「先生、大変です!三雲くんと空閑くんが居ません!!」
「え、嘘……もしかして」
クラスメイトの三好がクラス全員が揃っているかの確認で修と遊真が居ない事を担任に伝える。
外では近界民もといトリオン兵が暴れているのでもしかしてと担任は青い顔をし、地響きが鳴り終えたのでシェルターの外に出た。
「近界民が倒されてる!」
担任を始めとする三門第三中学校の生徒達は外に出た。
トリオン兵が綺麗に斬られて動かなくなっている事に驚くのだが、担任の先生は直ぐに修と遊真が何処に居るのかを探すと遊真に肩を貸している修を発見する。
「三雲くん、空閑くん、無事だったのね!」
「は、はい……」
「ライオンがなんとか助けてくれました」
「っちょ、空閑」
修がゼンカイガオーンである事は基本的には秘密事項である。
姿を表に現したので秘密にするのには限界があるのだと判断したのか遊真はゼンカイガオーンもといライオンに救われたのだと担任の先生に報告する。
「ライオン?」
「そういえば近界民が出てきた時になんか居たな」
「私、助けてもらったよ!」
「あのライオン、ボーダーの人なのかな?」
遊真がライオンと言えばゼンカイガオーンの姿を思い出す一同。
ボーダー通の三好も知らない謎のライオン、ゼンカイガオーンは何者なのかと考えていると颯爽と3名の集団が現れた。
「嵐山隊、現着……コレは!?」
「む……誰だ?」
「嵐山隊……ボーダーの顔的な部隊でボーダーの中でも精鋭のA級の部隊だよ」
嵐山隊の隊長である嵐山が現場に到着したことを口ずさむのだが既にトリオン兵が倒されている事に驚いた。
誰だこの人は?となる遊真に三好がボーダーの顔だと説明をしてくれるので遊真は納得する。
「コレはいったい……既に近界民が倒されている。非番の隊員、それともこの学校に通っている隊員がやったのか?」
「え、あのライオンはボーダーの隊員じゃないんですか?」
現場に到着したのに既にトリオン兵が倒されている事に困惑する嵐山。
三好は生の嵐山隊だと興奮しつつもトリオン兵を倒したゼンカイガオーンについて聞いてみる
「ライオン……なんの事だ?綾辻、報告は上がってるか?」
『いいえ、何処の部隊もフリーの隊員もこの学校に通っているC級が等の話は来ていません』
「……そうか」
もしかすると人型の近界民がやったのかもしれない。
謎のライオンについて事情聴取をすると何処からともなく現れたのだと三門第三中学校の生徒は命の恩人だと教えてくれる。
「何者なんですかね、そのライオンは」
「う〜ん」
「あ、あのっ!ここって警戒区域からかなり距離があるんですけどどうして門が開いたんですか?」
ゼンカイガオーンについて調べてみるも助けてくれただけで詳しくは分からずじまい。
それはそれで良しと自分の正体について知られなかった修は気になったのでどうして三門市の外側に近い三門第三中学校で門が開いたのかを尋ねた。
「それに関しては現在、調査中だよ……にしてもそのライオンには感謝しないとな!弟達の命の恩人なんだから!」
「嵐山さん、感謝してはいけません。相手は近界民なのかもしれないんですよ?」
「人の命を救うのに近界民だこっちの世界の人間だ関係あるのか?」
ゼンカイガオーンに感謝する嵐山さんに苦い言葉を掛けたのは嵐山隊のエースである木虎だった。
近界民相手に感謝する事について苦言するので遊真は絡んだ。人の命を救うのに境界線と言うものは何処にも無い筈だ。
「騙されたらいけないわ!近界民は敵なのよ!」
中には有効的なのが居るには居るのだがそれはさておいて木虎は近界民=悪だと印象づける……のだが遊真は冷たい視線を送る。
「お前、つまんないウソをつくね」
「なっ!?」
「ライオンが皆からチヤホヤされてるから嫉妬してるんだろ?」
年頃の子にはありがちなチヤホヤされたい気持ちが隠し切れていない。
遊真はゼンカイガオーンの悪口を言おうとしている木虎に絡みに行くのだがこれ以上絡めば厄介なボロを出すのだと判断した修が間に入って止めた。
「空閑、変に絡むんじゃない」
「自分達が現場に駆け付けた頃には既に事件が解決しててなにもしてないのに偉そうにしてるのムカつくじゃん……オサムはムカつかないのか?」
「別に……僕は誰かに褒めてもらいたいからやってたりするんじゃないんだ。自分がそうすべきだと思ったからしているんだ」
決して誰かの為じゃない、自分の為だと言い聞かせる修。
根っからの真面目というか善人というか遊真は思わず呆れる。木虎が年頃な嫉妬で修もといゼンカイガオーンの悪口を言っているのだが、修はそんな事を気に留めていない。同い年なのにこうも違うものなのかと遊真は逆に感心させられる。
現場検証等を終えてボーダーが破壊されたモールモッドを回収すると何事も無かったかの様に授業は再開される。幸いというべきか破壊された部分がどの学年も使っていない空き教室だった。異世界との戦争が直ぐ隣にある街らしいといえばそれまでなのだが実に恐ろしい事なのである。
「とりあえず、青兄に会ってもらうぞ」
「青兄って、オサムにトリガーをくれた紅き界賊団の人のこと?」
「ああ、そうだ」
授業も無事に終わり、下校時刻がやってきた。
今日は従兄弟に修行をつけて貰う日であり、ついでだからと遊真の事を報告しようと修は考える。遊真は修にトリガーを与えた人だと聞かされればなら会おうと決心し、自宅には帰らずに青兄のところに寄っていくとの連絡を母に入れて市街地を歩く。
「オサム、あん時変な女に会わなかったか?」
「変な女?」
「おれもよく分かんないんだけど急に現れたんだよ。なにか無かったか?」
「……青兄と同じ紅き界賊の人が現れたよ」
謎の女性こと有里彩の事を気にする遊真。
何処からともなく現れたのは確かに気になると修はゴーストを思い出す。
「知り合いか?」
「いや……これから青兄に聞いてみようと思う」
「そうか」
なにか分かればいいよな。少しだけ楽単的だが遊真と修は市街地を歩いていく。
今日も色々とあるなと非日常と隣り合わせな世界に住んでいる事に色々と感じていると警報音が鳴り響く
『緊急警報!緊急警報!市街地に
「なっ!?」
「っむ、またか!」
昼間に引き続きイレギュラーな門が開いた。
今回は空に大きな門が開きムカデの様なトリオン兵が出てきた。
「アレは……なんだっけ?」
『イルガーだ、ユーマ』
「ああ、そうそう。それだそれ」
何処かで見た覚えがあるトリオン兵だが名前が出てこない。
よくある現象が起きていると遊真の指に備えられている指輪からニュインと炊飯器みたいな見た目のトリオン兵……レプリカが現れる。
「え……っと」
『はじめましてオサム。私はレプリカ、ユーマのお目付け役兼相棒だ』
「ど、どうも……じゃなくてあのトリオン兵についてなにか知ってるのか!」
『アレはイルガーというトリオン兵だ。爆撃型のトリオン兵で、使っている国は少ない』
「爆撃型!?」
修はイルガーを見つめるとイルガーが爆弾の様な物を落としている事を確認する。
コレはマズいと感じた修はギアトリンガーを取り出すのだが遊真がセンタイギアをセットする前に止めに入った。
「イルガーの装甲はモールモッドよりも硬い。オサム、これ以上戦うと悪目立ちするぞ」
「でも、だからって見捨てるなんて出来ない」
『どうやら問題は無いようだ』
「えっ!?」
イルガーに視線を向ける遊真。
イルガーにボーダー隊員が……つい先程三門第三中学校に来ていた嵐山隊の木虎がイルガーの背に乗っていた。
「よかった」
『いや、まだだ。私の記録に間違いがないならばイルガーには自爆機能が搭載されている』
「なっ!?」
『キトラという隊員がイルガーを倒すのが先かそれともイルガーが自爆モードに移行するのが先か……』
「……チェンジゼンカイ!」
「オサム、止めとけって」
ゼンカイガオーンに変身する修に待ったをかける。
修の残りのトリオン量的にセンタイギアは2回しか使えない。今の修の実力で、たった2回でイルガーを倒す事は不可能だと判断する。
「戦えなくても爆撃を受けた市街地に避難を、瓦礫の撤去ぐらいなら出来る筈だ。空閑は念の為に木虎を頼んだ」
「ええ〜……」
ぶっちゃけた話、木虎に力を貸したくない遊真。
既に足跡を残してしまっているしこれ以上悪目立ちをするわけにはいかないのだがオサムの頼みでもあるし渋々承諾し、レプリカの子機であるちびレプリカを修に託す。
「大丈夫ですか!?」
そんなこんなで修は人命救助に遊真はイルガー討伐のサポートに出る。
ゼンカイガオーンになった修は早速爆撃があったところに向かう。
「近界民!?」
「ち……瓦礫に挟まれているんですね。えっとこういう時は」
残り少ないトリオンは大事に使わないといけない。
この状況で使うセンタイギアは慎重に選ばないといけないとセンタイギアを複数取り出してこの状況で使える1番のセンタイギアを選ぶ
『41番!ババン ババン ババン ババン ババババーン!キューウレンジャー!』
『ヘラクレスキュータマ!』
「ふん!!」
宇宙戦隊キュウレンジャーのヘラクレスキュータマの力を使い一時的だが剛力になる修。
重たい瓦礫も軽々と持ち上げて瓦礫の中に閉じ込められている一般市民を助け出す。
「あ、ありがとう」
「この場は危険です。直ぐに避難してください!」
「そういう君は……近界民なのか?」
「僕はガオーン、ゼンカイガオーンです……僕の事は気にせず、逃げてください!」
ヘラクレスキュータマの力が続いている間に修は動く。
瓦礫に阻まれて逃げる事が出来なかった一般市民を助け出す。
「む……」
「大丈夫そうですね」
「……またあんたか」
木虎のフォローに回ってくれと頼まれた遊真は自前のトリガーを起動した。
どうやって木虎をフォローするのかと考えていると気配も無く有里彩が姿を現した。
「そう邪見しないでください。私は敵ではありません」
「……あんた何者なんだ?」
「死にぞこないの
「今はね……まぁ、いいや」
何れは敵になる可能性を秘めているとほのめかす有里彩。今は敵ではない事だと判断した遊真は空を見上げる。空にはイルガーとそれに乗った木虎がいた。
「ヤバい、自爆モードに入った」
爆撃するイルガーを一発で仕留める事を木虎は出来なかった。
自爆モードに移行したイルガーを見てコレはマズいと感じた遊真は動く。
「あんたも見てるんだったら手伝ってくれよ」
「と言いますが私にどうしろと?」
「そうだな……とりあえず川に引き摺り落とすからどうにかしてイルガーを破壊してくれよ」
「アバウトな作戦ですが、分かりました」
有里彩がそう言うと有里彩の腰にゴーストドライバーが出現し
『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!』
「変身!」
『開眼!ムサシ!決闘!ズバット!超剣豪!』
仮面ライダーゴースト ムサシ魂に有里彩は変身する。
ガンガンセイバーを取り出して二刀流モードに分割し、有里彩は住居を伝い爆撃をしようとするイルガーに向かって跳んでいく
「このっ!落ちなさい!!」
イルガーの上で
自爆モードに移行しているイルガーの装甲は通常よりも硬く、貫く事が出来ない
「
そんな中で遊真は鎖と書かれた文字を空中に出現させ、鎖を出現させイルガーに向かって飛ばす。
鎖はイルガーに刺さり、イルガーを力いっぱいに引っ張って近くの川辺に落とそうとする。
「っ……」
ゆっくりと落ちていっているイルガーに違和感を感じるのだがそれよりも早く破壊しなければならないと鬼気迫る木虎。
少しずつしかイルガーにダメージを与える事が出来ず、このままだとと頭に嫌なイメージを浮かべてしまう。
『オメガスラッシュ!』
「剣豪抜刀!」
「っ!?」
嫌な事を連想しているとゴーストになった有里彩がイルガーの元に辿り着いた。
木虎が必死になって倒そうとしているイルガーをガンガンセイバーの二刀流で綺麗に真っ二つにし、イルガーは地面に向かって落ちていき……川に撃墜した。
「……あなたは?」
「
有里彩に警戒をする木虎。
敵対する意志を今は見せていないが見たことが無い相手だと警戒をするのだが……有里彩は、ゴーストは突如として姿を消した。
「!?」
突如として消えたゴーストに驚く木虎。
直ぐにトリオン体に標準装備されているレーダーを展開するのだが何処にもゴーストは写っていなかった。
『どうやら無事にイルガーを撃墜する事が出来たようだ』
ちびレプリカにイルガー撃墜に成功した報告を受ける。
どうやら無事に終わったとホッとしつつもセンタイギアを取り出した。
『17番!ババン ババン ババン ババン ババババーン!カークレンジャー!』
「はっ!」
煙玉を地面に叩きつけ、修は姿を消した。
「どうやらオサムは無事に撒いたみたいだな」
修が姿を消した事をレプリカの本体から報告を受ける。
遊真もイルガーに撃った鎖を消して人目がつかないところに移動した後にトリガーを解除し、レプリカ誘導の元、修と再会を果たす。
「やったな」
「ああ」
遊真と修は人知れず三門市を救った。
功績は全て木虎の物になったりするのだが肝心の木虎はゴーストがなんなのか気にしていた。
「この場はボーダーに任せて早く青兄のところに行こう」
修と遊真は青峰の住んでいるアパートに向かっていった。