「………何処だよ、ココ。」
思わずついて出た言葉は……解決を促すものではなく。
現代日本として考えるのなら、ありえないほど……鬱蒼と茂った木々を前に、立ち尽くす他なかった。
さっきまで、さっきまで……こんな所には居なかったのだ。
間違いなく、ナニカがおかしい。というより、異常だ。
これが、俺が見ている夢ならばいいと思えるくらいに。
何しろ、ほんの数分前までは都会のど真ん中にいたはずなのだ。右手には、コンビニで買い漁った菓子類や清涼飲料の入ったレジ袋なのだ。
ありえない。その言葉を呟く前に、無理やり喉の奥に押し込んだ。
ありえない、分からない。この言葉は万能ではない。あらゆる事象には理由がある。ことわりがある。
あらゆるものは物理法則に従っている。そうに違いない。
言ってしまえば……現実逃避を並べ立てているだけなのだが、それが普通だ。と自分の中で結論づけた。
それも、野犬と思わしき動物の群れを見つけるまでは。
「っ……クソが、クソがクソッタレがぁぁぁぁぁ!!!!!」
走り出す。逃げるしかないからだ。すぐに追いつかれる可能性はある。と言うかそれしかない。
それでも、逃げるしかない。少しでも誰かに見つかるように大声を上げながら、走る…走る、走る……!
「お、ぉ……お?っ、はは……お前、面白いことしてるな。」
やけに透き通る声だった。 助けを求められるのか。そんな淡い期待は…声の主であろう少女を見た途端……消え失せた。
「ッ……にげ、ろ……っ!危ないから!……はやく……ッ!」
大きな帽子と黒白のゴスロリ調…と言えばいいのだろうか。一般的に見れば…いかにもな魔法使いに見えそうな服装。……森の中、ということを除けばコスプレと断じて関わらないような…少女だった。
視界に居る少女は、屈んだままだ。なにかーー恐らくは、腕にかけているカゴに見えるキノコを採取していたのだろう。毒々しい見た目のものもあるが…そんなこと構ってられない。俺一人で逃げるわけじゃないのだ。
例え、俺が死んだとしても…この子は助けられたら。そんな英雄願望すら抱いて、目の前の子を抱えて…逃げるつもりだった。
やけに背の高い雑草の中から…いわゆる竹箒が、見えた。少女が持ったのだろう。それを使って追い払うのか?
そんな…絶望に近い推測は、
箒ごと、宙に浮く少女を見て、全てが消え去った。
「お前、良い奴なんだろうな。それに免じて、助けてやるよ!」
「マスタースパーーークッ!!」
そんな言葉と共に彼女が構えたナニカの小さい道具。……そこから放たれる光線……いや、極太のビームに、視界が焼ける。
「自己紹介がまだだったな!私の名前は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!」
特に無し。継続して読んでくれると嬉しいな♡