『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第十四話

 

 

 

 

 

 

 『ヤマト』等の残存乗組員や沈没した艦艇の乗組員を救助した『伊勢』等の残存地球艦隊は威風堂々ではないが地球へ帰還した。

 

「出撃した艦艇で生還したのはたったこれだけか……」

 

 呉宇宙軍港の第二バースに到着し停泊した『伊勢』の艦橋で将和はそう呟く。

 生還出来た艦艇は戦艦3、巡洋艦11、駆逐艦29、護衛艦37、パトロール艦11隻という非常に少なかったのである。

 

「司令、戦死者の下艦を開始します」

「ん」

 

 先に下艦をしたのは戦死者を載せた棺である。『伊勢』だけでも250名中51名が戦死していた。(負傷者は124名)

 

「司令、防衛艦隊司令部より明日への出頭命令が来ています」

「ん……準備出来次第向かうと伝えてくれ」

「それが……」

「どうした?」

「スカリエッティ氏らも来てくれとの事らしいです」

「はぁ?」

 

 通信長の言葉に将和は首を傾げる。

 

(一気に話を進める気なんかもしれんなぁ……)

 

 将和はそう思いながらスカリエッティ達に出かける準備を言うのである。翌日、将和ら一行は地球防衛軍防衛艦隊司令部に出頭した。

 

「先に三好准将からです」

「ん」

 

 案内の少佐に言われ将和は正信がいる長官室に入る。

 

「三好准将、入ります」

「ん。よく来てくれたな」

 

 部屋には多数の書類が山積みで置かれており正信を筆頭に藤堂、芹沢が政務をしていた。

 

「僅か数日で戦死者の書類がこんなになった。ガミラス戦役以来だよ」

「まぁそうなりますな……」

 

 将和は宛がわれた椅子に座り秘書からコーヒーを貰い一口啜る。

 

「それで地球の状況は?」

「混乱していた市民達も漸く落ち着いた。被害はかなり酷いがの……」

「超巨大戦艦の砲撃で地震、津波の大量発生でかなり死傷者が出ている。救助を優先させてはいるが……それでも2000万の死傷者が現時点では発生している。恐らくは億に届くかもしれん」

(それはヤマト2だなぁ……まぁ『ヤマト』が撃沈したからなぁ……)

 

 『ヤマト』が撃沈した時点で『さらば』となってしまったこの世界である。

 

「話がずれたな。本題に入ろう」

 

 正信はそう言って机の引き出しから少将の階級章を取り出して将和に渡す。

 

「おめでとう、明日付で少将に昇進だ」

「……半年前に准将に昇進したばかりなんですが……」

「スコット中将以下現場の将官が大量に戦死したのじゃ。お前が昇進するのもやむを得ない措置じゃよ。それにのぅ……制服組の将官では艦隊司令官が勤まらん」

「まぁそれは……」

「防衛艦隊司令長官には現在宇宙士官学校校長の山南中将を大将に昇進させて当たらせる予定だが……山南中将本人が現在の生徒を卒業させてからと固辞したのでもう暫くは空席じゃろうのぅ」

「ハハ、山南中将らしいですね」

 

 正信の言葉に将和が笑う。

 

「当面、艦隊も一個艦隊の増強が限度だろう。何とか二個艦隊の創設を急がせるが……」

「資源が足りないので?」

「資源はある。月軌道上にな」

「あぁ……都市帝国の残骸ですか」

 

 都市帝国の残骸は月軌道に載り月を周回する形になっていた。その残骸を先程から調査はしているが、出てくるのは地球にとっても希少価値が高い金属や遺棄された艦船類だった。

 

「来月頭にはある程度の艦艇は就役するが人手が足らん。生き残っている第十三艦隊の乗員を移動させたりして人数を確保するしかない」

「宇宙戦士訓練学校の卒業を繰り上げるのは?」

「……本気か?」

「そうせざるを得ません。それか市民からの徴兵ですかな」

「……大統領はウンとは言わんな」

「なら大統領の能力もそこまでですな」

「……聞かなかった事にしておくよ」

 

 将和の言葉に正信は苦笑しながら肩を竦め藤堂と芹沢は深い溜め息を吐いた。

 

「それと艦隊だが貴様の第十三艦隊を第一艦隊に変更し残存艦艇を第一艦隊に集約させる。ガトランティス艦隊が簡単に引き上げたとは思わないからの」

「分かりました。最善を尽くしましょう」

 

 将和はそう言って正信に敬礼をする。そして次にスカリエッティ達を連れてきた。

 

「お初に御目にかかります。地球防衛軍司令長官の三好正信大将です。貴方方を保護した三好将和少将の父親になります」

「成る程、確かに似ていますね。私はジェイル・スカリエッティです。此方は私が作りあげた娘達です」

「ウーノです」

「トーレです」

「クアットロです」

「………セッテです」

「ハハハ、可愛いお子さん達だ。まぁどうぞ」

 

 正信はそう言ってスカリエッティ達を座らせる。

 

「貴方方の境遇を簡単ながら息子から聞きました」

「なに、私どもはしがない犯罪者です」

「成る程。なら私達もしがない犯罪者ですな、何せ敵を殺したりしていますからな」

「ハハハ、ならばお互いしがない者同志ですな」

 

 二人は互いに苦笑する。その様子に芹沢も釣られて苦笑するが直ぐに口を開いた。

 

「三好少将からの報告で貴方方は魔法……を使えるとお聞きしましたが?」

「えぇ。ただ魔法を使用するにもデバイスという機械が必要です」

「フム……杖を振るような魔法とかではないようですな」

「えぇ。昔はそれでも使えたと聞きますが今は専ら機械化が進んでいます」

「成る程」

 

 芹沢とスカリエッティは魔法の事を話しつつ切り込んだ。

 

「これも何かの縁と私は考えます。……どうでしょう、この世界で暮らしてみては如何ですか?」

 

 芹沢の言葉にウーノ達はスカリエッティに視線を向ける。ウーノ達はスカリエッティに任せたのだろう。

 

「……私達は所謂犯罪者です。それでも宜しいので?」

「犯罪者だろうと我等船乗りは困っている者には救いの手を差し伸べる……そういう事だと思います」

 

 正信の言葉にスカリエッティはポカンとするも笑みを浮かべる。

 

「成る程。この世界の人間は余程面白い人達ばかりのようだ」

「それは光栄ですな」

 

 そう言って二人は握手をする。此処にスカリエッティ達の身の処遇は決まったのである。

 

「戸籍に関しては私の伝手で取りましょう。それと軍務ですが……特務という形にしましょう」

「軍人でなくて宜しいので?」

「特別の任務だから特務……そういう事です」

「成る程」

 

 なお、部署についてだがスカリエッティとクアットロは技術班、トーレとセッテは戦闘班、ウーノは通信班となるのでそれぞれの特技課程が宇宙士官学校で行われるのである。

 

「そうそう、同じ境遇の方もおられますぞ」

「伺っております。プレシア・テスタロッサですね、彼女の事は知っています」

「ほぅ? となると彼女と貴方方は同じ世界の方ですかな?」

「えぇ。そのようですが……実は少々異なります」

「……と言われますと?」

「私が知っているプレシア・テスタロッサは事故で失った娘を生き返らせるがため犯罪を犯します。最後は異空間に落ちて生死不明ですがね」

「成る程……プレシア嬢ちゃんがの……何が起きるか分からないのが人生かのぅ……」

 

 染々と話す正信であった。そして将和ら一行は呉に戻り『伊勢』の状況を確認する。

 

「そうですか、スカさん達は地球に……」

「まぁ暫くは特技課程のため宇宙士官学校行きだがな」

「成る程」

「それで『伊勢』はどれくらいになりそうですか?」

「早くて2週間後に修理は終わるようです」

 

 将和はチュン参謀長と話していた。

 

「ならそれまでは巡洋艦『妙高』を旗艦とするか」

「分かりました。『妙高』艦長にそう伝えておきます。……それと司令」

「ん?」

「……新見参謀なのですが……」

 

 チュン参謀長の言葉に将和は目を細める。

 

「ヤバイ状況……ですか?」

 

 将和の言葉にチュン参謀長は無言で頷く。

 

「司令が防衛艦隊司令部に出頭してから酒を飲む量が明らかに増えています。他の女性隊員からの報告では飲み過ぎてトイレに駆け込むのを何度も目撃しているとの事です」

「……そうか……」

 

 チュン参謀長の言葉に将和は溜め息を吐いた。将和が思うよりも新見の精神は重傷だったのだ。

 

「その……最悪ですが一旦は休職等の手続きを取られた方が……」

「いや……俺が行こう」

「……大丈夫ですか?」

「曲がりにもアイツとは同期だからな」

 

 チュン参謀長の言葉に将和はそう言いチュン参謀長も将和がそう言うならと引き下がるのであった。その後、将和は新見の部屋を訪れる。

 

「新見、入るぞ」

 

 ドアをノックしても応答が無かったので開けるとカギは掛かってなかった。薄暗い部屋の奥に置かれた机と椅子があり新見は椅子に座って酒を飲んでいた。

 

「おい新見」

「……あら……三好君じゃない」

「何本目だそれ?」

 

 机の下には空になった一升瓶が多数置かれていた。まだ合成酒ではあるがアルコール度数が高い日本酒ばかりだった。ウィスキーの洋酒も数本あったがどれもカラであった。

 

「三本目からは数えていないわ……」

「あっそう。まぁいいや、用件だけ伝えるぞ」

「……休職手続きかしら?」

「んなわけあるか。身支度整えておけ、明日は『英雄の丘』に行くぞ」

 

 そして翌日、将和と新見は有給を取得して『英雄の丘』に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 




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