「に、逃げろ!!このままじゃ殺される!!」

 

旧式妖魔が暴れ回り、逃げ惑う人々。

 

翔「…普通の人間でも目視できるのか、なら……とっとと殺っちまうか。」カチャッ…

 

アマゾンズドライバーを装着した翔は、アクセラーグリップを捻り…旧式妖魔目掛けて走って行く。

 

翔「…アマゾン!!」

 

ドゴォォオオオオオオオオオオンッ!!

 

黄色い炎に包まれ、仮面ライダーアマゾンδへと姿を変えた翔は…妖魔に飛び蹴りを放つ。蹴りは妖魔の頬に命中し、妖魔は地面を転がる。

 

アマゾンδ「…!!」ダンッ!!

 

地面を転がった妖魔を追撃すべく、地面を蹴るアマゾンδ。

 

旧式妖魔「!!」

 

妖魔は巨大な腕をアマゾンδ目掛けて振り降ろして来る。アマゾンδはスライディングを繰り出し、妖魔の攻撃を避け…妖魔を空中に飛ばす。すかさずアクセラーグリップを捻り、腰をどっしりと低く落とす。

 

《VIOLENT SMASH》

 

そして、落ちて来た妖魔を右脚のフットカッターで真っ二つに斬り裂いた。妖魔は消滅…完全に退治された。

 

アマゾンδ「…この程度か、つまらん。」

 

戦闘を終え、撤収しようとしたその時…周囲が結界のようなモノに包まれて行く。

 

アマゾンδ「…?」

 

直後、9人の少女達『Dolls』がアマゾンδの前に姿を現した。

 

レイナ「見つけたわよ、アマゾンライダー。」

 

戦闘服に身を包み、武器を構えるDolls。

 

アマゾンδ「…何の用だ?」

 

シオリ「貴方は…人喰いの怪物であることが解りました。私達は東京の人達を守る為に居る……よって、貴方を退治させていただきます。」

 

アマゾンδ「俺は人間を喰ったことは1度もねぇ…それよりも美味いモンがあるからな。」

 

アヤ「けど、いずれは人間を喰うかも知れないじゃない。それなら放っておけないわ!!」

 

アマゾンδ「…そうか……ならば来い。」

 

アマゾンδはそう言うと、両腕のアームカッターを伸ばし…ゆっくりと構えを取った。Dollsは6人で襲い掛かって来る。残りの2人は、1人のドールを守るため、その場に留まる。

 

ガキンッ!ガキンッ!ガッ!

 

剣をアームカッターで受け流し、振り降ろされるハンマーはステップで避け、飛んで来る弾丸はバク転や側転、前転等で回避する。

 

アマゾンδ(上手く連携ができている、コイツァ厄介だ……)

 

Dollsの連携攻撃に危険を感じたアマゾンδは、ドライバーのバトラーグリップを引き抜き、槍部分の穂先の根元に月牙(げつが)と呼ばれる三日月形の刃が着いている武器『アマゾン方天』を取り出した。

 

Dolls「「「!?」」」

 

警戒するDollsに、アマゾンδはアマゾン方天を用いた攻撃を繰り出す。アマゾンδの槍術に、Dollsは全く反撃できず…攻撃を回避するのに精一杯だった。

 

ミサキ(くっ…つ、強い…!!)

 

No.1ドールの異名を持つミサキでも、アマゾンδには敵わなかった。

 

アマゾンδ「どうした、この程度か?」

 

ヤマダ「アンタ…中々やりますなぁ……」

 

アマゾンδ「その言葉、そっくり返す…お前達こそ、見事な連携だな……だが、まだまだだ。新人、戦場には早いうちに慣れておけ…」

 

サクラ「…えっ!?」

 

Dollsの何人かが、少しだけ息を切らしているのに対し…アマゾンδは全く息を切らしていない。

 

ナナミ「はぁ…はぁ……貴方、まだ疲れないんですか?」

 

アマゾンδ「準備運動にもダイエットにもならねぇな…」

 

ヒヨ「ほえ〜、すごいなぁ…!」

 

レイナ「皆、しっかりしなさい!!相手は1人よ!!」

 

レイナが声を上げた直後……

 

 

「1人じゃねぇぞ!!」

 

 

どこからか、声が聞こえてきた。声が聞こえた方を見ると…1人の男がこちらへ走って来るのが見えた。

 

一海「ソイツは俺の友達でもあるんだ…例え国家勢力であっても、俺の友達を傷付ける奴は許さねぇ!!」

 

声の主は一海であった。

 

シオリ「どうして…人間の貴方が、テアトルに…?」

 

一海「いや、俺は人間じゃねぇ…俺は……オルフェノクだ!!」

 

一海がそう言うと、彼の顔に…何やら白黒のモールドが浮かび上がり、次の瞬間…一海の姿が、一角獣や蹄鉄の意匠を備えた西洋の騎士のような姿に変わった。

 

アマゾンδ「…何?」

 

Dolls「「「!!」」」

 

戸惑うアマゾンδと、驚いて言葉を失うDolls。

 

 

 

???「俺の大切な友達に、武器を向けるな!!」

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