『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第二十七話

 

 

 

 

 

「それじゃあ皆も集まった事やしイスカンダルへの航路について説明をする」

 

 将和はスカリエッティ達らを作戦室に集めて説明をする。

 

「目標星域はイスカンダルとガミラス星。まぁ怪しい盗掘船団がいるからという理由もあるが名目上はイスカンダルの表敬だな」

「新たなる敵……というヤツか」

「暫くは勘弁してほしいんだがな……だがそうもイカンのが現実というヤツだな。そこで今回は連続ワープのテストも兼ねる」

「連続ワープ?」

「ガミラスとの技術協定で超ワープ機関の開発が進んでね。連続ワープの使用も可能になったんだよ」

 

 島の問いかけにスカリエッティが補足する。

 

「ただまだテストはしていないから今回で……という事だろ?」

「まぁな」

 

 スカリエッティの問いに将和は頷く。

 

「ただ、何隻かの艦艇は超ワープ機関を搭載していない。そこが問題なんだが……」

「簡単な事だ、引っ張りゃいいんだ」

「何?」

 

 そこへ口を挟んだのはトチローだった。トチローはスカリエッティに視線を向ける。

 

「スカさん、同調型の空間偏向弁は余ってるのかい?」

「空間偏向弁かい? 確か波動砲に使うタキオン粒子収束筒用のストックパーツが幾つか余ってるな」

「エネルギーバイパスの予備は?」

「それも充分だが……成る程。そういう事か」

 

 トチローの言葉にスカリエッティがニヤリと笑う。流石の将和も分からず首を傾げる。

 

「どういう事だトチロー?」

「今回は急ぎの旅だろ? 本格的な超ワープデバイスの搭載とか波動エンジンの改良なんかやってたら間に合わない……じゃあそのまま使えばいいんだよ。ちょっとだけ弄ってな」

「弄る?」

「あぁ。超ワープ機関を今すぐ一つに纏めて完成させようとするのが間違いなんだ。だけどよ、二つでなら簡単だぜ」

「そう、トチローが言うのは曳航型にするんだ」

「曳航型……」

「超ワープ機関搭載の艦を先にワープさせてその艦が作り出す空間歪曲口に同調させた艦艇を送り込むのだよ。紐で手繰り寄せるに正確なワープも可能になるって事なんだよ」

「そういう事だな。先導して空間の穴を曳航する無人艦なら『雪風』がいるさ。歪曲された空間の深遠……遥かイスカンダルにいる守の元までちゃんと引っ張って行ってくれるさ。何しろアイツの船だ……」

「成る程な……」

「……ちょっとさっぱりですがやれるって事ですな」

 

 トチローの言葉に山崎機関長は頷く。

 

「トチローとスカさん、どれくらいでやれそうだ?」

「まぁ……各艦でなら……二時間ありゃやれるぞ」

「よし分かった。作業はトチローとスカさんらに任せる。艦隊はそのまま改装が終了するまで待機とする。改装が完了次第、艦隊は連続ワープに移行する」

『ハッ!!』

 

 艦隊の方針は決まった。艦隊はオールトの雲で引き継ぎ待機して超ワープ機関の同調等の作業を開始する。

 

「さて、少し休憩とするか……島、此処は頼む」

「了解しました」

「……………」

 

 艦橋には将和らがいたが将和も少しだけ休憩をしようとしたのだ。艦橋の事は島に託して将和は艦長室に戻るのである。そしてそれを薫は視線で追っていた。

 

 

 

 

 

「流石に艦橋ではコーヒーを飲めんしな……」

「将和君」

 

 艦長室に戻る廊下、将和はテクテクと歩きながらコーヒーの準備でもしようとしていた。そこへ薫が後から追いかけてきた。

 

「ん? どうした薫?」

「……………」

 

 将和の言葉に薫は無言で抱きついたのである。咄嗟の事だったが将和は薫の意図を理解して抱き締める。

 

「……そういや最近は中々二人きりになれなかったな。済まん」

「良いのよ……仕事だからね。でも私も嫉妬持ちなんだなと改めて思ったわ」

「……むしろ気付いてなかったのか? 防大の時の古代と真田のやり取りをいつも左右から聞いていた癖に……」

「あ、あれはまだそこまで古代君の事とか……んっ」

 

 将和の指摘に薫は顔を紅く染めつつ反論するがそれを将和はキスをする事で防いだのである。薫は両手を将和の頭に回して深くキスを求める。ふと目を明けて廊下の隅を見たら誰かいた気配がした。目を凝らして見るとそこにはパイロットのジャケットを着た山本が目を見開いて将和と薫のキスを見ていたのである。

 

「………ッ………」

 

 山本は薫と視線が合い、そのままゆっくりと後退してそのまま小走りで逃げ出す。薫は逃げていく山本にフッと笑みを浮かべる。

 

「どうした?」

「いえ……何でもないわ。それと今は此処だけにしとくわ」

「良いのか?」

「だって……貴方、短時間で終わるのかしら?」

「……………………」

 

 薫の指摘に将和は気まずそうに視線を逸らすのである。その後、薫は将和と別れた後、山本を探しに行くのである。

 

「え、隊長ですか? そういや見てないですねぇ……椎名、隊長をどっかで見たか?」

「そう言えば……さっきコスモタイガーのところにいましたよ」

「そう……ありがとうね」

 

 薫は坂本と椎名に礼を言って格納庫に向かう。格納庫には16機のコスモタイガー2が翼を休めていたが山本の愛機は直ぐに見つかった。彼女の機体の尾翼は黄色でカラーリングされているからだ。

 

「こんなところでサボりかしら?」

「……………」

 

 薫が空いている風防を覗くとそこにはパイロット席にチョコンと座って丸まる山本がそこにいた。

 

「……何か……?」

「そんな睨まないで……別にどうこうしようというわけじゃないんだから」

 

 薫はそう言って山本に正対する。

 

「好きなんでしょ? ………三好将和の事を……?」

「…………………………………」

 

 薫はそう言い、長い沈黙の末で山本は無言で頷いたのである。それを見た薫は笑みを浮かべる。

 

「じゃあ良いじゃない」

「えっ……?」

 

 薫の言葉に山本は目を見開く。彼女は何を言っているのだろうか?

 

「私も彼の事は好き、大好きかな。でも彼……時々、遠くを見つめるのよ。遠く、遠くをね……」

「………………」

「だから理解したの。彼、私の事も好きだけど、本来は別の好きな人がいるのかもしれないって。最初、そう思った時は勿論嫉妬したわ。でも彼が私の事も愛してくれるのは事実。だから私も彼の事をもっと理解しようと思って……まぁ他の子が手を出すのは容認しても良いかなってね♪」

「て、手を出すって……」

「あら、生物学的に優秀な雄が多くの雌に子孫を残すのは重要だと思うわよ?」

「~~~ッ」

 

 薫の子孫を残すという言葉を理解した山本が顔を真っ赤にしてアタフタする。

 

「あら、じゃあ私が独占しておくわよ?」

「……………………………………困ります」

 

 長い沈黙の末、山本はそう答えを出す。それを聞いた薫は微笑む。

 

「宜しい。なら今夜辺り一緒に艦長室にでも行く?」

「か、か、か、艦長室に……」

「あら、さっきは廊下にいたじゃない」

「そ、それは……(食堂にでもと思っていたけど……)」

 

 薫の言葉に山本は反論する事が出来ずゴニョゴニョ言うだけだった。

 

「分かったわ。じゃあ今度……ね♪」

「……………………はい………」

(よし、これでそうなった時は多少の回復は出来るわ!! 後はもう一、二人くらい……)

 

 主導権は薫にあると山本はそう感じるのであったが内心の薫は悪魔の表情をしているのは言うまでもない。

 

「ブェックシュン!! ブェックシュン!! ……誰か俺の噂でもしてるんか?」

 

 艦長室でコーヒーを飲んでいた将和は突然のくしゃみにそう呟くのであった。

 

 

 

 




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