ハリー・ポッターと最後の不死鳥   作:TARAKON X

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最後の方が雑になってる気がします……。


第7話 真夜中の城

ホグワーツが夜の闇に包まれ、談話室もすっかり暗くなった夜の十一時。ハーマイオニーはパジャマの上からピンクのガウンを羽織り、ひじかけ椅子でランプを抱え、パジャマに外行き用の上着を着た私は、横で眠るビートルを撫でながら本を読んでいた。魔法界の小説は、マグルの小説とはまた別の面白さがあった。

 

「そういえば、どうしてあの呪文を使えたの?一年生で習う呪文だけど、授業ではまだ習ってなかったわよね?」

「ああ、あれ?マクゴナガル先生に頼み込んで教えて貰ったの。私、ホグワーツに来る前はあまり呪文を使うのが得意じゃなかったから。点数に響かないけど、補習ってことでこれから習う呪文の予習をさせて貰ったの。アクシオも教えて貰ったかな。プロテゴは難しくてまだ無理だけど」

「そうなの!?良いなぁ…私も教わりに行っていいかしら?」

「良いんじゃないかな?授業以外でも教わりたいなら教わりに来て良いって、先生言ってたから」

 

なかなかハリーとロンが来ないので、私達は談話室で雑談をしていた。初めての夜更かしだから、誰かと話してないと寝ちゃいそうになるからでもあった。

 

「あ、ハーマイオニー、来たよ」

 

暫くして、談話室に二つの影が入ってきた。ハリーとロンだ。私はハーマイオニーに目配せをした。

 

「ハリー、まさかあなたがこんなことをするとは思わなかったわ」

 

ハーマイオニーの登場に、二人はとてもイラついていた。

 

「また君か!ベットに戻れよ!」

「そうしたいところだけど、生憎、そういうわけにもいかないわよ、ロン」

「グレイ!?どうして君が…」

 

ハリーとロンは、私が忠告することにではなく、ハーマイオニーに味方していることに驚いているようだった。

 

「どうしても何も無いよ!マルフォイの戯れ言に付き合う必要は無い」

「マルフォイは一度こっぴどく懲らしめてやらないと、僕らの気が済まない!」

「あなた達の気分でこっちに迷惑がかかるのは嫌なのよ!パーシーにはまだ何も言ってないから、今のうちに止めて」

 

私とハーマイオニーが忠告するが、どうやら二人には届いていないみたいだった。

 

「ロン、行くぞ」

 

二人は私達を無視して、『太った婦人の肖像画』を押し開け、その穴を乗り越えた。私達もそれを追った。

 

「グリフィンドールがどうなるか気にならないの?自分のことばっかり気にして。スリザリンが寮杯を取るなんて私は嫌よ。私とグレイがマクゴナガル先生やフーチ先生からくださった点数を、あなた達がご破算にするんだわ」

「あっちへ行けよハーマイオニー、君には関係無いだろ」

「落ち着いて聞いてハリー、マルフォイと決闘するとか聞いたけど、多分、いえ、きっとそこにマルフォイはいない。きっとこれは罠だよ」

 

私の言葉に、ロンとハリーは落ち着きを取り戻した。

 

「……どうしてそう思えるのさ?」

「いい?あのマルフォイよ、口が達者で、どうやってでもハリーや私達を陥れようとしているマルフォイが、馬鹿正直に本当のこと言うと思う?あのマルフォイだよ!?」

 

その言葉に、とうとう二人は納得したようだった。

 

「……たしかに、あのマルフォイがちゃんと約束を守るかと聞かれたら、僕はNoって答える」

「……僕も」

「でしょ?ちょっと落ち着きなよ。フィルチに見つかったらたまったものじゃないわ!」

「でも、僕らが来なかったとわかったら、きっとあいつ『勝負から逃げた腰抜け』って言いふらすよ」

「どうやってこっちの状況を知るの?そもそも、その決闘は向こう側にとっても規則破りなんだから、言えるわけ無いでしょ。納得した?じゃあ寮に戻るよ」

 

私は上手く二人を言いくるめることができたと感じて、『太った婦人の肖像画』に目を向けた。でも、そこに太った婦人はいなかった。

 

「……嘘でしょ……」

 

肖像画は縁取りだけになっていた。太った婦人は夜のお出かけで、私達は意図せずグリフィンドール寮から閉め出されてしまった。

 

「さあ、どうしてくれるの?」

「知ったことかよ、それにさ、グレイ。君、マルフォイを少し買い被りしすぎじゃないかい?あいつも僕達と同じくらい馬鹿なら、もしかしたら本当にトロフィー室にいるかもしれないぜ?行ってみる価値はあるよ。な?ハリー」

「……うん、僕もその可能性に賭けるよ」

 

どうやら二人にまだ私の言葉は届いていなかったらしい。二人の目は、闘志でメラメラと燃えていた。

 

「はぁ、グレイ、二人と一緒に行きましょう。ここに突っ立ってフィルチに捕まるのも嫌だし、四人とも見つかったら、二人で本当のことを言いましょう。私達はあなた達を止めようとしたって。あなた達、私達の証人になるのよ」

「君、相当の神経してるぜ……」

 

ロンが抗議の目でハーマイオニーを見るが、正論なので仕方ないと思う。

 

「シッ、皆静かに。なんか聞こえるぞ」

 

全員が静かにすると、生き物の呼吸が微弱だけど聞き取れた。

 

「この時間で歩き回るってことは、ミセス・ノリスかな?」

 

暗がりを透かしながらロンがヒソヒソ声で言った。私も不安になったけど、それは杞憂に終わった。

 

「え、ネビル?」

 

ネビルが床に丸くなってぐっすりと眠っていたからだ。彼は私達が忍び寄るとビクッと目を覚ました。

 

「…あれ?皆?……ああ、良かった。見つけてくれて。もう何時間もここにいるんだよ。ベットに行こうとしたら新しい合言葉を忘れちゃったんだ」

「シッ。ネビル、今はちょっと静かにして。フィルチにバレたら私達大変よ」

「あ、ごめんグレイ。ってそうだ!グレイ、今日は助けてくれてありがとう。おかげで怪我をしなくて済んだよ」

「本当に怪我は無いの?」

「うん、僕、ずっとグレイに助けてもらってばっかだ」

「気にしないで、ネビルを助けて得点も貰えたし……あ!」

 

気づいた、気づいてしまった。毎回ネビルを助けて得点を貰えるなら、沢山失敗させて、それをグリフィンドールの全員で助ければ、意図的に得点を沢山稼げるのでは!?

 

「どうしたの?」

「ううん、なんでもない。ネビル」

「な、何?」

「これからも、全然失敗して良いからね」

「……え」

 

私は満面の笑みを浮かべるが、ネビル以外は私を「うわぁ…」と言いたげな引き気味の目で見てきた。いい案だと思うんだけどな。

 

「ともかく、ネビルに怪我が無くて良かった。じゃ、僕達はこれから行くところがあるんだ。またあとでね」

「そんな!置いていかないで!」

 

ロンの言葉にネビルは慌てて立ち上がった。

 

「ここに一人でいるのは嫌だよ。『血みどろ男爵』がもう二度もここを通ったんだよ」

 

ロンは腕時計に目をやり、それからものすごい顔で部外者である私達を睨んできた。

 

「もし君達のせいで、僕達が捕まるようなことになったら、クィレルが言っていた『悪霊の呪い』を覚えて君達にかけるまで、僕、絶対に許さない」

「……いい?『悪霊の呪い』というのはね」

「ハーマイオニー静かに。今は君の授業を聞いている時間は無い」

 

ハーマイオニーは正しい『悪霊の呪い』の使い方をきっちりロンに教えようとしたが、ハリーがそれを黙らせた。

 

「よし、誰もいない。行こう」

 

 ーー

 

曲り角を見る度、ミセス・ノリスに出くわすかもしれないと思ったけど、結局私達は幸運にも出会わずに四階のトロフィー室に入ることが出来た。

 

「……まだ誰もいないね」

 

トロフィー室にはマルフォイもクラッブとゴイルもいなかった。それだけでもう嫌な予感がする。私達は部屋の両端にある扉から目を離さないようにしながら、マルフォイを待った。

 

「遅いな、多分怖気づいたんだよ」

 

ロンが囁いた。その時、隣の部屋で物音がして、全員が飛び上がった。ハリーが杖を取り出して振り上げようとした瞬間、声が聞こえた。

 

「いい子だ。しっかり嗅ぐんだぞ。隅に潜んでいるかもしれないからな」

 

最悪だ。想定していた中でも最悪の事態になってしまった。

 

「…フィルチだ」

 

とにかく、トロフィー室から出ないと大変なことになる。

 

「皆、こっちだ」

 

ハリーが小さな、尚且つ焦った声で耳打ちした。私達はトロフィー室から出て、鎧が沢山飾ってある長い回廊を石のようにこわばって這い進んだ。

 

「まだ近くにいるぞ。隠れているに違いない」

 

フィルチの不気味なブツブツ声が聞こえる。どんどん近づいて来るのを肌で感じた。

 

「う…うわあああああああああああ!?!?!?!?!?」

「「「「ッ!?」」」」

 

突然、ネビルが悲鳴を上げ、闇雲に走り出した。きっと恐怖でおかしくなってしまったんだろう。ネビルはつまづいてロンの腰に抱きつき、二人揃ってまともに鎧にぶつかって倒れ込んだ。

 

『ガラガラガッシャーン!』

 

城中の人全員を起こしてしまいそうな、凄まじい音だった。

 

「逃げろ!」

 

ハリーが声を張り上げ、全員で回廊を疾走した。とにかく走った。フィルチが追いかけて来るかどうか振り向いて確かめる余裕も無く、全速力で扉を通り、次から次へと廊下を駆け抜けた。自分達がどこにいるのかもわからないまま、タペストリーの裂け目を見つけ、矢のようにそこを抜け、出てきたところが『妖精の呪文』の教室の近くだった。そこは、トロフィー室から大部分離れている。

 

「フィルチを撒けたと思う?」

「多分ね、フィルチは走るのが遅いから、撒けたと思う」

 

ハリーの質問に答えて、私は冷たい地面に腰を下ろし、額の汗を拭って息を整えた。ハリーは壁に寄りかかり、息を弾ませている。

 

「だから……そう……言ったじゃない」

 

ハーマイオニーは胸を押さえて、苦しそうに言った。

 

「うん、グレイの言った通りだった。グリフィンドール塔に戻らなくちゃ、出来るだけ早く」

 

ロンはとうとう、自分達がマルフォイに嵌められたことを認めた。

 

「きっとマルフォイが告げ口したのよね。フィルチは誰かがトロフィー室に来るって知っていたのよ」

 

ハーマイオニーが結論を出すが、正直、今はそんなことどうでもいい。

 

「私達がこうしてる間にもフィルチが近づいて来てるかもしれない、お説教は後でいいから兎に角寮に戻ろう」

「……そうだね、行こう」

 

急いで向かえば、気付かれずに寮に戻れて一件落着だ。

 

「イーヒッヒッヒッヒッヒ!」

 

でも、そうは問屋が卸さなかった。ほんの十歩と進まないうちに、扉の取っ手がガチャガチャ鳴り、教室からなにかが飛び出して来た。ピーブスだ。

 

「おやおやぁ?真夜中にふらふらしているのかい?一年生ちゃん。チッチッチ、悪い子、悪い子、捕まるぞ~」

「ああもう!こんな時に!」

 

最悪とかもう言葉では表せることが出来ないくらいひどい状況だった。

 

「お願いピーブス、黙っててくれたら捕まらずに済むよ。頼むよピーブス」

「フィルチに言おう。言っちゃおう!言わなくちゃ!君達の為になることだもんね~」

「どいてくれよ」

 

ロンが怒鳴ってピーブスを払い除けようとしたが、もう遅かった。

 

「生徒がベッドから抜け出した!『妖精の呪文』の教室の廊下にいるぞ!!」

 

ピーブスは大声で叫んだ。

 

「この腐れ外道ピエロ!いつか絶対殴る!!」

 

思わず口調が乱れてしまった。ピーブスは下をすり抜け、私達は命からがら逃げ出したが、廊下の突き当たりで扉にぶち当たった。鍵が掛かっている。

 

「もうだめだ!おしまいだ!一巻の終わりだ!」

 

ロンが呻いた。全員でドアを押したがどうにもならない。遠くから足音が聞こえた。ピーブスの声を聞きつけ、フィルチが全速力で走って来る。

 

「ハーマイオニー、お願い」

「任せて」

 

ハーマイオニーはハリーの杖をひったくり、呪文を唱えた。

 

「アロホモラ!」

 

カチッと錠が開き、扉がパッと開いた。私達は折り重なって雪崩れ込み、急いで扉を閉めた。

 

「コロポータス!」

 

念のため、私は魔法で鍵をかけた。これならもしフィルチが確認しようとしても、鍵が掛かっているから別のところに探しに行くだろう。私達は扉に耳をピッタリつけて、耳を澄ました。

 

「どっちに行った?早く言え、ピーブス」

「『お願いします』と言いな」

「ゴチャゴチャ言うな。さあ連中はどっちに行った?」

「お願いしますと言わないなーら、なーんにも言わないよぉ」

 

フィルチとピーブスの会話が聞こえた。ピーブスはいつもの変な抑揚のある癇に触る声で言った。

 

「仕方がない……お願いします」

「なーんにも!ははは。言っただろう。『お願いします』と言わなけりゃ『なーんにも』言わないって。はっはのはーだ!」

「この腐れ外道ピエロ!」

 

ピーブスがヒューッと消える音と、フィルチが怒り狂って悪態をつく声が聞こえた。私と言ってることが被ったのは単なる偶然だろう。多分。

 

「フィルチはどっか行ったみたいね、アロホモラ」

 

私は自分でかけた魔法を反対呪文で打ち消した。

 

「あれ?君なんでその魔法が使えるのにハーマイオニーに任せたのさ?グレイがやれば良かっただろう?」

「まだ咄嗟にアロホモラは練習中、咄嗟には使えないの。コロポータスの方が上手く使えるってだけ」

「そんな些細なことはどうだっていいだろロン。それよりもネビル。いい加減、放してくれよ」

 

ハリーがヒソヒソ声で言った。ネビルがさっきから後ろを見ながらハリーのガウンの袖を引っ張っていたからだ。

 

「放しなよネビル、いつまでもハリーに捕まってたらもしものと…き……に」

 

私はネビルの視線の先にあるものを見た。見てしまった。暫くの間、私は固まっていた。目の前にあるものを信じたくなかった。

 

「……嘘でしょ……」

 

そこは部屋ではなく、廊下だった。そして思い出した。ホグワーツに入学した日、ダンブルドア先生が言っていたではないか。『とても痛い死に方をしたくない者は、今年いっぱい四階の右側の廊下には入らぬことじゃの』と。そう、私達が今いるのは四階の『禁じられた廊下』だった。今こそ、なぜ立ち入り禁止なのか納得した。

 

「こいつは……!?」

 

怪獣のような犬の目だった。床から天井までの空間全部がその犬で埋まっている。頭が三つ。血走った三組の鋭い目。三つの鼻がそれぞれの方向にヒクヒク、ピクピクしている。三つの口からが黄色い牙を剥き出しに、その間からダラリと、ヌメヌメした縄のような涎が垂れ下がっていた。

 

「……ヒッ!?」

 

怪物犬はじっと立ったまま、その六つの目全部で此方をじっと見ている。どうやら、私達がまだ無事なのは、私達が急に現れたので怪物犬が不意を突かれて戸惑ったからのようだ。でもその戸惑いも消えたらしい。

 

「グルルルル……」

 

雷のような唸り声が間違いなくそう言っている。

 

『うわああああああああああああ!?!?!?!?!?』

 

全員で城に響き渡るくらい大きな悲鳴を上げた。今はもうフィルチか死か。と聞かれたら全員フィルチと答えるくらい冷静じゃなかった。私達は入ったときとは反対方向に倒れ込んだ。ハリーが扉を後ろ手にバタンと閉めると、皆飛ぶように廊下を走った。フィルチの姿はない。急いで別の場所を探しに行ってるようだがそんなことはどうでもよかった。兎に角あの怪物犬から少しでも遠くに離れたい一心だった。駆けに駆け続けて、やっと『太った婦人の肖像画』までたどり着いた。

 

「まあいったいどこに行ってたの?」

 

走ってる最中に転んでボロボロになり、汗だくになった私達を見て、婦人は驚いていた。

 

「なんでもないよ、豚の鼻」

 

息も絶え絶えにハリーが合言葉を言うと、肖像画がパッと前に開いた。私達やっとの思いで談話室に入り、わなわな震えながら肘掛け椅子にへたり込んだ。口がきけるようになるまで、暫くかかった。私はただ意気消沈していた。

 

「あんな怪物を学校の中に持ち込んで閉じ込めておくなんて、教師連中はいったいなにを考えているんだ!」

 

やっとロンが口を開けた。

 

「わからないよ、わかりたくもない。ていうか、あれ、普通に死ぬよね?下手したら私達全員食べられてたよね?」

 

そもそもなんで基本呪文で入れるような場所にあんなのを置いておくのかわからない。知ってたら絶対入らないのに言ってくれても良かったんじゃないだろうか。

 

「世の中に運動不足の犬がいるとしたら、まさにあの犬だね」

 

ハリーが皮肉を混ぜてそう言った。

 

「あなた達、どこに目をつけてるの?あの犬がなんの上に立っていたか、見えなかったの?」

「床の上じゃないの?」

「床に立っているのは当たり前でしょ」

 

ハリーの解答に思わず突っ込んでしまった。

 

「足なんか見てなかったさ。頭を三つ見るだけで精一杯だったよ」

 

ハーマイオニーは立ち上がってハリーとロンを睨みつけた。

 

「違う、床じゃない。仕掛け扉の上に立っていたのよ。なにかを守っているに違いないわ」

「なにを守ってるなんてどうでもいい。これは多分、私達が関わっちゃいけないことだと思う。私は部屋に戻るよ、今日は兎に角疲れちゃった。おやすみなさい」

 

私は皆に投げやりにそう言い残して部屋に戻った。私は上着から眠るビートルを出して鳥籠のベッドに入れた。

 

「グレイ」

 

後ろを振り返ると、私と同様に疲れた様子のハーマイオニーがいた。

 

「ごめんなさい、変なことに付き合わせちゃって。怒ってる?」

 

ハーマイオニーは私を巻き込んだ罪悪感にかられているのかもしれない。

 

「大丈夫よ、私が自分から突っ込んだことだから気にしないで」

「…でも…」

「私は大丈夫、明日も授業があるんだから早く寝よう?」

「…そうね…ありがとう」

 

そう言うと、ハーマイオニーは自分のベッドに倒れた。どうやら眠ったらしい。私も自分の上着を脱ぎ、髪を最低限鋤いて横になった。今日は昼の飛行訓練を初め、怪物犬など、刺激の多い日だった。この学校がいったいどうしてあんな怪物犬を置いているのはわからないけど、あんな体験はこれっきりにして欲しかった。

 

「私、生きて卒業できるかな?」

 

疲れているからか、気付けばそんな言葉を口にしていた。




グレイの口調が安定しない……。

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