ハリー・ポッターと最後の不死鳥   作:TARAKON X

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第8話 仲違いに怪物

ハリーやロン、ネビル、ハーマイオニーと真夜中の大冒険を繰り広げた翌日。私は真夜中の出来事のせいで、眠っても疲れがとれないでいた。

 

「昨日は凄かったよな!あんな体験滅多に出来ないぜ!」

「うん!ホグワーツってやっぱり面白いね!」

 

朝食の時間、ハリーとロンは真夜中の出来事に興奮を抑えきれない様子だった。

 

「二人共、あの怪物犬が怖くなかったの?」

 

私はつくづく疑問だった。こういうところは男女で価値観が違うのだろうか?

 

「何を言ってるんだ?勿論怖かったさ、でも、それよりも僕はあの怪物犬が何を守っているか気になってしょうがないよ」

「それって、ハーマイオニーが言ってた床の扉?」

「正確にはその奥にある何かをだね」

 

どうやらハリーは私が思ってた以上に好奇心旺盛な性格をしているみたいだ。

 

「あんな怪物に守らせてるくらいなんだから、とても大事な品物に決まってるでしょ。もう忘れましょうよ」

「もの凄く大切か、もの凄く危険な物だな」

「その両方かも」

「人の話聞いてる?」

 

マクゴナガル先生に昨日のこと報告してやろうかな……。

 

「僕がグレイとハグリッドと一緒にグリンゴッツに行ったの覚えてる?」

「…覚えてるけど、それがどうかした?」

「あの時、ハグリッドはホグワーツのとても大事な仕事があるって言ってたんだ、僕の家の金庫とは別の金庫から小さな小包を取り出すのを見たんだ。きっとそれだよ」

「推測までしちゃってるし……」

 

もうダメだな、私が何を言っても無駄だろう。ていうかなんで私は必死に忘れようとしてるんだっけ?なんか馬鹿らしくなってきた。

 

「はぁ…もういいや」

「グレイが忘れたいなら、一人で忘れれば良いだろう?」

「二人を見てると、なんかもう自分が馬鹿らしくなっちゃった」

「結局君も気になってたんじゃないか」

 

笑いながらロンが言ってきた。

 

「うるさい」

 

私はムスッとした顔でロンに言い返した。ハーマイオニーからのツンとした視線も気づかずに。

 

 ーー

 

「グレイ、あなたどういうつもりなの?」

 

その日の夜、ハーマイオニーは部屋でいつも通りビートルに餌をやる私に強い眼差しを向けてきた。

 

「朝の様子を見たけど、あなた、あの二人に協力的だったじゃない。忘れようって言ったのはあなたでしょ?」

「そのつもりだったんだけどね、あの二人、昨日のことが全然忘れなさそうだったから。あの二人を見てると、なんか白けちゃった」

「馬鹿なことに付き合うつもり?」

「あの二人が無茶しそうになったら私が止めるから、ハーマイオニーは気にしなくてもいいよ」

 

ハーマイオニーが言いたいこともわかる。でも、あの二人には何を言っても無駄だろう。だったら、二人が行きすぎた行動をしないように、誰かが見守るしかない。私はそう考えた。

 

「……もういい!グレイの好きにすれば!」

 

私の判断が気に食わなかったのか、ハーマイオニーは怒って部屋から出ていってしまった。

 

「怒らせちゃったかな…」

 

ハーマイオニーを裏切るようなことになってしまった。

 

「ピピィ……」

「いいのかって?大丈夫よ、ハーマイオニーならわかってくれる」

 

そうビートルには言ったけど、それから二週間くらい経ってもハーマイオニーとまともに会話することは無かった。

 

 ーー

 

真夜中の出来事から二週間くらい経った今日、ホグワーツはいつも以上に浮わついた雰囲気に包まれていた。何故なら今日は10月31日、ハロウィーンだったからだ。

 

「ジョージが言ってたけど、夜はかぼちゃ料理とお菓子が山ほど出てくるんだって!楽しみだなぁ」

「…うん、そうだね」

「どうしたのグレイ?元気無いけど」

「まだ、ハーマイオニーのこと気にしてるのかい?」

「……うん、あれから二週間経ったのに、まともに話してない……どうすればいいのかなぁ?」

 

ハーマイオニーと私の仲は、あれから改善することは無かった。会話も最低限のことしか話してない。私自身、どうハーマイオニーに声をかけたらいいのかわからなかった。

 

「いい加減しつこいな、面倒臭い奴」

「あまり気にするなよ、今日の授業のことでも考えよう」

「……そうね、今日も授業があるし、切り替えてどうすれば良いか考えるわ」

 

私は朝食を食べて、どうすればハーマイオニーと仲直りが出来るか考えながら『妖精の呪文』の教室に向かった。

 

「さて皆さん、今日は物を浮かせる魔法の練習をしましょう」

 

今日は浮遊呪文の練習だった。ネビルの蛙をフリットウィック先生が浮かせて飛び回らせるを見てから、やってみたくてしょうがなかった魔法だった。

 

「では皆さん、二人一組になってお互いが失敗した時の理由を指摘し合いましょう。それが成長に繋がります」

 

その言葉を聞いて、私はハーマイオニーと組もうと決めた。これを機に仲直りしようと思ったからだ。

 

「グレイ!僕と組んでくれない!?」

 

でも、そう上手くはいかなかった。ネビルが懇願してきたからだ。

 

「ネビル、ええと……」

「迷惑だってことはわかってる、でも、失敗して寮の点数を下げたくないんだ!頼むよ!」

「……でも」

「ああ、ベアボーンさん、ロングボトム君と組んで上げなさい。あなた達ならきっとお互いを高め合える」

「…わかりました…」

「ありがとうグレイ!!」

 

私はネビルの懇願に承諾した。ハーマイオニーの方を見ると、なんと彼女はロンと組んでいた。当然、二人の間の空気は最悪だった。

 

「さあ、今まで練習してきたしなやかな手首の動かし方を思い出して」

 

いつものように積み重ねた本の上に立って、フリットウィック先生がキーキー声で言った。

 

「ビューン、ヒョイですよ。いいですか、ビューン、ヒョイ。呪文を正確に、これもまた大切ですよ。覚えてますね、あの魔法使いバルッフィオは、『フ』を『ス』と言ったために、気がついたら床に寝転んだ自分の胸にバッファローが乗っかっていたんでしたね」

 

この呪文は思った以上に難しかった。私も中々成功させることはできなかった。ネビルも想像通り成功できず、手当たり次第で呪文をかけまくっていた。

 

「ウィンガディニム、レヴィオーサ!」

 

『バーン!』

 

当然、呪文が違っていれば起きる現象も違ってくる。ネビルは羽を爆発させて、私が消さなければ机が燃えるところだった。

 

「ウィンガーディアム、レヴィオーサ!」

「オーッ、良くできました!皆さん、見てください。グレンジャーさんがやりました!」

 

フリットウィック先生の言う通りハーマイオニーは見事、羽を浮かせていた。

 

「…ウィンガーディアム、レヴィオサー!」

 

羽は浮かなかった。私は結局、他のことに注意散漫になってその時間内に成功させることはできなかった。

 

「だから、誰だってあいつには我慢出来ないって言うんだ。まったく悪夢みたいなやつさ」

 

授業の後、ロンの機嫌は最悪だった。

 

「ちょっと!なんてこと言うの!いくらなんでもひどすぎる!?」

 

ハーマイオニーの悪口を言うロンを私は強く咎めた。

 

「本当のことだろ?グレイもよくあんなやつと一緒にいれたよな。離れて正解だったんじゃない?」

「ロン!!」

 

廊下の人込みを押し分けながら、私とロンは言い合いになった。すると突然、一緒に歩いていたハリーに後ろから誰かがぶつかって、急いで追い越していった。

 

「ハーマイオニー、泣いてた……」

「今の、聞かれてたみたいだけど?」

「知るもんか、一人も友達がいないってことはとっくに気づいてるさ」

 

もう我慢の限界だった。

 

「私ちょっと行ってくる!」

「行くってどこに?」

「ハーマイオニーのところ!」

「君、人が良すぎるんじゃないの?」

 

ロンの言葉に聞き耳を持たずに、私はハーマイオニーの後を追った。

 

 ーー

 

私はハーマイオニーの場所を探してホグワーツ中を駆け回った。気づくと次の授業も終わっており、太陽も沈んで夜になっていた。大広間ではハロウィンパーティーが始まっている頃だろう。

 

「っ……ふ……っ、ひっ…」

 

ハーマイオニーは地下の女子トイレで、静かに泣いてた。苦しくて寂しい嗚咽が静かなトイレに響いている。

 

「ハーマイオニー、いるんでしょ?」

 

私はハーマイオニーが入っている個室の前に立って語りかけた。

 

「ここ寒いし、泣くとお腹空いちゃうでしょ。大広間に行こう。一緒にカボチャケーキでも食べよ?」

「出ていって!!」

「……ハーマイオニー」

「一人にして…あなただって…私のこと鬱陶しいって思ってるんでしょ?」

「ハーマイオニー…そんなことは…」

「いつもそうなの、最後は皆に嫌われる……前の学校だって……私は悪夢みたいなやつなの…もうほっといて」

「ロンだって、そんなこと言おうと思って言ったわけじゃないよ。正しい言い方がわからないだけだよ」

「嘘よ!…皆私のこと嫌いなのよ……」

「……アロホモラ」

「……え」

 

私は杖を抜いてドアの錠に魔法をかけて、強引に中に入った。

 

「ちょっ!?グレイあなたなにして……!?」

 

中に入ると、私はハーマイオニーを力いっぱい抱き締めた。

 

「私はハーマイオニーのこと好きだよ」

「っ!?」

「嫌ってなんかない、鬱陶しいとも思ってない。正しいと思ってるから、他の人に注意するんでしょ?あなたは優しい人よ。正しくて、真っ直ぐで、いつも周りを気に掛けてる。あなたは凄い人よ」

「……グレイ……」

「あなたは私の友達よ、ハーマイオニー。悪夢でも嫌われ者でもない、私の大事な友達なの。だから一人にしてなんて言わないで、私も一緒に悩むから」

 

友達というのは、気の合う人間のことを差すのではなく。一緒に悩んで苦しむ人間を差すと思ってる。だから私は、ハーマイオニーが苦しんでいるのなら私も一緒に苦しむ。そう心に決めた。

 

「…グレイ…私…ごめんなさい……」

「…うん」

「無視しちゃって…ごめんなさい…」

「いいの、そんなこと。私も勝手なことしてごめんなさい」

 

ハーマイオニーも泣きながら私を抱き返し、暫くはそのままだった。彼女の抱擁はとても暖かかった。

 

「お腹空いたでしょ?大広間で一緒にカボチャケーキ食べよ?」

「…うん」

 

私はハーマイオニーの手を引いてトイレの出口に向かった。そしてドアを開けるとそこには。

 

「グウ?」

 

トロールが目の前に突っ立っていた。

 

「「……え?」」

 

 ーー

 

「グォォォォォーーーーーッ!」

 

トロールが咆哮を上げながら廊下を爆走し、私達もそれに追われる形で廊下を走っていた。

 

「なんで!?なんでトロールがこんなところにいるの!?」

「そんなのわかんない!とにかく走って!!」

 

トイレの出口とトロールがまだそれなり距離があって助かった。そうでなければ私達は閉じ込められてトロールにタコ殴りにされるところだった。

 

「グレイ!ハーマイオニー!」

「やーい、ウスノロ!こっちを向け!」

 

トロールよりも後ろからハリーとロンの声が聞こえた。走りながら振り返ると、二人はそこらへんの石を拾ってトロールに投げつけていた。

 

「グウウウ!!」

 

トロールは立ち止まって、ハリー達に狙いを変えた。

 

「こっち見てるよハリー、こっからどうするの?」

「……」

「ハリー?」

「…ごめん…こっから考えて無かった」

「嘘だろ!?」

 

どうやら無策で突っ込んできたらしい。

 

「ああもう!インセンディオ!」

「オオオオオオオオォォォ!?」

 

先生達の魔法とは威力が全然違うけど注意を引くことはできた。火傷を負って怒ったトロールは、私に棍棒を振り上げた。

 

「プロテゴッ!?」

 

咄嗟に防御することはできたが、私の防御魔法は砕け散り、衝撃で吹き飛ばされてしまった。体が数メートル転がり、自分で体中に打撲を負ったと思えるほどの痛みが私を襲った。

 

「がっ……!?」

「グレイ!」

 

ハーマイオニーが駆け寄ってくるのが見えた。そして、そのハーマイオニーを殴ろうとしたトロールの棍棒にハリーが掴みかかるのも見えた。

 

「うわあ!?」

 

勇敢とも無謀とも言える行動だった。しがみついた棍棒からトロールの頭に取り付いたハリーは、持っていた杖をトロールの鼻に突き刺した。

 

「グオオォォオオオオオオオオオオ!?!?」

 

痛みに唸り声を上げながらトロールはやたらめったらと振り回したが、ハリーは振り落とされないようにしっかりしがみついていた。トロールはハリーを振りほどこうともがき、今にも棍棒でハリーに強烈な一撃を食らわせそうだった。あれをまともに食らったら、全身骨折どころか死んでしまう。

 

「ロン!何かやって!」

 

私はロンに向かって叫んだ。ハリーはトロールにしがみつくので必死、私は痛みで動けそうになく、ハーマイオニーはこの状況に満身創痍で何かできる様子ではない。まだ落ち着いているロンがどうにかするしかない!

 

「なんでも良いから何かやって!」

「何かって……えっと…あ!」

 

ロンは杖を取り出し、トロールの棍棒に向けた。

 

「ウィンガーディアム、レヴィオーサ!」

 

突然棍棒がトロールの手から飛び出し、空中を高く上がってゆっくり一回転した。

 

「ウ…ウウ?」

 

トロールは自分の棍棒がどこにいったいのかわからず、混乱していた。そして『ボクッ!』という嫌な音を立てて棍棒は持ち主の頭に直撃した。

 

「ゴガッ!?」

 

トロールはふらふらっとしたかと思うと、『ドサッ!』と音を立ててその場にうつ伏せに伸びてしまった。倒れた衝撃で廊下全体が揺れた。

 

「はぁ、はぁ、なんとか、なった…?」

 

立ち上がったハリーは、ぶるぶる震え、息も絶え絶えだった。ロンはまだ杖を振り上げたまま突っ立って、放心状態になっていた。

 

「これ……死んだの?」

 

ハーマイオニーが口を開いた。

 

「いや、ノックアウトされただけだと思う」

 

ハリーはかがみ込んで、トロールの鼻に刺さった杖を引き抜いた。緑の糊の塊のようなものが杖先にベットリと付いていた。ハリーはそれを気持ち悪がって、トロールが身に付けている布でそれを拭き取った。

 

「グレイ、大丈夫?どこを怪我したの?」

「大丈夫、地面に体を打っただけよ。大した怪我じゃないと思う」

 

そう言って私はゆっくり立ち上がった。時間が経って痛みが引いてきたので大怪我は負ってない。

 

「いっつ……!?」

 

と思ったのもつかの間、右腕がズキリと痛んだ。吹き飛ばされた時に最初に地面にぶつけたのが右腕だった気がする。

 

「グレイ、やっぱりどこか怪我してるんじゃ……」

「……そうみたい」

 

その後、一分も経たないうちにマクゴナガル先生がやって来た。そのあとすぐにスネイプ、最後はクィレル先生だった。クィレル先生はトロールを一目見た途端、ヒィヒィと弱々しい声を上げ、胸を押さえて廊下に座り込んでしまった。スネイプはトロールを覗き込み、マクゴナガル先生は怒りに満ちた目で私達を見据えた。

 

「いったいあなた達はどういうつもりなのですか?」

 

マクゴナガル先生の声は怒気を含めた声だった。

 

「殺されなかっただけでも運が良い。Miss.ベアボーンは怪我をしているようですね。寮にいるはずのあなた達がどうしてこんなところにいるのですか?」

 

私はハーマイオニーを探してたからパーティー会場にいなかった。だからトロールがいるなんて気づかなかった。トロールがいることを知っていたハリーとロンは、偶々トロールに追われている私達を見たから助けてくれたのではなく、最初から罰則覚悟で知ってて来てくれたらしい。

 

「マクゴナガル先生、三人は悪くないんです」

「Miss.グレンジャー!」

 

ハーマイオニーがマクゴナガル先生に事情を話し始めた。

 

「私がトロールを捕らえに来たんです。私……一人でやっつけられると思いました。あの、本で読んでトロールについては色々なことを知っていたので」

 

ロンが驚いて杖を取り落とした。ロンの気持ちもわかる、ハーマイオニーが先生に真っ赤な嘘をついているのだから。

 

「もし三人が見つけてくれなかったら、私、今頃死んでました。グレイは私をトロールの攻撃から庇ってくれて、ハリーは杖をトロールの鼻に刺し、ロンがトロールの棍棒で倒してくれたんです。三人とも誰かを呼びに行く時間なんて無かったんです。三人が来た時、殺される寸前でした」

 

私達は、その通りです、という顔を装った。

 

「Miss.グレンジャー、なんと愚かしいことを。たった一人で野生のトロールを捕らえようだなんて、どうしてそんなことを考えたのですか?」

 

ハーマイオニーは項垂れた。私達は言葉も出なかった。規則を守るハーマイオニーが、破ったふりをして私どころかハリー達も庇ったのだから。

 

「Miss.グレンジャー、グリフィンドールから十点減点です。勝手に行動し、助けに来た友人は怪我を負ったのですから」

 

それを聞いて私も少し落ち込んだ。私が怪我さえしなければ、ハーマイオニーが責任を取るような形になることは無かったからだ。ハーマイオニーは私に一瞥すると、とぼとぼ寮に戻って行った。

 

「では、あなた達」

 

マクゴナガル先生は私達に向き直った。

 

「先ほども言いましたが、あなた達は運が良かっただけです。しかし、野生のトロールと対決できる一年生はそうざらにはいません。一人五点ずつあげましょう。ダンブルドア先生に報告しておきます。Miss.ベアボーンは私と一緒に医務室へ、他二人は帰ってよろしい」

「「「……はい」」」

 

その後、私はマダム・ポンフリーの医務室に連れていかれて治療を受けた。怪我は完全に治して貰ったけど、安静の為に医務室に泊まることになった。今頃ハリー達はグリフィンドール寮でパーティーの続きをしているのだろうけど、私は参加することが出来なかった。

 

「はぁ…ハーマイオニーと一緒にカボチャケーキ食べなかったなぁ…」

 

一緒に食べようと言ったのに、食べれなかった。

 

「では、ワシと一緒に食べてくれんかの?」

「ッ!?」

 

突然のことで思わずビックリした。

 

「……ダンブルドア先生」

「いかにも」

 

私のベッドの横には、いつの間にかダンブルドア先生がいた。それもカボチャケーキを持って。

 

「ダンブルドア先生、あの、医務室は飲食禁止では?」

「安心しなさい、マダム・ポンフリーには言ってある。友を救った君が、一人寂しくハロウィーンを過ごすのは可笑しかろう。それに、パーティーが突然終わってしまったものじゃからのう。話し相手が欲しかったところなんじゃよ。どうかのう?」

「えぇ…」

 

正直、気が乗らなかった。私はハーマイオニーと食べたかったし、あれだけのことがあったから、食べたいとも思えなかった。

 

「気が乗らんかのう?」

「……すいません、先生、また今度の機会『ぐぅううううーー』…に……」

 

………………………………………………………………。

 

とても大きな音が鳴ってしまった。自分の顔が羞恥で赤く、熱くなっているのがわかった。ダンブルドア先生はそんな私を見て、ただニコニコ笑っていた。

 

「……あの……」

「何かね?」

「……ケーキ一切れ、貰えますか?」

 

 




とりあえず、賢者の石はちゃんとやりきる予定です。

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