作戦決行日の夜、平和な日本の空では平和とは程遠いものがいくつも空を飛んでいた。夜間戦闘のため各隊員はストロボのチェックを行い作動するか確認する。
アマテラス「アマテラスからアルファ1、2、3応答せよ。」
アルファは汎用ヘリコプター「ブラックホーク」のパイロット。1,2,3は機の名前。
アルファ1にプレデター隊、アルファ2にセイバー隊、アルファ3にキャスター隊が搭乗。
アルファ1「こちらアルファ1よく聞こえる。感度は良好。現在お客様を10名乗車中。」
アルファ2「こちらアルファ2同じく聞こえる。こちらも10名乗車。」
アルファ3「こちらアルファ3以下同文。送れ」
アマテラス「了解した。現在は空域は封鎖されており君たちしかしない。また護衛のためAH-64Dアパッチ5機が君たちを守る。突入しプルトニウムを確保し無力化せよ。」
チーフ「各員跳弾には十分注意しろ、訓練通りやればすぐ終わる。」
S隊員「本当に制服を着た女たちに会えますかねー?」
S隊員「本当かどうかまだわからんぞ、その制服女は人質かもしれないしな。」
S隊員「まあ会ったら少し話して向こうがどう出るかだな。」
高橋「お前ら、そろそろ現場空域に入る。集中しろ。」
ポセイドン(特別警備隊)「ポセイドンからアマテラス応答せよ」
アマテラス「こちらアマテラス、ポセイドン送れ。」
ポセイドン「こちらポセイドン、高速で接近しているボート10艇タンカーに急速に接近している。人数は不明。明らかに普通のボートではない。注意されたし。」
アマテラス「了解した、ポセイドン。こちらで対応する。アマテラスから各隊員へ、先ほどタンカーに謎の高速ボート10艇が接近するのも確認した。注意しろ。」
S隊員「まさか敵の増援か?」
S隊員「それなら特警隊が見逃すしたということか?」
高橋「制服の着た女だったりしてな」
チーフ「そうだとしても俺たちがやることに変わりはない。タンカーに近づいてきた。そろそろだ。」
一歩千束たちは……
千束「たきな~これすっごい早いよ~。」
たきな「千束、落ちますから座ってください!」
千束「およ、たきな~抱きつくなんて、だ・い・た・ん」
たきな「千束のためです!落ちたらケガで済むものではありませんし。」
千束「わかってるよ、たきな。ごめんごめん。それよりも…」
ドドドドドドドドドドドド
たきな「ええ、明らかに民間のヘリの音ではなさそうです。私黒いヘリコプター見たの初めてです。というか編隊飛行?というんですかね。なかなか圧巻ですね。」
千束「私もはじめてだよ。それに明らかに物騒なもの持ってきてるし。」
千束がいう物騒なもの、それはアパッチのことだろう。30mmチェーンガンにヘルファイア対戦車ミサイルを搭載。アパッチのなかで一番威力が低いのが30mmチェーンガンだが、12.7mmで人体は真っ二つになるといわれたことがある。その倍以上の大きさを人間に撃つとどうなるのか。原型はとどめず、その場に人がいた形跡すら残るかわからない。それほどのものだ。
たきな「私たちあれに撃たれたら…」
千束「大丈夫たきな!そのためにあるもの持ってきました、じゃー-ん。」
たきな「これは…白い布?」
千束「もし会ったらこれを振って解決するはず!」
たきな「今の時間帯でみれるのでしょうか…」
千束「千束お姉ちゃんに任せなさい!。」ドンッ
リコリス達「(これがファーストリコリスで最強のリコリス……大丈夫かなあ)」
チーフ「よしおまえら、そろそろ降下準備だ!」
アルファ1「これよりアプローチに入る。準備しろ!」
アルファ2「待て、甲板に動きあり!あれは……まずい!!」
アルファ3「対空砲だ!おいおいおいSAM(対空ミサイル)もあピピピピピピピピピピ、ロックオンされている!」
アルファ1「アルファ3フレアで回避行動!!!」
アルファ3「フレアフレア!!右にブレイク!!右にブレイク!!出力上げるぞ捕まれー!」
エンジン音が甲高い音を立てながらぎりぎりのところでミサイルを回避する。しかし回避した場所には対空砲の射程圏内にはいっておりそのまま
ぶうううぅぅぅぅぅぅぅうううううぅううぅぅうう
20mmバルカン砲が機体に無数の穴をあけ、たまらず高度を下げる。
アルファ3「被弾した!被弾した!メーデーメーデーメーデー!こちらアルファ3!墜落する!ブラックホークダウン!ブラックホークダウン!」
そしてそのままアルファ3は海上へと叩きつけられた。
アルファ1「アルファ1からアマテラス!!アルファ3が墜落、墜落した!特警隊に援護を要請!」
アマテラス「こちらアマテラス、状況は確認した。特警隊を向かわせる。君たちはアパッチが援護しなんとかする。君たちは今すぐ降下しろ。」
アルファ1「くそ最悪だ。訓練でもこんな想定なんてしたことない。」
攻撃ヘリアパッチ、コードネームは「アタッカー」。アルファ1、2、3を守るために攻撃する。しかし対空砲の弾幕が激しくヘルファイアミサイルは次々と落とされていく。
アタッカー1「あれは自動追尾系の対空砲なのか!!なぜこれほどの装備を持っている!アタッカー2アタッカー3クロスで組んで対空砲を破壊しろ!」
アタッカー2、3「了解!」
アタッカー2。アタッカー3はお互い交差するよう配置し同時にヘルファイアミサイルを発射。一発は対空砲により撃墜されたが対空砲の後ろから発射されたヘルファイアミサイルは見事に命中し対空砲は沈黙した。
アタッカー2「対空砲一基黙らした!残り一基だ!」
アタッカー4「最後の対空砲はこちらでやる!アタッカー1,2はSAMの破壊を!」
アタッカー1「了解した、SAMは任せろ!」
アルファ1「彼らが引き付けているうちに降下するしかない!アプローチに入る!!」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
アルファ1「よしいけ!GOGOGO!!」
S隊員「降下!」
次々とプレデター隊が甲板へと地に足をつけていく。アルファ2もアパッチの援護のおかげで降下していく。
高橋「よしプレデター隊降下した!これより突入する」
セイバー「セイバー隊も降下完了した。」
降下できた彼らはすこし安堵する。そして彼らはふと空を見上げた。飛んでいるアパッチ5機は奮闘している。しかし回避するにもフレアの数には限りがある。なにより彼らパイロットも近距離で対空砲やSAMを避ける訓練や想定などしていなかった。
プレデター「プレデターからアマテラス!Sは全員乗船した!直ちに航空隊を帰投させろ!」
アマテラス「了解した、帰投させる。」
千束「…………墜落……した」
たきな「あんな重装備なんて…」
千束「助けに…助けにいかないと!このままだと。」
たきな「待ってください!私たちには真島を捕らえる任務があります。きっと自衛隊の方が救助に来るはずです。それにくるみがいうには最強の特殊部隊です。きっと大丈夫です。私たちは私たちのことに集中しましょう。」
千束「……うん、わかった。」
今のタンカーは対空に目を向けていたため船から侵入するのは難しくなかった。またテロリストたちも降下した特殊作戦群と交戦し、ある程度の戦力は向こうにいっていた。フキたちもうまく侵入しテロリストと交戦、だがフキたちなら何とかなるだろうと千束は考えたきなとほかのリコリスと一緒に制御室へと向かっていった。
パシュパシュパシュ
高橋「こいつらいいもの着てるせいでなかなかしぶといな!」
チーフ「頭だ、頭を狙え!」
降下した特戦群は一人また一人とテロリストを葬っていく。常人離れした射撃、格闘術、精神、肉体、頭脳。どれをとっても一級品なのは間違いなかった。武装したテロリストも最初はリコリスだとばかり思っていた。しかしふたをあけてみればどうだ。性別が違えば装備も全く違う。何より動きが明らかに普通に訓練を受けた女の動きではない。防弾ベスト、防弾ヘルメット、そしてずっしりとした銃器。明らかにリコリスが使うものではない。なにより殺意の密度が違う。そう感じるほどあれはやばいとテロリストたちはだんだんと本能で感じてきていた…………
甲板にいたテロリストらは倒れピクリとも動かない。本当に死んだか頭に鉛玉を一発、また一発と確実に息の根を止める。
チーフ「これより中に突入する。かなり狭いと思われる。各員注意しろ。」
S隊員「突入する……」
千束「全然倒れないんですけど!!」
たきな「千束の考えは最大限尊重しますしわかりますが今回ばかりはやっばり実弾のほうがよかったのでは!!」
千束「だっていつもならこうちょちょいとできるからぁ」
たきな「こんな狭いところでは流石の千束も弾を避けるのは無理ですか?」
千束「避けるスペースがなかったら流石に無理、相手も複数人で交互で撃ってくるから接近戦も無理も無理、スタングレネードは?」
たきな「ありますが距離があって届くかわかりません。ただでさえそこまで数はありませんし」
千束「ああもう部屋なら私が隙をみてはいれるけど、一本道はなぁ。フキが来たらなにかすこし変わるかもしれないのに。」
高橋「動くな。」チャキ
フキ「……」
サクラ「ちょっ、うちら怪しいもんじゃないっす!」
高橋「怪しいやつらはそういうんだ、辞書に書いてないか?」
サクラ「そんなの初耳っす!」
S隊員「まじでいたぞ、制服を着た女たち…」
S隊員「それも見た目は完全に子供、高校生ぐらいか?」
S隊員「発音も完全に日本人と変わらないように感じる。まさか本当に日本人の子供が…」
チーフ「明らかに銃器に慣れている。君たちに問う。何者だ。」
フキ「(さてどうする。流石に撃ちあうのは避けたい。ただでさえこいつらが硬いせいで弾薬も余裕はない…それに相手はテロリストじゃない。だからといって存在を明かすのも……強硬手段しかないのか。落ち着け、考えろ。ファーストリコリスとして何が最善かを…………」
高橋「んん??(あの制服の子たちどこかでみた。あれは確か、そうぶつかった女の子の服とそっくりだ。あの赤い服は…間違いない。鞄も一緒。じゃあ鞄から火薬のにおいは硝煙の匂い?)……なあ一つ質問に答えてほしい。」
フキ「なんだ、答えなかったらハチの巣にでもするつもりか?」
高橋「それは質問の答えによる…………井ノ上たきな、錦木千束、この二人に身に覚えは?」
フキ「!!」
チーフ「一瞬動揺したな。何者だ?」
高橋「俺がネットで有名な喫茶店を調べているときにぶつかった女がいたんです。それが今言った錦木千束とその後ろにいた井ノ上たきなという子です。確か喫茶リコリコの看板娘っていってましたね。」
チーフ「ふむ、どう思う?」
高橋「俺ですか?」
チーフ「このなかで洞察力に一番長けているのは君だ。それにあの赤い服の子はどうやっても口を割らないだろう。」
高橋「俺は………(あの子たちがこんな人殺しみたいなことをするのか?いや全くといっていいほど似合わない。あんな笑顔が似合う千束ちゃん、おとなしい子だけど思いやりがあるたきなちゃん。目でわかる。千束ちゃんとたきなちゃんがたとえ今回の事案に関わっているとしてもなにかわけありということか?それにこの赤い服の子の目…我々に敵対している目には見えない。後ろにいる子たちも敵対というよりかは…悩んでいる?それに赤い服の子以外は隙がありすぎる。まるで私たちが抵抗しなかったら撃たないでしょ?みたいな態度に見えるし。ていうかなんか喜んでいる子もいるし。なんか戦闘はあれだげとそれ以外は本当に年相応に見える。演技にも見えない。それにこの子たちがテロリストと戦っているところも見た。つまりテロリストもこの子達を敵視しているということか……)俺は…敵ではないと判断します。」
チーフ「そうか、そう感じたんだな?」
高橋「はい、テロリストは我々と同じように彼女らを敵視していました。それに彼女らかは敵対する目には全く見えませんしやはりどうみても日本人です。なにかわけありだと判断しました。」
チーフ「わかった、議論している暇はない。この子達を拘束して連行する時間も人 手もない。見たところそこそこ戦えるようだ。本来なら君たちみたいないたいけな少女を戦わせるのは気が引けるが…まあ我々が先陣を切ればいいか。S1,2,3,4は先導しろ!残りは後ろを頼む。」
S全員「了解」
フキ「我々が敵ではないと信じるのですか?」
高橋「そうだな。それに千束ちゃんとたきなちゃんとはお友達なのかな?」
フキ「友達ではありません。」
高橋「そうか、しかし無関係ではないだろう。特に千束ちゃんの制服と一緒に見えるしね。」
フキ「……」
高橋「君の仲間を見ればわかる。我々が戦ったテロリストとは違うとね。それに君は我々を敵対する目をしなかった。ふつうは敵かもしれないものにあえば敵対する目もしくはそれに似た目をする。しかし君はしなかった。まるで我々がここにくることを想定したかのようにね。」
フキ「………」
高橋「よって敵ではないと判断した。」
フキ「そうですか。洞察力に長けているのは本当なんですね。」
高橋「君たちがどんなことをしているか俺にはわからんがそこそこの実戦を積めば勝手に身につくよ。君たちは俺たちの後ろにいるよう頼む。」
フキ「我々も実戦経験はありますし戦えます。無駄な気遣いは不要です。」
サクラ「そうっすよ!うちらは戦えるっす。」
高橋「だが君たちが持っているVector(10話エレベータ―前で待ち伏せした時の銃)では火力不足だろう。それに見たところ防弾ベストもつけていないように見える。ここは我々に任せてほしい。」
フキ「……わかりました。しかし手こずる場合があればその時は」
高橋「ああ、それはほぼないだろう。安心してくれていい」
フキ「随分自信がおありなんですね。」
高橋「自分を信じることができないやつはこの部隊にはいないからな。それに虚勢ではなく確実な実績と経験のもとになりたっている。任せろ」
フキ「わかりました。そこまでいうのであれば任せます。」
高橋「それはよかった。では行くとしよう」