メカ丸に転生した……   作:SK-ピズム

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誤字報告大変助かっております。作者です。
どうぞ今後とも拙作をよろしくお願いします。

それはそうと、続きました。二話です。


2/18(土)
感想欄でご指摘をいただき、歌詞使用のガイドラインの禁止事項に引っかかりそうなところを後書きに移動。ご指摘感謝します!!

2/20(月)
再び、ご指摘をいただきました。歌詞使用のガイドラインに記載されている内容を確認して、使用楽曲の作品コードを貼っつけました。多分、今度こそは大丈夫なはず………。
作者が能無しでホントすみません……。そして感想でご指摘くださった方々、本当にありがとうございます。





第弐話:傀儡

 

 

 

2007年 ◯月◯日 曇り

 

今日の出来事。

 

 楽巌寺さんに保護(?)されて三日目。

 

 呪術高専側が用意してくれた「生命維持装置」なるものに身体を浸して生活している。なんだこのハイテクな機材は!! ダークファンタジーかと思ってたけど、違うのか!? SFなのか!?

 こいつのおかげである程度痛みは緩和されるし、地下室にいるので日光や月光で肌は焼かれないし、暇なこと以外は何も問題なく生活している。

 

 

 ここ数日で、楽巌寺さんから呪術に関する基礎を学んだ。

 

 まず、”呪い”とは何か。

 楽巌寺さんに出会った日に簡単に教えてもらったことではあったのだが、さらに詳しく教えられたのでここで整理しておく。

 

 この世界では、人間の負の感情からエネルギーが生まれる。それを呪術界では”呪力”と呼び、これを自由に操れる者たちを術師、そうでない者たちを非術師と呼ぶ。

 

 んで、この負のエネルギー__呪力が寄り集まったり、積み重なって形を成したことで生まれた存在が”呪霊”であり、人間(主に非術師)を襲う危険な存在。非術師たちには基本的に祓うことは当然のことながら、見ることも、触ることもできないと聞いた。学校や病院みたいな大勢の思い出に残る場所は負の感情の受け皿になって、呪霊が発生しやすいらしい。

 聞く話によるとこの呪霊、通常兵器が軒並み効かないらしい。正確には、”呪力を伴わない攻撃”をどれだけ与えても、ダメージにはならない……のだとか。だから非術師には対抗手段はなく、一方的な虐殺になってしまうらしい。

 

 

 そんな一般兵器を使っても倒せない呪霊を祓うために存在するのが、”呪術師”。先ほど書いた”術師”というのはこの略称。

 呪力を扱える人間というのは非常に限られているらしく、社会的にはマイノリティな存在だ。俺も聞くまで知らなかったし。呪術師になれる人間は、殆どが呪霊を視認し祓えるほどの呪力を体に宿している。

 

 そして、呪術師が呪霊に対抗する手段として最も代表的なものが、”呪術”。呪術は人によって多種多様であり、術師の数だけ祓い方があると聞いた。……聞く話によると、楽巌寺さんの術式もまあまあハイセンスな呪術っぽい。

 また、呪術においては「縛り」と呼ばれる制約を設ける場合があり、破った場合はなんらかしらのデメリットを受ける。逆に制約を守れば、多大なメリットを得られるのだとか。

 

 そして、縛りの中には自分の意志とは関係なく先天的に身体に課されるものがあり、それが俺に課された縛り「天与呪縛(てんよじゅばく)」と呼ばれるものだ。天与呪縛は代償が大きい反面、人智を超えた強大な力を得られる。

 俺の場合は、四肢の感覚麻痺と肌の脆弱性を代償に、実力以上の莫大な呪力を保持している。他には、呪力が全くない代わりに、身体能力がバカ高いみたいなのもあるらしい。

 

 

 ……正直、身体能力強化の方が良かった…………。

 

 なんだよこれ。念願のチートだよ? チートだけどさ!! これじゃないじゃん!!

 四肢の感覚無しもキツいけどさ、それ以上に針刺されたみたいな感覚がずっと続くこの肌が最悪!! ストレスでしかない!!

 

 ……はぁ、まあ縛られてしまったものは仕方がない。天与呪縛は自力でも他力でも解けないみたいだ。諦めるほかない。

 

 

 話を戻すけど、呪術の中には”術式”と呼ばれる、呪力を流して発動する特殊能力があるらしい。これらは主に”生得術式”と”結界術”の二種類に分けられる。

 これをエレキギターで例えると、「術式」は弦の振動から出た電気信号を音に変える「アンプ」にあたるらしい。(何故にエレキギター? 楽巌寺さんの趣味かな?)

 

 “生得術式”は、呪術師の生まれ持った才能とも言えるもので、一般的に”術式”と呼ばれる場合はこちらを指すらしい。

 術式は一人につき一つが原則らしい。術式の有無や向き不向きは、”完全”に生まれつきで決まるらしい。身体に刻まれているのだとかなんとか。術式を持たずに生まれた者はいくら呪力を持とうとも限られた能力しか発揮できない。また、術式を持って生まれた者であっても、途中で術式を変えることはできない。これが、術式が”生まれ持った才能“と呼ばれる所以。

 逆に、術式自体は刻まれているが、そもそも呪術師としての能力を発揮できる脳の構造を持たない者もいるらしく、そういった者が術式を使うには何らかの方法で呪術師と同じ仕様に脳を改造する必要があるらしい。実例は知らないそう。

 

 “結界術”、指定した空間の内と外を分け隔てる「結界」を作る術式。

 自分の中に術式を0から構築し、言霊に乗せた呪力を流して発動する、というもの。こちらは生得術式とは違い、呪力が一定以上あることを前提に、努力次第で習得できるらしい。ただし、向き不向きが激しく、結界術を習得していない呪術師も多いらしい。”帳”と呼ばれる、非術師から認識を阻害する為に張られる結界はその代表格。

 また”領域”と呼ばれる、「閉じ込める」ことに特化した結界もある。領域は内からの耐性を上げているため、逆に外からの力に弱いと言う欠点がある。

 

 

 因みに、俺の術式も説明の過程で判明した。

 術式を自覚できる様になるのは大体4〜6歳。だから俺は既に自覚できる状態にあった様だ。それでも気づけなかったのは、存在を知らないものを認知することはできない、みたいなものらしい。

 

 「傀儡操術(かいらいそうじゅつ)」、それが俺の宿していた術式。

 この術式は、呪力を宿し、自立可能な無生物「呪骸(じゅがい)」の中でも、使い手の直接的な意志で操作できるタイプである「傀儡(傀儡(かいらい)? 傀儡(くぐつ)? 読み方はどっちでもいいのかな?)」を遠隔操作できるというものだ。一応、生得術式がなくても簡単なものを作ることは可能だが、こちらはより複雑なものも作り、操れるとのことだ。

 この術式を使えば、安全圏から傀儡を操作して呪霊を一方的にタコ殴りにできる。呪霊退治で死ぬ可能性は、限りなく低くなるだろう。

 

 

 正直、術式を持っていたことに本当に安堵している。聞けば聞くほど、この世界は死にやすい世界らしいからな。

 

 千年以上前の平安時代には呪術界の名門が台頭していたが、現代においては「年中人手不足」と言われるほど希少らしい。

 これは、次代の呪術師を育成しようともその母数が少ないことを楽巌寺さんは理由に挙げていた。死亡率と出生率が釣り合っていない、みたいな感じなのだろう。

 

 

 せっかくもらった第二の生だ。どうせなら前回みたいに何もできずに死にたくはない。

 何か自分の中で意味を残せる、そんな人生に今世はしたい。

 

 

 

 

 

■■■

 

 

 

2007年 ◯月◯日 晴れ

 

今日の出来事。

 

 凄いことが判明した。

 どうやら、天与呪縛による縛りの効果は、膨大な呪力の出力だけではないらしい。

 

 先日、東京からやってきた夜蛾(やが)正道(まさみち)という、「傀儡呪術学」の第一人者を名乗る一級術師に呪骸(じゅがい)と傀儡の製作方法を習った。

 (余談だが、夜蛾さんは凄く強面だった。多分サングラスとかをかけたら、蝶◯さんみたいになりそうな気がする……)

 

 そして、自分で制作した傀儡を操作してみたのだが……なんと、()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 呪骸や傀儡を操る時、普通なら込めた呪力が切れるか、術式範囲より外に出ることで操作不能になり、停止してしまう。

 

 だが俺の場合、天与呪縛の恩恵か操作範囲がバカみたいに広くなっている関係で、どこまで行っても操作できる、という異例の状態になっているらしい。

 正確な範囲は分からないが、少なくとも京都から大阪辺りまでは余裕だった。

 

 これは俺にとっては画期的な発見かもしれない。

 この身体になってからこの方、外出なんてしたこともなかった。

 だが、これで本体が動けなくても活動範囲が広げられる!! しかも、傀儡は疲れないから実質、無制限の外出が可能だ。

 

 なんかやる気出てきたぞー!! 今度、遠出の外出用に人型の傀儡を作ろう!!

 

 

 

 

 

■■■

 

 

 

2007年 ◯月◯日 晴れ

 

今日の出来事。

 

 俺は気づいてしまった。いや、気付かされてしまったと言うべきか……。

 いや、勿体ぶるべきではない。結論を述べよう……

 

 

 傀儡とは、即ちロボットである!!

 

 

 この数ヶ月で、傀儡操作や呪力操作の練習も兼ねて、様々なタイプの傀儡を作成してきた。ありきたりな人型、ちょっと変わりものの獣型、完全に異端な無機物型、などなど。

 

 作ってきて思った。やっぱり人型が最もロマンに溢れている、と。

 武装を搭載するにしろ、デザインを凝るにしろ、人型は何をしても映える!!

 

 今の僕の目標は、巨大ロボット的な傀儡を作ることだ。

 ここまでロマンに追求できると分かったのであれば、とことんまでやってやるさ!!

 

やって見せろよ、幸吉! なんとでもなるはずさ! ◯ンダムだと!?

鳴らない言葉をもう一度描いて〜♪

 

 

 ……余談だが、最近呪術界では中々に大変な事になっているらしい。

 どうやら、呪術界で3人しかいない、呪術師の最高等級__特級呪術師の一人である、夏油(げとう)(すぐる)が任務先で一般人を鏖殺し、逃亡。呪術師を離反して呪詛師に鞍替えしてしまったらしい。

 彼が所属していたのが呪術高専の東京校。犯行があったのも東北側のとある集落だと聞いている。だからその真反対、京都にいる俺にはあまり関係がないと思っていたが…………

 

 

 

 

 

 

 _____どうやらそうでもないみたいだ。

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

 日記をつけていた傀儡を操作する呪力を止め、ゆっくりとこの部屋に唯一存在する扉を凝視する。

 

 

「誰だ?」

 

 

 感じるのは一人分の呪力と、ナニカ。

 

 傀儡を操作する関係で必須だった呪力の操作と感知能力は人一倍努力してきた。故に分かった。

 それが、その背後にある濁った様な複数の呪力の気配であると。

 

 

「失礼するよ。そして、はじめまして与君。私は夏油傑」

 

 

 黒の長髪と前髪が特徴的な、朗らかな笑顔を浮かべた男性__最悪の特級呪詛師、夏油(げとう)(すぐる)が入口には立っていた。

 

 

 







お読みいただき、恐悦至極にございます。作者です。

一話から続く楽巌寺学長との絡みは完全に独自展開です。
夜蛾学長に対するパンダ、みたいな感じで楽巌寺学長に対する究極メカ丸みたいな感じにしたかったんです。

そしてサマーオイルさんが登場しました。
夏油と与君には、百鬼夜行での絡みは殆どないので、それ以前に若干の絡みあって、その記憶から与君に接触してきたんじゃないかと思うんですよね、例の彼。
なのでその足がかりとして、夏油を登場させました。

そろそろ高専に入学したいけど、書きたいことがまだいっぱいある……。
ということで、本編及び百鬼夜行編はもう少々お待ちいただければと思います……。


なお、作者の原作知識には抜けが多いと思われますので、「ここ違うだろ」とかあれば、是非感想欄にてご指摘いただければ幸いです。
(……また、作者は強欲なのでお気に入りが増えると、評価も増えないかなぁ〜とか考えたりしています。浅はかですね)

感想・評価、よろしくおねがいします!!


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