『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第二十二話

 

 

 

 

 

 

「司令、前方約100宇宙キロに重力震です」

「……来たか」

 

 冥王星の沖合で選抜した艦艇で待機しているとガミラス艦隊がワープアウトしてきた。程なくして旗艦らしき『ゲルバデス』級航宙戦闘母艦から通信が入ってきた。

 通信画面には二人の男女が映し出された。

 

『この度、地球連邦と交渉の任につきましたローレン・バレルです』

『バレル大使を護衛する警務艦隊司令官のネレディア・リッケ大佐です』

「地球防衛軍宇宙艦隊所属第一艦隊司令官の三好将和少将です」

 

 将和は二人に敬礼を送り二人もガミラス式の敬礼を送る。そして将和はフッと笑う。

 

「長旅、お疲れ様です。本来であればそのまま地球へ……と行きたいのですが一先ずは地球の衛星である月までご同行致します」

『地球……ではないのですか?』

「そうしたいのは山々なのですが……先の白色彗星戦役もありますしガミラス戦役の事もあります。市民の感情が爆発すればテロ紛いが続発するのは目に見えてますので。それに比べて月は軍しかいませんのでね」

『成る程、分かりました。我々へのご配慮に感謝します』

 

 そして混成艦隊は月基地まで航行するのである。なお、アリシアもバレルらからは見えない位置でバレルらを見て眼を輝かせていた。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん!! 凄いね宇宙人!! 色が青色だよ!! 皆病気なのかな……?」

「違うぞアリシア。そういう環境でそうなっただけだからな」

「フーン……それにタコやグレイ型じゃないんだね。テレビでは昔の宇宙人はそう言われてたのに……」

「昔はそう言われてたんだよ……」

「へー」

 

 将和の説明にそう納得?したアリシアである。なお、プレシアには報告済みでありプレシアと会った直後に頭に手痛い一発を食らうのをアリシアはまだ知らなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

「大ガミラス帝星内務省次官のローレン・バレルです」

「地球連邦防衛軍司令長官の三好正信大将です」

 

 月基地司令部で司令官室でバレルと正信が会談をし握手をする。

 

「地球の復興はどのようになっていますか?」

「まだまだ復興の途中ではありますが人々の表情にも笑顔が出てきています」

「成る程」

 

 当初は軽い挨拶から入り互いの状況等を確認してから本題に入った。

 

「さて……ガミラス側が求める護衛艦艇ですが……残念ながら我が防衛軍から出せる艦艇はありません」

「ッ……」

 

 正信の言葉にバレルは落胆したが直ぐに我に返った。そう『我が防衛軍から出せる艦艇は』である。であるならば……。

 

「……まさかガトランティス艦艇のを……」

「その通りです」

 

 そう言って正信はタブレットをバレルに見せた。

 

 譲渡艦艇一覧表

 

 『カラクルム』級大戦艦×8

 『ラスコー』級突撃型巡洋艦×15

 『ククルカン』級殲滅型駆逐艦×34

 

 

「多少しかありませんが……」

「いえ、これだけあるなら問題はありません」

「おや、まだ終わりではありませんよ」

「え……?」

 

 正信はニヤリと笑い、更にタブレットを操作して再びバレルに渡す。

 

 

 

 地球防衛軍譲渡艦艇一覧表

 

 『フレッチャー』級駆逐艦×60

 『フラワー』級護衛艦×60

 

 

「これは……」

「まだ建造途中の艦艇です。まだ『正式な防衛軍の艦艇では無い』のです」

『我が防衛軍から出せる艦艇はありません』この真意をバレルは漸く理解したのである。

 

「……いやはや……貴方は中々の官僚向きですな」

「ハハハ。ですが私は軍人の方が性に合っていますよ」

 

 バレルの言葉に正信は苦笑する。過去に日本国の総理をも歴任していた正信だがやはり現場のが良かったのだ。

 

「成る程。では我が大ガミラスもそれに答える技術力の提供をしましょう」

 

 バレルがそう言ってタブレットを渡す。

 

 ・長距離ワープのデバイス等の設計図

 ・長距離空間通信の技術データ

 ・瞬間物質輸送器等々

 

 

「瞬間物質輸送器もとは……いやはやデスラー総統は気前が良いですな」

「いえいえ……総統は地球と和平を、それが無理なら技術協定を結びたいとまで言っております」

「ほぅ……成る程」

 

 バレルの言葉に正信の眉がピクリと動く。その様子にバレルも感触は良いと掴んだ。

 

「即決は難しいですがより良い返事を返す事は約束します」

「ありがとうございます」

 

 斯くして最初の交渉は上手く事が進んだのであった。そして月基地で停泊している『伊勢』ではというと……。

 

「久しぶりだな玲」

「久しぶりねメルダ」

 

 かつての旧友であるメルダ・ディッツ大尉と山本が格納庫で再会していた。元は銀河方面第707航空団に所属していたメルダだが『ヤマト』との接触を経て今では『ヤマト』に最も信頼している一人であった。

 

「腕の方はどうだ?」

「………ッ……少し……ね……」

「??」

 

 山本の歯切れが悪い口調にメルダは首を傾げる。

 

「よく分からないが……時間があるならやらないか?」

 

 メルダは山本を空戦に誘う。山本は断ろうとしたが人の目もあったので承諾してしまうのである。

 翌日、話を聞き付けたパイロット達が集まる中には将和もいた。

 

「山本」

「あ、三好司令……」

「大丈夫か?」

「……正直分かりません。あまり食べれてないので……」

 

 あれから(白色彗星戦役)山本は軽い拒食症に陥っていた。将和もそれを知っていたのでパフェならと思っていたが食してから戻していたらしい。将和もそれを聞いてからは一緒に食事をしたりしているがそれでも雑炊なら食べれる方だった。

 

「まぁ今日も雑炊は食べていたから取り敢えずは大丈夫だろ。だが無茶はするなよ?」

「はい、それは勿論です」

 

 将和の言葉に山本は頷いて駐機してあるコスモタイガー2に乗り込んで離陸していくのであった。だが……結果は山本の負けだった。三本勝負だったが一勝一敗まではもつれ込ませたがそこで限界だった。

 

「ゲホッゲホッ!? ヴェッ、ヴォロロロ……(こ、こんな時に……)」

 

 山本は空戦中に戻してしまいヘルメットの中がゲロまみれになりそこをメルダに突かれたのである。メルダも山本の様子に流石に気付いたのか降りるよう合図をし山本も自動操縦に切り替えて滑走路に着陸したのである。

 

「山本!!」

 

 着陸後、将和は山本のコスモタイガー2に走り寄り風防を開けると操縦桿を右手で握りカタカタと震える山本の姿がそこにあった。口周りはゲロまみれでありその表情は青白かった。

 

「取るぞ」

 

 将和は一言言ってからヘルメットを取りハンドタオルで山本の口周りを拭う。

 

「済まんッ。無理矢理でも止めさせておけば良かったな」

「いえ……でもメルダとの勝負はやりたかったですし……」

「馬鹿野郎、それで死んだら元も子もないわ!!」

「玲!?」

 

 そこへ着陸してきたツヴァルケからメルダも降りて走ってきた。

 

「お前……」

「ごめんなさいメルダ。ちょっとトラウマ持ちになっちゃってね……」

「馬鹿。そう言う事なら早くに言え!!」

(デスヨネー)

「ごめん……でも安心して。空戦は私の代わりにこの人がしてくれるわ」

「ん?」

 

 山本はそう言って将和に指を指す。指された将和も目が点とする。

 

「お前な……」

「この人は私以上の腕前よ」

「ほぅ……玲にそう言わせるとは……中々の腕と見たッ」

(勝手に話を進めないでくれ……)

 

 とまぁあれやこれやと話が進んで将和とメルダの空戦がされる事に決定された。その話は基地中のパイロット達にも知れ渡った。

 

「おい聞いたか!? 三好隊長がガミラスの嬢ちゃんと空戦をするらしいぞ!!」

「よし賭けをやるぞ賭けを!!」

「俺、隊長に10ドル!!」

「俺も10ルーブル!!」

「じゃあ俺はメルダ嬢ちゃんに3ポンド!!」

「俺は隊長に諭吉を出すぞ!!」

 

 古参パイロット達(篠原や沢村達)は賭けを始めてしまい将和はコスモタイガー2に乗る羽目になるのであった。

 

「何でこうなったのやら……」

 

 離陸して月基地上空に上がるとメルダのツヴァルケも離陸してきた。

 

『どちらからでも構わないぞ』

「ならディッツ大尉が先に仕掛けてくれ。三本勝負な」

『了解した』

 

 そう言ってメルダ機が上昇して高位を取ってから攻撃を開始するのである。

 

「はぁ……やるかッ!!」

 

 急降下してくるツヴァルケを銃撃する寸前で回避してからコスモタイガー2のスロットルを最大にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに勝負は三本とも将和の勝ちであった。

 

「待て待て!! あれは狡いだろう!!」

「え、隕石の銃撃?」

「目眩ましをさせるとか狡くはないか!?」

「いやだって勝負なんだから出来る範囲の事をするのは当たり前だろう」

「ヌグググッ……」

「ハハハ、悔しがるディッツ大尉を見るのも珍しいな」

「フム……(ガミラスとの友好を考えて将和とディッツ大尉か……)」

(な、何か寒気が……)

 

 正信の考えに将和は寒気を覚えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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