さらば宇宙戦艦ヤマト2203 ~愛の戦士たち~   作:往復ミサイル

69 / 108
復讐鬼、参戦

 

 蒼い閃光に船体を穿たれたククルカン級が、大きく穿たれた風穴から炎を芽吹かせて斜め下へと落ちていく。

 

 艦隊の遥か下方、暗黒の海原の只中で新たな火球が生じ、艦橋内の観測員が味方駆逐艦の轟沈を知らせるが、それはかえってガトランティス艦隊の司令官に焦燥感を募らせるだけだった。

 

 ―――何たる無様な戦いか。

 

 腕を組み、唇を嚙み千切らんばかりにきつく噛み締める司令官は味方の不甲斐なさに苛立っていた。

 

 第十一番惑星(※ガトランティス側の呼称:惑星レピメア)の占領に十分な数の艦隊を率いてきたはずだ。それも惑星の守備隊はわずか5分の1の兵力にしか過ぎない辺境警備艦隊である。如何に戦い慣れていようともそれは二級品、三級品の捨て駒同然の戦力を相手にした話であり、敵惑星の占領に慣れている彼らの艦隊を前にすれば文字通り鎧袖一触は当たり前である―――誰もがそう信じて疑わなかった。

 

 しかし、現状はどうか。

 

 地球艦隊の予想外の粘り具合に、前に出た艦隊は戦力を徒に擦り減らし、かといって火力で押し込もうにもあの波動防壁弾の多重展開で完全に防がれ、その間に戦力を削られる―――そんな悪循環に陥ってからというもの、敵艦隊の粘り強い反撃の前に損害ばかりが増えていった。

 

 既に4個戦隊が宇宙の塵と化し、敵艦隊への効果的な攻撃のために距離を詰めた結果、敵艦からの砲火が艦隊旗艦のメダルーサ級を掠めるまでになった。このままでは敵の砲撃が旗艦を捉える瞬間もそう遠くは無いだろう。

 

 強引に押し込めば、勝てる事は勝てる。

 

 しかし敵艦隊の全てが宇宙に浮かぶデブリと化す頃に、200隻以上だった侵攻艦隊は果たしてどれだけ残っているのか―――少なくともそれは、僅か43隻、5分の1程度に過ぎない辺境の警備艦隊を相手にした戦としてはあまりにも割に合わない結果に終わる事は確かである。

 

 かといって安全策を取っている場合でもない。

 

 時間は決してガトランティス側に味方する事はないのだ―――時間が経てば経つほど敵艦隊の防衛線は整っていくだろうし、地球本星から救援に駆け付ける艦隊も続々と現れるであろう。

 

 そうなる前にこの艦隊―――北野艦隊を撃滅、第十一番惑星を押さえるのが理想なのだが、しかし結果として尾崎艦隊の参戦を許してしまった事は、ガトランティス側としては余りにも不利に傾く結果となった。

 

 新たに現れた総勢125隻にも及ぶ大艦隊は、間違いなく主力艦隊の一部か、あるいは要衝の防衛に就く重要戦力なのであろう。防衛側に対し攻撃側が数で勝るという優位性(アドバンテージ)は、これで完全に覆されたも同然だった。

 

 増援として到着した尾崎徹太郎率いる無人艦隊の猛攻は、ガトランティスの眼から見ても脅威と映った。機動性に優れた60隻もの駆逐艦の大艦隊が果敢に切り込むや、ガトランティス艦隊の艦列を掻い潜り、さながら小型の肉食獣の如く艦列を食い荒らしてくるのである。

 

 前衛に押し出された艦隊はまさに阿鼻叫喚の地獄へ叩き落されたも同然だった。メインパネルに表示されている前衛艦隊の陣形が虫に食われたようにぽつぽつと綻んでいくや、瞬く間に瓦解し艦隊としての機能を果たさなくなる。

 

 残存艦が果敢にビームを射かけて応戦するが、しかし殺到してくるエイジャックス級の戦隊たちはそれを意に介さない。発射されたビームすらショックカノンで迎撃、相殺して距離を詰め、必中の距離からのミサイル攻撃やショックカノンの掃射を受けたククルカン級たちが火達磨になっていく。

 

 攻守が逆転してしまったのは、もう誰の目から見ても明らかであった。

 

「巡洋艦パルカザル、撃沈!」

 

「ゼルス戦隊、残存兵力14バゼルまで低下!」

 

「大都督、このままでは我が艦隊は……!」

 

「ええい、狼狽えるな!」

 

 ガァンッ、と狼狽する部下たちを一蹴するように、大都督は大剣の切っ先を艦橋の床へと叩きつけた。

 

「我らガトランティスにとって撤退は恥! 戦の中での死こそ戦士の本懐―――」

 

「―――2時方向、新たな空間跳躍反応!」

 

 心を折られつつある将兵たちを振るい立たせんと紡いだ言葉は、しかし無慈悲にも新たな脅威の出現を告げる観測員の報告に遮られてしまう。

 

 今度は何だ、と怒鳴りつけたくなるのを必死に堪えて視線をメインパネルに向けた大都督は、そこに最大望遠で映し出された異形の巨艦を見て息を呑んだ。

 

 船体に付着した氷塊を払い落して通常空間へ躍り出てきたのは、リング状のパイロンにびっしりと搭載された対要塞ミサイルに無数の主砲、そして巨大な艦首衝角と禍々しい塗装が特徴的な戦闘艦であった。

 

 艦隊旗艦なのだろう。攻撃的運用という言葉を絵に描いたような異形の艦に続き、複数隻の同型艦や指揮下の主力戦艦がその後方に続々とワープアウトしてくる。

 

 彼らには与り知らぬ事だが―――休暇を返上して第十一番惑星へと駆け付けた速河艦隊が、やっと戦場へ到着した瞬間だった。

 

「テロン艦隊では……ない?」

 

「馬鹿な、ではどこの所属だ!?」

 

 解析員が新たに出現した”黒色艦隊”の解析を行っている間に、禍々しい異形の艦隊たちは早くも動き始めていた。

 

 陣形を再編、巨大な”錐”を思わせる形状へ陣形を整えていく。

 

「て、敵艦隊の展開が早過ぎる」

 

 メダルーサ級殲滅型重戦艦、艦隊旗艦『バルカーザ』の艦長が血相を変えながら言った。

 

「大都督、一時後退を!」

 

「何を言うのだ艦長。大帝よりお預かりした艦隊をあの程度の艦隊相手に撤退させるなど!」

 

「―――敵艦より攻撃! ミサイル来ます!」

 

「ええい、臆するな!」

 

 大剣を振るい、大都督は声を振り上げる。

 

「全艦急速回頭、全戦力を以てあの黒色艦隊を撃滅する!」

 

「しかし大都督……!」

 

「艦長、貴様こそ頭を冷やしてよく考えてみよ!」

 

 メインパネルが黒色艦隊のズームアップから、再び戦場を俯瞰したような艦隊の陣形図へと切り替わる。

 

「あの黒色艦隊は総数僅か39隻、それに対して我が艦隊は未だ5倍近い戦力を堅持している! 全艦で以てあの艦隊を磨り潰し、然る後にあの大艦隊を相手にすればよい!」

 

 ある意味で理に適った判断ではあった。

 

 事実、新たに戦場に駆け付けた黒色艦隊こと速河艦隊の総数は僅か39隻。それに対しガトランティス侵攻艦隊は、北野艦隊及び尾崎艦隊との連戦で戦力を減らしていたとはいえ、それでも190隻という大戦力を未だ堅持している。

 

 ならば数に勝る今のうちに、最も数の少ない速河艦隊を撃滅。新たな脅威を取り除いたのちに尾崎艦隊と砲火を交え、防御に特化するばかりで反撃が消極的な北野艦隊を最後に料理してやればいい、という考えである。

 

 現状を鑑みれば、確かにそれが一番の作戦なのかもしれない。

 

 しかし彼らは、知り得ない。

 

 真っ先に撃滅を試みようとしているその艦隊こそが、今の地球艦隊において最も攻撃的な艦隊である、という事を。

 

「全艦突撃! 目標、前方の黒色艦隊!」

 

 どう、とガトランティス艦隊のエンジンノズルに蒼い輝きが宿る。

 

 侵略者たちの矛先が、漆黒の艦隊へと向けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《敵艦隊、本艦隊を指向。攻撃の可能性”大”》

 

 アマテラスのAIが発する警告を聞き流しながら、速河艦長は腕を組む。

 

 傍らにある音楽プレーヤーにはクラシックの名曲たちがインストールされている。山南司令から奨められたレコードとクラシック―――それらがもたらす心理的な効果は、速河も理解していた。

 

 音楽には不思議な力がある。心を鎮める事も、また昂らせる事も変幻自在だ。

 

 さすがに戦闘に赴く戦艦の艦橋に蓄音機を持ち込むことは許されなかったが、最後の抵抗とばかりに持ち込んだ音楽プレーヤーの中には、レコード音源の楽曲が入っている。

 

 それの再生スイッチを押すなり、艦長席に座る速河の顔に好戦的な笑みが浮かんだ。

 

 

 

「―――さァ、殺しに行こうか」

 

 

 

 楽曲が再生され始める。

 

 アマテラスの艦橋内に流れ始めたのは、クラシックの名曲の一つ―――”ラデツキー行進曲”。

 

「アマテラス、艦隊制御AI”デザリアム”を起動」

 

《了解。艦隊制御AIデザリアム、起動します》

 

 AIの宣言と同時に、艦橋内の装置やスリットから漏れる紅い光がより一層強くなった。

 

 地球、時間断層工廠内部に鎮座する次世代型の艦隊統合運用AI『デザリアム』。そのメインフレームとアマテラスのAIが接続された事により、更に高速で、より大量の情報を処理できるようになった瞬間であった。

 

 陣形再編を命じるや、旗艦アマテラスを先頭に、後続の艦たちがスラスターを吹かして陣形を変更。傍から見れば錐のような、あるいは騎兵槍(ランス)の穂先を思わせる鋭角的な陣形へと変わっていく。

 

「全艦、対要塞ミサイル斉射用意!」

 

《全艦データリンク。旗艦諸元に照準合わせ》

 

《照準、全艦連動。発射準備ヨシ》

 

「発射ァ!」

 

斉射(サルヴォ)

 

 AIの復唱と共に、速河艦隊に所属する戦艦群、それらに追加されたパイロンリングの対要塞ミサイルが一斉に分離。ロケットモーターの輝きをこれ見よがしに曳きながら、愚かにも速河艦隊へ攻撃を試みようとするガトランティス艦隊へと向かっていく。

 

 アマテラス級及びアンドロメダ級に搭載された対要塞ミサイル(※エイジャックス級のミサイルと同じものだ)は1隻につき20発―――アマテラス級5隻とアルフェラッツ、アイテールだけでもその発射数は140発に達する。

 

 それらに随伴するドレッドノート級は、1隻につき16発の対要塞ミサイルを外付けされている。

 

 ドレッドノート級で320発、全艦合計で460発にも達する対要塞ミサイルの情け容赦のない先制攻撃は、まさに暴力的な物量と破壊力を伴って、ガトランティス艦隊を真っ向から殴りつけた。

 

 暗黒の海原へと消えていくミサイルたち。そのロケットモーターの輝きも見えなくなるや、AIが《弾着、今》と告げると同時に無数の火球が艦隊の進路上を彩った。

 

 対要塞ミサイルがククルカン級に突き刺さり、ラスコー級の艦首をもぎ取り、船体にぶち当たって次々に木っ端微塵に粉砕していく。

 

 ナスカ級空母を守らんと盾になったラスコー級も見受けられたが、ミサイルの飽和攻撃はそんな想いすらも噛み砕いた。数発のミサイルがラスコー級を串刺しにするや、運悪く船体がナスカ級に接触したタイミングで爆発。2隻まとめて宇宙の塵と化していく。

 

 ガトランティス艦隊の先頭集団がごっそりと抉れたタイミングで、速河艦長は声を張り上げた。

 

「よーし、全艦突撃! 北野艦隊に朝食を摂る時間を作ってやろう!」

 

 どう、とアマテラスのエンジンノズルに蒼い輝きが宿る。

 

 無数の武装を宿したアマテラス級の全長460mの巨体が加速を開始。それに追い縋らんと後続の同型艦『アマノイワト』、『アメノムラクモ』、『アメノハバキリ』、『アラハバキ』がメインエンジンを全力噴射して加速していく。

 

「砲戦用意! 主砲1番から11番、目標、敵前衛艦隊残存艦艇!」

 

「全艦、敵艦隊へ主砲照準合わせ!」

 

 前部甲板や船体側面にびっしりと搭載された40.6㎝3連装ショックカノン砲塔―――アマテラス用に調整された長砲身タイプのそれが稼働するや、旋回し仰角を敵艦隊へと合わせた。

 

「散っていった仲間たちの弔い合戦だ。一匹たりとも撃ち漏らすな!」

 

 一瞬だけ、視線を艦長席に貼り付けてある写真へと向ける速河艦長。

 

 そこに写っているのは地球防衛大学を卒業したばかりの自分と北野、それから今は亡き如月艦長の3人だった。

 

(……リョウ、仇は討つからな)

 

 そこで見てろよ、と心の中で亡き友に語り掛け、メインパネルを睨む。

 

「全艦攻撃準備ヨシ!」

 

「ッシャア殺せ! ぶち殺せッ!!」

 

「全艦撃ち方始め、撃ち方始め」

 

《撃ちーかたー始め》

 

 いの一番にアマテラスのショックカノンが火を吹いた。

 

 より長距離での交戦と、より高い貫通力を―――それこそカラクルム級の装甲すらも易々と射抜く事を期待してアップデートされた、長砲身タイプの40.6㎝ショックカノン砲塔。そこから粘つくような音と共に迸った蒼い光たちは捻じれ合い、絡み合い、互いに溶け合って1つの閃光となるや、流星のように瞬きながら暗黒の海原を突き抜けた。

 

 ごずんっ、とその一撃がカラクルム級の艦橋、その付け根にある大口径の連装ビーム砲塔をぶち抜くや、塔のような艦橋と煙突状の構造物をも貫通して後方の空間へと抜けた。

 

 どう、とカラクルム級が爆発を起こす。爆炎の中から火達磨になったシーラカンスのような船体が顔を出し、炎を幾重にも芽吹かせながら斜め下へと落ちていった。

 

 号砲一発、と言わんばかりの正確無比な一撃。

 

 それを合図に、速河艦隊の他の艦艇も射撃を開始する。

 

 特に熾烈だったのが砲戦特化型のアマテラス級たちだった。

 

 ガトランティスの脅威を受け、建造中止を撤回してまで追加建造されたアマテラス級たち。ひとまずは計画通りに調達された5隻の同型艦たちが1秒に1発という驚異的な速度でショックカノンの速射を始めたのだからたまったものではない。

 

 それも長砲身タイプのショックカノンだ―――砲身中間部に増設された増幅器の恩恵もあって射程距離、貫通力は実に1.5倍に跳ね上がっている。

 

 餌に釣られて浮いてきた魚の背中を鋼鉄の銛で貫いているような、あまりにも一方的な砲撃だった。射程距離外からのアウトレンジ攻撃、それも正確無比な昇順で、更には毎秒飛んでくる土砂降りのようなショックカノンの集中砲火に、ククルカン級が、ラスコー級が、そして切り札であるカラクルム級までもが多数の被弾を抱えて爆沈、火球へ姿を変えていく。

 

 敵艦との殴り合いに耐えうる防御力、そしていざという時の特攻の際の破壊力を確保するための大質量を持ち味とするカラクルム級も、ショックカノンの暴力的な掃射の前には赤子も同然だった。

 

 ようやく回転砲塔や艦橋砲からビームを放ち反撃を試みるも、一度始まった攻勢を止めるには至らない。

 

 もう既に暗黒に染まった艦隊は、ガトランティス艦隊の眼前にまで迫っていた。

 

「敵艦正面!」

 

「取り舵!」

 

「バカモン、進路そのままァ!」

 

「しかし艦長―――」

 

「速河艦隊の辞書に”進路変更”の文字はなァい!」

 

 目の前に障害があるならば火力を以てそれを粉砕、道を切り開き進撃する―――それが速河力也という男のやり方だった。

 

 だから邪魔者がいるならば粉砕する。それが出来ないならば自分たちが死ぬ時でしかないのだ。

 

「艦首波動衝角起動!」

 

 艦首に搭載された波動衝角システムが展開―――若干前方へと伸びるや、露出したエネルギー発振器から放出された波動エネルギーが錐状に展開して、船体そのものを巨大な槍へと変えた。

 

「ぶち当たれェ!!」

 

 直後、アマテラスの行く手を阻まんとした果敢なカラクルム級の艦首と真っ向からぶつかり合った。

 

 相手は全長555mの巨体、460m級のアマテラスからすれば完全な格上であり、例えるならばミドル級の選手が相撲取りと真っ向からぶつかるようなものである。

 

 しかし意外にも、勝利したのはアマテラスの方だった。

 

 波動エネルギーを纏ったアマテラスの質量に屈したカラクルム級の艦首装甲が崩壊、傷口を融解させていく。

 

 カラクルム級の甲板に乗り上げる形で突っ込んだアマテラス級の舳先は、艦橋砲を連射する些細な抵抗を見せる敵艦を鼻で笑うようにそのまま艦橋を粉砕。鋼鉄のシーラカンスを思わせる船体の上を耕して(・・・)平面(フラット)にするや、融解した金属片を撒き散らしながら後方へ抜けていった。

 

 ずん、と背後で爆発するカラクルム級。

 

 しかしまだ、その程度では終わらない。

 

「ロケットアンカー発射準備!」

 

「え」

 

「目標敵巡洋艦!」

 

 撃てぇ、と速河艦長の命令が下るや、川端戦術長は戸惑いながらも命令を実行した。

 

 右舷に備え付けられた艦首カウルが展開、中からロケットアンカーが射出される。

 

 もはや誰にも止められない勢いを手にした速河艦隊を前に、果敢にビームを射かけながらも離脱に移ろうとしていたラスコー級の艦尾にそれがめり込んだ。

 

 

「 釣 り 上 げ ろ ォ ! ! 」

 

 

 ぐんっ、とラスコー級の船体が引き摺られた。

 

 重装備、重装甲の船体を動かすアマテラス級の波動エンジンと、ペイロードギリギリまで火力を搭載し装甲を削いだラスコー級のエンジンでは、絶望的なまでの馬力の差があった―――勝てないのも無理はない。

 

 ロケットアンカーを撃ち込まれたラスコー級は瞬く間に制御を失った。メインエンジンに続き船体各所のスラスターが虚しく蒼い炎を吹くが、それでも運命は変わらない。

 

 逃れようとばたつくラスコー級は、しかし圧倒的推力に振り回された次の瞬間には艦隊旗艦『バルカーザ』の艦橋へと叩きつけられ、そのまま艦隊旗艦諸共沈んでいった。

 

 旗艦喪失により指揮系統が乱れたガトランティス艦隊の隙を突く形で中央突破を成し遂げんとする速河艦隊。

 

 それに呼応するようにガトランティス艦隊を半包囲、艦列の外周部から兵力を地道に削り取っていく尾崎艦隊。

 

 そして両者の動きを補佐、遠距離砲撃で敵艦隊の反撃を封殺する北野艦隊。

 

 これらの3個艦隊の前にガトランティス艦隊が投入した全戦力を擦り減らしたのは、30分後の事であった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。