メガネがガオーン   作:アルピ交通事務局

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そろそろ連載にしようか悩む


メガネがガオーン 13

 

「今回は紅き界賊団の代表の代理として参りました。仲良くしようぜ……とは言い難いな」

 

 周りから視線が突き刺さる。感情受信系のサイドエフェクト持ってないけども痛いのが分かる。

 不用意な発言は厄介な事になる……遊真も居るので嘘をつく事も出来ない。

 

「代表の代理と言うことは別に代表が居るという事かね?」

 

「紅き界賊団は基本的には船長代理が色々とやってて……船長は色々なところをブラブラしてて稀に帰ってきたり」

 

 オレが紅き界賊団の代表でなく代表の代理な事について忍田本部長は聞いてくる。

 オレはこっちの世界でなにか起きた時に対処する為に残っておいてくれと頼まれているだけであって、決して紅き界賊団の代表じゃない。オレがリーダーとか無いわ。

 

「何故代表が出てこんのじゃ!」

 

「紅き界賊団の活動範囲は基本的には向こうの世界、近界(ネイバーフッド)だ。連絡が取れなくもねえけど、こっちの世界でなにか起きたら基本的にはお前に任せるって船長代理と船長に押し付けられてんだよ。オレだって好きでこんなところに来てんじゃねえよ」

 

 代表でなく代理が来ている事について文句を言う鬼怒田のおっさん。

 オレが好きでこんなところに来ていると思ったら大間違いだ。今すぐにでも有里彩に押し付けて遊びに行きたい。

 

「紅き界賊団としてはボーダーと協力出来るのならば協力してもいい……ただし対等、フェアな関係性でだ。オレ達の使っているトリガーを研究の為に貸し出せとかそういうのは無理で……そこの実力派エリートが危惧している大規模な侵攻で力を貸してもいい……んだがな」

 

「なにか問題があるのかね?」

 

「別にオレも有里彩も街を守る為に力を貸す事については文句はねえ。ただあんた達はそれでいいのかと疑問は持っている……オレ達の知る限りは4年前の大規模な侵攻以来大規模な侵攻は起きていない。ボーダーはゲーム感覚に近い何度でもコンティニュー出来る実戦を想定したランク戦で腕を磨いている……4年間、必死になって備えてきた。オレ達に協力を求めるという事は必死になって頑張った備えがあっても無駄だったって認めている様なものだ」

 

 別に力を貸す事に対しては不満はない。オレは暴力で活躍する事が出来るというのを嫌ほど自覚しているんだからな。

 ただし、オレ達に力を求めるという事は近界民に対して色々と思いを抱いている人達に対する気持ちを一切考慮していないという事になる。近界民を絶対に許さない、殺すと殺意を抱いている奴等を上手く制御しないといけない……ガキが多い組織は大変だよな。

 オレの言っている事に対して色々と思うところがあるのか僅かばかりだが三輪の表情が動く。オレ達に力を求めるという行為に対して色々と思うところがあるんだろう。

 

「……君達は力を貸してくれと言わなくても、独断で行動するのではないのか?ゼンカイガオーンは君が指示したわけではあるまい」

 

「修は目の前の人を手を伸ばせば救えるのに救わない行為を嫌がるからな……修をレンタルしたいなら別に構わねえけど、そこの三輪隊に10回勝負して8回は負ける弱さだからオススメは出来ねえぞ」

 

 毎日頑張ってるけどもトリオン能力が低いから実戦的な特訓が中々に出来ない。

 いや、待てよ……ボーダーと交渉する事が出来るのならば一応は試してみた方がいいか……でもなぁ……。

 

「修に今度現れる近界民をぶっ倒せなんてのはナンセンス、無茶にも程がある。まだ紅き界賊団の見習い候補生で自分の戦い方を模索しているみたいなところもあるんだ。そういう荒療治はオレの仕事だ」

 

「随分と自身がある様だな」

 

「コレでも昔、(ブラック)トリガーを撃退する事に成功しているからな」

 

「なんと、(ブラック)トリガーを」

 

「黒トリガーは誰でも扱えるわけじゃないし危険だからぶっ壊す方針だけど……で、どうすんだ?4年間ボーダーで今度起きる大規模な侵攻に備えてたけどそれよりスゲエ奴等が居たからそっちの方に協力を要請するわと協力を求めるのか?」

 

「青峰さん、もうちょっとマシな言い方ないんですか?」

 

「いや、だって事実だろうが」

 

 オレ達に対して力を借りるという事は今まで備えた人よりも価値があると認めているみたいなものだ。

 必死になっている人達もかなり居るのにそれを無碍にするのは……組織としてどうよと言う話だ。

 

「……迅、お前にはなにが見える?」

 

「う〜ん…………残念だけど紅き界賊団と手を結ばないとダメっぽいですね。近い内に大規模な侵攻は確実に起きますけど、その時にボーダーのメンツが全員揃っているってわけじゃないですし…………これ、オレの個人的な予測ですけど黒トリガーが出てくると思います」

 

「遠征に黒トリガーじゃと!?」

 

「風刃みたいな奇襲性の高い黒トリガーじゃなくてバリッバリの戦闘能力特化と……あ〜……B級とA級、拐われる未来が存在してますね」

 

 迅になにが見えているのかはやや不明だが、言っていることに関しては嘘は無いだろう。

 未来をどうにかする鍵、ターニングポイントとも言うべき存在である修は既にボーダーに居ない。紅き界賊団の見習い候補生になっている。修が居るから遊真や千佳を連れてくる事が出来た……まぁ、最初に修を不要な存在だと切り捨てたのはボーダーなんだから自業自得、コレを機会に迅をボーダー入隊試験の試験官にでもさせたらいいんじゃねえの。

 

「紅き界賊団が協力してくれるんだったらその未来を回避する事が出来ます」

 

「……迅、お前つまらない事を言っているな」

 

「……なんの事だ?」

 

「オレ達が協力してくれれば最悪な未来を回避して新しい未来を切り開く……が、その未来はオレ達にとっては危険な未来だろう」

 

「……ああ、そうだ」

 

「僕達に危険な未来って、どういう意味ですか?」

 

「……雨取千佳ちゃんを貸してほしい」

 

「千佳を……まさか!」

 

「ああ、千佳ちゃんを利用して近界民を誘導する」

 

「千佳のトリオン能力は凄いですけど千佳はまだ戦う事が出来ないんですよ!千佳を撒き餌にして、それこそ千佳の身になにかあったらどうするつもりなんですか!!」

 

 最悪の未来を回避する為には予想外の一手が必要になり、その一手が雨取千佳だ。

 千佳の持つ規格外のトリオン能力を見れば敵は食い付いて戦力を千佳に向けてそこを叩く……理には適っているが、危険性を無視している。

 

「……それが最善の未来に繋がる、そうとしか言えない」

 

「修、噛みつくのはやめとけ。そこの実力派エリートは色々と嫌な物が視えているんだ。その中で最善の未来を言っている」

 

「青兄、千佳を危険な目に合わせる事が良い未来に繋がるって言うの!?」

 

「その辺りは迅に問い詰めろ。それしか未来がないのならばないんじゃないのか?」

 

 千佳をわざと危険な目に遇わせる事に関して色々と修は言ってくる。

 オレとしてはそれで未来を変えれるならそれをするに越したことはないのだが、千佳をわざと危険な目に遇わせてはなんの為にセンタイギアとギアダリンガーを手に入れたのか分からなくなってしまう。修は迅の顔をジッと見ると迅は頭を下げた。

 

「良い未来を掴み取る為には千佳ちゃんを貸してほしい……ボーダーがなんとしてでも守り抜く」

 

「軽々しく守るとかいう奴は信用は出来ねえよ……守るって言葉は重いんだぜ?」

 

「……空閑」

 

「ジンさんは嘘は言ってないよ……ジンさん、その未来が訪れたらチカは最終的には無事なのか?」

 

「ああ。危険な目には遭うけれども最後はなんとか切り抜ける事が出来る」

 

「だってよ、チカ……どうする?」

 

「…………私なんかが力になる事が出来るんでしたら力になりたいです」

 

「千佳!?」

 

「オサム、チカとお前の目当ては向こうの世界の遠征だ。向こうの世界に行ったらチカは嫌でも狙われる……こっちの世界での防衛戦で黒トリガーが出てくるって言うなら危険な橋を1つも渡らないなんて事は出来ない」

 

 危険な橋を回避できるならばそれに越したことはねえかもしれねえが何時かは歩まないといけねえ橋だ。

 遅かれ早かれ渡るならば早いうちに……まぁ、本人的には自己犠牲の精神……自己犠牲なんてのは弱いものの自己満足なんだけどな。

 

「黒トリガーが出てくるって言うならばぶっ倒せばいいだけの話だ……てか、迅はオレ達に協力するって事で話を通しているけど、それでいいのか?」

 

「ボーダーは紅き界賊団と協力関係になろう」

 

「出来る限り対等のな……じゃあ、対等な関係性になったところで別の話の交渉をしよう。あんたら向こうの世界に関する情報は欲しくないか?……遊真」

 

「ん、分かった……おれと親父が旅をして作った向こうの世界の地図みたいな情報がある。コレを買い取ってほしい」

 

 遊真がそう言うとニュインと指輪からレプリカが出てきた。

 

「トリオン兵……」

 

『はじめまして、ボーダーの諸君。私はレプリカ、ユーゴが作りしユーマのお目付け役兼相棒だ』

 

「……空閑有吾か」

 

『向こうの世界に関する情報を我々は有している。その情報の代価に私達はこの世界での安全の保証を求める。ボーダーの中には近界民を憎む派閥も居るというのは重々承知の上だが、私達はこちらの世界を襲撃しに来たわけではない……キド司令、我々は敵では無いと身の安全の保証を求める』

 

「……いいだろう。そちらが問題を起こさない限りはボーダーは身の安全を保証しよう」

 

「あ、緊急時のトリガー使用は認めてくれよ。敵だと間違われて発砲されたりするのはごめんだからな」

 

 ぶっちゃけた話だが遊真が向こうの世界の情報を代価に身の安全を保証してくれなくてもいい。

 迅だろうが天羽だろうが忍田本部長だろうが太刀川だろうが誰が挑んできたとしても確実に勝つことが出来る。

 

「近いうちに起きる最悪の未来を回避する為に仮の同盟を結ぶ事になってこれで一応はいいけど……なんか質問あるか?答えられる範囲だったら答える事が出来るぞ」

 

 仮の同盟を結ぶ事は上手く出来ている。

 ボーダーの施設を借りる事は出来ないかと後で交渉するけども一先ずはいい感じの方向に向かっている。

 

「なら幾つか質問をしていいかい?」

 

「答えれる事なら答えるけど……」

 

「君はどうやって紅き界賊団に入ったんだ?」

 

 質問タイムとなり、誰が質問をしてくると思ったら唐沢さんが挙手してきた。

 

「君はNBAに行くことが出来る将来を期待されたバスケ選手で陸上で9秒の壁を切ったりしていて輝かしい未来が待っていた。それなのにどうして紅き界賊団にいるんだい?」

 

「船長代理と船長に誘われたから」

 

 ぶっちゃけバスケ選手として活躍しても良かったけども、転生者が9人いて全員が手を取り合ってる状態ならば首を縦に降るしかねえ。

 断る理由も特に無かったし、敵対するのもめんどくさかったりするから紅き界賊団に入った……うん、嘘はなにも言っていないな。

 

「向こうの世界でなにをしている?」

 

「こっちの世界の技術を売る代わりにトリガー技術を提供してくれって交渉してて……チーキュを襲う事を止めないかと交渉して無理っぽい危険性の高い国はトジルギアに閉じ込めている」

 

「トジルギア?」

 

「青峰さん、トジルギアはトップシークレットですよ!」

 

「いいんだよ。どうせ真似する事を出来ねえんだから……トジルギアっていう並行世界を閉じ込めるギアを応用して、国をトジルギアに閉じ込めてる。紅き界賊団に逆らって滅ぼされたって国もあるって噂があるがアレはガセだ。正確にはトジルギアに閉じ込めた。トジルギアで閉じ込められた国は門を開くことは出来なくなるし、門を開いてもらう事も出来なくなる。完全な断絶的な鎖国国家になって、こっちの世界に襲いに来る事を無くす事が出来る」

 

 なにも向こうの世界に友好的に接しているわけじゃねえ。危険だと、敵対する可能性がある国に対しては容赦無く行かせてもらっている。

 本来は並行世界を閉じるトジルギアを使って近界(ネイバーフッド)の国を封じ込めている……星の数ほどある近界民の世界、今の段階で閉じる事が出来た国は15個……まだまだ少ない方だな。

 

「近界民をこちらの世界に………」

 

 近界民をこちらの世界に二度と来れない様にしている事に対してボーダーの上層部は驚いている。

 特に驚いているのば三輪隊の三輪だ。向こうの世界に対して憎悪を抱いている人間で、向こうの世界をどうにかする方法を知らないのであれば尚更だろう。

 

「そのトジルギアについて解析をさせろ!」

 

「最初に言っただろう。こっちのトリガーを解析させるのは不可能だ」

 

 案の定、鬼怒田のおっさんはトジルギアの研究をさせろと言ってくる。

 最初にこっちのトリガーは研究させる事は出来ないと釘を打っているので今更調べさせろと言われても無理な話だ。そもそもでトジルギアの現物、オレは持ってねえし。

 

「トジルギアに二度と来れない様に閉じ込めているからトジルギアを破壊されない限りは大丈夫だ」

 

 まぁ、技術は日進月歩なので何れはトジルギアで閉じ込められている世界から飛び出してくるなんて事になりそうだ。

 

「ボーダー側に雨取千佳を貸し出すことは決まった……なら今度はこっちの交渉に応じてもらいたい」

 

「これ以上、なにを望む?」

 

「別に難しい事じゃねえ、ボーダーの仮想訓練室を貸してほしいんだよ。これからに備えて修と千佳を鍛えておかなきゃなんねえ……千佳と修を鍛える事が出来るのはオレだけだが、オレだけじゃ限界がある。トリオン兵と戦うとか色々と訓練しておきてえんだよ」

 

 特に修はトリオン能力の都合上、センタイギア5回しか使えない。

 44個もあるのにたった5回しか使えないのは修のトリオン能力が低過ぎる事だから仕方がない事だがこれからの事を考えておけば此処での訓練は大事になる。

 

「分かった。ボーダーの訓練室を貸し出そう」

 

「ありがとう……ああ、そうだ。この前のイレギュラー門でゼンカイガオーンをボーダーのマスコット的な存在にしようとしていたみたいだけどゼンカイガオーンはボーダーの物じゃねえからその辺りは勘違いするんじゃねえぞ」

 

 言うべき事は大体はこれぐらいだろう。

 そろそろ堅苦しいスーツを脱いで何時もの私服に戻りたい……あ〜……そうだな……詳しい事はまた今度にしよう。

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