『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第二十五話

 

 

 

 

 

 

「ではガミラス星のガミラシウムを採掘する盗掘集団がいると?」

 

 急遽招集された仮総統府でキーリング参謀総長がタランに問うがデスラーが視線を向ける。その表情は俄に信じがたいとしていたがそれはタランや他の将軍達も同様であった。

 

「参謀総長、私の報告では不服かな? 私はスターシアから直に聞いたのだよ」

「い、いえそうではありません……」

「いや構わない。確かにガミラス星のガミラシウムを狙う集団はマゼラン星域の中ではまずいないだろう」

 

 マゼラン星域の覇権を担っていた大ガミラス帝星だがその地下資源を狙う盗人はガミラスが健在の時は誰もいなかったのは事実である。

 

「反ガミラス派閥の艦艇を調べましたがこの艦艇はデータベース上は存在していません」

「……では……」

「我々が遭遇した事ない新たなる敵だろう」

 

 デスラーはそう断言したのである。

 

「タラン、直ちに直卒艦隊の出撃準備に掛かれ」

「はッ!!」

「キーリング、君は引き継ぎ避難民の移送に当たれ。残っている警務艦隊を上手く使うのだ。必要であればヒステンバーガーを呼び戻せ。ディッツの艦隊だけでも何とかなるだろう」

「ザー・ベルク!!」

「……タラン」

「はッ」

「この事態……地球に知らせるべきか?」

『……………』

 

 デスラーの言葉にタランやキーリングは悩んだ。もし知らせても地球がそれを貸しに何やら言ってくる可能性もあるのだ。

 なお、地球ーー防衛軍からしたら「バッカ、そんな要求するなら艦隊の復活に力を注ぐっての」だろう。

 だがそんな事は知らないガミラス首脳陣はどうするか悩んだがタランは思い付いたように口を開いた。

 

「ならば……バレルを通じて警戒をするようにしては如何でしょう?」

「フム……警戒をか……」

「もしかすれば奴等は地球を狙うかもしれません。その為の事であれば……」

「……分かった。そのように伝えよ」

「はッ!!」

 

 斯くしてガミラスの盗掘の件についてはバレル大使も頭を悩ますのである。

 

「……どう伝えれば……」

「普通に三好長官にお伝えすれば宜しいのでは? 少なくとも三好長官は其なりの便宜を行うと思います」

「ウム……それはそうだろう。だが他の者がどう思うか……」

「……それも心配ないのでは?」

「何故そう思うのかね?」

 

 バレルは対応しているメルダに問う。

 

「三好長官の傍にいる藤堂副長官と芹沢参謀長は三好長官側ですので……」

「まぁ確かに……ならば言ってみるのも手か」

 

 そう言ってバレル大使は通信機を操作して正信との緊急の会談に臨むのである。

 

『分かりました。ならば我々も選りすぐりの艦艇を選抜して派遣艦隊の創設に当たります』

「宜しいのですか?」

『過去にいがみ合いはありましたが今の我々は関係修復の最中です。借りを作るとかではありません。仁義に悖るモノです』

 

 それは日本人の価値観かもしれない。これが外国ーーアメリカやヨーロッパの人間が防衛軍司令長官なら動かなかったかもしれない。

 だが正信は日本人でありかつて日本を救った一族の血筋を引く者の一人だ。

 だからこそ正信は手を差し伸べたのである。

 

「……感謝します」

 

 バレルは正信に頭を下げて通信を切るのである。

 

『というわけで艦隊を派遣する』

「それは分かりましたがどの艦艇を派遣するので?」

『無論、お前が選んで向かえ』

(また俺に押し付けるぅ)

『というよりカールセンとパエッタの艦隊までは出せないだろう』

「だろうな三好長官」

「第十一番惑星を無傷で取り返しはしましたがガトランティスが来ないとは言い切れませんからな」

 

 『タイタン』基地で将和とカールセン、パエッタの両少将は防衛軍司令部と通信をしていた。

 

『一応、長期航海になるから補給艦を2隻は出すぞ』

「あの戦艦を改装した……?」

 

 これまで補給艦は民間輸送船を改装したものが就役して防衛軍司令部直卒であった。しかし、武装強化等を目的に建造中であった『ドレッドノート』級2隻を補給武装艦として再就役させたのである。

 それぞれ艦名は『サクラメント』『速吸』と名付けられ火星沖で完熟訓練中であった。

 

「ですが艦艇はそこまで派遣はさせません」

『フム……具体的には?』

「今送ります」

 

 将和はタブレットを操作して正信に送信する。

 

 

 派遣艦隊

 

 旗艦『伊勢』

 戦艦

 『伊勢』『メリーランド』『ロイヤル・オーク』

 航空戦艦

 『日向』『サラトガ』

 巡洋艦

 『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』

 パトロール艦

 『天塩』『足摺』『襟裳』『デンバー』

 補給艦

 『速吸』『サクラメント』(臨時追加)

 

『……駆逐艦は出さないと?』

「駆逐艦は足が短いので。それにワープ機能も制限されますしパトロール艦以上の艦艇で占めさせているのもそれが理由です」

『フム……空母は出さなくてもいいのかね?』

「航空戦艦の2隻を投入していますし『伊勢』『メリーランド』の飛行隊も入れたら100機近くにはなるので良いかなと……」

『良し分かった。ただ、万が一もあるから『サクラメント』も連れていけ』

「分かりました。それと自分が行く間の艦隊司令官には誰が……?」

『あぁ……モートン少将に任せる事にした』

「成る程。モートン少将ですか」

 

 ライアネル・モートン少将、ガミラス戦役からの軍人であり白色彗星戦役でも欧州艦隊の第四艦隊副司令官として参戦、その後の残存艦艇での突撃時は乗艦が大破した事もありガニメデ基地に残らざるを得なかった。

 その後は火星基地司令官をしていたがこの度の異動で第二艦隊司令官に就任する事になったのだ。

 

「分かりました。それなら心置きなく行ってきます」

『ん。それと将和』

「はい?」

『将和……生きて帰れよ。この戦いで死ぬには馬鹿馬鹿し過ぎる戦いだ』

「……無論だよ親父。俺は少なくとも最期は畳の上で死ぬと決めてるからな」

『フハハハ、なら良い。じゃあな』

「はいっ」

 

 二人は互いに敬礼をして通信を切るのであった。

 

「カールセン司令、モートン少将が来るまではお願いします」

「任せておけ。ついでだから鍛えておいてやる」

「ハハハ……お手柔らかにお願いします」

 

 数日後、戦艦『エジンコート』に乗艦したモートン少将が『タイタン』基地に来訪し司令官の引き継ぎを行ったのである。また、『伊勢』にも新乗組員達が乗艦するのである。

 

「後はお願いします」

「ウム。艦隊の事は任せてくれ」

 

 二人は互いに敬礼をし将和は退出するのであった。そして『伊勢』艦橋に登るが何故かそこにはメルダがいた。

 

「ディッツ大尉、何用だ?」

「バレル大使からも許可を貰っている。ご同行を頼みたい」

 

 メルダはそう言って頭を下げる。将和としてはどっちでも良かったが山本の気も晴れるかもしれないと思い乗艦を許可するのである。なお、ツヴァルケも『伊勢』に搭載される事になる。

 そこへ新乗組員代表として機関士がやってきた。

 

(ん? あいつは……)

「ほ、報告します!! 徳川機関兵長以下48名。只今『伊勢』に着任しました!!」

「……そうか、徳川さんの息子か」

「は、はい。次男です」

 

 機関長の山崎がジロリと徳川を睨むと徳川は震える。

 

「分かった、俺がしっかりと鍛えてやる」

「は、はい!! お願いします!!」

 

 太助は山崎の言葉にそう言って下がるのである。

 

「司令、発進準備完了しました」

「ん……派遣艦隊全艦発進せよ」

 

 そして派遣艦隊は『伊勢』から順に発進していくのである。

 

「……そういやトチローはどうしたっけ? まだ『エンケラドゥス』だったよな?」

「そう言えば……あぁ、予定では太陽系外縁のオールトの雲にいるわね」

「オールトの雲に? 何でまた……」

「修理と改装を終わらせた『雪風』を試運転で行ったらしいわ」

 

 将和の言葉に薫はそう報告する。

 

「…………………………」

「……トチローも序でに拾うか」

 

 技師長席に座るスカリエッティが将和に視線を向けていたので将和もそうする事にしたのだ。

 決してスカリエッティの表情が『娘を拾え、娘を拾え、娘を拾え』としていたわけではない……筈多分。

 

「よし、島。航路をオールトの雲に行くように設定してくれ」

「了解」

 

 将和の言葉に航海長の島は頷き、経路はオールトの雲に向かうようされたのである。

 

 

 

 

 

 

 




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