機動戦士ガンダム RIZE of the EARTH 作:Ryu-Gun
第四章 ラスト・ピース
「また増えましたね」
と第00ゼネラル・コンバット宇宙監視部隊の
井上 真司軍曹が言った。
「中国の偵察衛星か」
井上の言葉に応えたのは井上から見て
隊長と言えるジョブ・スワン大尉だ。
ジョブ大尉は両親共に米陸軍であり、
大尉自身も陸軍に入隊したが、
ゼネラル・コンバットに移動した。
ここ1週間で中国から打ち上げられるロケットが増加し、
それに合わせていくつもの人工衛星が増えた。
ゼネラル・コンバットは独自の宇宙開発事業を立ち上げ、
その衛星を人間の目視により確認させ、
中国の偵察衛星だというのが判明している。
「なにかの前兆でしょうかね」
井上がジョブに問いかけた。
「だろうな、ロシアの“新”基地の建設も引っかかる。」
そう、
ここ1週間で動いているのは中国だけでなく、
ロシアや北朝鮮、韓国もだった。
その3国の中で最も
目立って行動しているのがロシアであり、
今まで無かったはずの場所に仮基地が
いくつも建設されているに加え、
原子力潜水艦のドッグの建設も現地の諜報員により
確認済みだった。
***
「なあ武内大尉、」
とガンダム ベテルギウスの
整備班の班長、ジョセフ・カール曹長が武内に話しかけた。
「はい?」
「まだ大尉に報告していないのだがね、ベテルギウスには無線の兵器が装備されてる。いくつもな」
「あぁ、あれですか、何か自分にも分からなかったのですが無線の兵器となるとビットです?」
「そうなるな。それに、まだベテルギウスは完成していないとアース・リデュー社が言ってきた。」
「完成していない?だからバックパックも着いていないのか…」
「とのことで、明朝、ベテルギウスを完成させるためにバックパック等の物質が来るから、よろしくな」
「はい」
武内は少し驚いた。
だがバックパックが装備されていないとなると
不完全状態の言うのには気づいていた。
「どんなバックパックなのやら」
と通路を歩きながら考えていた。
モビルスーツにとってバックパックは命だ。
物によれば弾が1発でも当たると爆発して
機体が誘爆してしまうのもあるし、
メインエンジンの出力が安定しないのもある。
と、その時─
ビィィビィィビィィ
と警報音がなった
「なんだ?!」
と武内は右耳に付けていた
コードレスのイヤホンに指を押さえて、
イヤホンに着いていたボタンを押した。
すると管制室からの通信が来た。
«防衛省より入電、
先程、1405(ヒトヨンマルゴー(14時5分))に
尖閣諸島方面沖合に中国海軍の空母艦隊が
領海に不法侵入後、周辺にいた民間人漁船に向け発砲、
被弾した漁船は沈没した模様。
それに伴い那覇基地からゲタを履いた
モビルスーツが3機、
スクランブル発進したとのこと。»
衝撃が走った。
1年以上前の事だ。
中国海軍の空母艦隊が領海に不法侵入後、
航空自衛隊のモビルスーツを撃墜した記憶が蘇ってきた。
『また…墜とされるのか……?』
と武内は走りながら脳内で言った。
そう考えている内に管制室に着いた。
管制室の内部、
部屋の後方中央部にその時のトップが座る席がある。
今、その席にはゼネラル・コンバットのトップである
ジェイク・マクゴガロォ総督が座っていた。
「総督、政府からの要望は?!」
と武内が問いかけた。
「政府も今回は我々を使うとの事だ。」
「と言うことは…」
武内は総督からの応えに動揺した。
「頼む大尉、墜とさせるな。」
と言ったら、総督は深く座り直した。
「了解!」
武内が潔く言った。
「ガンダムはまだ未完成です総督」
武内が言った。
「そうか…だが前に大尉が使っていたARM-01リゲルはあったよな?」
「はい」
「なら、ブルーウイング隊を連れて行け。」
ブルーウイング隊とは
第00モビルスーツ小隊の中の部隊だ。
小隊とは言え、
30機で成り立っている。
その中を区分するためのものであり、
ブルーウイング隊の他にも、
レッドウイング隊、
ゴールドウイング隊、
ブラックウイング隊、
グリーンウイング隊がある。
それぞれ6機構成の部隊だ。
部隊名に着いているカラー名が機体カラーとなっている。
するとアナウンスが流れた。
«ブルーウイング隊は直ちに各自、モビルスーツに搭乗!ブリーフィングは上空にて行う!»
出撃命令だ。
武内はパイロットスーツに着替えて、
モビルスーツデッキに急いだ。
すぐ後ろにはブルーウイング隊の隊員が着いてきている。
それぞれが、
モビルスーツのコックピットハッチから下ろされた
搭乗用ケーブルを掴み、
ケーブルの最下部に着いているフックに右足をかけた。
ケーブルを掴んでいる手を
少し下に引っ張ったらケーブルが勢いよく
コックピットハッチに巻かれていく。
コックピット内にある座席に乗り、
コックピットハッチが次々の閉じた。
«大尉、出撃できます»
とヘルメットのスピーカーから聞こえた。
「各員、ゲタに乗れ!出るぞ!」
モビルスーツの目の前にはゲタがある。
モビルスーツがゲタに乗ったら出撃だ。
«モビルスーツ、発進コース設定。»
管制室からの声だ。
ゼネラル・コンバットの本部は見掛けは
無人島の大型島の内部にあり、
モビルスーツデッキも何もかもも内部にある。
«モビルスーツ発進ハッチ、開放!»
その声と同時にモビルスーツデッキの北側の壁が、
2つに割れ、左右に動いた。
すると光が見えて、
海と空が見えた。外に続いたのだ。
「ARM-01リゲル、武内機、出るぞ!」
そのかけ声と同時にモビルスーツ・リゲルが乗ったゲタが
勢いよく発進した。武内に続いて、他の6機が発進した。
「各機、最大出力に移行後、有線通信にてブリーフィングを行う!」
するとゲタのエンジンがフル回転して速度が急激に上がった。
少したった頃、
武内機が他の2機にケーブルを射出した。
それに続き、
その2機が他の2機に、
また他の2機とケーブルを繋げた。
すると通信画面に武内のコックピットが映った。
有線通信だ。
«これよりブリーフィングを開始する。目標到達時刻は1630(ヒトロクサンマル(16時30分))、目標は中国海軍空母艦隊だ。航空自衛隊のモビルスーツと合流後に目標へ行く。»
武内が話し始めた。
ブリーフィングが始まった。
実は、ゼネラル・コンバットのモビルスーツが出撃したのは
初のことである。
初めての事ながら、
隊員は冷静に判断できていた。
ブリーフィングが終わって、速度計を見た。
マッハ1.5だった。
モビルスーツをのせてこの速度とは信じがたかった。
出撃してから3時間が経過しただろうか。
沖縄県沖上空を飛行していた。
するとレーダーが反応した。
目の前にはゲタを履いた
航空自衛隊のモビルスーツが3機。
スクランブル発進した機体だ。
幸いにもまだ墜とされてはおらず、
これから合流する。
武内が航空自衛隊のモビルスーツに向けてケーブルを射出した。
«こちらゼネラル・コンバット第00モビルスーツ小隊隊長•武内だ。状況を知らせて欲しい。»
すると返答が来た。
«中国海軍の空母艦隊が領海に不法侵入。哨戒機が警告したものの応答なし。»
哨戒機も墜とされてはいない。
武内は一安心した。
«了解。これより現地に向かう。»
と言うとケーブルをしまった。
しばらく飛行したら、
目の前の海にポツポツと何かが見えた。中国海軍の空母艦隊だ。