『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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ヤマトのBGMはタンバリンなんだ(そうじゃない)


第十六話

 

 

 

 

 

 

 戦艦『伊勢』の尉官室を歩く女性がいた。その女性は青い錨マークの技術班の制服を着てその上から白衣を着ていた。

 そして目的地と思われる部屋の前に到着するとコンコンとノックをした。

 

「トチローさん、いらっしゃいます?」

『………………』

 

 だが中から部屋の住人であるトチローの返事はなかった。もう一回ノックをしても返事はなかったので女性は番号を入力して扉を開ける。

 部屋の中に入ると部屋中が書類や食べた後のカップ麺の容器等が大量に置かれていた。その様子に女性は溜め息を吐いた。

 

「全く……つい先週も掃除したばかりなのに……」

 

 女性はそう言いながらもベッドでグースカ寝ているトチローを叩き起こす。

 

「トチローさん!! 何時まで寝ているんですの!! もう0730ですよ!!」

「フガッ……あれ……」

 

 起こされたトチローは目を擦りながら欠伸をする。

 

「ふわぁ……あれ、クアットロじゃないか」

 

 女性ーークアットロは腕組みをしながら溜め息を吐いた。

 

「クアットロじゃないかじゃないわよトチローさん。今日は第一艦隊の出撃じゃないですか」

「ありゃ、しまった。忘れてた」

 

 クアットロの言葉にニカッと笑うトチローである。

 

「全くもう。ホラホラ早く着替えて下さいな、それが済んだら朝食ですわ」

「俺はパンより……」

「お握りでしょう? ちゃんと用意してますわよ」

「流石はクアットロだ」

「当たり前ですわ」

 

 褒めるトチローに嬉しそうなクアットロである。そんな二人は慌てて身支度を整えて艦橋に向かうのであった。

 

「よぅトチロー。また寝坊か」

「うるせぇ。スカさんと研究してたんだから仕方ないさ」

「まぁいいよ。0830に出撃する」

「あいよー」

 

 将和の言葉にトチローはそう言って作業に取り掛かる。そして0828、『伊勢』は発進準備に取り掛かるのである。

 

「補助エンジン動力接続」

「補助エンジン動力接続完了。両舷推進力正常です」

 

 『伊勢』の底からゴゴゴと音がしてくる。補助エンジンに動力接続されたので補助エンジンの回転が動き出したからだ。

 

「よし、微速前進0.6」

「微速前進0.6」

 

 航海席の島が発進レバーを引くと補助エンジンが噴射し『伊勢』はゆっくりと動き出す。

 

「波動エンジン内、エネルギー注入します」

「補助エンジン、第二戦速から第三戦速へ!!」

「波動エンジンシリンダーへの閉鎖弁オープン、波動エンジン始動五分前!!」

「波動エンジン内、圧力上昇エネルギー充填70%……80%……90%へ」

「補助エンジン最大戦速!!」

「補助エンジン最大戦速!!」

「波動エンジン内、圧力上昇エネルギー充填100%!!」

「現在補助エンジンの出力最大」

「波動エンジン内、圧力上昇エネルギー充填120%、フライホイール始動」

「フライホイール始動!!」

 

 山崎機関長の言葉に波動エンジンのフライホイールが回転していく。 

 

「波動エンジン点火10秒前……5、4、3、2、1!!」

「波動エンジン接続、点火ァ!!」

「『伊勢』、発進!!」

 

 その瞬間、『伊勢』は艦尾から海水を後方へ押し出しつつ波動エンジンを点火させたのである。そして主翼を展開させつつ上昇し『伊勢』は再び宇宙へと向かうのである。

 なお、発進の指示は戦術長に就任した北野にやらせていた。

 

「現在、月軌道に乗った」

「ん。北野、発進の指示は良かったぞ」

「ありがとうございます」

「しかし、北野が戦術長というのはやっぱ納得がなぁ……」

 

 分かってはいるが北野の先輩である南部は苦笑しながらそう言う。

 

「まぁそうボヤくな南部。今の防衛軍艦隊は只でさえ人が少ないんだ。経験を少しでも積ませて他艦に送らないといけないからな」

 

 白色彗星との戦いで防衛軍の人手不足はより鮮明化した事で乗員の確保を急いでいた。宇宙訓練学校や宇宙士官学校、宇宙防衛大学校等では繰り上げの卒業がなされて人を防衛軍に注いでいたがそれでも人手は足らず人材の確保までに無人艦の投入が確実視されていたのだ。

 その中でも元『ヤマト』乗員は重要視されている。超ベテランの域にある元『ヤマト』乗員はなるべく広く分けて行う事になっていたがそれまでの依り代として『伊勢』が選ばれたのである。

 何れは北野や南部、太田等も他艦へ異動するのは決まっていた事であった。

 

「ただ……今回に関しては砲雷長は南部にする必要があった」

「えっ……?」

「……各班長は1000に作戦室に集合。今作戦ーー『雷王作戦』を説明する」

 

 将和はそう言ったのであった。そして作戦室に各長達が揃っていた。その中には『伊勢』第一、第二戦闘班付になったトーレとセッテの姿もあった。

 

「集まってもらったのは他でもない。太陽系内に潜む残存ガトランティス艦隊を撃滅する『雷王作戦』を実行する事になった」

「『雷王作戦』……」

 

 そして将和は画面を開く。

 

「先の白色彗星戦役で我々は都市帝国を破壊し敵将ズォーダーも最期はテレサと『ヤマト』の体当たりによって倒された……しかし、まだその貴下にあった残存ガトランティス艦隊が存在していたのだ」

「まさか……あの降伏勧告をしてきた艦隊……」

「そう、それだ。監視衛星でその艦隊を主力に残存ガトランティス艦隊が第十一番惑星を陣取り、今回は土星圏内まで進出してきたとの事だ」

「成る程。それで全艦艇が出撃を?」

「その通りだ。今回は第一艦隊が主力となる」

 

 この時、第一艦隊は以下の艦艇で構成されていた。

 

 第一艦隊

 

 旗艦『伊勢』

 第一戦隊

 『伊勢』『薩摩』『ロイヤル・オーク』『メリーランド』

 第二戦隊

 『吉野』『高砂』『プリンツ・オイゲン』『ニュルンベルク』

 第三戦隊

 『ノーザンプトン』『ウィチタ』『クインシー』『カンバーランド』

 第四戦隊

 『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』

 第五戦隊

 『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』

 第一宙雷戦隊

 『オマハ』

 『フレッチャー』以下16隻

 第二宙雷戦隊

 『能代』

 『吹雪』以下16隻

 第三宙雷戦隊

 『タウン』

 『トライバル』以下16隻

 第一航空戦隊

 『日向』(コスモタイガー2×18 雷撃機×18)

 『サラトガ』(同上)

 第二航空戦隊

 『蒼龍』(コスモタイガー2×36 雷撃機×36 100式空間偵察機×3)

 『飛龍』(同上)

 第三航空戦隊

 『ワスプ』(同上)

 『レンジャー』(同上)

 第四航空戦隊

 『イラストリアス』(同上)

 『ヴィクトリアス』(同上)

 第一護衛隊

 『松』以下10隻

 第二護衛隊

 『樫』以下10隻

 第一パトロール隊

 『エリトレア』以下8隻

 第二パトロール隊

 『デンバー』以下8隻

 

 

 

 以下の艦艇で構成されていた。そしてその将は将和であった。

 

「今回は航空戦力が中心になるだろう」

「というと?」

「『伊勢』らの主力艦隊を囮とする」

 

 将和はそう言って画面を操作する。

 

「パトロール隊からの情報で敵ガトランティス残存艦隊は土星周辺に展開している事が分かった。そこで『伊勢』らの一戦隊等は土星にワープしてそのまま正面きっての艦隊決戦をする……と見せかける」

 

 将和は画面で敵ガトランティス残存艦隊と一艦隊を正面で向き合わせるが一艦隊後方に艦隊を置いた。

 

「山口少将の航空戦隊は一艦隊後方に展開し攻撃隊を発艦、艦隊決戦をしようとするガトランティス残存艦隊の側面からこれを……叩く!!」

 

 画面で航空戦隊から発艦した攻撃隊が側面からガトランティス残存艦隊を叩く様子を映し出す。

 

「一艦隊はこの航空攻撃で生き残った敵ガトランティス残存艦隊を更に追撃して全滅させる……何か質問は?」

『…………………』

 

 将和の問いに誰も質問はしなかった。

 

「無ければ作戦を開始する。別れ」

 

 斯くして第一艦隊は準備を整えて土星宙域へワープを行うのであった。その一方で土星宙域にはガトランティス残存艦隊が集結していた。

 

「バルゼー司令、残存艦艇の集結が完了しました!!」

「よし、地球が油断しているこの時こそ大帝の恩顧に報いるのだ!!」

 

 バルゼーは旗艦である『アポカリプス』級超大型空母で艦隊に向けて激励をしていた。そこへ通信兵がバルゼーの元にやってくる。

 

「バルゼー司令、火星沖に侵入していた潜空艦『ガリパル』より入電。敵地球艦隊がワープしたとの事です」

「何!? 地球艦隊が?」

「はい」

「ぬぅ……奴等、此方に来る可能性は高いな」

「如何なさいますか?」

「勿論迎撃態勢に移行する。全艦戦闘準備につけェ!!」

 

 バルゼーの判断は正しかった。ガトランティス残存艦隊は戦闘準備をしている最中に重力震を探知したのである。

 

「クソッ!? 先手を打たれたか!! 全艦砲撃用意!!」

 

 バルゼーは右拳を握りしめ命令を下すのである。そしてワープしてきた地球艦隊ではーー。

 

「敵ガトランティス残存艦隊、正面30万宇宙キロ!!」

「ありゃ、少し前だったな。まぁ仕方ないか、航空戦隊とその護衛艦艇は後方へ後退しつつ攻撃隊を発艦させよ!!」

「了解、直ちに航空戦隊に伝えます!!」

 

 第一航空戦隊の『日向』以下の航空戦隊と護衛の第一、第二護衛隊は後方へ後退しつつ攻撃隊の発艦準備を行う。

 

「第一次攻撃隊発艦準備急げ!!」

 

 航空戦隊を指揮するのは第二航空戦隊司令官の山口少将であり旗艦『飛龍』の飛行甲板から対艦装備を施したコスモタイガー2と雷撃隊の準備が急がれていた。

 では後れ馳せながら航空戦隊を説明しよう。白色彗星戦役時、防衛軍艦隊には空母ーー『ドレッドノート』級戦艦を改装した航空戦艦は5隻就役していた。

 しかし、肝心の中身である飛行隊はまだ錬成途中だったのでスコット中将は航空戦艦を戦艦としての運用にしたのだ。これが当初、副官が航空機を発艦させるか具申した時に拒否したのがこれが理由だった。

 だがこれが土方大将だったのなら錬成途中であろうと飛行隊に組み込んで航空攻撃を行っていただろうと後の歴史家達はそう語っていた。

 それはさておき、白色彗星戦役後に残っていたのは機関故障で最終決戦に参加出来なかった『サラトガ』だった。こいつは原作で言う空母と同じ艦型であり搭載機数は36機(コスモタイガー2×18 雷撃機×18)である。

 なお、『日向』は大破していたのでそのまま航空戦艦として再就役を果たし戦闘機×27 雷撃機×18を搭載している。

 そして第二航空戦隊からの空母はまた違っていた。艦は『ドレッドノート』級であるが上部構造物は全て取っ払い、艦橋も右舷側に寄せており航空母艦型にした『グローリアス』級を地球防衛軍は就役させていた。それがこの6隻であり他にもネームシップの『グローリアス』『鳳翔』が就役していたがパイロット育成のため第50航空戦隊に配備され地球にいたのである。

 なお、搭載機数は75機であり(コスモタイガー2×36 雷撃機×36 100式空間偵察機×3)強力な航空母艦なのは言うまでもない。だからこそ将和は航空戦力を主力にしようとしていたのだ。

 

「航空隊の主目標は敵空母だ!! 空母だけを狙え!!」

「了解!!」

「一戦隊及び各戦隊に通達!! 味方航空隊が敵艦隊を攻撃すれば『伊勢』を先頭に突撃する!! 二戦隊と三戦隊は拡散波動砲の準備を急げ!!」

 

 斯くして第一艦隊は攻撃を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 




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