翔がこの世界に転生し、1週間が経過した。
アフロディーテ『翔さん、翔さん…聞こえますか?』
翔(…何の用だ?)
翔は東京都目黒区にある、とあるマンションに住んでいた。
アフロディーテ『ストライカー達が、この世界に…』
翔(…何だと?)
アフロディーテ『恐らく、ジャドウ達が作った次元の穴を通って……』
翔(…わかった。アイツらは俺が殺す。お前達から許されないとしても、そんな事は関係ねぇ。)
この世界に、ストライカー達が紛れ込んでしまったことを…女神『アフロディーテ』から告げられた。
アフロディーテ『今から場所をお伝えします。』
翔(その必要はねぇ…)
翔はTVを着ける。そこには…
椿芽『私達はこの人を探しています!私達ストライカーの隊長として、
TV放送を乗っ取ったと思われるストライカー達が、翔の顔写真を持ち…涙ながらに訴えている様子が映し出されていた。
翔「…コイツら、やってくれたなぁ。」
この放送がされた以上、奴らがここに来るのも時間の問題だろう。翔はアマゾンズドライバーを身に着けると、服を着替えてここを出る準備を開始した。そして、玄関のドアを開いた…その瞬間だった。
ほたる「あっ、居ました!!皆、隊長サンが居ましたよ!!」
依咲里「こちらの大家様が親切な方で、良かったですわ。」
ストライカーである『賢宮 ほたる』と『灰島 依咲里』に見つかってしまった。
翔(コイツら、いつの間に…!?)
無表情のままの翔だが、内心かなり焦っていた。ほたると依咲里は翔の腕をがっしり掴むと、目に涙を浮かべながら言う。
ほたる「隊長サン、本当にすみませんでした!!あたし達の為に全力を尽くしてくれていたのに…時空管理局の言葉を鵜呑みにし、沢山傷付けてしまった……謝っても謝っても、到底許されないことは重々承知してます!!」
依咲里「隊長様、誠に申し訳ございませんでした!!私達、貴方様に誠心誠意尽くして…貴方様から再び信頼していただけますよう、精一杯努めて参ります!!どうか、どうか…今一度、私達の隊長に……!!」
ほたると依咲里の目を見ると…目の光が消え失せ、ドス黒く染まっている。時空管理局の嘘を信じ、翔の話を聞かずに…彼を散々傷付けてしまった事を激しく後悔しているようだ。その手の力は尋常じゃない程強く、ギリリ…という鈍い音を立てている。
翔「…なせ。」
ほたる「…えっ?」
翔「離せっつってんだよ!!」
翔はほたるの足を蹴って転ばせ、依咲里の顔を思い切りグーパンで殴った。
翔「今更何をしたって、お前達を信じるつもりは更々ねぇよ…話し合いにすら応じようともしなかった時点で、俺達の関係はそれまでだったんだよ……」
ほたる「そ、そんな…お願いです隊長サン!!もう一度だけ、あたし達にチャンスを」
翔「俺はなぁ!!」
翔の怒鳴り声に、ほたると依咲里は固まる。そして、翔はゆっくりと口を開く。
はっきり、ストライカー達にはチャンスは与えないこと…ストライカー達には期待も信用もしないと言った。
依咲里「……。」
ほたる「……。」
翔「…じゃあな。」
翔はそう言うと、マンションから飛び降りる。その後地上に着地すると、どこかへ走り去って行った。
依咲里「…二穂様、隊長様が居ました。」
二穂『本当か!?どこに居る!?』
依咲里「…マンションから、逃亡されました。」
二穂『承知した!!まだ目黒区に居るな?』
依咲里が二穂に連絡を入れた事で…ストライカー達は翔を捕まえるべく、動き出した。
紫「何!?」
友香「あれが、ストライカー達…!!」
諒芽「おい、俺達も行こうぜ!!先に翔ちんと合流しねぇと、ヤバいぞ!?」
一海「あぁ、そうだな…急ごう!!」
友香「一海さん、オルフェノクの力で翔さんと先に合流してください!!」
一海「あぁ、わかった!!」
ニュースを見た一海達も、ストライカー達が翔を探していると知り…慌てていた。一海はホースオルフェノクになると、高速で走り出し、翔を探しに向かった。紫と友香と諒芽も急いでシェアハウスを飛び出し、翔を探しに向かった。
その頃、翔は……
建物から建物へ飛び移りながら、ストライカー達から逃げていた。
二穂「翔、待て!!」
ビスケット・シリウスの4人のストライカー達は背中に翼を生やし、空を飛びながら翔を追い掛けていた。
雪枝「隊長さん、待ってください!!」
華賀利「嗚呼、隊長様…どうか、お待ちください!!」
楓「隊長さん、話を聞いてください!!」
翔「俺の話は聞かなかったクセに、自分達の話は聞いてくれだと?都合の良いこと言ってんじゃねぇ!!」
ストライカー達に言い返しながら、逃げ回る翔。
翔(このままじゃ捕まる!仕方ねぇ、地下にでも逃げるか……)
翔は地下鉄のホームへ続く階段を見つけると、そこに飛び込んだ。
二穂「ッ!?」
翔が地下に逃げ込んだことで、二穂達は焦り出す。
二穂「翔は地下鉄ホームに逃げ込んだぞ!!」
翔「…退け!!」
人混みを駆け抜け、改札を通ると…ホームへと飛び降りた。間もなく、電車到着のアナウンスが駅内に響き渡る。そこへ……
あおい「おい、隊長が居たぞ!!」
チカ「はぁ…はぁ……もう、走れないよぉ…!!」
栞「あおい…後は、お願い……!!」
ストライカー達が来てしまった。
翔「しつけぇな…!!」
翔は慌てて反対の乗り場に停車している電車に乗り込む。そして、ドアが閉まり…電車は駅を発車した。
翔(くそ…何でこんな目に合わなきゃならないんだ……!!)
乗客1「ねぇ、あのお兄さんって…」
乗客2「あぁ、ストライカー(?)って呼ばれる子達が探している人だよね?」
乗客3「じゃあ、すぐに知らせないと…」
翔が乗って来たことで、乗客達は騒ぎ始め…スマホを取り出し、どこかへ連絡する。恐らく、ストライカー達に連絡しているのだろう。
翔(ふざけんなよ…俺が一体、何をしたって言うんだ…!?)
悲しくなった翔は、次の駅で降り…階段を駆け上がって行く。改札を通ると、地上に姿を現す。そして、人通りの少ない路地裏に逃げ込んだ。
翔「…ったく、どいつもこいつもムカつくぜ……」
ストライカー達から上手く撒いたものの…再び見つかるのも、時間の問題だ。ここに留まり続ける訳にも行かない。この都会の人達は皆、敵…味方なんて誰もいない。絶望的な状況に立たされ、気が狂いそうだ。そんな時……
ホースO「翔!!」
ホースオルフェノクが翔の元に姿を現した。
翔「…お前は、木場?」
ホースO「あぁ、匿える場所があるんだ!!乗ってくれ!!」
ホースオルフェノクはそう言うと、ケンタウロスのような姿“疾走態”に変化した。
翔「……。」
翔(コイツ、信用して良いのか……?)
しかし、翔はホースオルフェノクをすぐに信用できなかった。そんな時……
あから「皆、隊長殿だ!!」
天音「見つけたわよ翔!!」
2方向からストライカー達が来てしまい、取り囲まれてしまった。
ホースO「翔、頼む!!今だけは、俺を信じてくれ!!」
翔「…ちぃっ!!」
翔はホースオルフェノクの背中に飛び乗った。その直後、ホースオルフェノクは目にも止まらぬスピードで駆け抜け、ストライカー達の前から姿を消した。
あから「くそっ…逃してしまったか……!!」
遥「あの怪物…あたしよりも速かったし!!」
翔を捕らえる寸前で、逃してしまい…途方に暮れるストライカー達。
翔「!!」
ホースオルフェノクが猛スピードで走るため、翔はしがみつく形でホースオルフェノクの背中に乗っていた。しかし、多くの車や人が通る中…こちらに振り向く者は誰一人居ない。
翔(流石はホースオルフェノク疾走態…時速360kmのスピードは、伊達じゃねぇ……コイツまでもが敵だって考えただけで、ゾッとするぜ……)
翔を乗せたホースオルフェノクは、拠点であるシェアハウスへと到着した。
ホースO「ここで良ければ、好きなだけ居てくれ。」
翔「何だよ、ここ……」
ホースO「俺達のシェアハウス、ちょうど空き部屋が1つあるしさ。なぁ、翔…ここに居てくれないか?」
ホースオルフェノクはそう言うと、一海の姿に戻った。
一海「こんな事、言うもんじゃないと思うが……少なくとも、ストライカー達から追いかけ回されるよりかは、全然マシだろ?」
翔「……。」
一海「なぁ、頼むよ…俺はもう、大切な友人を失いたくねぇんだよ。」
翔「……3日だけ、世話になる。それまでに新しい場所を見つけ、すぐに出て行く。」
一海「そんな気ぃ遣うなよ、困った時にはお互い様っていうだろ?」
外へ出ていても、ストライカー達にすぐに見つかる。そう思った翔は、3日程…一海達のシェアハウスで世話になることにしたのだった。