リコリスとS   作:マルチカム

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君に殺しの才能はないよ、千束ちゃん…

 

一方千束たちはなんとかスタングレネードを使用し無事に突破。真島がいるかもしれない制御室に向かっているところだが問題があった。

 

千束「これどうやって打ち破ろう……」

 

たきな「完全に溶接されています。バーナーで破るのはほぼ不可能でしょうし。」

 

千束「うーん、迂回するしかないかなぁ」

 

たきな「いえ、きっと迂回できるところも溶接されていると思います。」

 

千束「だよねぇ~。いやまじでこれは困った。フキたちこれを破る道具とか持ってきてるっけ」

 

たきな「わかりません。まさか扉ごと溶接するなんて。………!!伏せて!!」

 

千束「!!」

 

リコリス「防御!!」

 

バババババババババババババ

 

彼女らの後ろにはAKライフルをもったテロリストがいた。人数は最低でも15人。リコリス、たきな、千束も反撃するが圧倒的に装備も場所も完璧に劣勢。狭い船内の廊下では簡単に身動きができない状態だった。前はテロリスト、後ろは溶接された扉。八方ふさがりだった。

 

リコリス1「うっ」

 

リコリス2「ぎゃっ」

 

リコリス3「このままじゃ…やられ…ぐっ」

 

たきな「千束このままだと!」

 

千束「わかってる。隙をみて私が銃弾をよけて接近戦に」

 

たきな「こんな狭い場所で乱射されているのに避けきれるんですか!」

 

千束「確かに一本道だし怪しいところだけどやるしかないよ」

 

たきな「それに相手は私たちが今まで相手してきたテロリストではありません。私たちが使っている非殺傷弾では倒せるかもわかりません!リコリスが使った実弾でさえあまり効いてるようには見えませんでした。無理があります!」

 

千束「でも方法がこれしかないよ、たきな。大丈夫。私を信じて、ね?援護頼んだよ。」ダダダ

たきなは落ちていた実弾入りのVector を拾い発砲する

 

たきな「ああもうぅ!」パシュパシュパシュ

 

テロリスト1「突っ込んできたぞ!」

 

テロリスト2「くそ、なんで当たらない!」

 

千束は予測し、見えているかのように避けていく。まるで弾自体が意思をもって千束を避けているのかのように錯覚するほどにだ。そして千束は至近距離から弾を撃ち込んでいく。怯んだ隙にリコリス達、たきなも鞄を盾にし防弾のクッションを最大限活かし、接近鉛玉を撃ち込み、たきなは拘束具を使い、捕えていく。そして無事テロリスト全員を無力化した。

 

千束「ふぅーなんとかなったね。」

 

たきな「どうなるかと思いましたが。」

 

千束「まぁとりあえずはよかったよ~」

 

……その時、死体の中から動く人影をリコリスたちは気づかなかった。テロリストの一人が隠し持っていたナイフでワイヤーを切り、ホルスターにしまっていた拳銃を千束に向けていた。あの中で千束がリーダー格と見抜いたのだ。リコリスは負傷したメンバーの治療で気づかない。そしてトリガーを引こうとした瞬間………

 

たきな「!!…千束!」ドンッ

 

千束「え、」

 

パァン!

 

弾は千束には当たらなかった。代わりとしてたきなの右腕に凶弾が撃ち込まれた。

 

たきな「あああああああああああああ!!」

 

千束「たきな!!」

 

悲鳴を聞いたリコリスはすかさずそのテロリストにありったけの鉛玉をお見舞いされ、やがて力尽きた。

 

千束「たきな!たきな!しっかりして!」

 

たきな「ううううあぁぁぁぁぁぁくぅぅぅ…千束ケガは……」

千束「私は大丈夫だから!出血が酷い…止血を…」

 

通常の9mmであれば腕ならばすぐに致命傷になる可能性は高くはない。適切な処置をすれば戦闘を継続することも可能である。そう普通ならば……テロリストが放ったのは「ホローポイント弾」弾頭がへこんだ形になっており対人、対動物用として知られ着弾時に先端がキノコ状に変形、拡張し運動エネルギーを効率的に与えることができ、殺傷力が高い弾として知られる。

 

たきな「私をおいて行ってください、千束…」

 

千束「できるわけないでしょ!このままだと………」

 

コツ……コツ……コツ……コツ

 

千束「まさか…こんなときに!」

 

手の空いているリコリスは足音がする方向に銃を構える。今か、今かと指にトリガーをかけ構える。そして……

 

S隊員「!制服を着た女を確認!!」

 

チーフ「発砲は待て!………君たちに告ぐ。こちらは陸上自衛隊のものだ!敵対する意思がなければ武器をおろせ!。繰り返す。こちらは陸上自衛隊だ!、抵抗する意思がなけれな武器を降ろせ!」

 

リコリス3「ど、どうする?」

 

リコリス4「でも嘘だったらどうすんの。」

 

リコリス5「やるしか…ないのかな。」

 

フキ「……!!千束、たきな!」

 

千束「その声?フキ?フキ!たきなが…たきなが!」

 

フキ「おまえら銃をおろせ!くそ、なにがあった。」

 

千束「たきなが私をかばって…」

 

フキ「くそ、明らかに出血量が多い。この場ではどうすることも…」

 

千束「そ、そんな…」

 

絶望するなか、特戦群は今の会話を聞いていた。

 

高橋「衛生!緊急の輸血パックを出せ!千束ちゃん、たきなちゃんの血液型は?」

 

千束「え…え。た、高橋さん?どうして……」

 

高橋「話はあとだ!たきなちゃんの血液型は!」

 

千束「え、えっと」

 

フキ「A、A型だ!」

 

高橋「衛生、この子を任せる。あと2人はこの場に残って守れ、女の子守ることぐらい容易いだろ?情けはかけるな、クソ野郎どもが来たらぶちかませ」

 

S隊員「了解」S隊員「了解」

 

高橋「千束ちゃんここにいたら邪魔になる、移動しよう」

 

千束「で、でも!」

 

高橋「日本最強のメンバーがたきなちゃんを守ってくれる。大丈夫だ。」

 

千束「でもでもでも……ごめん………たきな、本当にごめんね。私のせいで、私がもっと注意していれば………そもそもやっぱりこれじゃダメだったよね……」

 

千束はKSGを見てつぶやいた。高橋は周りを見渡す。赤いペイントがテロリストのいたるところに付着していたところを。そしてこれらは特戦群が訓練を行う際に使う非殺傷弾に近いものだと。

 

高橋「(なぜ実弾ではないんだ?生け捕りが目的?いやほかの子は明らかに実弾だ。何か理由があるのか……)確かに非殺傷弾ではなく実弾だったらそこそこの威力もあり、たきなちゃんが撃たれることもなかったかもしれない。しかし今回のテロリストはたとえ実弾でも倒せるか怪しい。5.56mmでも有効かというとYESとはいえない。今回のテロリストはそれほどの防弾性能を有したものを持っている。それにこんな閉所空間でよく全滅せず生き残ってくれた。君は最善を尽くした。俺が保証しよう。そしてたきなちゃんも助ける。だから気にするななんていわない。今できる最善をしよう、千束ちゃん。」

 

千束「……………うん、そうだね。しっかりしろ千束。」

 

フキ「ったく、ほら千束、ここはこの人たちに任せて真島を潰しに行くぞ。」

 

高橋「真島?という人物はテロリストか?」

 

千束「えっと、………因縁の相手的な?ものですよ。」

 

高橋「なるほど、その人物をなんとかしないと任務を達成できなさそうだな。」

 

千束は「真島は千束がなんとかするからフキと高橋さんはほかのテロリストを頼みたいかな。」

 

フキ「おい、千束!」

 

高橋「それは危険すぎる。複数人でいったほうが」

 

千束「ううん、大丈夫。今まで何度もあったからね」

 

高橋「(何度も?やはり我々が知らない日本のどこかでテロに近い出来事が行われているということか。日本の治安は劇的によくなったというのは日本人なら誰でも知っている…。もみ消していると判断するのが妥当か?)そうか、わかった。」

 

フキ「千束、逃がしたらただじゃおかねぇからな。」

 

千束「もちろん、任せて…と忘れてた。ねぇフキこの溶接された扉壊せない?」

 

フキ「……難しいだろうな。迂回して探すしかない。」

 

高橋「いや、我々がなんとかしよう。負傷者を扉から移動させよう。」

 

千束「なんとかなるの?」

 

高橋「任せろ。」

 

負傷したリコリス、たきなを安全な位置まで移動。そして高橋とSの爆破係がC4爆弾を4つ設置し、起爆させた。

 

ドンッ!!!! ガッシャ―――――――ン

 

高橋「よし、このまま前進だ。」

 

千束「便利屋だねこれ。」

 

フキ「便利屋だなこりゃ。」

 

高橋「誉め言葉として受け取っておくよ。」

 

そして千束、フキ、リコリス、高橋ら特戦群は通路を駆けていく。そこからプルトニウムがあるであろう場所にプレデター隊の特戦群4人。無線でセイバー隊は電気制御室へ向かうよう指示された。制御室には千束、フキ、リコリス、特戦群である高橋ら3人と別れていった。

 

高橋「千束ちゃん、これを」

 

高橋は千束に渡そうとしたのはグロック19だった。

 

千束「高橋さん、必要ないよ。」

 

高橋「聞きたいのだがなぜ実弾を使わないんだ。話したくないのならそれでもいいが…」

 

千束「………高橋さん。私ね。本来なら死ぬ運命だったんだ。ある人が私に命を与えてくれたけどそれは私の殺しの才能を無駄にさせないために……才能を開花させるために生かしたんだって。でも私はだれかを助けることをしたいって心の底から思ったんだ。殺すんじゃなくてね……」

 

高橋「……そうか、確かに君には殺しは向いてないし才能もないだろうね。」

 

千束「!!………高橋さんは千束に殺しの才能はないと思う?」

 

高橋「ああ、ないね。千束ちゃん、殺しを行う上で最も必要なのはなんだと思う?。」

 

千束「え…身体能力とか?」

 

高橋「殺意だよ、まあつまり結局のところ感情だよ。だから千束ちゃんには程遠い感情だと思うよ。」

 

千束「そっか……高橋さんは自分に殺しの才能あると思う?」

 

高橋「うーん、どうだろうな。俺たちは国から言われたことをこなすだけの仕事だから従う才能はあるとは思うが…殺しはないかな、多分。」ハハハハハ

 

千束「そっか。てか高橋さん、特殊部隊だったんだね。びっくりしちゃった。」

 

高橋「俺的には千束ちゃんがこんな場所で悲鳴上げてたきなちゃんを抱き寄せてるところのほうがびっくりしたよ。流石にあの時は一瞬思考がとまったよ。」

 

千束「………高橋さん、あの…ありがとう。あのとき高橋さんらが来てなかったらたきなはどうなってたか。私パニックになって……」

 

高橋「そりゃ大切な人があんな目に合えば誰もそうなるだろ。たきなちゃんもきっと自分よりも君のことが大切だから守ったんだ。だからたきなちゃんが危ないときは千束ちゃん、君がたきなちゃんを守るんだよ。」

 

千束「もちろん!たきなは最高の相棒なんだから絶対守るよ!」

 

高橋「そうか、それはよかった。たきなちゃんは千束ちゃんのためなら多分無茶をする子だと思うからね。命はあってなんぼだし。……ただ千束ちゃん、君の不殺主義は理解はしたし悪いことではないと思う。でもこれだけは約束してほしい。もしたきなちゃんや仲間が命の危機に瀕し、非殺傷弾でも対応できないときは迷わず実弾を使うことを約束してほしい。最近の防弾ベストは進化している。実弾でも効果がない時もある。さっきも言ったけど命はあってなんぼだから。たとえば予備として実弾入りの拳銃をいれとくとかね。」

 

千束「………うん、今まではそんなことなくてうまくいってたけど………本当はね。できれば使いたくないんだ………」

 

高橋「…まあ君の判断に任せるよ。とりあえず生き残るために最善を尽くそうっていいたいだけ。ごめんね。説教みたいなことしちゃって」

 

千束「ううん、なんか高橋さんがいうとすごい説得力あるなって思っちゃった」

 

高橋「それはよかったよ。無事に帰ろう、千束ちゃん」

 

千束「もっちろん、みんなで帰ろう!」

 

 

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