柿崎隊の面々と弓場と帯島と藤丸はスーパーに来ていた。
青峰の出した課題というか寿司を作れと言う意味がよく分からない心理テスト的なのの為に。
ここまで来て、それこそ3万円も出して意味の無い事はしない。ホントに美味しい寿司を食べたいなら3万円もあれば食べれる事ぐらいは柿崎達は直ぐに理解する。
「なにを、求めてるんだ……」
出来た寿司から色々と分かる心理テストをしているというのは分かっている。
思うがままにお寿司を作ればそれでいいだけなのだが、真面目な柿崎は出題者の意図を感じ取ろうとする。
この問題は、理系の問題の様に絶対にコレこそが正しいという答えがある問題じゃない。ならば比較的に皆が納得する様な答えを求めるのは極々普通の事だ。
青峰が出したのは寿司を作るだけの簡単な事だ。
柿崎は女子力があるかないかでいえば微妙なものの、寿司の作り方は知っている。
熟練の寿司職人の様な腕前は持っていないが、寿司は酢飯と生魚があればそれで大体どうにでもなる。
「とりあえず鮪だよな」
買い物カゴにののが鮪を入れた。お寿司の定番と言えばと王道と言えば鮪だ。
ネタが被っている場合は材料は無駄に買い込むなと言われているが、全員がお寿司と言えば鮪を浮かべる。1人前を作れと言う課題なので、この人数的に鮪は2パックぐらいだろうと思う。
「あ……そういうことね……」
「え?」
そう思っていると自分の部隊の宇井が鮪を追加で入れた。
ちらし寿司を作るなと言うルール上、鮪を多く入れても意味は無い筈でなにをしているのかが柿崎は分からなかった。しかし、宇井はなにかに気付いている。なにを気付いたのか聞きたいのだが話し合いは禁止されている。
「……それ、ありなんだ……じゃあ俺も」
追い鮪を見て小太郎も動き出した。鮮魚のコーナーとは違う所に向かったと思えば卵を持ってきた。
お寿司のネタは玉子焼きも定番な物だったなと柿崎は鮪と卵以外にもなにかないのかと色々と考える。穴子とか定番である。
弓場達もポンポンと寿司のネタになる物を購入する。寿司で1番大事な酢飯に必要な酢もちゃんと購入し、ボーダー本部に戻ると青峰が食堂のキッチンと白米を用意していた。
「はい、じゃあ作れ……他の奴等のを見てから途中でメニュー変更したりするなよ?こっちには高性能な嘘発見器が存在してるんだから」
柿崎達は調理を始める。と言っても、1人前の寿司を作るだけなので大量に米を消費したりするわけではない。
先ずはと全員が酢を米にかけて酢飯を作れば、それぞれが動き出す。各自買ってきた食材をと調理に入っていくのだがジューと音が鳴り響く。
玉子焼きを焼いている音とは異なる音だ。何事だと柿崎が音が聞こえた方向を見つめれば宇井が鮪を焼いていた。
「え……」
鮪を焼いていたのを見て固まった。
日本人にとって鮪は生で食べるイメージが強くて柿崎もその一例には漏れないだろう。生で食べる事が出来るのに、どうして焼いているんだ?鮪の寿司と言えば生じゃないのか?
「っ……そういうことか……」
宇井がフライパンで鮪を焼いているのを見て弓場がなにかを察する。
鮪を焼いて作っている料理がなんなのかを察した、いや、この雰囲気だと出題者の意図を読み取ることが出来たんだろうな。
相手が作るのを見て自分も真似するのは禁止だと先に言われているので、弓場は真似しない。ただなにが言いたかったのか、なにを見たいのか、それらがなんなのか分かっていた。
なにが言いたいのかが自分にはよく分からない。
ただ寿司を作れという課題を出されている以上はちゃんとした寿司を作らなきゃいけない。料理上手ではないがそれでもと柿崎はとりあえずと急いで作る。
鮪、かっぱ巻き、烏賊、いくら、穴子、玉子焼き、海老、サーモンと定番を押さえた寿司を1人前作り出す。
我ながらよく出来た方だ。自分で作ったからか見てくれは普通の寿司よりも悪いが何処か美味しそうに見える。コレならば文句無しの寿司だ。
他の人を見ればまだ調理している。食べる事に関して馴れているが、作る方に関していざ作る側になればやっぱり寿司は難しいと思う。
「やっちまったな……」
「え?……どういう事だ?」
「普通に寿司作っちまった、俺達は……」
「いや……コレは出題者の意図を読み取る問題じゃねえだろ?」
「ああ、そうだ……だがよ、向こうからしてみればそういう答えの方が好ましい筈だ」
自分と殆ど同じタイミングで作り上げた弓場は自分を責めている。
出題者の意図を読み取ることが出来たから、だが出題者の意図を読み取るんじゃなくて1人前の寿司を作れの課題だ。
「俺とザキは完成だ……見てってもいいか?」
「ん〜……まぁ……いいんじゃねえの?」
完成した寿司を青峰の所に持っていった。青峰は寿司を見て驚くことはせず、弓場も寿司を見てとは言ってこない。
弓場は他の奴等がどういう感じの寿司を作っているのか見に行っていいかどうかを聞けば許可が降りたので直ぐにまだ調理中の面々を見に行った。
「いや〜……缶詰メインだから実際に作るのははじめてだわ」
ハッハッハと笑顔になりながら宇井は鮪をほぐしてマヨネーズに混ぜていた。
柿崎は宇井が作った寿司を見る。鮪、ネギトロ、鉄火巻、炙りマグロ、漬けマグロ、そして今作っているのがツナマヨの軍艦巻き……全てが鮪である。
「寿司を1人前作れとは言ったが、なにを握れとは言ってねえ……」
弓場は悔しそうな顔をしている。確かにそうだ。寿司を1人前作れとは言われていたが具体的になにを握れとは言っていない。
だから鮪だけの寿司もアリだ、回転寿司や回らないお寿司屋でもマグロづくしなメニューは存在している。だからなにも違和感を感じる事はない……しいて言うならばツナマヨがいいのか?と思うぐらいだろう。
「うっし、完成だ!」
「……あ……」
ののの寿司が完成したので見に行けばサーモン、鮪、玉子焼き、胡瓜、海老が巻かれた大きな太巻きが出来ていた。
具材が豊富な太巻き1本で1人前になる代物だと柿崎は謎の恐怖に駆られる。宇井の鮪だけの寿司、ののの豪快な太巻き、ならばと照屋を見てみれば自分と同じネタを寿司にしていたので少しだけホッとしていたが直ぐに驚く。サーモンの寿司にガスバーナーを点火して焼き目をつけて香ばしさを出したのだから。
「よし、出来た」
「……」
ほんの少しだけ一手間を加えているが、ただそれだけで自分が作った物と大きく異なる。
小太郎の方をちらりと見てみれば牛肉と豚肉を焼いており、炙り肉の寿司を作っていた。
「出来たっす!」
最後に帯島が完成した。
一同は寿司を持って青峰の所に向かうが柿崎は俯いていた。
帯島、柿崎、弓場は定番の寿司だ、寿司1人前と聞いたら簡単に浮かぶ寿司1人前だ。
照屋は炙ったりポン酢を使ったりしている。小太郎のは定番の鮪もあればチーズを使ったサーモンや肉を使ったりしている。ののは豪快な太巻きだ。
「寿司作りで見えるのは……想像力がどれだけあるかか?」
「……まぁ、そこは見てるか見てないかで言えば見てる……別に普通に寿司を握ってきても文句は言わねえよ。コレこそが定番だって言う寿司を作って、ああ、コレが皆が知っているお寿司なんだなは悪いことじゃねえんだから」
「それじゃあ、それじゃあダメって言いたいんだろ!?」
「ダメとは言わねえよ……」
「アオミネさん、コレってなにを見てるの?ゆばさんは想像力って言ってるけども」
「別にこの人はこういう感じな人間だって見るだけで、否定はしねえよ。寿司の伝統を守った綺麗なのは悪くねえよ」
弓場と柿崎はダメな寿司を作ってしまったと思い込む。
寿司の定義が曖昧な遊真はなにが正しい寿司なのか、青峰がなにを見ているのか?少なくとも自分にはどれも美味しそうな料理に見える。
青峰がなにを見ているのか、それは寿司と言う課題に対してどれだけの想像力を膨らませる事が出来るかどうかと2人は思うが青峰は伝統を基礎をしっかりと守っているのだと見る。
「寿司ってのは伝統食で決まった形が存在している……だから、そのセオリーを守っている事は悪いことじゃねえ。実際問題、ちゃんとした寿司屋じゃツナマヨとか豚肉の炙り寿司なんて出てこねえんだ」
「なんで出てこないんだ?なんか特別な材料、じゃないよな?その辺の食料品店で買ってきた材料で作れるんだよな……」
「さて、それに関してはオレもよく分からねえな。ツナマヨは焼いて解した鮪とマヨネーズで出来ている。マヨネーズの基本的な原材料は酢、卵黄、油の3つだ」
「……調理法が違うぐらいなのに、なんで作らないんだ?不味いのか?」
「いや、美味しいよ。酢飯の酸味と合ってて……ただ基本的には回らないお寿司屋じゃ……私も人に言えるぐらいに回らないお寿司屋入ってことはないんだけども、見た覚えは無いわね」
素朴な疑問を遊真が投げかければ、宇井は美味しいという。ツナマヨ寿司は美味しい、材料的にも美味しいんだ。
でも、寿司を作れと言われて真っ先に浮かばなかった。鮪だけの寿司と言われていぜ目の前に出されたとしても簡単に受け入れる事が出来る自分が居るのに。
「迅悠一はボーダーでも最強格の実力者だ……予知と言うサイドエフェクトを持っているから?いや、違う。それを抜きにしても迅悠一は最強格だ。才能と言う点もあるが、めんどくさいと言わずに積み上げてきた物があるからだ……そして今も努力をして研鑽を積んでいる……才能もあって努力をして知恵も回る奴にどうやって一矢報いる?」
「それは……………………………もっと努力」
「帯島、もっと現実を見ろ。努力ってのは極端な話如何に効率良く動けるかどうかを学んでるだけだ」
「………………その人と同じ事をしない、すか?」
「100%同じ事をしないってのは無理がある。ただ、同じ
「…………新しい事に挑戦する事ですか?」
「それも正解の1つだろう、この道はこのやり方は自分に遭わねえって潔く諦めて他の事をする……大手の回転寿司屋はハンバーグの寿司やチーズを使った寿司もある。そしてそれが割と受けていて売上を叩き出してる」
「けどよ、そういうのを出してなくても成功してる王道な寿司屋も存在してるじゃねえか!新しい事を取り込めるのは絶対に正しいってわけじゃねえぞ?」
「だからそれも正解の1つって言っただろ……コレは数学の2+2=4みたいなちゃんとした答えがある問題じゃねえ」
帯島の出した答えに対してののはそれが絶対に正しいとは違うと意見を述べる。
青峰も新しい事に挑戦できる事は1つの答えだが、それだけが答えじゃない。
「個人総合1位の太刀川はサイドエフェクトがあるわけじゃねえ、A級の権限を用いて専用のトリガーを作ってるわけでも異常なまでにトリオンが多いわけでもねえ。ただただ単に強い。それを才能か、恵まれた環境下だったから、努力を惜しまなかったから、認識は人それぞれだが少なくとも総合1位の座に登りつめた事実だけは紛れもなく本物だろう……王道を極めるってのも決して間違いじゃねえんだ。ただ……人には個性と言う物が存在している。個性ってのは決してプラスだけじゃねえ、マイナスな方面も存在してる……はい、この話終了だ。別にお前達に対しては想像力とかを試してるわけじゃねえんだ…………それ食ったら訓練するぞ」
「……え?」
「なんだ?もう満足なのか?まだ寿司作っただけで体を全くと言って動かしてねえだろう……オレは寿司作りでどういう感じなのかを見てるだけで、それに関してああだこうだ言って個性を奪って規律で纏める日本の抑圧的な教育はしねえよ?お前達が太刀川の様になりたいってならば頑張れと言えるんだから」
あくまでもそういう人なんだなぐらいの認識をするぐらいであり、訓練するかしないかで言えば訓練はする。
まだ訓練がはじまってすらいないと言われれば一同はキョトンとするのだが訓練は一切始まっていない。ホントにただ単純に寿司作らせてその人の個性を現しただけに過ぎない。
「アオミネさん、おれも寿司食いたい」
「絶対に材料余ってるだろうから、オレの下手な腕でよかったら寿司を握ってやるよ」
当人が何処かズレているのだが、少なくとも寿司を作らせただけに過ぎないんだ。
柿崎達はこれからが本番だと寿司を食べる。自分で作った寿司はやっぱり何時も食べる寿司よりも美味しい気がする。
「んじゃ、やるとしてだ……訓練と言ってもオレからああだこうだ口出しすることはしねえ。強い奴と戦うことで自力で学べ……本気で上を目指す以上は答えを自力で見つけ出さなきゃいけねえ…………豪快チェンジ」
『ゴーカイジャー!』
食後にはトリオン体に換装し、仮想訓練室に向かう。青峰はゴーカイセルラーを取り出してゴーカイシルバーに換装した。
ボーターとは全く異なるトリガーを見て照屋達は驚く。
「玉狛だ城戸だ忍田だ色々と派閥はあるかもしれないが、あくまでもそれは競合相手……本当の意味での敵はランク戦には居ねえ。向こうの世界から侵略を目的とする近界民が共通の敵だ。弧月やスコーピオンを使ってくれるとは限らねえだろ?」
常に自分の想定している相手だと思えば大間違いだ。
青峰は最もらしい正論を述べれば帯島はその通りだと納得する。青峰は防戦する側の利点として上げられる地の利や数の利を活かしたりしないのかを聞いてみるが、常に自分にとって優位な盤面であるとは限らないのだと1人で戦うことに。見るのも大事なことだから柿崎達は見ることに。
「じゃあ、先ずは軽く」
青峰は間合いを取った。
間合いを取ったという事は中距離以上での攻撃で攻めてくると一同は見ており、帯島は相手の好きなように戦わせてはいけないのだと弧月を手にして近付くのだがゴーカイスピアのガンモードの弾が撃たれる。
帯島は咄嗟に縮小したシールドで防ぐのだが、ヒビが入り1発耐えるのだけが限界なんだと思い知らせるのでシールドには極力頼らない、どうにかして銃の間合いじゃなくて剣の間合いに入ろうと詰め寄るのだが
「それは槍の間合いだ」
青峰はゴーカイスピアをガンモードから三叉のスピアモードに切り替えた。
銃を持っているという認識だった帯島はいきなりの槍の登場に驚き、急には体を止めることは出来ずにゴーカイスピアに貫かれる。
「もう1回!」
ゴーカイスピアは銃でもあり槍でもある。帯島は認識を改めた。
槍から銃に銃から槍に切り替わる結構変わった武器なんだと思っていると再び距離を開いたので銃撃戦を望んでいるなと思った帯島はならばとハウンドを出現させるのだが青峰はマジシャインのレンジャーキーをガンモードのゴーカイスピアに刺した。
『ファァアアイナルゥェイィイブゥ!!』
「ゴーカイシャイニングオーシャン」
青峰はそう言いゴーカイスピアの引き金を引いた。
それと同時に帯島が出したハウンドが青峰の元に向かっていくのだが、青峰が撃った弾は無数に拡散して帯島のハウンドを全て撃ち落とすだけでなく何発かは帯島の元に向かっていき咄嗟の反応だったがシールドを展開する。しかし、光り輝く弾は曲がりシールドを突破した。
「っ……もう1回お願いします!」
予測がつかない攻撃、見た目に反して色々強い。ふざけているかの様に思える時が無かったと言えば嘘になるが、少なくとも青峰は強かった。
帯島はゴーカイシルバーになった青峰に何度も何度も挑む。新しい手を使ってくる時もあれば既に既存な手を使ってきた。時には純粋な技量で負けたりもしている。
「もう1回」
「帯島ァ!お前だけじゃねえんだ、次が居ることを忘れるんじゃねえ!」
「す、すみませんッス!照屋先輩、どうぞ」
「ええ……いかせてもらい」
「豪快チェンジ!」
『マージレンジャー!』
「輝く太陽のエレメント、天空勇者マジシャイン!」
「……っ!?」
「アオミネさん、結構エグい事するな」
帯島が戦った事により青峰のスタイルが見えたのでそれを参考にして突破口を切り開こう。
照屋はそう考えていたのだが、青峰はゴーカイシルバーからマジシャインに切り替えたので戸惑う。今まで見てきた物とは一瞬にして変わった。
今まで積み上げてきた物がデータが参考にならない。見ることで格上に勝てる方法を模索していた照屋の努力を無駄にした。青峰は動揺している照屋に対してマジランプの弾丸を撃って貫いた。
「もう1回お願いします」
頭の中が冷静になった照屋は次を要求する。
ならばと今度はジュウオウザワールドに豪快チェンジすれば更に違う形態があるのかと動揺するのだが2度目なので直ぐに突撃銃を構える。
「本能覚醒!」
『オーオー、クロコダーイル!』
構えた突撃銃から放たれるアステロイドだったが、それよりも先に青峰はクロコダイルの強靭な防御力で受け切る。
自分のアステロイドで倒せないと驚くのだが青峰は追撃の手を緩める事はせずにジュウオウザライトを取り出す。
「本能覚醒!」
『オーオー、ライノース!』
初期フォームのライノスフォームに切り替わるとジュウオウザロッドを釣り竿モードに切り替えて、糸を伸ばす。
目的は言うまでもなく照屋の持っている突撃銃と腰に携帯している弧月であり2つに糸が絡めばライノスの強靭なパワーで引っ張られる。
「本能覚醒!」
『オーオー、ウルフー!』
武器を奪えば時間の勝負。
ウルフフォームに形態を切り替え照屋の背後に目にも止まらぬ速さで回り込み、渾身の拳で照屋の顔を貫いた。
「っ……」
「剛力に防御に素早さ……欠点は」
「いや、ある!それぞれが」
「野生大開放!」
ライノスの剛力
クロコダイルの強靭な皮膚
ウルフのスピード
どれも脅威だと柿崎は口にして突破口が無いのかを考える。
3つはどれも驚異的な能力だが、それぞれ個性的が故に1個しか長所が無いと弓場は言おうとしたが青峰は野生大開放を使った。
ライノスの剛力、クロコダイルの強靭な皮膚、ウルフのスピード、全てを同時に使える形態に変化して照屋にショルダータックルをくらわせれば照屋のトリオン体がグチョグチョになるが訓練室なので直ぐに再生する。
「剛力と防御と素早さが同時に出来ないと思ったか?お前達とはレベルが違うんだよ!次は誰が来る!」
「俺だ!」
「弓場……一応は帯島の訓練だぞ?」
「そんな未知のトリガー相手じゃ我慢出来ねえよ!」
「なら、豪快チェンジ!」
『ジューウレンジャー!』
「っ、またか!」
一応は帯島の訓練なのだが燃えている弓場。
やる気があるならば、受けてやるのだと今度はドラゴンレンジャーに豪快チェンジしたら弓場は間合いを詰めながらも拳銃を構える。
弓場の戦闘スタイルは至ってシンプル、射程の短い高威力高速の弾丸を最速で撃つ。弓場はそのスタイルで銃手2位にまで登りつめた男だ、自分のスタイルを見つけている。弓場は最速でアステロイドを撃てるだけ撃ったのだが全て受け止められる。いや、受け止められるだけでなく1つのトリオンの球体に作り上げられており、ドラゴンレンジャーになった青峰は弓場のアステロイドを球体にした物を投げた。
「っ、真正面がダメなら」
弾道が直角に変動するバイパーでいくだけだ。
使う弾を切り替えて撃つ弓場だがその前に青峰は獣奏剣を取り出して吹いており、弓場の放った変化弾を獣奏剣で作り出したバリアで防ぎ
「エンシェントブレス!」
口からトリオンの砲撃を放ち弓場の上半身を吹き飛ばした。
直ぐに再生する弓場だが、この形態に自分の武器は通じないと直ぐに悟らされた。次に小太郎が、最後に柿崎が挑む。
その都度、豪快チェンジで別の形態に切り替わり真正面から撃ち倒す。
「…………ヤベえな……………」
単純に青峰が強いというのもあるのだが、青峰が切り替えている姿が玉狛のトリガーの様に規格外品だ。
壁に大穴をぶち抜いた時になったリュウソウゴールドにはまだなっていない、いったいこいつには幾つ形態が存在してるんだと弓場は疑問を抱くが気にしていたらキリがない。流石にタイマンで勝てないとなれば今度は自分の得意なフィールドで数の利を得て戦おうとするが
『ガブリンチョ!フータバイン!』
キョウリュウゴールドの力で数の利を上回られる。
『オサムやチカが訓練として戦った時とは比べ物にならない程の強さを秘めている』
「アオミネさんが使ってるだけでここまで変わるのか……おれも挑んだらダメかな?」
「B級のボーダーのトリガーならいいけど、自前のは勘弁してくれ……支給品のゴーカイセルラーじゃなくて自前のを使わなきゃならねえ」
「……おい、待て。今なんつった!?」
「だから、B級のボーダーのトリガーじゃねえと無理だって」
「そうじゃねえ…………それ、支給品なのか!?」
散々苦しめられている青峰が使っているゴーカイセルラーは……紅き界賊団の船長ことアカレッドからの支給品である。
青峰用にチューンナップされたわけでもない、弓場達でも使おうと思えば簡単に使える代物であり弓場達は驚きを隠せない。支給品のトリガーだけで自分達をここまで圧倒しているのだから。
「それが支給品って事はお前用のトリガーも」
「あるけど、こっちの方が色々と便利だからこっちにしてる……スペックだけ見れば自前のトリガーの方が遥かに上だが」
「まだ、上があるんスか!?」
「いや、そもそもでこの姿でまだ全力出してねえよ…………レベルが違うんだよ」
これ以上上ならば黒トリガーしか浮かばない弓場や帯島だが、ゴーカイセルラーですらまだ本気を出していない。
特定の条件下だから、持っている武器が規格外だから、色々と理由はあれども青峰は恐ろしいまでに強い。この強さにアカレッドこと紅き界賊団の船長である安室や船長代理である赤司は惚れ込み、こちらの世界の最終防衛兵器としていた。