「テメェ、ゴリラ! なんでいんだ!」
今俺の目の前にいるゴリラは江戸の武装警察真選組の局長、近藤勲。
本来ならば恐らく現実世界でSAO事件解決の為に茅場の足取りでも追ってるか攘夷浪士とでも決死の戦いに挑んでいるだろう。
それがなんでSAOにいやがる。なんで俺の知り合いがこんなにも多く出てくるんだ。
「それはこっちのセリフだぞ! はっ! ま、まさかお前も白ウサギについていけとかいうメールを受けてトリニティとか言う女に連れてこられたのかあぁ!?」
「いや、違げーよぉぉ!! なんかお前だけマトリックス的な別件に巻き込まれてんだけどぉ!?」
つー前にも二回くらいあったぞ、こんなの!
「き、貴様は近藤!? 貴様もこのツインファミコンの世界にいたのか!」
「な、か、桂!? お、お前も反乱を起こしたコンピューターと戦う為に来たのか!」
「いや、お前ら、どっち共ズレまくってんだろうがぁ! いい加減にしてくんない! お前らマジでこのSAOの世界から消えてんない!」
俺はツッコムがこのアホ共は話を聞かない。それどころか勝手に話を進める。
「そうか…… 近藤、お前も俺と同じファミコン愛好会だったか。ならば話は別だな。共に戦うぞ!」
「そうか…… 桂、お前も俺と同じく人間の自由を勝ち取るために戦っているんだな。なら話は別だ! 昔の事は忘れて一緒に戦おう!」
二人は固い握手を交わした。
「いや、お前ら、全くわかりあえてないからな!全然関係ねーからな!」
「よかったな…… フルーツポンチ侍G……!」
ケイタ達は泣いていた。
「なんで、感動してんの!?」
◇
結局ゴリラを含め九人のパーティで霧が充満している森を探索していると巨大な2メートルはありそうな人の影が見えた。
少し身構え様子を見るが動く様子がない。
ここは……
「行ってこいゴリラ」
「ええ俺!?」
ゴリラは驚いているが他の奴等も当然だろうという顔で行ってこいと言う。
「頼みますよゴリラ」
ケイタがスマイル満点で言った。
「いや、初対面でゴリラは酷くない!?」
「お願いしまゴリラ!」
とキリト。
「お願いしまゴリラって何! なんか口癖みたいになってるよ!」
「頼むゴリ」
とヅラ。
「もう語尾になってんじゃん!」
ゴリラが涙目で喚き、叫ぶ。
「俺はゴリラじゃねえ! フルーツ
その瞬間、真っ赤な顔のキリトがソードスキルを発動した。
「変態!」
「ゴフォ!?」
ゴリラ、いや、フルーツチンポがキリトの剣によって巨大な影に向かって吹き飛んだ。
向こうからガンっという音が響く。
すると次の瞬間、ゴリラの悲鳴が響いた。
「ぎゃああああああああああ!!!!!!」
「ゴリ…… フルチンさんになにか!?」
ケイタ君!? 恐らくフルーツチンポ侍を略しただけだろうけど誤解されるからね!
って言ってる場合じゃない、あれやっぱモンスターか?
「銀さん、行こう!」
キリトが件を構えケイタ達も続いて、ゴリラの方へ駆けつける。
「…… うが!?」
その時俺達は信じられないものを見た。
体長二メートルはある巨大な緑色の体、血のような赤い瞳、頭には二本の角が生え真ん中に何故かちょこんと生えてる一本の花。
この恐ろしい風貌のお方は……
「へへへへへへ屁怒絽ろろろろろろろろ!!?」
思わず俺は、いや、その場にいた全員が腰を抜かし目の前の屁怒絽を見上げる。
ゴリラも頭をうったのかそれとも屁怒絽を見て驚いたのか気絶していた。
震え上がっていると屁怒絽が口を開いた。
「よ、万事屋さんではないですか! 万事屋さんもSAOにいたんですね!」
屁怒絽は少し涙を浮かべて言ってくるがその涙のせいで赤い瞳がよりいっそう輝き怖さが増してしまう。
「銀さん、銀さん!」
キリトが恐怖からか乾いた声で俺の肩を叩き呼び掛けてきた。
「こ、この鬼みたいな人も銀さんのお友だち!?」
「いや、友達っていうか…… ご近所さんというか……」
俺がいいよどっていると屁怒絽がその人一人鷲掴みできそうな手を向けてきた。
うぉ!? こ、殺される!
「良かった~! 私ずっと一人だと思っていたのですよ~!」
「ぐふぉ!?」
「ぐ、ぐるじ……」
屁怒絽が嬉しさのあまりか俺やキリト達を纏めて抱き締めてきた。
流石に苦しい……
いや、死ぬ!
「うわ! す、すいません! 大丈夫ですか、万事屋さん!」
屁怒絽が鬼の形相で言った。
「「「「「「大丈夫です!」」」」」」
下手に反論すれば殺される! そう思った俺達は声を合わせて言った。
つーか、この展開ってまさか……
◇
「いや~、私の様な者を仲間に入れてくれるとは本当にありがたいですよ」
「いえ、とんでもございません!」
銀さんが電光石火のスピードで言った。
まあ、確かに怖いもんね……
サチなんかずっと青い顔をしているし。
フルーツゴリラさん(フルーツ○ンポとは絶対言いたくない)もケイタに背負われたままだし、かなり怖かったんだろうな。
屁怒絽さんを入れたことによって私達のパーティーは合計十人となった。
確かに見ようによったらかなり変なメンバーだけど皆実力は確かだし、これなら隠しボスも倒せる!
森のフィールドを歩いていると狭まっていた木々は段々と広がっていく。
「そろそろ、かな……?」
そういえばこの隠しボスのクエストはケイタが提案しだんだけど…… ケイタはどこでこの隠しボスの情報を知ったのだろう? 赤い宝石のアイテムだってケイタが持ってきた物だし。
考え事をしているうちに木々を抜け、大きな湖のほとり
に辿り着いた。
ケイタの話だとこの湖の真ん中に向かって赤い宝石を投げ込むと隠しボスが登場するらしい。
聞いた時はかなりあっさりした隠し方だとは思ったけど、まあ気にすることもないと思う。多分。
「じゃあ投げるぞー」
ケイタは軽く宣言すると赤い宝石を投げ入れる。
すると湖が淡く輝き水面に泡がたち、突如巨大な水柱がたつと共に轟音が轟いた。
『よくぞ、我を見つけた…… 我と戦い勝利すれば竜の力を与えよう……』
水柱と共に現れ透き通るような声で話すのは青い鱗に覆われた四足歩行の巨大なトカゲ、竜だった。
お、思ったよりもデカイ……!
でも私は一人じゃない、銀さんだっている!
私は覚悟を決め剣を抜いた。
◇
デカ……!
アルゴの野郎め、聞いてた話よりも一回りデカイじゃねーか!
本当に倒せんのか、コイツ? ゴリラはまだ気絶してっから役にたたねーし。
「よし、行くぞ皆!」
ケイタが剣を振りかざすとサチ達も呼応するかのように剣を構える。
『こい!勇気ある人間達!』
竜が噛みつく気か一気に俺達も眼前にで寄る。
その瞬間だったーー
「いけませえええええんんんんんん!!!!!」
『クブエラホォ!?』
屁怒絽の文字通りの必殺パンチを喰らい竜は湖へと吹きとばされた。
ってええええ!?
「殺生はいけない。それがいくらデータ状のモンスターとしてもその所業は許すまじ、これお仕置きです」
えー……
だからって殴るのは本末転倒だと思うんですけど。
だってあんたのパンチ、確実に人死ぬよね? まぁ、今回はモンスターだけど。
しかしそんなことは口がさけても言えない。
他の奴等も同じく顔を伏せている。
『さ、流石だ…… あ、いや流石でございます』
倒したと思ったらまだ生きているらしい。
湖の中から震えながら出てきた。
まあ、屁怒絽のレベルは知らねーがまだ第三層。いくらなんでも一撃で隠しボスを倒せはしないだろうからな。
現実だったら別だが。
このまま戦闘が続くのかと思ったが、竜はさっきまでと違い妙にペコペコ頭を下げて屁怒絽を見ている。
『あの、もう殺生とかしかしないんで許してください…… あ、あと隠しアイテムをあげますんで』
…… コイツ本当にデータか? まるで本物の生き物みてーにビビってやがる。ましてやプレイヤーと戦うためにプログラムされてる奴がここまで命乞いなんてするか?
つーかモンスターが喋っている時点で色々おかしいような……
俺は多くの疑問が頭の中で過ったが気にしないことにした。面倒だからだ。
「いえ、いいんですよ。わかれば」
屁怒絽はニコッと笑った。
『ヒイイイイ! 本当すんませんしたぁ!!!』
竜は泣きながら湖内へと戻っていく。
やっぱなんか違和感が…… ま、いいか。
結局、隠しアイテムは当初の目的通り、キリトが貰うことになった。
無事町に戻った俺達はそれぞれの居場所はと解散することになった。
月夜の黒猫団withヅラかなりグッタリして帰っていった。ヅラはしつこくUNOを誘ってきたが。
ゴリラは…… 屁怒絽が預かることとなった。つまりゴリラは生け贄となったわけだが。
にしても屁怒絽の戦闘力を考えたらこの先の攻略に役立つだろうと考えたが、屁怒絽は殺生が嫌らしく恐らく参加しないだろう。
だったらなんでSAO始めたんだと問いたいが怖いから聞くのは止めた。
残ったのは俺とキリトだが……
「ねえ、銀さん……」
キリトが少し暗い顔で俺を呼ぶ。
「なんだ?」
「いや、怖くてなにも言えなかったけど屁怒絽さんに全部待ってかれちゃったなーって……」
「あー、でもあれは仕方がないと思うよ、うん」
「……」
「……」
あれ? なんか話が続かない。
ちょっ、気まずいんですけど? なんて声をかければいいの?
俺が悩んでいるとキリトはいきなり走りだし、しばらく向こうに行くとピタリと止まった。
どうしたんだ?
キリトは俺の方を振り向くと、
「銀さん、また一緒にやろうね! 今度はふ、ふた、二人で!」
それだけ言うとバッとほんのり赤い顔を背け再び走っていった。
◇
「えー、はい。まあ、実験は成功っちゃー成功でしたよ。ええ、まあ当初の予想とは大きく離れてましたけど」
暗い夜道の中、フードに身を包み込んだ少年がこのSAOの世界にて彼だけか持つある人物に繋ぐ通話アイテムを使いとある密談をしていた。
「え? 白夜叉ですか? なんかそんな強そうには見えませんでしたけどね。それよりもあの天人はかなりヤバイですよ。早めにやっとかないとまずいです。第一計画は後回しの方がいいですね」
少年は通話相手話を淡々と聞き的確な返事を返す。
「あー、はい。じゃあまた指示があるまで」
通話が切れると少年はフードの装備を解除し、顔を露にした。
戻っても仲間たちに怪しまれないようにするため。
「さて、猫達の所に戻るか……」
特に特徴のない顔をした少年、月夜の黒猫団参謀ケイタは今の状況を真底楽しむように呟いた。
今回は私だけのオリジナル展開が大量に出てしまい読みにくかったと思います。申し訳ない。
次回は恐らく原作通りの話…… かも。
今後もよろしくお願いいたします。