機動戦士ガンダム RIZE of the EARTH   作:Ryu-Gun

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第三章

第三章 運命の閃き

 

 

ドウィン!ドウィン!

 

とモビルスーツの足音がした。

この地は日本本島から

約500kmぐらい離れた所にある島だ。

第5モビルスーツ試験区域の

メイン・アイランドの

デルタヘル

と呼ばれている。

デルタヘルは極東監査組織ゼネラル・コンバットの

統治下であるものの、

領土、および周辺海域としては日本所属である。

今は、対ガンダゴット・システム……

 

カール・デバイス

 

を搭載したモビルスーツ、

ガンダムの試験が行われていた。

 

«カール・デバイス…フェイズ2…»

 

ガンダムのパイロットの佐藤 勝弘少尉の

声が聞こえたと共に機体の速度が上がった。

 

「ガンダゴット、検出なし!」

 

デルタヘルの地下管理施設内にある指揮室で

ガンダムの試験を見守っていた

観測員の山田 虎太郎准尉が声を張った。

 

「フェイズ2はクリア…か…」

 

次に声を上げたのはデルタヘルの

指揮官の永広 聡司中佐だった。

 

「続いて、フェイズ3への移行を要求。パイロットの生体反応は正常。」

 

«はい…フェイズ3!»

 

山田の声に反応するように答えたのは佐藤であった。

 

 

ビィィィ!ビィィィ!ビィィィ!

 

 

と警報が鳴った。

 

「パイロットの酸素量、低下!!」

 

山田が急に叫んだ。

 

「佐藤!今回は終いだ!フェイズ0へ降格させろ!」

 

山田の叫び声に反応した永広が佐藤に向けて叫んだ。

 

«ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……りょう…かい…»

 

息切れを起こしていた佐藤が

永広の指示に従った。

対ガンダゴット・システムのカール・デバイスを

モビルスーツに取り入れる事により

ガンダガットの生命倫理問題は解決したものの、

カール・デバイス自体が極めて危険なシステムであるため、

フェイズ3

をクリアしなければ実戦配備は

不可能との通告が評議会から届いていたのだ。

フェイズ3での先の

問題は計算済みであるが、

テストをする以外に道はないと考えられていた。

 

「失礼。」

 

ドアの方から声がした。

 

「誰だ?!」

 

と永広が答えた。

 

「ゼネラル・コンバット総司令部指揮下部隊第00モビルスーツ小隊隊長・武内 賢章大尉であります!」

 

ゼネラル・コンバット内でも

モビルスーツ小隊を指揮する司令部は幾つもあるが、

その中でのトップとも言える総司令部直結の部隊の隊長が来た。

 

「何のようだ?」

 

と永広が特有の冷静さは失わずに問いかけた。

 

「はっ!、先ほど試験を行っていたガンダムタイプのモビルスーツ、是非、私に操縦させてもらいたいため伺いに来ました!」

 

まさかの訪問であった。

 

「ガンダムタイプに搭載されているカール・デバイスが生命倫理問題に侵されていることは知っているな?」

 

「勿論であります!」

 

ハキハキと永広の問いかけに答える武内に

少しながら永広は心を揺さぶられたのであろう。

 

「ならなぜガンダムに乗りたい?」

 

また問いかけた。

 

「はっ!モビルスーツの事は誰よりも知っているという自覚があるためであります!」

 

武内は今年で15歳と言うにもかかわらず、階級は大尉という異色中の異色とも言えた。勿論、モビルスーツの操縦テクニックは誰よりも優れていた。

 

「まあ、乗ってみろ。」

 

永広は武内に提案した。

 

「フェイズ3が今まで、これからの関門だ。分かっているな?」

 

後は察してくれと言わんばかりの永広の表情に武内は笑みをこぼした。

 

「では、武内賢章、ガンダムに搭乗させてもらいます!」

 

駆け足で指揮室を後にした。

 

「いいんですか?中佐。」

 

佐藤の問いが聞こえたが永広はうなずくだけであった。

 

«ガンダム、起動準備完了。いつでも行けます。»

 

モニター越しにガンダムに乗った武内の声がした。

 

「ARMG-00ガンダムベテルギウス、訓練出撃を許可します」

 

ARMG-00ガンダムベテルギウスは

アース・リデュー・マシーンズが開発したガンダムタイプの

モビルスーツ1号機目である。

試作型ガンダムは

すでに5機がゼネラル・コンバットに

ロールアウトされているが、

試作型ガンダムにはリミッターがつけられているため、

完全なガンダムではない。

しかし、

ガンダムベテルギウスは

リミッターをもつけない純粋なガンダムである。

 

「君がガンダムだね…だったら、見せてもらおうかガンダムの性能を!」

 

コックピット内で武内がブツブツと話していた。

 

「ガンダムベテルギウス、カール・デバイス、フェイズ1!」

 

このかけ声とともにガンダムのカメラアイが緑色に光った。

すると機体が前に倒れてきたと思ったら右脚がすぐにでてきた。

右脚の着地と共に周辺には振動が伝わってきた。

 

「機体の反応速度は申し分ない…か……」

 

今まで武内が操ってきたモビルスーツとはやはり違った。

 

「フェイズ2!!」

 

カール・デバイスのスコアを上げた。

外見ではなんも変化はないが

バーニアの威力が上がったのだ。

それを感じ取った武内の足下にあるペダルを

思いっきり踏み込んだ。

突如、機体は空をめがけて飛び立った。

 

「クッ…」

 

多少のG(重圧)を耐えながら武内は周りを見渡した。

気づけば雲の上だった。

 

「やってみるか……」

 

少し間があいた。

 

「フェイズ3!!……」

 

数秒後、瞬時につぶった目を武内は開かせた。

 

「なんも、変わりはない…のか…?」

 

武内はフェイズ3をクリアした。

すると、

 

«よくやったな、大尉!!»

 

とヘルメット越しに永広の声が聞こえた。

武内はそのままガンダムを自由気ままに動かした。

いつもとは違く、

一つ一つの動作が軽くなっていた。

 

«これで評議会に出せるな»

 

笑いながら永広は言った。

 

 

 

***

 

 

 

「議長!ガンダムはパイロットをも殺すモビルスーツですぞ!!」

 

モビルスーツ開発評議会アトランティス内の

アース・リデュー・マシーンズに次ぐ

モビルスーツ製造企業レイヴン社の

トニー・レイヴンCEOが大声で叫んだ。

レイヴン社はイギリスの大手企業だ。

 

「落ち着きたまえ、レイヴンCEO。」

 

とトニーの発言に議長のジョージ・ルブリストンが答え、

続けて喋った。

 

「確かに、ガンダムタイプのモビルスーツには生命倫理問題がある。しかし、我々がノルマとした基準は満たした。分かっているな?」

 

「…しかし!…」

 

トニーは議長のジョージに反論した。

 

「アース・リデュー・マシーンズに通達しろ、ガンダムタイプのモビルスーツはあと1機製造しろと。」

 

ジョージは自己の秘書の

トーマス・ジェーンに向けて発言をした。

ガンダムは1機だけで充分だと言うような口調だった。

その理由は生命倫理問題があるからではなく、

コスト面での事だ。

他社の量産型モビルスーツは

1機製造するのに約1000億円ぐらいだが

ガンダムは1機製造すると約4000億円の費用がかかる。

 

「ガンダム…か……」

 

とジョージは口ずさんだ。

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