『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第四話(改訂)

 

 

 

 

 

 

「納期の延長は出来ない。それが我々の答えだ」

「………分かりました」

 

 重役の言葉を思い出しながらプレシア・テスタロッサは最後の調整システムの作業をしていた。この調整システムが終われば愛娘のアリシアと休暇を取る予定だった。プレシアは新型の大型魔力駆動炉の開発プロジェクトの設計主任だったが完全なお飾りであり権限は無に等しかった。主任補佐とその関係者による安全性度外視の開発と、駆動炉の稼働実験の強行があった事もありプレシアは実験を認める代わりに自身の参加も要請した事で成果を見守る事にしたのだ。

 

「それでは実験を開始します」

 

 研究員の言葉に駆動炉の実験が開始されるが数分を待たずして駆動炉が膨張し暴走を始めるのである。

 

「強制冷却水の注水だ!!」

「駄目です、強制冷却水の注水でも温度が上昇しています!!」

「お母さん……」

「大丈夫よアリシア……冷却水の注水作業は続けて!! 駆動炉が機能停止するまで続けるのよ!!」

「開発主任、それでは!?」

「貴方達が強引に推し進めたのでしょう!! ならば最後まで責任を取りなさい!!」

 

 主任補佐の怒号にプレシアは怒号で返す。その間にも暴走は続きーー。

 

「く、駆動炉、臨界点突破します!?」

「ーーーッ!?」

 

 研究員の言葉にプレシアは咄嗟にアリシアと猫のリニスを抱き締めたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヤーマト!! ヤーマト!! ヤーマト!!』

 

 あれから幾分かの時が過ぎ、ヤマトは無事に『コスモリバースシステム』の受け取りに成功して地球に帰還する事になる。

 それにより半汚染されていた地球は元の緑に水が溢れた世界を取り戻す事に成功するのであった。

 

「これでめでたしめでたし……ってわけにはいかないわな……」

 

 『ヤマト』からの報告で帰路の途中で白色彗星艦隊ーーガトランティス艦隊と衝突していた事は報告書で将和も読んでいた。

 

(これは案外……ヤマト2への方向に行けるか?)

 

 将和はそう思ったりするが直ぐに被りを振る。

 

(いや……さらばになる可能性もあるから要注意だな。そうなると古代達が戦死するフラグ出まくるなぁ……)

 

 将和はそう思いながら久しぶりに出た地上のとあるところに赴く。そこは横須賀にある戦没者墓地だった。

 

「……久しぶりだな古代」

 

 将和は花と一升瓶の酒を持ってきており花を添えると墓石に一升瓶を注ぐ。墓標には『古代守之墓』と記載されていた。

 

「全く……改変をしてきたつもりだったのにお前が死んでどうするんやってのッ」

 

 将和はそう言いながら酒を仰ぐ。腹にアルコールが染み渡るがそれだけでは酔えそうにもなかった。

 

「お前の弟がこれからどうするのかは知らん。が、俺は地球を守る。そういう事だ」

 

 それから暫く、将和は無言で飲んでいたがそこへ歩く音が聞こえてきた。

 

「三好君……」

「……新見か」

 

 現れたのは花を携えた新見だった。恐らくは古代の墓参りなのだろう。

 

「『ヤマト』はいいのか?」

「えぇ……先生が見てくれてるから……」

 

 そう言いながら新見は花を添え、古代の墓に手を合わせる。その間に将和はごそごそと紙コップを出して新しく酒を紙コップに注ぎ新見に渡す。

 

「奢りだ。今日くらいはいいだろ」

「……そうね」

 

 将和の言葉に新見は笑みを浮かべて紙コップを受け取り口に含んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たっくもぉ~~何で死ぬのよ古代君~~」

「……絡み上戸だったの忘れてたコイツ……」

 

 酒盛りを初めて数時間、いつしか新見は酔っ払っていた。最初はあったはずのツマミも気付けば新見に食べられておりすっからかんであった。

 

「古代君も古代君よ!! 何で私みたいな美人と別れるのかしら~~~」

(……絡み上戸だからじゃね? てかそれが正解しか無い気もするが……)

 

 思わず将和は古代の墓石を見る。その墓石付近で古代守がごめんと頭を下げてるように思えて仕方なかった将和である。

 

「ほら飲みなさいよ三好君!!」

「いやあのな新見……」

「飲めないってなら……んぐっんぐっ……」

「ちょ、おま……」

 

 苛立ったのか新見は一升瓶に口を付けてらっぱ飲みをしたと思ったら一升瓶からそのまま将和の口に吸い付いたのである。

 

『や、やった!?』

 

 一瞬、守の幻聴な言葉が聞こえたと思った将和であるがそれとは裏腹に新見は将和に酒を送り込んだ。

 

「プハッ……」

「お、お前な……」

 

 口から離した新見だったが頭をフラフラと揺らしながら次第に顔の表情が蒼白になってきた。

 

「……ウッ……気持ち悪い……」

「ま、待て新ーー」

「オェーーー」

 

 その日、将和の軍装一着が次の日にクリーニングへ出されたのは言うまでもなかったが将和のフラグはそこで終わりを告げていなかった。

 泥酔して高いびきで寝た新見を何とか『ヤマト』にまで届けて当直の宙曹に任せた後、一人で酔い醒ましに散歩をしながら官舎まで歩いていた。

 

「まだ肌寒いが……良い夜の日だな」

 

 将和はそう呟きながら歩いていると、ふと電柱の付近に黒い影があった。

 

「……ん~?」

 

 目を擦るとその黒い影から人間が見え、将和は数10年振りにその人間を見て目を見開いた。

 

「……フェイト……?」

 

 黒い影は二人の人間であり一人は黒髪で腰まである長髪の女性と金髪の長髪での女の子と猫を抱えていてた。だが、女の子は将和がかつてテレビの画面を通して見ていた『魔砲少女』もとい『魔法少女リリカルなのは』シリーズに出てくるなのはLOVE……もといなのはの親友であるフェイト・テスタロッサに似ていた。だが……。

 

「いや待て……この女性……まさかプレシア・テスタロッサか? となると……この子はアリシア・テスタロッサとリニス?」

 

 将和は首を傾げながらジッと二人と一匹を見つめるが確かにそれらの人物に似ていた。

 

「……取り敢えずは官舎に送るわけにはイカンし……となると実家しかないか」

 

 将和は無人タクシーを呼びつつ実家に電話をし無理矢理起こされた将和の母である知子は嫌な顔をせず了承してくれたので急遽実家に向かう事になったのである。無論、チュンには有給で休む事をメールしておいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ッ…………」

 

 プレシアは雀の声で目が覚めた。横に視線を向けると愛娘のアリシアがスヤスヤと寝ていた。

 

「………アリシアッ!?」

 

 意識が覚醒したプレシアは思い出してアリシアに触れる。アリシアは多少むずいたが起きる事はなく寝続ける。ホッとしたのもつかの間、プレシアは辺りを見渡すとそこは見慣れぬ部屋であった。確か第97管理外世界『地球』にあるニホンという国の部屋の造りであるワシツというのに似ていた……。

 そこへ襖が開かれ中から一人の男ーー将和が水を入れたコップを載せた御盆と共に現れた。

 

「おっ、目が覚めたか」

「あ、貴方は……」

「昨日、道端で気を失っていた貴女方を保護した者だよ」

 

 ヨイショっと将和は御盆を机に置いて座る。将和の言葉にプレシアは頭を下げる。

 

「それは……ありがとうございます。ところで此処は……?」

「此処は地球。貴女方で言うと第97管理外世界のところですな」

「地球ッ!? そんな……あの爆発事故で地球まで跳ぶなんて……」

(爆発事故……となるとアリシアが死亡した時のか)

 

 驚くプレシアを他所に将和は爆発事故の単語に直ぐ納得した。アニメに比べたらプレシアは随分と若く声も低い声ではなくむしろ高かった。(CV:17才さん)

 

「それと……猫の方ですが、猫は残念ながら……」

「リニス!? そんな……」

 

 猫ーーリニスは将和が見つけた時はまだ息をしていたが実家に連れ込んだ時にはもう息を引き取っていた後だったのだ。今は小さな布団に毛布を掛けられた状態で眼を閉じておりプレシアが呼び掛けても眼を開けて返事をする事はなかった。

 

「……分かりました。わざわざこのような形をありがとうございます」

「いえいえ。一先ずはゆっくりなさって下さい。もう少しで朝食なのですがどうされますか?」

「……この子が眼を覚めてからでも宜しいですか?」

「えぇ、勿論構いませんよ」

 

 プレシアの願いに将和は頷き部屋を後にするのであった。なお、アリシアが眼を覚ましたのはそれから一時間後の事であった。

 

「もぐもぐ……美味しいよおばちゃん!!」

「あら、それは嬉しいねぇ。目玉焼きのお代わりはまだあるよ」

「うん、ありがとう!!」

 

 知子が目玉焼きを載せた皿をアリシアに差し出してアリシアは笑顔で礼を言って食べる。

 

「何から何までありがとうございます」

「良いのよ。将和から急に言われてびっくりしたけど、旦那が最近仕事でいないから楽しくて楽しくて嬉しいもんだよ」

 

 プレシアの言葉に知子は笑みを浮かべる。そして朝食後、将和はプレシアに視線を向ける。

 

「さてテスタロッサさん。実は貴女が思っている第97管理外世界の地球ではないのですよ。いや、原則には地球は地球なのですがね」

「……何となくは分かっていました。それとテレビを拝見しましたが私が知っている第97管理外世界の地球ではありませんでしたので……」

 

 そして将和はプレシアに対してこの世界を語り出すのであった。

 

 

 

 

 

 




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