『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第二十八話

 

 

 

 

 

「司令、全艦艇同調の準備整いました」

「ん。先に『雪風』をワープさせよ」

「了解だぜッ」

 

 トチローが機械を操作して『伊勢』の左舷にいた『雪風』はワープしたのである。

 

「これでOKだ。後はワープアウトした『雪風』から空間座標のデータを送ってもらえば完璧だ」

「よし、『雪風』からのデータが届き次第連続ワープに移行する」

 

 その後、『雪風』から空間座標のデータが届いたので全艦にデータを送り艦隊はそのまま連続ワープに移行するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロノ君」

「あぁ、はやてか」

「脱獄したスカリエッティ達……まだ見つからんの?」

「あぁ……残念だが手掛かりが何も無いのが現状だな……」

 

 第一世界『ミッドチルダ』にある時空管理局の本局でたまたま用事があったクロノ・ハラオウンは呼び止められた八神はやてと話す。

 

「けどなぁ……管理局の中からの協力者もいたとはなぁ……」

「あぁ……時空管理局も一枚岩では無いと証明されてしまったよ」

 

 クロノは溜め息を吐いた。スカリエッティ達が脱獄した時、管理局からも手引きした者数人が検挙されていた。何れも闇に手を染めていた者達であり何れは司法の下で処罰は下されるだろうとクロノ達は踏んでいた。

 

「それにマスコミやら一般市民の声も管理局への疑心も強くなってきてもうたなぁ……」

「スカリエッティらを脱獄させたからな。奴等を逮捕するまでは沈静化も難しい……かもな」

 

 クロノはそう言って何度目か分からない溜め息を吐いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブェックシュン!! ブェックシュン!!」

「汚ッ!? 風邪かスカさん?」

「ズズッ……おかしいな……私は風邪やらは引かない筈なんだがな……」

「じゃあスカさんの悪口でも言ってるんじゃないか?」

「むぅ……管理局には心当たりが多すぎて誰かまでは分からない」

「おいこら。多分エースオブエースやプロジェクトFの人じゃないのか?」

「……だろうなぁ……(何と……将和はそこまで知っていたのか)」

 

 一応はウーノからも将和の正体は聞かされていたし将和もスカリエッティとの飲み会で喋ってはいたからスカリエッティも知ってはいたがそこまで知っているとは思ってもみなかったのだ。

 

(だが……それでこそ将和は……この男は面白い人間だ)

(……まーた良からぬ事を考えてそうだなスカさん……)

 

 そう笑みを浮かべるスカリエッティだが将和は違う事を考えているのであった。

 

「取り敢えずは連続ワープは成功……でいいな」

「はい、目標のα星『ベテルギウス』です」

 

 艦隊の左舷にはα星『ベテルギウス』が存在していた。

 

「予定航路との誤差、0.0021。オリオン・α星系に到着です」

「後続艦にも異状なし。全艦のワープアウトを確認しました」

「ん」

「艦長、念のため波動エンジンの停止をお願いします」

「ん。機関長、機関停止」

「了解しました。出力制御弁閉鎖、波動エンジン停止」

 

 だが『伊勢』は停止する事なく航行している。流石に不審に思ったのか山崎機関長は機関室に声をかける。

 

「おい、停止だ。聞こえんのか!?」

『は、はいィィィッ!?』

 

 その声に押されて『伊勢』は停止するがガクガクッと揺れたのである。

 

「馬鹿モン!! まずは制御弁だ、制御弁!! 順番を間違えるな!!」

『はいぃぃぃ!! 了解、制御弁閉鎖!!』

 

 機関室にいる徳川の声が聞こえるが焦っている様子なのは間違いない。

 

「機関停止もロクに出来んのか徳川!? 全く親父さんが見てたら泣くところだぞ!!」

『はいぃぃぃ!!』

 

 

 

 

 

 機関室では徳川達新人達が奮闘していた。

 

『親父さんが見てたら泣くところだぞ!!』

「はいぃぃぃ!! たくっ、いちいち親父親父と言われたんじゃかなわないなぁ……」

『何ィ!? 何か言ったか!?』

「い、いえ!! 別に……」

 

 山崎にどやされながらも何とか作業をする徳川であった。

 

「いや、監督不行き届きで全くお恥ずかしい……。機関部の者には後で厳しく言っておきます」

「構わんよ機関長。俺達も最初はあんなものだったよ」

 

 謝る山崎機関長に将和はそう言う。

 

「しかしスゴいモノだな。500光年の距離を10分も掛からずに来てしまったな……」

 

 α星を見ながらトーレは唸るように呟いたがスカリエッティも頷いた。

 

「ウム。一先ずは成功のようだが……簡単に安心するわけにはいかないな。各艦艇とも見た目は無事かもしれないが超ワープで何か影響を及ぼしていないかちゃんと調べないといけないしな」

「分かったスカさん。頼むよ」

 

 そう言って将和は艦長席に座るが、何か思い出した。

 

(そういや……確かゲームだとこのα星に暗黒星団帝国艦隊がいたような……)

 

 その時、パトロール艦『天塩』から通信連絡が入った。

 

「パトロール艦『天塩』より緊急連絡です!!」

「ん、メインパネルに切り替えろ」

『此方パトロール艦『天塩』です。α星の向こう側に大きなエネルギー反応を捉えました』

「何?(早速かよ……)」

「α星の重力レンズ効果で星が放出するエネルギーが屈折して見えているだけじゃないのか?」

『違います。エネルギー源が移動しているんです。もうすぐα星の陰から出てきます』

「艦長、此方のレーダーでも今捉えました」

「よし、α星に映像を切り替えろ」

 

 レーダー手もそう答えた。そしてメインパネルにα星を映し出すが何かが見えてきた。

 

「何だあれは……?」

「黒い……モヤのような……ガスのような……」

「もしかして……『ヤマト』がイスカンダルに行った時にこのα星で戦ったガス生命体の生き残りか?」

 

 トーレの呟きに将和は首を傾げるがスカリエッティは機器を操作して分析をしていた。

 

「空間スキャナーでも捉えたぞ。凄いエネルギー密度だな……だが生命反応は感じない。ガス生命体ではない……そうか、これは暗黒物質で出来た原始星そのものだな」

「原始星かよ……」

 

 スカリエッティの報告に将和は唖然とする。島達もその言葉に騒然としていた。

 

「確か『ヤマト』の航海は数年前の筈……高々数年でこれだけの自然現象は起こる筈はない……明らかに人為的なものだ」

「……まさかと思うけど……ガミラスかな?」

「移民に忙しいガミラスが此処まで来てやるわけないだろ」

「じゃあガトランティス」

「アイツらなら艦隊を率いて地球に直で来る」

 

 セッテの言葉に将和はそう答えた。そこへスカリエッティが更に口を開いた。

 

「皆、見てくれ。α星ベテルギウスのエネルギーがあの暗黒原始星に次々と吸い込まれていっている」

 

 映像では暗黒原始星にベテルギウスのエネルギーが吸われていた。そこへ薫が叫ぶ。

 

「ちょっと待って!! あの暗黒物質周囲に艦影を捕捉したわ!! しかも強力な磁力線がその艦隊から暗黒物質へ、そしてベテルギウスに向けて放射されているわ!!」

「採掘……しているのか……。将和、あの艦隊はベテルギウスからエネルギー資源を抜き出そうとしているんだ。そして……これは少し厄介だぞ」

「厄介というのは?(ゲームしてたから覚えているな……確か……)」

 

 将和はスカリエッティの言葉を聞きながら思い出そうとしていた。

 

「将和、このままではベテルギウスはエネルギーバランスを崩して何万年も早くに超新星化してしまう。しかもただの超新星爆発じゃなくてハイパーノヴァだな」

「ドクター、ハイパーノヴァというのは?」

「極超新星とも言われている。所謂超新星爆発の10倍以上の爆発エネルギーを持つものだよ。普通の恒星は寿命を終えると超新星爆発を起こして星間ガスへと還るが……皆で例えると太陽の30倍以上の大きさを持つ恒星はケタ違いの大爆発を起こす可能性があるのだよ」

「うひゃぁ……」

「それがハイパーノヴァだ。確か地球にいる時に天文学者の資料を見たが……地球から3000光年以内でハイパーノヴァが起これば地球は壊滅的被害を被るだろうと書いていたな。しかもベテルギウスは太陽系からたったの500光年しか離れていないからな……そしてベテルギウスは直径だけでも太陽の500倍以上、比重が軽いとはいえ質量比でも優に数10倍……という事からベテルギウスはハイパーノヴァを充分に起こしうる超巨星だな」

「嘘だろ……」

 

 スカリエッティの報告に島達は唖然とする。

 

「ならばあの艦隊は……」

「まぁ……他の星系の生命体の事など意に介さない。傲慢な資源採取の手段も同じだな」

「ウーノ、あの艦隊に電文を入れろ。エネルギーの採掘中止の電文だ」

「了解しました」

 

 ウーノは直ぐに通信機器を操作する。

 

「全艦に通達。臨戦態勢を整えろ」

 

 斯くして艦隊は臨戦態勢に移行するのであった。

 

 

 

 

 




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