『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第九話(改訂)

 

 

 

 

 

 

「そうか、土方は『ヤマト』に乗ったか……」

「だが……こうなると防衛艦隊の司令長官に土方は乗せれませんな」

 

 地球防衛軍司令部で防衛軍司令長官の三好正信大将と芹沢大将らはそう話していた。

 

「フム……司令長官は一艦隊のスコット中将に任せるしかないかの……」

「ですが長官、スコット中将は波動砲戦略に凝りすぎています。それが影響しないかあるかは……あると思います」

 

 正信の言葉に藤堂はそう具申する。スコット中将は波動砲信者であり同じく信者である谷らと波動砲隊型のマルチ隊型を作ったのもスコット中将らであった。

 

「ム。それは俺も分かっている……が」

「やはり波動砲論者は根強いですか」

「波動エンジンも勝利の一つだろう。だが最大の勝利は人じゃよ人」

 

 芹沢の言葉に正信はそう言う。

 

「だがスコットの他に全艦隊を任せれるのは……」

「……息子に任してはみては?」

「駄目じゃな、階級が低すぎる。それにガミラス戦役を生き残った中堅将校らが反発するだろうな。まぁパエッタやカールセンらなら賛同するのぅ」

 

 正信は溜め息を吐きながらコーヒーを飲む。

 

「まぁ艦隊はスコット中将に任せよう。それと冥王星基地……第十三艦隊からの報告だが……」

「悩みの種……ですな」

「魔法……か。まぁ波動エンジンも魔法の部類に入るかもしれませんな」

「芹沢、上手い事言うな……。だが脱走者らしいから気にする必要は無いかもしれないな」

「ですが転移しているとなれば向こうも知っている可能性も……」

「まぁそこは空想の類に入るだろうな」

「ガトランティスで手一杯ですのに魔法が関わってくるとなると……頭が痛いですな。あぁ、スミマセン。テスタロッサ技術中尉の事では……」

「ハハハ、プレシアさんなら大丈夫じゃよ。それで奴さんらはまだ冥王星……第十三艦隊にいるんだな?」

「その筈ですが……地球に来させますか?」

「いや……将和に預かってもらう」

「成る程。監視も兼ねていると……」

「まぁの。後、序でに押し付け易いからの」

「ハハハ。それは1本取られましたな」

 

 正信はそう言うが藤堂は厄介者を押し付けた感触だったがそれを口には出さずに胸の中に仕舞い込むのである。

 

「当面はガトランティスだ。奴等の警戒は厳にせよ」

「ハッ!!」

 

 斯くして地球防衛軍の方針は決まったのである。そして冥王星ではというと……。

 

 

 

 

 

「フハハハハハ!! これが、これが、これが波動エンジンという代物か!!」

「凄いですわドクター!?」

「うーん、スカさんが狂喜乱舞してるなぁ」

 

 将和は波動エンジンを見て狂喜乱舞しているスカリエッティを見ながらコーヒーを飲む。第十三艦隊は現在、冥王星基地にて停泊しており将和は暇を見てスカリエッティらを『伊勢』の艦内を案内していたのだ。

 その過程でスカリエッティらを機関室ーー波動エンジンを案内してからはスカリエッティとクアットロが狂喜乱舞していたのだ。本来は保全の関連で見せれないが将和は「まぁスカさんだし良いや」と司令官権限で許可している。

 なお、スカさんとは将和が勝手に付けた渾名であったりする。

 

「ぃよぉ将和。そいつらが例の珍客か?」

「おぅトチロー。まぁそんなところだな。それでエンジンの調子はどうだ?」

「あぁ今日も大丈夫って事よ」

「そいつは良かった」

 

 ヒョコッと物影から技術参謀のトチローが顔を出す。

 

「メシは食ったのか?」

「なーに、半日前にレーションを食ったさ」

「それは食ったとは言わんぞおめぇ……」

「気にするな気にするな」

「三好司令、彼は……?」

「あぁ済まない。彼は第十三艦隊技術参謀の大山俊朗、渾名はトチローで俺と同期だ」

「普通にトチローと呼んでいいぞ、宜しくな」

「これはこれは御丁寧ね。では私はジェイル・スカリエッティ。渾名はスカさんだ」

「スカさん、その渾名気に入ったのか……」

「中々だと思うぞ」

 

 将和の言葉に笑みを浮かべるスカリエッティである。更にズイッと踏み込んだのはクアットロだった。

 

「ドクターの娘でもあるクアットロです。この波動エンジンは一体どのような粒子を動力にしているのですか?」

「お? 興味があるのかい嬢ちゃん? タキオン粒子というヤツさ。防衛軍もガミラス戦役前の内惑星戦争では核融合炉エンジン等を搭載していたけど火星で波動エンジンとは別物を搭載した宇宙艦艇の残骸を発見してなーーー」

(あ、これ長くなるパターンだ)

 

 トチローはスカリエッティとクアットロに波動エンジンを説明するが将和はその間にトーレらをコッソリと連れ出して戦略的後退をする事に成功した。

 

「済まないな、アイツは話が長くなる質なんだ」

「構わない。ドクターやクアットロも技術関連になると延々と話す事は何度もあった」

 

 将和の謝罪にトーレは気にするなと言わんばかりに言う。

 

「ん。それなら次行こうか」

 

 そして将和は食堂を案内する。

 

「此処が食堂な。主計科が管理する『O・M・C・S』によっていつでも食事が可能な食糧供給システムがあるんだ」

「成る程、いつでもか。私達の食事も量が多いから役に立つな」

(あ、やっぱ多く食べるのか)

「………………」

 

 原作を知ってる将和からしたらナカジマ姉妹のを知っていたのでそこまで驚きはしなかった。なお、将和の様子をウーノがバレないよう観察していたりする。

 

「しかし、食糧ってそんなにあるものなんだな」

「ま、まぁな……知らない方が幸せだわな(ボソッ」

 

 トーレの言葉に将和は頷くが最後の言葉だけはボソッと呟くのであった。そこへ料理の品を考えていたリニスと出会した。

 

「あ、マサカズ。今日はさば味噌定食ですよ」

「チャー定で」

「チャー定は一週間に一回です」

「( ;´・ω・`)」

「彼女は……?」

「あぁ、彼女はリニス・テスタロッサ少尉。戦艦『伊勢』の主計長をしている」

「リニス・テスタロッサです」

「テスタロッサ……?」

 

 頭を下げるリニスにウーノは『テスタロッサ』という単語に引っ掛かる。テスタロッサと言えばまさか……。

 

「あぁ。もしかしてテスタロッサを知ってる?」

「エッあ、いや……」

「もしかしたらプレシアと会ってるかもしれませんね」

「プレシア? まさかプレシア・テスタロッサ!? あのPT事件の?」

「PT事件?」

「あー……(こりゃまた説明せんとアカンヤツだな)」

 

 そう思う将和であった。取り敢えず後で詳しく説明するとウーノに伝えて一行は下部の格納庫に来た。

 

「うちの『伊勢』は航空機を20機は搭載可能だ」

「ほぅ、あの機体か」

「あぁ。と言ってもまだそんなに配備されてないんだけどな。全部で5機しかないや、ハハハ……」

 

 トーレは納得したようにコスモタイガー2を見るが将和は乾いた笑みしか浮かべる事しか出来なかった。ちなみに冥王星基地にはコスモタイガー2は僅か20機しかなかった。

 そして一行は前部砲塔に向かう。

 

「こいつが48サンチ陽電子衝撃砲ーー通称『ショックカノン』だ。本来の『ドレッドノート』級主力戦艦は41サンチのを搭載なんだが『伊勢』は実験艦の役割もあるから48サンチ三連装を搭載している」

「フム。アルカンシェルよりは劣るがそれでも次元航行艦の砲よりは優秀だろうな」

(そりゃそうだ)

「……………」

 

 トーレの言葉に将和は納得したように僅かに頷くがそれをウーノは見逃さなかった。そして最後に艦橋に向かう。

 

「此処が第一艦橋。まぁ俺や新見らが勤務している場所だな」

「しかし司令部は艦の中心部とかに置いておくべきでは?」

「そうかもしれんけどな……まぁ水上艦艇からの名残だわな……」

「フム、そういうものか」

 

 取り敢えずは納得したトーレだった。そしてその日の夜、ウーノ達はスカリエッティと念話をしていた。

 

『それで彼はどうだったかね?』

『はい。やはり魔法を知っていた雰囲気を時折、トーレ達も気付かない程度に頷いたりとしていました。それにプレシア・テスタロッサも地球にいるようですが……』

『ほぅ。彼女もいるのかね』

『ただ……何か事情があるようで……』

『フム……トーレはどうかな?』

『私も後からウーノに指摘された程でした』

『フム……管理局の関係者か若しくは……』

『元々魔法を知っていた……ですか?』

『だろうね』

 

 スカリエッティ達も最初に魔法の映像を見せた時、将和が異様な程興奮していたのが引っ掛かっていたのだ。その為、スカリエッティもウーノらに頼んで調べていたのだ。

 まぁスカリエッティ本人はクアットロと一緒に波動エンジンに夢中だったが……。

 

『まぁ本人に聞くのが一番だが……向こうも向こうで忙しいからな。確かガトランティスと言ったかな』

『はいそうです』

『ならば今暫くは難しいだろう。だが監視は継続しよう』

『分かりました、なら私が……』

『いやウーノは私の補佐をしてもらう必要がある。そこで……トーレ』

『分かった。私が監視をするのだろう?』

『その通りだ。まぁ監視をするだけだ』

『了解した』

 

 念話を切りスカリエッティはベッドに寝転がる。

 

「さてさて……どうなる事やら……」

 

 スカリエッティはそう呟くが、面白そうな展開になるとは踏んでいたのである。

 そして『ヤマト』からの定時通信連絡が入った。

 

「そうか、『ヤマト』はテレザート星には到着して帰還するか」

「そのようです。ただシリウス、プロキオン方面の監視衛星からの通信が途絶えたみたいよ」

「……来るか」

「そのようね」

 

 将和は報告に来た新見とそう話しておりコーヒーを飲みながら頭をポリポリと掻く。

 

「防衛軍司令部は何と?」

「警戒は厳にせよと」

「艦艇の派遣は?」

「今のところは無いわね」

「おいおい……土方さんのパトロール艦隊が壊滅したんだから増強はしろよ……」

 

 冥王星基地には太陽系外縁部を探索するパトロール艦隊(パトロール艦8隻)が元々は駐留していたがガトランティス艦隊の襲撃により壊滅しておりそこから増強は僅かに3隻しかいなかった。

 

「……最悪は冥王星基地も撤退だな」

「スコット中将は何と言ってるの?」

「……ガトランティス艦隊が出現すれば直ちに攻撃せよ……との事だな」

「呆れた……要は使い捨てね」

「まぁな……だが命令は命令だから上手く利用するさ。冥王星基地の要員はガトランティス艦隊が太陽系外縁部に出現次第、直ちに基地を放棄させて撤退だな」

「それで第十三艦隊はどうするの?」

「なぁに……こそこそとやろうというわけよ」

 

 新見の言葉に将和はニヤリと笑うのであった。更に数日後、太陽系外縁部で索敵をしていたパトロール艦『天塩』がガトランティス艦隊を探知したのである。

 

「『天塩』からの続報は?」

「……19分前の『敵艦隊からの砲撃を受く』を最後に無いわ」

「……分かった。第十三艦隊の出撃準備は?」

「いつでも行けるぜ」

「よし、なら全艦出撃する。基地は手筈通りに頼む」

「分かりました」

 

 将和の言葉に基地司令は頷く。そしてスカリエッティ達に視線を向ける。

 

「スカさん達は申し訳ないが……」

「いや私達も同行しよう。もしかしたら何かの役に立つかもしれない」

 

 将和の言葉にスカリエッティはそう言う。

 

(確かに都市帝国に乗り込む時の白兵戦には分が有りそう……まぁ良いか)

 

 将和はそう考えてスカリエッティ達の同行を認めたのである。そして第十三艦隊は冥王星基地を出撃するのであった。

 

 

 

 

 

 




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