「キミってさ、初めて会った時よりも女の子らしくなったよね」
オレの隣で釣りをしている彼女……セイウンスカイが、何気なしに呟いた。
セミの鳴き声が響いている中で発せられた言葉に、オレは眉を曲げた。
「それって褒めてる?」
訝しげにオレがそう言うと、彼女はこくりと頷いた。どうやら馬鹿にしているつもりはないらしい。
「うん、褒めてるよ。可愛くて、私よりもずっと女の子らしいから」
……彼女の事を男だと勘違いしてひとめぼれした過去の事を省みると、そんな事を言われたら乾いた笑いが出てきそうになる。
夏休みの真っ只中の今、わざわざその辺りをほじくり返しに来たわけじゃない。
性別の事を色々割り切ったのもあって、改めて礼を言いに来たわけだが……どういうわけか、オレと彼女がこうして二人で釣竿を垂らして海辺の防波堤に座っているのは「相手から誘われたから」としか言いようがない。
「釣りなんてやった事ないんだけど」
タッパ一杯に入ったミミズみたいな生き物を見て顔を顰めると、隣に居た彼女は微笑みながら訊ねてくる。
「虫、苦手?」
「あんまり好きではない。針通す時かわいそう」
そう答えると、セイウンスカイは釣り上げた魚の口から針を外しながら「あっはっは」と声を出して笑っている。
「素直でよろしい」
夏空の下、海風で銀色の髪をなびかせながら。彼女は空を仰いだ。
釣竿を握っていない空いた方の手で麦わら帽を押さえるその仕草は、まるで映画のワンシーンのようだった。
――これでどっちかが男ならロマンスなんだがなぁ。
未だ空っぽである自分のクーラーボックスを眺めながら、ぼんやりとそんなことを思った。しかし嗚呼残念無念、お互い正真正銘の女の子。
だからなのかどうかは分からないが、こうやって隣り合って座っていても再び胸が高鳴ることはない。
「ねぇ、聞きたい事があるんだけど。聞いていいかな」
しばらく続いた沈黙を破ったのは、俺の隣にいる彼女の方だった。
波の音と潮風が吹く中、俺は横目で彼女を見やる。すると彼女は、視線を水平方向に固定したまま呟くように質問を投げてきた。
「ディオスちゃんはさ、トレセン学園に入ってレースで走る事目指してる?」
脈絡のない問いに思えたが、別段不思議な話でもないと思い直す。ウマ娘同士なら世間話をする事もあるだろう。
「そりゃあ、馬としてこの世に生を受けたからには」
別に深い考えもなくそう答えると、彼女は「ふぅん」と嬉しそうな顔をした。
「じゃあ、帰り道で競走しよっか」
いきなり何を言い出すかと思えば、随分と唐突な話だ。が、悪くない。実に悪くない。釣りなんかじれったいものよりも、よっぽど興味がそそられる提案だ。
「分かった。やろう」
オレが頷くと、互いに釣り竿をヒュッと勢い良く引き上げる。
「ゲェっ!?」
こういった事に慣れてないせいか、オレの顔面に釣り針の先っちょについた虫が張り付いてきた。慌てて振りほどいて、手で払う。
くすくすと笑っている彼女をジト目で睨む。
「うんうん、やっぱり私より女の子らしいや」
何がおかしいのか、目尻を指で拭いながらまた笑う彼女に対してオレは不服そうな唸り声をあげた。
釣りの後始末を終えて準備をする二人のレースだが、まず段取りを決める。
「こっから1km先まで信号機無しの一本道。そんで、ちょうどその辺りにある神社の石段前がゴール……でいいよね?」
彼女はしたり顔で提案してくるが、オレは微妙に心配にさせられる部分があった。
「……1000m勝負?」
「そ。ちょうどいい距離でしょ?」
……配分に寄るところが大きい。ぶっちゃけた話、1000mは走る距離としては決して"短い距離"じゃない。訓練をちゃんと積み終えたウマ娘なら問題無い距離だろうが。オレ達のような成長途上の子供が、最初から最後までちゃんとしたペースで走りきれるかはどうか怪しい。つい先日にもキングのヤツと躍起になってその距離走ったが、お互い熱があがりすぎてグダグダで競走ではなく競歩をしていた覚えがある。
「……もっと短い方がよかったかな?」
こちらの心境を察したらしく、セイウンスカイは眉尻を下げながら申し訳なさそうな表情をしていたので首を横に振った。
前世においてはマイル距離を走りきった事もある。いつか来るべき時に備えて、怯えていても仕方ない。
それに正直な話、キングや猫目達以外のウマ娘との戦いも興味がある。
「1000mでいいよ。神社の石段前だね?」
オレの確認に彼女は頷く。
スタート地点となる堤防とウマ娘専用の境目まで歩いていき、そこから一列に並んで立つ。
「音が鳴ったらスタートね」
携帯で10秒後にホイッスルの効果音が鳴るように設定し、横並びになったオレ達はそれぞれスタートダッシュの為に力を溜める。
いよいよ始まる。そう思うと心臓がどきどきする。負けたくないと思うと同時に、昔馴染み以外と戦う事にワクワクしている自分がいるのが分かった。
ふと、隣を見ると彼女と目が合った。
「いいね、初めて会った時みたいな眼してる」
そう言って微笑んでくる彼女につられて、オレも鼻で笑うように返事をする。
そして携帯からホイッスルの音が鳴り、ついに始まりの時を迎えた。
二人揃って駆け出した瞬間、まるで時間の流れが遅くなったかのような錯覚に陥った。景色がゆっくり流れて見えるなんてものじゃない。
それこそ映画の中のワンシーンのように――もちろんロマンス映画のソレじゃない――周りの風景がスローモーションになっている。
――なんでスタート直後から明らかに差つけられてんだよ。
目の前の数歩先で走り続けるセイウンスカイの背中を見て、オレは心の中で悪態をつく。
別に、出遅れたわけじゃないしスピードを出し切れてないわけでもない。ただ単純に彼女の出が速かったのだ。
セイウンスカイの一歩一歩を飛び跳ねるように走るフォームは洗練されたものとは言い難い。しかしそれでも尚、追いつけないという事実は変わらない。
……正直言って舐めていた。彼女の事を。いや、正しくは『同年代はキングヘイロー以外眼中になかった』と言い訳すべきか。
――キングと同じ『先行型』か。
セイウンスカイの背中を追いかけながら、オレは冷静に分析していた。
彼女の両脚はまるで水雲の様に自然に伸び、その身体は風に流される雲の如く。
相手はペース配分の出が早いように見える。焦る事は無い。最後のラストスパートで数馬身詰め寄るくらいにはオレは速い。だから相手を焦らせるように走らせ続ければいい。
そう自分に言い聞かせ、前を走る背中に食らいつく。
500mを過ぎてからはほとんど差が開かず、このままいけばオレの勝ちになるんじゃないかという希望もあった。
――こいつ、いつ減速するんだ……?
既に600mを走りきり、残り300mを切った頃。差は6馬身ほど。オレは焦り始めていた。
セイウンスカイの脚色に衰えがほとんど見えない。それどころか加速すらしているように思える。
何故だ? なぜまだスタミナが切れないんだ?
すると、向こうもこちらを伺うように目が合う。
その瞬間、彼女は微笑んだ。それは余裕の笑みというよりも、まるでこちらを煽るような挑発的な微笑みに映った。
それを見た途端、頭に血が上る。同時に脚にも力が入る。
――キングヘイロー以外にケチをつけられてたまるものか! "生きてきた意味"を愚弄されてなるものか!!
そんな思いが沸き上がる中、勝負は終盤戦に突入した。
900mを越えた辺りでお互いに息は乱れているものの、その走りには一切の淀みがない。
むしろ序盤よりも速度が出ているくらいである。
駆け抜ける最中、思ったよりも差が縮まらない彼女の背を憎々しく見つめる。
――気持ちよく力いっぱい走ってるように見せかけて、余力十分に残してやがったなコイツ。
それを口に出す事なく、歯を食いしばって速度を出し続けた。
「ゴールっ!」
セイウンスカイが両手を大きく広げて、石段の前を2馬身ほど先んじて清々しく通り過ぎた。
……キングヘイロー以外にケチつけられてはならぬと意気込んでたらこのザマか。
ゴール目標を駆け抜けた後、膝に両手をついて息を切らすオレに対して涼しい顔で立っている彼女が口を開いた。
「ディオスちゃん、最後ものすごく速かったね。あんだけ差つけてたのに。ホント……追い越されるかと思った」
嫌味のない純粋な賞賛の言葉だと分かっていても、つい睨んでしまう。
それに対して困ったように頬を掻く彼女だが、どこか嬉しそうな表情を浮かべていた。
「……えっと、ごめんね。勝負の途中に変に笑っちゃったりしてさ……」
息を整えながら、改めて彼女の微笑む顔をまじまじと観察する。
「あぁ、まぁ……挑発してたって勝手に勘違いしたのはこっちだ。悪い」
彼女は飄々とした人柄だが、他人を挑発などしないだろう。日常生活と勝負事の時に使い分けが出来ていたのならば、相当の『策士』だ。どちらにせよ命の恩人を憎々しげに思う事は道義に反する。
素直に頭を下げると、彼女は両手を左右にぶんぶんと振って頭をあげるように諭してきた。
「あ~いいのいいの、気にしないでよ。私こそ意地悪な走り方しちゃったんだからさ~」
手をひらひらさせて謝る彼女を前に、オレは顎に手を当てて少し考えた。
「ずいぶんとマイペースに走れるんだな。……良い意味で」
先ほど走った1000mを思い出す。セイウンスカイの戦い方は相当に……たぶんキングヘイローやオレよりも、ペース配分が上手かった。
それが彼女の長所なのか短所なのか、判断は難しいところだが、おそらく前者だろう。
オレが褒め言葉かどうかも分からない台詞を言うと、セイウンスカイはやたら嬉しそうに「ニヒヒ」と笑顔を向けてきた。
「そだね~、『たとえ今、周りのお友だちの方が速くても、慌てず焦らず、自分のペースで頑張れば大丈夫』って教えてもらったから」
そんな事を言いながら、彼女は自身の胸に手を添えた。その表情はとても柔らかく、まるで宝物に触れるようだった。
そして再びこちらに顔を向けると、いつもの飄々とした表情に戻しつつ言ってくる。
「ところでディオスちゃん。男言葉もなかなかサマになっていますなぁ~」
「…………」
躍起になってたせいか、言葉遣いのメッキが剥げていた。不覚。
「えっと……実は普段は猫被ってるというか……」
今更になってわざとらしくナヨナヨと女の子っぽく振る舞うとセイウンスカイは悪戯っぽく笑ってきた。
「そう? 私、そっちの喋り方のディオスちゃんが好きだなぁ。なんていうか、アニメのヒーローっぽくて?」
……思わず顔が熱くなるのを感じた。恋患いじゃなくて、恥ずかしさで。
こいつが他人を挑発しないと見定めたのは人を見る眼がなかったのか。
そんな風に睨んでいると、目の前の女はこちらの心中も知らず能天気な事を言い始める。
「ねぇ、今度から会う時はさ。男言葉で喋ってくれない?」
「……なんで? 女の子が男言葉なんて、ガラ悪いじゃない」
自分でも驚くくらい冷めた声が出る。そんな声に臆することなく、むしろニコニコしながら理由を言ってきた。
「いやー、お友だちが自分よりずっと『女の子らしい』って自信なくすでしょ?」
お前はそういうのを気にするタイプでもあるまい。そんな事を一笑に付そうとしたが。
「それに、さ。猫被るのも、気疲れするでしょ? 私といる時くらい、その被り物降ろしてさ。気楽になってほしいな、って~……」
頬を指で掻きながら、笑顔でそんな事をのたまってきた。
……そんな風に言われると、とてつもなく断りにくい。
「…………」
無言のまま、しばらく逡巡した。確かに素のままのほうが、オレも気が楽だが。
「二人っきりの時だけでいいから、さ?」
彼女は、オレの心中をまるで見抜いているかのように助け舟を出してきたものだ。
「……分かった。試合に負けた弱みだ。そうする」
降参したように手を上げて見せると、彼女はまたニッと笑った。
「よかった」
その笑顔が以前の時のように眩しく見えたので、思わず目を逸らしてしまった。
「……お前、初めて出会った時から思ってたけどホント女にモテそうなヤツだな」
「え~、なんですかそれ。褒め言葉になってませんよ~」
帰り道もセイウンスカイはやたら機嫌が良さそうに、鼻歌を歌いながら歩いていた。
二人の帰路は同じ方面だったらしく、一緒に帰る事になった。
「たまに走りの練習に誘っていいか?」
「えぇ~、どうしよっかなぁ~」
彼女はこちらをからかうような笑みを浮かべていた。不真面目でマイペースに思える奴だが、判断に迷う程度には気に入ってくれたようだが。
内心、オレの胸中には別の不安があった。
『オレはそこまで、速くないんだ。オレより速いやつが、いるんだ』
……もし、オレが将来キングヘイロー相手に明確な勝利を掴めたとして。セイウンスカイは、その時のオレより速いだろうか?
この疑問が、頭の中から離れない。
首尾よくいってセイウンスカイにも明確な勝利を掴めたとして……その次は、誰だ?
前世で聞いたラジオで、賛美されていた馬達の名をおぼろげに思い返す。
強者相手に何度勝利を掴もうが、いずれそれらと格付けされるんだろう。『オレより速いやつがいる』と。
恐ろしい可能性を前にしていながら、それでもオレは負け組でいたくないと思った。
そもそも、キングヘイローにオレは勝てるのか…………?
そんな事を思案している折、ぎゅっと手を握られてハッとなる。隣にいるセイウンスカイの顔を見ると、また笑顔でこちらを見つめていた。
「難しい顔になっちゃってますよ~。リラックスリラックス」
「…………」
そう言われても、こればかりはどうにもならない。その感情こそが生まれ変わったオレの"希望"でもあり、"呪縛"だ。
自分の心にそんな事を言い聞かせていると、ふいに頬に温かいものが当てられた。
目を向けると、それは彼女の両手だった。
そのまま、ぐりぐりと頬を弄ばれる。
何をするんだ、と睨むように彼女の方を見ると、やはりいつものようにニコニコした笑顔を浮かべている。
頬の感触を楽しんでいるのだろうか、と思いきやすぐにその手は離れていった。
そして今度はこちらの両手を、自身の両手で包み込んできた。こちらの手に比べると小さく、少しひんやりとしている。
彼女はこちらの顔をじいっと見つめると、口を開く。
その顔は、いつもの飄々としたものとは違った真面目なものだった。
「ディオスちゃんさ。まるで『レースに人生全部懸けてますよー』……って感じがするんだよね」
その言葉にドキリとする。まるで全てを見透かされているような気がして、思わず顔を逸らしてしまう。
すると彼女が距離を詰めてきたのが分かった。
視線を戻すと、いつの間にか眼前に彼女の顔が迫っていた。
互いの吐息がかかりそうなほどの距離。こちらが仰け反ると、彼女もそれに合わせて前屈みになる。
そんな体勢のまま、数秒見つめ合う形になってしまう。お互いの心臓の音が聴こえてくるようだった。
やがて彼女は何かを察したかのようにニッコリと笑って見せた後…………何事もなかったように元の体勢に戻った。
「お……い、そんな趣味は……ないぞ」
動揺しながらも何とか言葉を口にすると、目の前の女はあっけらかんとした調子でこう言ってきた。
「いやー、でも私が女の子だって分かった途端急によそよそしくなっちゃってたから~。私が男の子だったら、こういう事期待してました?」
図星を突かれて言葉に詰まる。それを見てさらに調子に乗った様子の彼女はニヤニヤ顔を強めた。……確かに期待はしていたかもしれんが。
「ま、冗談はさておき」
そう言うと、再び両手をぎゅっと握ってきた。
「私達の競技人生。長くてもせいぜい十年。でも人生全体で考えると、これから百年は生きられるかもしれないよ」
「……だからどうした」
「私みたいに『マイペースに考える事も選択肢に入れてみて』ってコト」
そう言ってへにゃりと笑う彼女を、ただじっと見つめるしかなかった。
……確かに、一理あるかもしれん。
その一言で片づけるのは癪だったが、実際そう思わざるを得ない部分もあった。
実際トレセン学園に入学出来たとして……競走者としてやっていけるのも、十年そこいらだろう。アスリート競技として足を酷使するなら、最前線には長く居られない。その点においては人間でもウマ娘でも大きく変わりはない。
それで、そこで『ディオス』の人生は終わるというのか? いや違う。たとえ選手生命を全うしたとしてもだ。
その先は? 両親からもらった大切な体。自ら幕引きするわけにもいくまい。
「……言いたい事は分かった。盲点だった」
「でしょ?」
セイウンスカイに言われて気づく。オレ自身がその先どうありたいのか、深く考えてなかった。
キングヘイローと公の場で勝負する事も大事だが、その先も……蔑ろには出来ないものだ。
「……将来は、結婚してみるというのも考えてみるべきかもしれないな」
「ははは、私もそういうのも考えとかないとねぇ~」
しみじみ、という様子で語る彼女に相槌を打つ。まだ早い話ではあるが、
そう思いながら、目の前でしたり顔の彼女を見つめていた。
「……えぇっと……」
なんだか聞き覚えのある声が、おずおずと聞こえてくる。そちらの方に眼を向けてみると――キングヘイローの輩がいた。猫目とボブヘアの奴も一緒につるんでいる。
「……よ、よかったわね。恋が実って……」
その声音からは若干の震えを感じ取れた。なんというか青褪めたような、驚愕したような、そんな感じの表情をしている。
……え、ちょっと待って? もしかして誤解されてませんオレ?
「お、女の子同士で『将来は結婚を考えてみる』だなんて……ディオスちゃんったらっ、大胆……!!」
「しかもお手々繋いで、見つめ合いながら……禁断の恋……!」
口々に黄色い声をあげ始める猫目とボブヘアを前に、弁明しようと口を開こうとする度に上手く言葉が出てこない。
「おまえ……じゃなくて、キングちゃん達、オレは……私は、そんな趣味は……」
自分でも何を言っているのかよく分からなくなってくるが、どうにか言葉を紡ごうとする。
しかし、その言葉を遮るようにキングヘイローが発言を挟み込んできた。
「と、とにかくおめでとう……」
そう言う彼女の声は震えていた。表情から血の気が引いているように見える。
いや、まぁ、長年付き添った親友が同性愛主義者だと知った時の心境は計り知れんが……。
セイウンスカイの方にも誤解を解くように視線を投げかける。
だが、彼女はこちらの顔を見てキョトンとした様子だった。
……あ、うん。オレがお前にマジで惚れてたって知ってるのキングヘイローだけでしたね。うん。
「お、お~っほっほっほっ! 二人ともどうぞお幸せに! き、キングはクールに去るわっ!」
「あ、キングちゃん置いてかないでー!」
「人の恋路に挟まるとウマに蹴られるー!」
キングヘイローを筆頭に、取り巻き二人も慌ててその場から離れていった。
「なんだかよく分からないけど、愉快なお友だちだねぇ~」
セイウンスカイは微笑ましいものを見るような目をしながら、他人事のように呟くのだった。
……なぁ、神様。男に生まれなかったからって恨まないとは、言ったよ? 言ったけどよ……あんな
過去話や以後の話にも『牧場暮らしのドットさん』で試してた手法で挿絵ちょこちょこ追加するかも。