『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第十一話(改訂)

 

 

 

 

 

「反転180度!! 全艦離脱!!」

 

 速度が止まらない彗星に堪らずスコット中将は退避命令を出す。しかし、将和は違う命令を全艦に最大出力の通信で出していた。

 

「出力全開!! 速度一杯!! 左120度反転!! 全速離脱!!」

 

 それが地球防衛艦隊の命運を分けたのであった。『伊勢』からの通信を受信出来た艦艇は第十三艦隊に続いた。しかし、通信を受信出来なかった艦艇はそのまま『アンドロメダ』に続いてしまったのである。

 

「被害……知らせ!!」

「あ、『アンドロメダ』が……」

 

 映像で『アンドロメダ』ら以下の艦艇が次々と白色彗星に飲み込まれていったのである。

 

「振り返るな!! そのまま全速だ!! 俺達も巻き込まれるぞ!!」

「りょ、了解!!」

 

 第十三艦隊及び残存艦艇は何とか白色彗星に飲み込まれる事は回避したのである。

 

「離脱、成功しました!!」

「何とか……なったか……」

「……そのようね……」

「ぁ……ぁ……あ……」

 

 将和と新見はそう話すが新見の隣の席にいたウーノは映像を間近で見た事もあり身体を震わせていた。

 

(幾ら戦闘機人と言ってもあの映像を見せられたらな……)

 

 将和は溜め息を吐きながら新見に視線を向ける。

 

「白色彗星はどうなった?」

「以前として地球に向かっているわ。このままだと後数分で火星沖に到着するわ」

「化け物め。引き続き監視をしてくれ。全艦、態勢を整える。各艦の被害状況を知らせッ!!」

 

 程なくして第十三艦隊及び残存艦艇の被害状況が纏められたのである。

 

「第十三艦隊に被害は無いわ。三好君が直ぐに指示を出したから難を逃れているからね。それと残存艦艇も以下の通りよ」

 

 新見はそう言ってタブレットを将和に渡す。

 

 

 

 地球防衛艦隊残存艦艇

 

 

 戦艦

 『ロイヤル・オーク』『アイダホ』『薩摩』『日向』

 

 巡洋艦

 『吉野』『高千穂』以下13隻

 

 駆逐艦

 『フレッチャー』『シムス』以下29隻

 

 護衛艦

 『松』『竹』以下52隻

 

 

 

「フム、意外と小型艦艇は残っていたのか」

「潜空艦と航空機で沈没した艦艇の救助に当たっていたらしいのよ」

「成る程。それなら納得出来るな」

 

 将和と新見がそう話しているとトチローとスカリエッティがやってきた。

 

「おい将和。白色彗星は地球手前で停止して降伏要求をしたらしいぞ」

「うぉマジか。親父は何と言ってた?」

「まだ正式には返答していないらしいがあの大統領の事だ。降伏するわな」

「勘弁してくれよ……まぁまだ『ヤマト』が何もアクションを起こしてないから勝機はあるだろう」

「じゃあこのまま……」

「あぁ。態勢を立て直したら地球に向かう」

 

 斯くして第十三艦隊の方針は決まった。残存艦艇も地球行きを選択し第十三艦隊に組み込まれて直ちに地球に向けて発進した。だが火星沖まで到着した時、『ヤマト』からの通信を傍受した。

 

「『ヤマト』が白色彗星手前でワープして渦の中心核に波動砲を撃ち込むそうです」

「ヤバイ、出遅れた!! ワープして『ヤマト』に続くぞ!!」

 

 『ヤマト』に遅れる事数分、第十三艦隊もワープして『ヤマト』の側面に躍り出たのである。

 

「残存地球艦隊です!!」

「三好の艦隊か!?」

「三好准将もいるなら百人力だ!!」

「古代、このまま波動砲を撃て!!」

「はい、撃ちます!!」

 

 そして『ヤマト』は波動砲を発射した。『ヤマト』から放たれた波動エネルギーは白色彗星の渦の中心核に命中し激しく爆発をしていく。

 

「………」

「白色彗星が爆発しているわ……」

「おぉ……こうなると折角開発した波動ミサイルや波動三式弾が無駄になるな……」

「おいスカさん、それはフラグだぞ」

 

 スカリエッティの言葉に将和はそう返す。そして爆炎の中から『それ』は現れた。

 

(出やがったな……都市帝国……)

 

 爆炎から出てきたのはガスが剥がれた白色彗星の本拠地とも言える都市帝国だった。そして都市帝国から通信が届き映像に切り替えると高笑いをするズォーダー大帝がそこにいた。

 

『アハハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!! 『ヤマト』よ、よくぞ此処まで破ったものだ。しかし今の貴様には十分なエネルギーは残ってはいないぞ。さて次はどうするかな? アハハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!』

 

 ズォーダー大帝はそう言って通信を切る。が、将和は動いた。

 

「集束波動砲発射用意!! 目標、都市帝国下部の岩盤だ!!」

「え?」

「いいから早くしろ!!」

「は、はい!!」

 

 将和は戦術長を急かし波動砲のトリガーを握る。

 

「出力120%!!」

「対ショック対閃光防御!!」

 

 将和の号令に艦橋にいた全員が閃光ゴーグルをかける。

 

「発射10秒前……5、4、3、2、1、撃ェ!!」

 

 『伊勢』から集束波動砲が発射された。波動エネルギーは都市帝国下部の岩盤に突き刺さり命中。下部の岩盤は大崩壊を瞬く間に起こすのである。

 

「な、何事だ!?」

「『ヤマト』の隣に展開していた戦艦からの波動砲攻撃です!! 下部岩盤に波動砲が命中して岩盤が崩壊しつつあります!!」

 

 ズォーダー大帝の問いに答えたのは帝国支配庁宣伝軍事総議長のラーゼラーだった。

 

「岩盤を……だと!?」

 

 ラーゼラーの報告にズォーダーは眉を潜める。

 

(何故あの戦艦は都市帝国上部ではなく下部を狙ったのか……)

 

 その理由は撃った本人の将和しか分からない。そして『伊勢』では将和が動いた。

 

「全艦降下しつつ都市帝国下部を集中砲撃せよ!! 『ヤマト』にも急いで伝えろ!!」

「三好君、下部を砲撃するの!?」

「そうだ、上部を見てみろ」

 

 将和らが見ている前で上部はガス気流が生じていた。

 

「あれだと無理に攻撃すればガス気流で攻撃は届かない。しかも赤道に当たる部分が回転している」

「あっ……」

 

 気付けば都市帝国の赤道に当たる部分が回転しており巨大ミサイルを次々と吐き出していた。

 

「ミサイル接近、大型です!!」

「対空防御!! 回避運動ォ!!」

 

 『ヤマト』『伊勢』らの地球艦隊は回避しつつ都市帝国下部に向かう。それでも数隻が撃沈されるが止まるわけにはいかなかった。

 

「新見、岩盤をよく分析してくれ」

「分かったわ」

 

 そうしていると先頭を進んでいた『ヤマト』が被弾炎上しつつあった。

 

「『ヤマト』を呼び出せ」

『此方『ヤマト』だ……何だ三好か』

「土方長官、前に出過ぎです。後退して下さい」

『そうもいかん。先程、森船務長が戦死した』

「なッ!?」

 

 土方が促す先には亡くなったと思われる森雪の遺体を抱いた古代の姿があった。

 

『我々が先頭に出る。三好はそれに続け』

「しかし長官!?」

『構うーー』

「長官!?」

 

 その時、『ヤマト』の艦橋付近でミサイルが爆発し一瞬映像が途切れた。しかし次に映像が映った時、土方は倒れていた。

 

「土方長官!?」

『土方さん!?』

 

 思わず将和が叫ぶ。倒れた土方をたまたま艦橋にいた空間騎兵隊の斉藤が抱き起こす。

 

『生き恥を晒していた私も漸く……』

「土方長官!?」

『古代、三好。あれを見ろ』

 

 土方が指差す先には都市帝国下部の艦載機射出口があった。

 

『敵の艦載機射出口だ。彼処から中に入り込み彗星の動力部を破壊するのだ』

 

 土方はそう言い将和に視線を向ける。

 

『三好……貴様を残存地球艦隊司令長官に任命する』

「土方長官ッ」

『貴様ならやり遂げる……それと古代、『ヤマト』艦長に任命する。次の艦長は君だッ』

『土方さん……』

『頼むぞ……古代……三好……地球を……地球を……ッ……』

 

 土方はそう言って息絶えたのである。その瞬間、将和は制帽を取り頭を下げ涙を流した。それは新見やトチローも同じだった。

 

「……土方長官の作戦を決行する!! 古代、志願者を募って都市帝国の動力部を破壊しろ!! 俺も出るぞ!!」

『了解!!』

「通信、他艦も志願者を募れ!! 『伊勢』はコスモタイガー全機を投入させる!!」

「三好君」

「スカさん、今は……」

「トーレとセッテの二人も行かせてほしい」

「スカさん……」

「二人がいれば、ある程度の犠牲は防げるだろう」

「だが二人は……」

「二人は殺しもした事はある。覚悟は備わっていると思う」

「……二人を呼んでくれ」

 

 程なくして二人が艦橋に来て将和が事情を説明すると二人は了承した。

 

「分かった。多少は役に立つだろう。任せてくれ」

「……頑張ります」

「……無茶はしないでくれ」

 

 生きては帰れない確率が高いのに無茶はするなと明らかに矛盾した言葉だが将和はそう言うしかなかった。

 

「チュン参謀長、艦隊の指揮を任せる」

「宜しいので?」

「構うもんか。こうなったら俺も自棄だ、やってやらぁ!!」

 

 色んな意味で将和は覚悟を決めた。将和自身も突入する事にしたのだ。

 

「三座のコスモタイガーを貰うぞ」

「ちょっと三好君!?」

「落ち着け新見。行かせてやれ」

「トチロー………」

 

 声を荒げる新見にトチローはそう言う。そして将和は叫ぶ。

 

「この戦いが最後の賭けだ。全艦、命を賭けろ!!」

 

 そして将和はパイロットスーツに着替えて同じく着替えたトーレとセッテを連れてコスモタイガーの格納庫に向かう。

 

「司令も行くんですか!?」

「当たり前だ。これでもまだ現役のパイロットだ」

 

 驚く整備長を他所に将和は予備機の三座コスモタイガーに乗り込み、その後ろにトーレとセッテを乗せる。

 

「ほれ、突撃銃」

「ム。意外と軽いな」

「実弾じゃなくレーザー銃だからな」

 

 将和は二人にAK-01レーザー自動突撃銃とその予備弾倉を渡し操縦桿を握る。

 

「閉めるぞ」

「分かった」

 

 将和の言葉にトーレは頷きヘルメットを被る。程なくして将和の番が来た。

 

「三好将和、出るぞ!!」

 

 三人が乗る三座のコスモタイガーは『伊勢』を発艦し宇宙の空に躍り出る。そして『伊勢』飛行隊と編隊を組むと『ヤマト』飛行隊の後方に付いて都市帝国に向かうのであった。

 

 

 

 

 




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