機動戦士ガンダム RIZE of the EARTH 作:Ryu-Gun
第七章 圧勝
«ガンダムベテルギウス、発進準備完了。行けます。»
本部にベテルギウスに乗った武内の声が聞こえた。
«あぁ、こっちも準備オーケーだ。»
ブルーウイング隊の隊長、上飯坂の声も
武内に続いて聞こえた。
「出撃命令が出ているんですか?」
本部管制室の通信士の垣田 甫軍曹が問いかけた。
そのとき━━
プシュゥゥゥゥゥ…
本部のスライドドアが開いた。
総督がモビルスーツデッキから戻ってきたのだ。
「出撃命令を出した。急いで出せ」
総督はモビルスーツが出撃するというのを
本部の管制室には伝えていなかった。
「はっ、はい!モビルスーツ隊、出撃を許可!」
垣田が武内と上飯坂に連絡を取った。
「やれるか………?ガンダム……」
武内はベテルギウスの
タッチパネルを操作して発進準備を進めた。
ヒュゥゥン…
コックピットの前周囲モニターが始動した。
アース・リデュー社のモビルスーツは
機体各所にカメラが設置されており、
そのカメラから来た映像を瞬時に
前周囲モニターに映されるという仕組みだ。
「カール・デバイス、フェイズ1!!!」
その武内の声と共に、
ブゥン
ベテルギウスのデュアルアイが黄緑色に発光した。
«では、お先に行かせてもらいますよ大尉!»
上飯坂からの声がヘルメットに内蔵された
ヘッドホンから聞こえた。
5機のリゲルがゲタに乗り、出撃した。
「ガンダム ベテルギウス、出るぞ!」
武内はそう言って
ベテルギウスが収容されているデッキから
ベテルギウスを降ろした。
そして出口がある左側を向き、
ベテルギウスを静止させた。
そこから武内は両手で握っている操縦桿を
右手は右側に、
左手は左側に
と移動させ
F・モード(フライト・モード)
に切り替えた。
切り替えたと同時にベテルギウスの
バックパックに接続されている2つの羽が割れ、
中から小さい羽がいくつか出てきた。
それをコックピットのパイロット正面にある
画面で確認した武内は
両足の足下にあるペダルを踏み込んだ。
すると━━
ドォォォォォォォォ──
と羽に設けられたバーニアから
勢いよくネヴィペイズ粒子が輝きながら噴出された。
バーニアから吐き出された
ネヴィペイズ粒子の速度は次第に遅くなり、
最終的にはネヴィペイズ粒子特有の輝きを失っていった。
武内はさらにペダルを踏み込んだ。
そして今度は踏み込むのと同時に
両手で握っている操縦桿を前に押し出した。
その直後、
機体は前進し着いていた足も床を離れた。
ベテルギウスは初めて完成した状態で外に出た。
前方にはゲタに乗っているブルーウイング隊が見えた。
ブルーウイング隊との距離は数秒間で10mという所まで来た。
「速いな…」
武内は笑顔で言った。
«大尉殿!»
と上飯坂の声が急に聞こえた。
上飯坂機からケーブルが射出され、
有線通信になっていた。
「あぁ、上飯坂か」
«ブリーフィングは無いんですか?»
上飯坂は武内に問いかけた。
ブルーウイング隊全機とケーブルが繋がれ、
ブリーフィングの準備は整っていた。
「前回と同じ艦隊だ。」
と武内はブリーフィングを始めた。
「今回は既にマシンガンによる
警告射撃の許可は降りてる。それに、反撃も許可された。」
反撃━
それは武力衝突における発端となる行為でもある。
前回は反撃を許可されていなかったために
重松は墜とされた。
その反省を生かし、今回は許可されたのだ。
«反撃と言ったって、マシンガン以外にはASM(空対艦ミサイル)ぐらいしか無いっすよ。それで艦隊とどう戦えと…»
上飯坂は少し不満げに言った。
「あくまでも墜とされないための手段だ。
それは分かっているな。」
武内は上飯坂を少し叱るように言い返した。
«了解です、大尉»
ブリーフィングが終わり、
有線通信に使用したケーブルをしまった。
ベテルギウスがマシンガンを構えている
右腕を上に突き出した。
加速の合図だ。
【垣田 甫(かきた はじめ)】
ゼネラル・コンバット本部にある管制室の通信担当。階級は軍曹。