機動戦士ガンダム RIZE of the EARTH   作:Ryu-Gun

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第五章

第五章 スターテッド・ザ・ウォー

 

 

「モビルスーツ部隊、マシンガンの射程内に艦隊が入りました」

 

ゼネラル・コンバット本部の

観測員の谷原 唯斗軍曹が報告した。

すると総督が答えた。

 

「ブルーウイング隊に通達、マシンガンの使用を許可。ただし警告射撃のみ。と」

 

「はっ」

 

谷原の潔い返答が聞こえた。

 

そのころ

武内率いるブルーウイング隊、

航空自衛隊の各モビルスーツは

空母の形がはっきりと目視できる空域に到達していた。

 

«本部より連絡。マシンガンによる警告射撃を許可。»

 

武内が無線で言った。

有線ケーブルによる通信より

無線の方が多少のノイズはかかりやすいが

はっきりと聞き取れる。

しかし、無線の場合は傍受されるため、

飛行中のブリーフィングなとば有線にて行う。

それがモビルスーツ・パイロット基礎だ。

 

「まずは…世界チャンネルで警告か」

 

武内が独り言で言った。

世界チャンネルとは、

無線のチャンネルの事であり、

国際連合が緊急時等に利用するように定めたものだ。

世界チャンネルを使えば

基本的に国際連合の言うことを聞いている

企業製の航空機やモビルスーツ、艦船と通信することができる。

 

«こちらは極東監査組織ゼネラル・コンバットモビルスーツ部隊。貴艦は現在、日本国の領海に不法侵入している。直ちに進路を変更し、公海に出るようにしろ。»

 

武内が警告を始めた。

しかし、空母艦隊からの返答はない。

 

「ちっ、」

 

と無線に聞こえないように舌打ちした。

 

«繰り返す!貴艦は現在、日本国の領海に不法侵入している!直ちに進路を変更し、公海に出るようにしろ!»

 

明らかに武内の口調が強くなった。

だが空母艦隊からの返答はない。

二度の警告を無視すれば警告射撃を

実行することができるとゼネラル・コンバットと

日本政府が安全保障理事会を通して決められた。

安全保障理事会における

常任理事国の拒否権は

常任理事国以外の各国が“不平等だ”として抗議した。

そのため、常任理事国の拒否権は廃止されたため、

様々な案が安全保障理事会を通れるようになった。

 

«貴艦からの返答はないとみなす。»

 

最後の最後の警告だ。武内は無線を切った。

 

「各機、警告射撃を実施する。」

 

と今度は無線をゼネラル・コンバット内で定められたチャンネルに設定してブルーウイング隊に言った。

 

«了解»

 

とブルーウイング隊全パイロットからの声が聞こえた。

すると━━

 

 

ダララララララララララララ──────

 

 

銃を連射する音が鳴り響いた。

空母艦隊の周辺に小さな水柱があがった。

航空自衛隊のモビルスーツを含む

全てのモビルスーツの右手に構えられていたのは

アース・リデュー・マシーンズ社製

“MG02-0連射型マシンガン”だ。

MG02-0はアース・リデュー社の全てのモビルスーツ共用の

マシンガンで、威力は1発でアスファルトで

舗装された道路に深さ約1mのクレーターを作るほどだ。

銃声が鳴り止んだ。

警告射撃をしても空母艦隊は動かない。

武内他、パイロットには聞こえていないが

艦隊ではこんな会話がされていた。

 

「全艦、ミサイル発射準備。」

 

空母の浩 辰(ハオ チェン)艦長が命令した。

それに応えるように隊員の声が聞こえた。

 

「了解!」

 

 

10秒ぐらい経って、

 

「全艦、ミサイル発射準備完了!」

 

と聞こえた。

 

「撃て!」

 

艦長の声だ。

それと同時に艦隊の巡洋艦全てからミサイルが発射された。

 

 

ドドドドドドドドドドドドドド─────

 

 

「何ッ?!」

 

と武内が反応した。

その時にはミサイルは軌道を変え、

モビルスーツ隊の真っ正面にいた。

 

「全機、チャフとフレアをリリース!!」

 

武内が叫んだ。

 

 

バババババババババババババババ─────

 

 

と左右両方のフロントアーマーの接続部付近に設置された

“チャフ・フレア・ディスペンサー”

からチャフとフレアが撒かれた。

チャフは通称・電波欺瞞紙(でんぱぎまんし)と呼ばれる

電波を反射する金属片を撒布することにより、

敵ミサイルのレーダーに“影”を作りレーダーによる探知を

妨害する物であり、

フレアは約2000℃に燃焼しているデコイを

撒布することにより赤外線センサによる探知を

妨害することにより敵ミサイルから自らを守るためのものだ。

 

ドォォン…ドォォン…

 

 

次々とミサイルがフレアに撹乱され爆発していった。

しかし、

撹乱されないでモビルスーツに接近する

ミサイルも多かった。

全てのモビルスーツにかかるG(重圧)が7までにおよんだ。

 

「クッ…」

 

武内はそのGに耐えながら回避行動を続けた。

すると━━

 

 

ドゴォォォン!!!

 

 

ミサイルの爆発ではない。モビルスーツが墜とされたのだ。

 

«誰がやられた?!»

 

と武内が問うと、

 

«重松准尉がやられました!»

 

答えたのはブルーウイング隊の

隊長、上飯坂 剛中尉だ。

やられたのは重松 一茂准尉だ。

悔やんでいる間もなく、次々とミサイルが迫ってくる。

武内は機体を急降下させ、

海面スレスレで急上昇をかけた。

するとミサイルは上昇しきれずに海面に大きな水柱を作った。

ゲタがなければこのような動きはできないと実感した。

ARM-01リゲルが出す出力は

今までのモビルスーツよりも強力だが、

重量には負ける。

そのため、エンジンをずっと吹かし続けていても

いずれは着地しなければならない。

それが陸地なら良いのだが今いる下は海だ。

着地はできない。

だからこそのゲタだった。

気づけば、あれだけのミサイルは全て無くなっていた。

 

«武内大尉!空母艦隊が進路を変更しました!»

 

と上飯坂から嬉しいニュースが飛んできた。

 

「撃つだけ撃って帰るのか…?そんなはずはない………」

 

武内は撤退してくれたのは良かったがまだ気になることがあった。

だが、

 

«よし皆!帰るぞ!!»

 

嬉しそうに武内が出撃した全員に向けて言った。

 

«本部より大尉へ、重松准尉の遺体は回収できるか?»

 

本部からの連絡だ。

だが、

重松機が被弾したのはコックピットハッチのすぐ近くで、

機体自体が大爆発したとこ事だった。

 

「こちら武内、重松准尉の遺体は確認できず。これより帰投する。」

 

念のためと思って海面スレスレで武内は

周囲を見渡したがそれらしきものは無かった。

航空自衛隊のモビルスーツと別れ、

武内率いるブルーウイング隊は出撃時より遅い、

巡航速度で飛行していた。

 

 

ピピッ

 

 

レーダーが反応した。反応した方向を見ると、

大きな機影があった。輸送機だ。

それもアース・リデュー社の輸送機だ。無線を繋いだ。

 

«お疲れさまです、大尉殿。»

 

輸送機のパイロットが話しかけてきた。

 

«おう»

 

と一言だけで武内済ませた。

 

«ベテルギウスのパックパック、持ってきましたよ。»

 

«そうか!ありがとな»

 

«ではお先に»

 

輸送機が速度を上げてブルーウイング隊の先を行った。




━NEWシステム━
本章より、下記のように新登場の人物や、モビルスーツ、組織などをそれぞれの章末に書きます。


【谷原 唯斗(たにはら ゆいと)】
ゼネラル•コンバット本部の観測員。三國 貞正とは同期で仲が良い。階級は軍曹。

【重松 一茂(しげまつ かずしげ)】
ブルーウイング隊所属。コールサインはブルー3。階級は准尉。本章にて戦死。

【上飯坂 剛(かみいいさか つよし)】
ブルーウイング隊の隊長。コールサインはブルー1。階級は中尉。

【浩 辰(ハオ チェン)】
中国海軍第1モビルスーツ空母艦隊の貴艦、北京級原子力航空母艦(艦名:不明)の艦長。
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