しいていうなら井戸端会議のそいつがおまえ   作:魔物になりたい

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前話の影響でカレーを食べました
美味しかったです



背中を押してあげよう!……崖側に立っていたとしても

 

 

某所───

 

 

 

子狸「ざっはとるて!」

 

王都「……?」

 

 

 「疑わしきは罰せず」という言葉がある……どれだけ清廉潔白でも怪しく見えてしまうということだ。

 疑い出したらキリがないこともあり……確証がない限り推定無罪になるのが世の常らしい。

 

 

しかばね「とるてぃーや!」

 

王都「え?」

 

子狸「王都のひとの番だよ?」

 

王都「!?」

 

 

 つまり……バレなければ何をしても許されるのだ。 

 魔物は自分がやったという証拠を残すようなヘマをしない。

 

 そして、千年以上前のことはノーカウントというルールもある……千年守り続ければいい……

 

 

 魔物同士の騙し合いは

 先手をとったほうが勝つ。

 

 勝算があるから仕掛けるのだ。

 

 

王都「おまえ……」

 

しかばね「ん?どうしたの?」

 

 

 例えどれだけ露骨なことをしても。

 素知らぬ顔をして追い詰めてくる。

 

 ……だからといって追求されないわけではないのだが。

 

 

 

 

 

 

 

二二二、王都在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 謀りやがったな!

 

 

二二三、湖畔在住の今をときめくしかばねさん(出張中

 

 一体なんの話をしているかわからないが……

 

 おれに冤罪をふっかけようとは、いい度胸だな王都の……!

 

 

二二四、海底都市在住のごく平凡な人魚さん

 

 おまえら、仲がいいな

 

 

二二五、管理人だよ

 

 えっ、そうなの?

 

 

二二六、湖畔在住の今をときめくしかばねさん(出張中

 

 ほら、王都の

 

 子狸さんが怪しんでるぞ

 

 早く答えるんだ!

 

 

二二七、王都在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 ぐぬぬ……

 

 歩くの、覚えてろよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都「す、すてぃん……」

 

しかばね「すてぃんがーなんてつまんない返しじゃないよね?」

 

王都「くそ……」

 

 

 「すてぃんがー」とは"貫くおれ"みたいな意味の言葉だ。

 語感だけで乗り越えようという王都のひとの思惑を素早く察知し、

 すぐに回り込むような抜け目のなさが歩くひとにはある。

 

 

しかばね「甘えんな」

 

子狸「すてぃんがー!」

 

しがばね「……」

 

王都「……なるほど?」

 

子狸「うーん……」

 

 

 魔物にとって敵になり得るのは同じ魔物でしかありえないから、

 日頃から勝ちパターン、負けパターンの予習に余念がない。

 もちろん魔物に付け入る隙はないのだが……

 子狸さんが関わると話は別だ。

 

 

王都「あまえるな、か……久しく聞いてない言葉だな」

 

しがばね「いや、まだだ!」

 

王都「往生際の悪い……」

 

 

 魔物たちにとって子狸さんは弱点であり奥の手だ。

 ブレやすく、間違ってお散歩に行っているような子狸さんの主張は

 非常に便利で、逆転になくてはならないものなのだ。

 

 

子狸「まず前提として……」

 

王都「うんうん」

 

しかばね「子狸さん……!」

 

子狸「前提として……前提?」

 

しがばね「子狸さん……!?」

 

王都「前提としてなんなんだい子狸さん!ちなみに前提とは物事を決める前の約束事のことだ!」

 

子狸「ぜんて……ぜん?」

 

しがばね「もっとわかりやすく!」

 

王都「……おれルールだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

二二八、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 いや、無理があるだろ

 

 

二二九、王都在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 これ以上どうしろというんだ……

 

 

二三〇、夢在住のどこにでもいるお馬さん

 

 おい、もはや傍若無人みたいになってる

 

 

二三一、管理人だよ

 

 おれルール……なるほどね

 

 

二三二、住所不定のどこにでもいるようなてふてふさん(出張中

 

 これ絶対理解してないやつだよ

 

 王都の、どう落とし前付けるつもりなんだ?

 

 

二三四、王都在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 ……子狸さん、まず何がわからないの?

 

 

二三五、湖畔在住の今をときめくしかばねさん(出張中

 

 あっ、逃げた

 

 

二三六、管理人だよ

 

 まず……ざっはとるてってなんだ?

 

 

二三七、墓地在住の今をときめく骸骨さん(出張中

 

 そこっ!?

 

 

二三八、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中

 

 何で自分で言ったことを知らないんだ……食べたことないのか?

 

 

二三九、管理人だよ

 

 いや、ざっはとるては知ってるよ、そうじゃなくて……

 

 え、食べ物?

 

 

二四〇、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 おい!歩くの!

 

 おまえは子狸さんに何を吹き込んだんだ!

 

 

二四一、湖畔在住の今をときめくしかばねさん(出張中

 

 吹き込んだも何も……

 

 おれは王都のひとのしりとり好きを少し熱く語っただけなんだけど……

 

 

二十四、王都在住のとるにたらない不定形生物さん

 

 しりとり!?

 

 仮にしりとりだったとしても成立してないじゃねーか!

 

 言うほど好きじゃねーし!

 

 えっ、しりとり!?

 

 

二一五、砂漠在住の特筆すべき点もない大蛇さん

 

 言われてみれば「ざっはとるて」と「とるてぃーや」は似てる気がする

 

 「とる」のところとか

 

 

二一六、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中

 

 ……じゃあ「すてぃんがー」はどうなるんだよ

 

 

二一七、山腹巣穴在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中

 

 こう、勢いが……?

 

 勢いが似てる気がする、すてぃんがー!みたいな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子狸「ハイパー!」

 

王都「……」

 

しかばね「……」

 

 

 のちに子狸さんは勢いだったと弁明している。

 「すてぃんがー」の気持ちが溢れたが、今はしりとりをしていることを思い出したらしい。

 

 

子狸「おれルールだ」

 

しがばね「やっぱりわかってないじゃないか……」

 

 

 こうして、魔物たちの日常は過ぎ去っていく……

 

 

 

 

〜fin〜

 

 

 

 

 

 






こきゅーとすの魔物たち

提供:知らないひと

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