サムライアート・オンライン   作:龍拳

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今回ついにボス戦です。
お楽しみください。


第4話 クソゲーボスの攻撃は初期から理不尽

「おらぁ!」

 

俺はスキルとか関係なしに剣を振りなんだかよくわかんねー形のモンスターを切り裂く。

『グギャアァァ!!』

 

また、結構簡単に倒せたな。ま、所詮は第一層の雑魚モンか。

今、俺を含めた第一回攻略メンバー達は第一層・森のフィールド内を歩きボスの部屋を目指していた。

最前列にディアベルがいて最後尾は俺と両側にキリト、アスナだ。

A~F隊のパーティで編成され、一番数の少ない俺のパーティーはボスに引っ付いているっつう小さな取り巻きルイン・コボルト・センチネルを倒す役割を受けおった。

にしても、なげーな。ボスの部屋はまだか……

俺が欠伸をしながら歩いていると横を歩くキリトが、

 

「ちょっと、銀さん。これからボス戦なんだからもう少し緊張感もってよ」

 

と言ってくる。

つってもなー。

俺が心の中でぐだっているとキリトが今回の戦い方についておさらいを始めだす。

 

「最初も言ったけど私達の相手は小さなルイン・コボルト・センチネルだからね。先走ってボスに向かわないでよ」

 

「へいへい」

 

「それから戦う時は私が敵のポールアックスをソードスキルではねあげさせるからすかさずスイッチして飛び込んで」

 

「わーったよ。でも俺スイッチとかそういう小細工苦手なんだよなー。つーか……」

 

俺はキリトの顔を見る。

するとキリトは何故か少し顔を赤らめ、

「な、なに?」

 

と少し緊張した感じで聞いてくる。

 

「いやー、なんかさぁお前ってボスとかモンスター相手に戦う時っつーか、バトルのことになるとなんか変わるよな」

 

「え?」

 

「いや、だからさあ、いつもは可愛らしい普通の女だが戦いとなると目の色が一気に変わる、みたいな?」

 

「あー…… って可愛らしい!? 普段の私がってこと!?」

 

うぉ!? なんかキリトの顔から一気に蒸気吹き出してきた! なんかヤバくね?

 

「い、いやまぁ、そうだけど……」

 

「そ、そんな可愛らしいなんて……!」

 

キリトの奴なんか自分の両手指を絡めながらブツブツ言ってけど、どうしちまったんだ?

その光景を横で見ていたアスナが深く、はぁーとため息をつくと、

 

「やっぱり仲いいじゃない……」

 

と俺に言うとそっぽ向いちまった。本当なんなんだ?

歩いて数時間、ついに俺達はボス部屋前に到達した。

ディアベルが扉の前に立ち激励の言葉をかける。

 

「聞いてくれ皆、俺から言うことはたった一つだ…… 勝とうぜ!」

 

「「「「「オォォォォォ!!!」」」」」

 

全員やる気満々だな。

ディアベルが扉を開け、中に入っていく。

すると暗かった部屋が明るくなり奥の玉座に座る赤色の肌をした豚の様な姿をしたボスが俺達の目の前に立ちふさがった。

名前はイルファング・ザ・コボルトロード

。左手に持つ巨大な斧が目立つ。

やっぱ実際に目にすると怖いのか他の奴等の顔色はかなり悪い。

 

『グゴォォォォ!!!』

イルファングが雄叫びを上げると奴の周りに小さな取り巻きルイン・コボルド・センチネルが数対現れ、こちらに向かってくる。

「攻撃開始!」

 

ディアベルも戦いの宣言をし、作戦通りに動く。

 

「A隊、スイッチ! D隊さがれ!」

 

ディアベルの奴、なかなかの指揮だな。

上手く敵を翻弄しダメージを負わせている。

『ギュルオオオ!!』

 

おっとこっちも集中しねーと……な!

ズバッ!

 

『ギャオオ!!』

 

センチネルがポリゴン状態になって消えた。

たく、思ったより数多いな。

キリトは……

 

「えい!」

『ギャオオ!!』

 

大丈夫そうだな。つーかやっぱアイツバトルになると目の色変わるな。

アスナも大丈夫そうだ。いや、というより心配する方が無駄に思える位やるなアイツ。

なにより剣先が速い。俺レベルじゃなきゃ見えねーだろうな。

イルファングの4本はあったHPバーがついに一本になり残り体力も半分のレッドゾーンに入っている。

するとイルファングは雄叫びを上げ、持っていた斧を投げ捨てる。

ここまでは情報にあった通りだ。

全員で囲めば問題なく倒せる。

だが、次の瞬間、ディアベルが俺の予想に反した動きを見せた。

「全員さがれ! 俺がやる!」

 

おいおい正気か?

「銀さん、ディアベルさんが!」

 

ん? キリト?

あ…… !

俺は即座に足を走らせた。ディアベルに向かって。

 

 

 

どういうこと?

イルファングの体力ゲージがあともう少しというときにディアベルさんが皆を後ろにさげた?

まさか…… あれを狙って!?

私がディアベルさんの真意に気づいたからかこっちを見て覚悟を決めているというように笑みを見せた。

「銀さん! ディアベルさんが!」

 

あとになって思った。どうして私が銀さんに助けを求めたのか自分でもわからなかった。

行くなら気づいた本人が行けばいいのに。

でも何故か銀さんに呼びかけた。

もしこれが理由になるならば、たぶん私は銀さんならどんなピンチでもぶち壊してくれると思ったんだ。

 

ディアベルがイルファングに飛び込んでいく。

斧を捨てたインファルグが使うのはタノワールだ。

キリトが事前にβテストの時のことを教えてくれていたんだが……

 

『グゴォォォォ!!』

 

その情報とは違いイルファングは巨大な野太刀を出している。

おいおいまじーだろ、これ!

イルファングからディアベルまで距離、3メートル、俺からディアベルまでの距離、大体4メートル。間に合うか?

いや、間に合うかじゃねぇ。間に合わせるんだ!

ディアベルがイルファングに飛びかかろうとした瞬間インファルグは壁をまるで忍のように跳ね回り一瞬で間合いをディアベルにつめた。

いきなりのことに反応できずディアベルは、

 

「ぐわぁぁぁ!!!」

 

切られてしまった。

ぐっ! いや、だが体力はまだ残っている!

イルファングが最後の止めをさすためディアベルに野太刀を降り下ろす。

 

「させるかァァァァ!!!!」

 

ガキンっ!!!

 

『ブモモォォォ……!』

 

俺は刀でイルファングの攻撃を受け止める。

うぉっ…… ただのデーターのくせに力強……

「あ、貴方は……」

 

苦しそうにディアベルが俺を見て驚く。

そりゃ本来後ろで戦ってる俺がここにいたらなぁ。

『ブモモォォォ!!』

 

「グムムム!!!」

 

ちょっ! コイツ本当力強い! だか……

 

「テメェなんざにやられるかぁぁぁ!!!」

 

カギンッ!!!!

 

『ブフモォ!?』

 

力比べは俺の勝ちだこの野郎!

剣でイルファングの野太刀をはじいた。

たまらずイルファングはいったん後ろにさがる。

「い、いまや! 銀髪の兄ちゃん、ワイラが奴を引き付けるから兄ちゃんはディアベルはんを頼む!」

 

キバオウがディアベルの代わりに指揮をとり敵に向かう。

「ディアベルさん!」

 

「このバカ野郎! なんて無茶を!」

 

キリトとエギルはディアベルに駆け寄る。

「す、すまない」

 

ディアベルはキリトから回復アイテム、ポーションを受け取り飲みほす。すると体力は無事回復される。

「テメェ、ディアベル…… なんであんな真似しやがった」

 

最初ディアベルは口をつぐんでいたが暫くすると理由を話し始めた

 

「ラストアタック……ボーナスのアイテムを手にいれるためだ」

 

「ラス…… なんだそれ?」

 

俺が聞くとディアベルの代わりにキリトが答える。

 

「ラストアタックボーナスは最後に止めを刺した人が手に入るレアアイテムのことだよ」

 

そんなシステムだったのか、知らなかった。

 

「攻略組はまだ作られたばかり、だから一個一個のパーティ間にも不和があった……」

 

「……」

俺はディアベルの話を黙って聞く。

 

「実際、攻略会議の時のキバオウさんのようにまだ不満を持っている者はいる。だからリーダーである俺がアイテムを手に入れて適材する人物に渡すつもりだったんだ。そうすれば不和も少しは和らぐ。そう考えていたんだ」

 

「…… それで、テメェの命、捨てるような真似をしたと」

 

「貴方の言いたいことはわかる…… それでもリーダーとして例え命を捨てるような行為だったとしても俺がやらなきゃいけないんだ」

 

「ふざけんじゃねえよ」

 

「え……」

 

「ぎ、銀さん?」

 

「銀……!」

 

「リーダーとしと命捨てるような行為でもやらなきゃあいけないだ? アホかテメェは。グダグダ意味不明な言葉並べやがって、誰もお前をリーダーなんて思ってねえよ! 誰もお前一人にそんな重みおわせてなんかいねーんだよ!」

 

「……」

 

「ここにいる連中は、お前一人に責任おわせる気も命かけさせる気もねーんだよ! ただ仲間として、テメェと一緒にここまで来てんだ! だからテメェ一人で突っ走てんじゃねえ!」

 

「!…… すまない……」

 

ディアベルは頭をさげた。

が、

 

「許せねえな」

 

「え?」

 

「許してほしかったらテメェはあとは休んでろ。あの豚は俺が潰す」

 

俺の言葉にディアベルはわかったと少し頬を緩めながら言った。キリトにエギルもヤレヤレとか言ってる。

「よし! 行くか!」

 

剣を構える。見るとイルファングの体力はさっきとあまり変わっていない。

死者は出ていないが防戦一方のようだ。

アイツは体が固い。並み半端な攻撃じゃ通用しねえ。

俺が行こうとすると横にいつからいたのか立っていたアスナが言う。

「やっぱり私の言うと通りだったでしょ……」

 

「どういうことだ?」

 

「守れたじゃない。仲間」

 

「!…… ああ」

 

「貴方が好かれる理由もわかった」

 

「え?なに?」

 

「いや、別に……」

 

いけね、ちょっと話しすぎた。

キリトとエギルはもう加勢してるし。

 

「ディアベル! お前の失敗は俺達が挽回する! 目指すはラスクアタッチメントボウナスだ!」

 

「それを言うならラストアタックボーナスよ……」

 

アスナが冷めた声でツッコんだ。

わかってるよ! 少しボケただけなの! いつもだったらメガネがウザいばりのツッコミするから少し調子が狂いました!

 

「ほんじゃまあ、行くか!」

 

「ええ!」

俺の後ろをアスナが走る。

まずい、少しずつたがアイツらイルファングにおされてる。

だが、絶対誰一人死なせはしねぇ!

 

「おらァァ!!」

 

イルファングに剣で切りつける。

「ゴガァァ!!!」

 

体力は今だ0にはならないがイルファングはたまらず後ろに仰け反る。

今だ!

 

「アスナっ、スイッチ!」

 

「ええ! はあぁぁ!」

 

スイッチで交代し今度はアスナがイルファングのデカ腹に剣で切りさいた。

しかしイルファングは倒れそうになったところを踏み込み、野太刀をアスナに向けた。

「アスナ、避けろ!」

 

「くっ……」

 

アスナはギリギリ紙一重で攻撃をかわしたが、着ていた

フードが野太刀に切り裂かれる。

すると今までお目にかかれなかったアスナの顔がついに拝めた。

驚いた…… アスナは美人だった。もうそれ以外言いようのないほどの。

その姿に誰もが息を飲んでいた。

「何ボーッとしてるの!」

 

「っ! わーってるよ!」

 

アスナと共に再びインファルグの懐に飛び込む、イルファングは即座に叩ッ斬ろうとするが無駄だ。

所詮はデーター、戦う内に相手のパターンが読める。

俺は左、右と攻撃をかわしつつ剣で斬っていく。

アスナも、同様持ち前の素早さで敵を翻弄している。

このまま一気に終わらせる!

 

 

 

「ふ、二人とも凄い……」

 

銀さんはともかくアスナさんもあんなに強いだなんて……

私も元βテスターだし自分の実力にも自信はあるのだけれど、なんだか二人の間に入る余地が見つからない……!

他の皆も唖然としてしまっているし。

 

「でも私も戦わなきゃ!」

 

もう弱い自分は嫌だ。

今度こそ戦うんだ。私は、大切な物を守るために!

 

 

 

「どおらァ!!」

『ブモモガァァ!!!』

 

うし、あと少し!

俺がいったんさがるとアスナが前に出る。

「とどめよ!」

 

アスナが剣先を突きつけようとした瞬間だった。

イルファングが大きく上へと跳ねた。

 

「なっ!?」

 

空振りしたアスナは前に倒れこむ。

アスナは即座に立ち上がるが着地したイルファングが殺気の込めた野太刀を横から切りだした。

 

「あ……!」

 

「アスナぁ!」

 

ガキンっ!

 

うごおっ!? 上から止めるのと横からデカイ剣止めるのじゃ全然ちげぇ!

普通の奴ならぶっ飛ばされるだろうが俺は、

 

「フギギギ!!!」

 

足を限界まで踏み込み踏ん張る。

「ちょっと、無茶しないで!」

 

「いいから、コイツからいったん離れろ!」

 

ディアベルを助けた時のようにまた返り討ちにしてやる、かと思ったがコイツさっきよりも力倍増してやがる!

なかなか、はじきかえせねぇ。

俺が動けないでいると、イルファングの頭上に人影が。

あれは……!

 

「はああああ!!!!」

 

「キリト!」

 

ズバッ!

 

『ブモモォォ!!!?』

 

いきなり上から斬られたイルファングはたまらず後方にさがる。

 

「銀さん、アスナさん、今だよ!」

 

「おう!」

 

俺とアスナは今度こそ決着をつけるため走り出す。

 

「私も最後まで戦う!」

 

「来るのはいいが…… 死ぬなよ!」

 

「当たり前よ!」

 

インファルグの持つ野太刀が構える。

来たところを返り討ちにする気か!

 

『ブモモォォ!!!!』

 

だが、そう簡単にいくかよ!

 

「とおっ!」

 

俺はイルファングが振った野太刀の上に乗る。

そのままイルファングの顔面にまで迫り、

 

「ドオラァァァァァァ!!!」

 

一気に足元まで切り裂いた。

「はあァァァ!!!」

 

切られ足取りが悪くなったイルファングをアスナも下から一気に上へと切り上げていく。

『ブ……モオオ……』

 

これで……

 

「止めだ! オラァァァ!!!!」

 

ズバッ!

 

『ブモモォォォォォォォォ!!!!!』

 

イルファングは最後の断末魔を上げ、消滅した。

 

《Congratu Lations》

 

「「「「「「か、勝ったあぁぁぁ!!!!」」」」」

 

攻略組初のボス戦は死亡者ゼロで幕を閉じた。

 

 

 

「じゃ…… 俺が貰っていいんだな?」

 

俺はディアベルを始めとした全員から是非、つーか絶対受け取れという顔をされ、ラストアタックボーナスのレアアイテムの主優権を得た。

出てきたのはコート、名前はコート・オブ・デビルホワイト?

取り合えず着てみるか……

アイテムレージから今まで着ていた防具とチェンジする。

 

「「「「「「おお~」」」」」

 

周りから関心めいた声があがる。

なんだよ……

俺が着たコートは名前の通り真っ白で一部銀色のラインが描かれている。

「銀さん、格好いいよ!」

 

キリトが顔を赤らめながら言ってくる。

あれ、なんだろちょっと恥ずかしい……

俺がエギルやらキバオウやらに絡まれているとアスナが一人、ボスの部屋を出ていこうとするのが見える。

 

「おい! もう帰るのか?」

 

アスナは俺の方を向き、

 

「ボスは倒したし、もう用はないでしょ。それにフードがないと不安なのよ……」

 

どんだけ人見知りなんだよ。いや、男が怖いからか? まぁ結構美人だったしな。

 

「それに…… 貴方にはその子がいるようだし…… 私みたいなのは帰ったほうがいいでしょ」

 

「はあ?」

 

アスナはキリトの方を見たようだが…… どういう意味だよ?

キリトの奴、顔を抑えて疼くまったゃったし。

 

「待てよ」

 

「なに?」

 

「また、いつか機会が会ったら一緒にやろうぜ。あんたとは一番相性よさそうだ」

 

「……!」

 

え? なに? なんかアスナの顔がキリトのように真っ赤に……!

しかも周りにいた奴等が、全員口を抑えて笑い堪えてるんですけど。

キリトにいたってはなんか不機嫌そうな顔で俺を睨んでくるんですけど!?

俺、変なこと言いました!?

「き、機会が会ったら考えておくわ!」

 

アスナはそう言うとさっさと帰っていっちまった。

その後始まりの町にいったん戻った俺達だったがキリトに口を聞いてもらえなかった。

なんで?

 




バトル描写というのが上手く書けません。
才能が欲しい……
それでもめけずに頑張ります。
感想お待ちしております。
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