『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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久々のテスタロッサ家


第十七話

 

 

 

 

 

 

 

「主砲発射準備だ急げ!!」

 

 『伊勢』の前部第一砲塔では戦闘班付のトーレが砲員を鼓舞していた。砲員達も訓練通りに準備を行い射撃準備を整える。

 

「準備良し!!」

「よし、此方第一砲塔。射撃準備良し!!」

 

 そう言ってトーレは艦橋に報告するのである。そして艦橋では……。

 

「味方攻撃隊が攻撃を開始します!!」

 

 後方へ後退しながらも各航空戦隊が攻撃隊を発艦させ五月雨式ながらも攻撃を開始していたのだ。

 

「空母だけを狙うんや!! 奴等を飛び立たせるんやないで!!」

『了解!!』

 

 攻撃隊隊長の淵田中佐はそう言いながらも雷撃機の操縦桿を握って『ナスカ』級高速中型空母に大型ミサイルを叩き込み撃沈させるのである。

 

「バルゼー司令、空母部隊が攻撃されています!!」

「おのれぇ……空母から先に叩いてきたか……」

 

 バルゼーは右拳を握り締める。ガトランティス艦隊が得意とする航空攻撃を封じられたのである。

 

「バルゼー司令、これでは……………」

「構わん、艦隊はこのまま前進せよ!! 我々には衝撃砲がある!!」

 

 この衝撃砲、発射時は光線であるが命中すると螺旋状の衝撃波に変化して対象物を包み込んで破壊するという代物である。

 一応、波動防壁でも防げる事は防げるがそれでも油断はならない兵器であった。

 

「衝撃砲は射程距離に入り次第撃ちまくれェ!!」

 

 バルゼーはそう叫び、残存ガトランティス艦隊は衝撃砲の射程距離に入り次第砲撃を開始した。

 

「敵残存ガトランティス艦隊、砲撃を開始します!!」

「司令、此処は飛ぶべきかと思います」

「……だろうな」

 

 チュン参謀長の言葉の意味を理解した将和はニヤリと笑う。直ぐに将和は叫ぶ。

 

「第二宙雷戦隊に打電!! 『小ワープを敢行、突撃せよ』」

「了解!!」

 

 将和の電文は第二宙雷戦隊旗艦『能代』に届けられ電文を聞いた二宙戦司令官の田中少将は爆笑する。

 

「ハッハッハ。三好の野郎め、宙雷屋の底力を見せつけろというわけか。宜しい、宙雷屋の底力を見せてやる!! 二宙戦全艦に命令、小ワープを敢行し突撃せよ!!」

 

 『能代』以下の二宙戦は直ちに小ワープを敢行、ワープ場所は敵残存ガトランティス艦隊の左舷方向だった。

 

「左舷に重力震反応!!」

「何!? しまった!?」

 

 バルゼーがそれを理解した時は遅かった。残存ガトランティス艦隊左舷に二宙戦は小ワープを終えると最大戦速で突撃を開始し同時に主砲を魚雷を乱射しまくるのである。

 

「くたばれガト公!!」

 

 駆逐艦『綾波』艦長の白石少佐は雄叫びをあげつつ突撃する。

 

「正面に大戦艦3隻!!」

「魚雷、撃ェ!!」

 

 ズズンと四連装魚雷発射管四基から連続して99式空間魚雷が発射される。発射された16本の空間魚雷は外れ弾無しで3隻の大戦艦に命中し大戦艦は炎上しつつ撃沈されるのであった。

 

「突っ込め突っ込めェ!! ガト公に二宙戦の恐ろしさを知らしめろ!!」

 

 突撃に成功した二宙戦は駆逐艦『波風』『朝風』『清風』を喪失するも敵残存ガトランティス艦隊を混乱させる事に成功する。

 

「敵残存ガトランティス艦隊は混乱に陥っています!!」

「今だ、主砲撃ちぃ方始めェ!!」

「撃ちぃ方始めェ!!」

 

 射程距離に入った『伊勢』は前部48サンチ三連装陽電子衝撃砲2基で砲撃を開始する。その弾道はバルゼーが乗艦する『アポカリプス』級超大型空母の装甲を貫通させた。

 

「敵旗艦からの砲撃です!! 左舷損傷!!」

「ヌゥッ!?」

 

 揺れる衝撃にバルゼーは顔をしかめる。ただただ状況は不利になる一方であった。その為バルゼーの頭の片隅には撤退という二文字があった。いや、ガトランティス軍人として撤退等到底出来ない代物であった。

 だがそれは『伊勢』の陽電子衝撃砲のエネルギー弾が艦橋に直撃する19秒前の出来事だった。

 

「直撃、来ます!?」

「こ、この私が……」

 

 バルゼーはそう言って光に消えていったのである。『アポカリプス』級超大型空母が撃沈したのは『伊勢』からでも確認出来た。

 

「敵旗艦の艦橋に命中弾!!」

「よくやった砲雷長(南部パネェ)」

 

 将和は当てた南部を素直に褒めるのである。そしてバルゼーが戦死した事で敵残存ガトランティス艦隊は更に混乱の渦に陥ったのである。

 

「敵艦隊、混乱しています!!」

「落ち着いて砲撃を集中だ!! 1隻ずつ撃沈せよ!!」

 

 第一艦隊は数の多さを利用して敵残存ガトランティス艦隊を1隻ずつ撃沈していく。だがそうは問屋が降ろさないのがガトランティス艦隊であった。

 

「ふ、副司令官。如何なさいますか?」

「……やむを得ん。撤退だ撤退しよう」

 

 流石のガトランティスでも特攻は躊躇された。というのも残存ガトランティス艦隊の内部でも意地でも地球占領派とアンドロメダ星雲に帰還派に分かれていた。

 第11番惑星を占領している白色彗星軍だが上層部ーーたまたま生き残る事が出来たラーゼラーやバルゼーは地球占領派だった。だが下士官や兵士達等は帰還派に多かった。この副司令官も帰還派だったので直ぐに撤退する事を決断が出来たのである。

 

「敵ガトランティス艦隊が撤退していきます!!」

「………」

「司令、追撃しますか?」

 

 無言の将和にチュン参謀長はそう具申するが将和は首を横に振る。

 

「罠の可能性もある。それにまだ第11番惑星の動向も確認出来ないから無理強いの強硬は出来んな」

「分かりました。なら向こうが撤退を確認次第、此方も撤退しましょう」

「ん」

 

 チュン参謀長の言葉に将和は頷いた。斯くして第一艦隊は敵残存ガトランティス艦隊が撤退したのを確認してから沈没艦艇の救助等を行い撤退をしたのである。

 

「………」

「司令」

「何だ参謀長?」

「二戦隊と三戦隊を下げたのはやはり敵艦隊が特攻してくると認識していたので?」

「……まぁそうなるな」

 

 将和は溜め息を吐きながら従兵から出されたコーヒーを啜る。

 

「敵旗艦を撃沈した事で残存艦艇が特攻してくると思ったから二戦隊と三戦隊を下げて拡散波動砲の準備をさせていたが……向こうの指揮官も意外と優秀なのが残っていると見えるな」

 

 将和が二個戦隊を下げたのは残存ガトランティス艦隊が場合によっては特攻をしてくると踏んでいたからだ。もし特攻してきたら艦隊も二個戦隊が待機している後方まで後退して拡散波動砲を……という構想だった。

 だが現実に残存ガトランティス艦隊は撤退を決断して撤退したのである。

 

「ま、今回は此方の勝ちだから良いけどな」

「……ですな……」

 

 ニカッと笑う将和にチュン参謀長も釣られて笑うのである。今回の雷王作戦で地球連邦軍第一艦隊は全体的に駆逐艦3隻を喪失し巡洋艦4隻、駆逐艦7隻が大破、航空機28機を喪失したのであった。

 

「ムゥ……完全撃滅は出来なかったか」

「ですが土星圏内の制海・制空権を確保したのは事実です」

 

 地球防衛艦隊司令部では正信達は今回の作戦結果を話していた。その中でも芹沢は将和を擁護する発言をしていた。

 

(実質の喪失艦艇は駆逐艦3隻に過ぎない……むしろ大型艦艇の喪失を避けてくれたのは有難い)

 

 地球防衛軍の再編真っ最中の中での作戦だが大型艦艇の喪失を0にした将和を芹沢は評価していた。それに作戦もほぼ完勝に近く司令部では将和を評価する動きもあった。

 

「パトロール艦隊の報告では根拠地にしている第11番惑星に撤退しているとの事ですが……」

「そのままアンドロメダ銀河に引き揚げてくれたらワシらとしても万々歳だがのぅ」

「確かに」

 

 正信の言葉に藤堂と芹沢は苦笑する。

 

「土星の衛星『タイタン』の基地の状況は?」

「白色彗星戦役時から比べて復興は終わりましたが……」

「宜しい。ならば第一艦隊は再度の出撃準備が整い次第、タイタン駐留とさせる」

「宜しいのですか?」

「敵の出方を探る。そのためにはタイタンに艦隊を置く必要はあるからな」

 

 藤堂の言葉に正信はそう言う。確かに第十一番惑星に引き揚げたガトランティス艦隊の動向を調べるにはより距離が近い『タイタン』に駐留させる必要はあった。

 

「後は艦艇の増強だが……」

「二ヶ月後には戦艦4隻、巡洋艦7隻、駆逐艦18隻が就役します」

「ん。その艦艇と第一艦隊のを混ぜて第二艦隊を創設する」

「分かりました。そのように……」

「後は……アイツらにも休暇をせんとな……」

 

 第一艦隊は凱旋して帰還するのである。そして将和はというと……。

 

「よぅ真田」

 

 将和は薫と共にまたしても『英雄の丘』に来ていた。なお、今回は宴会ではなく報告の為だった。

 

「まぁある程度は勘づいてると思うが……薫とそれっぽくなってな。取り敢えずは付き合っている」

「取り敢えずはやめなさいよ。それだと古代君みたいになるわ」

「アイツ、そんな事してたのか」

「まぁあの時の取り敢えずはと言ったのは私からだから……」

「おいおい……」

 

 そんなやり取りをする二人だが将和は内心違う事を考えていた。

 

(イスカンダル行く時はどうなる事やら……)

『いや、そうよりかはお前の方が多くこさえると思うぞ』

(あー聞こえない聞こえない……)

 

 そう思う将和だったがふと真田がそう言っているように聞こえたのであるが聞こえた振りをする将和であった。

 

「さ、行きましょう。また来ますわ先生」

「また来るよ真田」

 

 そう言って『英雄の丘』を後にする二人だったが何処と無く二人は歩いていると気付けば腕を組んで歩く二人であった。

 なお、この時の二人はまだ知らなかった。ちゃっかり人数が増える事に……。

 

 

 

 

 

「え、『タイタン』基地に臨時出向ですか?」

「済まんのぅ。2ヶ月程、行ってもらいたいのじゃ」

 

 技術省に特別入りしていたプレシアは司令部で正信にそう言われた。

 

「『タイタン』には第一艦隊が駐留する事になって試作の兵器類を積み込むのじゃが『伊勢』の技術長に是非協力してほしいとの要請なんじゃよ」

「はぁ……分かりました。その代わりなのですが……」

「無論、アリシア嬢ちゃんも一緒に連れて行って構わないぞ」

「ありがとうございます」

 

 正信の配慮にプレシアは頭を下げるのである。その後、正信の家に戻りアリシアに事情を説明するとアリシアは眼を輝かせて行く事を了承したのである。

 

「え、宇宙に行くの!? ワーイ!! 学校の皆に自慢出来るよ!!」

「……あまり自慢し過ぎるのも駄目よアリシア」

「はーい」

 

 そうアリシアを諌めるプレシアであった。

 

 

 

 

 




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